大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣記者会見録(平成27年12月3日(木)14:30 ~ 14:43 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)本日、福島県へ出張し、福島復興再生総局幹部会合に出席してまいりました。会議では、福島環境再生事務所と福島復興局・原子力災害現地対策本部から取組状況の報告を受け、復興大臣をはじめ、関係省庁副大臣と意見交換を行いました。その中で、私からも環境省の取組状況につき報告させていただくとともに、復興・復旧のための取組への協力を関係省庁に対してお願いさせていただいたところです。今後とも、関係省庁と密接に連絡を取りながら、全力で取り組んでいきたいと思います。
 千葉県における指定廃棄物の処理につきましては、今年の4月24日に、長期管理施設の詳細調査候補地を公表し、その後、千葉市当局や千葉市議会、千葉市の方々に対して、選定の経緯等について説明を行ってまいりました。その中で、今年の6月8日に、千葉市議会において、千葉市内での指定廃棄物処分場候補地選定について再協議を求める決議が採択され、その後、千葉市議会の正副議長及び千葉市長から、排出自治体内での保管を行うための再協議について、申し入れをいただいたところです。頂いた千葉市、千葉市議会からの申し入れにつきましては、大変重いものであり、慎重に検討を進めてきたため、回答までに時間を要していることについて、大変申し訳なく思います。環境省としましては、これらの申し入れに対し、近々、千葉市及び千葉市議会に対して回答すべく、検討結果を整理しているところですので、その旨お知らせいたします。なお、回答に当たりましては、私が千葉市及び千葉市議会を訪問することを考えており、市や市議会と調整を行い、具体的な日時等が決まった段階で、改めてお知らせいたします。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の小坪です。幹事社から2点お伺いします。1点目が福島県のエコテッククリーンセンターが計画の受け入れに向けて、かなりの前進も見られると思っておりますが、率直にこの受け止めと、またこの計画が進むことの他県への波及効果、その他期待できることを教えてください。
(副大臣)福島県の指定廃棄物のエコテックの活用ということでは地元のご理解をいただいて、いよいよ受け入れをしていただくということを期待しているところでございます。そういう意味では最も被害が大きくて指定廃棄物の量も多い福島県が受け入れていただくということですから、ぜひ他の5県の方も県民のためにしっかり処分場を造って処理をしていくということが非常に重要であるということについてご理解をそれぞれいただければ有り難いと思います。
(問)先ほど千葉の話もありましたけれども、宮城県では年内にも市町村長会議を開いていただければという話があったところなんですが、こちらの進捗、見通しはどうなっていますでしょうか。
(副大臣)宮城県で市町村長会議をぜひやらせていただきたいということでお願いをしているところです。今、それぞれ県も市町村も12月議会などもありますから、そういった日程を調整いただいて、その中でなるべく早く開催をしていただくということでお願いをしているところです。

(問)千葉日報の石井です。先ほど発言にありました千葉市議会の報告なのですが、近々にというこの12月議会中に報告に行きたいという理解でよろしいでしょうか。
(副大臣)そこは先方のご都合もあると思いますので、しっかりと調整をして、ただ既に6月から随分たっておりますので、我々としてはなるべく早くお願いをしたいと思います。
(問)検討が6月から12月、約半年もたっていますが、その原因はどこにあると思いますか。
(副大臣)非常に重要な申し入れだと思っておりますし、しっかり責任のある回答をしなければいけないということで、いろいろと津波とか液状化への心配とかありましたので、安全性についても科学的な見地から、充分に時間をかけて検討すべきだということで今までやってきたということです。
(問)念のために確認なのですが、環境省は各県1カ所の方針は崩していなかったと思うのですが、現時点で井上副大臣としてこの考えについては何か変化はありますか。
(副大臣)それはありません。是非お願いしたいと思っております。
(問)千葉市の市長さんは分散保管を認めるような表現の申し入れをされているのですが、これについても回答されるわけですけれども、これについての回答は。
(副大臣)回答の中身については、まずは市長さんにお返ししなければいけないわけですから、この場では回答は差し控えさせてもらいます。

(問)共同通信の阿部です。エコテックの関係なのですが、自治体の方向性としては出つつあると思うのですが、特に楢葉の搬入路の周辺の住民の方はまだ反対の声が多く聞かれるのですが、そのあたりは今後対応はどのようにお考えでしょうか。
(副大臣)やはり地元の住民の皆様のご理解とご協力というのは不可欠だと思っております。ですからしっかり住民の方々にこれからも丁寧に説明を尽くしていくということだと思っております。その上で町として県としてしっかり判断をしてもらいたいと思っております。
(問)具体的に何か説明の方策というのはお考えはありますか。
(副大臣)現時点では特に決まったものはありませんけれども、これから個別に訪問させていただいたり、住民説明会も必要があればやっていこうと思っております。

(問)日本テレビの杜です。宮城のことなのですが、市町村長会議を開くということで仮にそこで候補地返上、白紙撤回のような形で市町村長会議の総意が決まった場合に環境省としてのスタンスは変わらず、一カ所に造りたいと言い続けていくという理解でよろしいでしょうか。
(副大臣)それは会議ですから開いてみなければわからないということだと思いますけれども、我々としてはしっかりと環境省の方針というのを丁寧に説明して理解をいただく努力をしていくということだと思います。
(問)丸川大臣は出席されないという意向を示されていまして、地元の首長からは大臣に来てほしいということもあるわけですけれども、仮に大臣が出ないとなると副大臣が表に立って仕切る形になるのですけれども、そのあたりはどのように受け止めていらっしゃいますか。
(副大臣)大臣には大臣のお考えがあると思います。その中で私に行ってもらいたいと言われておりますから、当然のことながら大臣としっかりとご相談をして対応を考えて臨みたいと思っております。
(問)先ほど千葉のお話で分散保管を求める申し入れに対する回答を近々にするということでしたけれども、一方で5県の中で茨城では分散保管が望ましいのではないかという議論がずっと続いていて、4月からもう1年近く何も動きが無いということで、茨城に関しての現在の調整状況というのはどのような形でしょうか。
(副大臣)福島プラス5県ということでありますから、どうしてもそれぞれの県によって進捗状況に差があるというのは事実だと思っております。私自身も再任されてからまだ2ヶ月近くですので、その数ヶ月の間の話というふうに聞かれると答えにくいのですが、再任されてからそれぞれの県、なるべく早くどんどん進めていかなければいけないということで、それぞれの県を進めていく努力をしているところなので、茨城についてもこれからしっかり進められるように取り組みたいと思っております。
(問)確認になるのですが、基本的には各県、とくに5県の1カ所で造りたいけれども、ただ県によって事情が違うから、そのへんはフレキシビリティを持って対応するという考え方でよろしいですか。
(副大臣)これは市町村長会議のときからそうなのですが、環境省としていわば全県共通のしっかりしたルールというのを定めた上で一定の県による自由度を持たせるという形でやっておりますので、それぞれ県によって事情も違うし、住民の意向も違いますし、そういったことはなるべく反映したいと思っております。

(問)河北新報の門田ですけれども、フクシマエコテックが目処が立ってきましたけれども、その福島と他の5県なかなか進みませんけれども、その違いは副大臣はどのようにお考えでしょうか。進捗状況に違いがはっきりと出てしまっていますが、背景にあるものはどのように思っていらっしゃいますでしょうか。
(副大臣)もちろん、10万ベクレル以上はエコテックではなく中間貯蔵施設に持って行くということなど、実際の内容も違うということは当然あると思います。しかし逆に言えば先ほど申し上げたように、濃度が高く、量も多く、また一番被害を受けられている福島の方々がまだ受け入れまでいっていませんが、もし受け入れていただくということであれば、それは本当に有り難いことだと思っています。ですからそういう意味では他の県の方々がどうお思いなのかというのは私の口から言うことでは無いと思いますけれども、やはりそういうことを考えて是非それぞれの県でも対応していただいきたいと思っております。