大臣談話・大臣記者会見要旨

小里副大臣記者会見録(平成27年9月24日(木) 16:21 ~ 16:39 於:合同庁舎5号館25階会見室)

質疑応答

(問)読売新聞の野崎です。大きく2つあって、1つ目が福島県飯舘村の除染現場から流れた袋の関係で流出といった事態が、今後起こらないようにどのような策を講じていかれるお考えかということと、先週、回収作業中に作業員が取り残されてしまうという事態が起きたのですが、現場での安全対策についても伺いたいと思います。
(副大臣)まず再発防止策としていくつか観点があるのですが、1つには、各自治体のハザードマップ等において浸水に注意を要するエリアを特定し、それらについては優先的に、仮置場等への搬出を進めると。タグ付け及びデータベースへの登録を行い、数の把握と管理を徹底していくということに繋がります。また、豪雨や出水が予想される場合には、浸水注意エリアに置かれている袋について、高台等への移転又は固定等の措置を講ずることとします。さらに、元請け受注者は、下請け業者から毎日、袋詰めした数等の報告を受け、集計することとします。加えて、豪雨等の自然災害の対応に当たって、第三者及び除染等作業員等の人命の安全確保をすべてに優先させることを徹底します。この再発防止策については、受注者に対し、直ちに福島環境再生事務所から伝達をし、指示をしております。飯舘村の事案に限らず、全ての除染等工事受注者に伝達し、防災体制の確立を指示しました。
 行方不明者の話ですが、一時心配しましたけれども、全員の無事が確認されまして、安堵はしたところでございました。いろいろな関係機関の皆さんに大変ご心配、ご迷惑をお掛けし、お詫びを申し上げるとともに感謝を申し上げたいと思います。
 環境省としては、安全を確保した上で作業を進めるよう受注者に繰り返し要請していましたが、なぜこのような事態が生じたのかについて、受注者から情報収集をし、検証を進めているところです。なお、今回の事態を受け、危険な作業は行わない旨、改めて全受注者に徹底するよう、先週大臣から事務方に指示がなされているところであり、既に事務方において対応していると聞いております。
(問)2点目に少し話が変わるのですが、時間が少し過ぎてしまったのですが、今月就任1年が過ぎたのでご所感を伺いたいということと、来月上旬に内閣改造という話があるのですが、副大臣をまだまだやりたいというお考えがあるかどうかお聞かせください。
(副大臣)本当に早いものだなと思いますけれども、いろいろな事案がありまして、それぞれ一心不乱に取り組んできたという思いはあります。ただ福島県内は、特に放射性物質汚染廃棄物の処理にあたりましては極めて事態が深刻でありますし、地域の皆様の意識、思いというものを受け止めながら、そしてご協力をいただきながら、不十分ではありましょうけれども、なんとか進んでいるなという思いはあります。一方で、他県の指定廃棄物についてはなかなか思うように進まないなと、想像以上の困難を痛感しながらここまでやってきたところであります。原子力防災の仕事も大きな柱としてありますが、福島の原発事故がありましたから、二度とああいった事故をおこしてはならないという一念の下に取り組んできたわけであります。いざという時の事故に備えた避難計画の策定、避難訓練、防災訓練の実施等も携わってきたところであります。これもまだまだ道半ばであります。もとより防災体制というのは常に進化を遂げていかなければならない、充実をさせていかなければならないという思いで取り組んでまいりました。今後とも更にしっかりと中身を充実させ、国民の皆様の安心・安全の確立に努めていきたいと思っております。
 今後のことですけれども、よく東北をまわる時に、どうせ副大臣はそのうち辞めるんでしょ、ということを言われます。そういう度に申し上げてきたことですけれども、このような仕事に携わった以上は、地域の皆様には生涯向き合っていきたいと思っております。本来、国会議員としていろいろな仕事をやってきているわけですけれども、この災害対策という仕事は奇しくも私にとってはライフワークとなっておりまして、阪神淡路の時から東日本大震災、野党時代も含めて、地元も災害県でありますから、それぞれ取り組んでまいりました。今回、携わってきた東北の課題につきましても、ライフワークとして立場はどう変わっても生涯これに取り組んでまいりたいと思っております。

(問)下野新聞の須藤です。よろしくお願いします。栃木県の指定廃棄物についてお伺いします。台風18号に伴う水害を受けましたが、大雨の後に塩谷町の詳細調査候補地に入られまして、被害がないことを確認されたと思いますが、一方で住民サイドの方から、撮影した動画などを基に冠水したということで、適地ではないと主張しております。副大臣はどのように受け止められておりますでしょうか。
(副大臣)環境省職員も当時現地に行きまして、確認をしているわけです。冠水の確認はなかったという報告を受けております。これからさらに地域の皆さまの不安と疑問の声をしっかりと受け止めながら、進めていきたいと思っております。詳細調査と並行して気になるところも更に詰めていく必要もあろうと思います。粘り強く進めてまいります。

(問)日本テレビの杜です。先ほどの質問の中で、この1年間を振り返って、福島では少しずつ進んでいるけれども、指定廃を抱えている5県は想像以上に困難であるとおっしゃっていたのが印象的だったのですが、想像以上に困難だったというのはどういうところに原因があるとお考えでしょうか。抽象的な質問になってしまいますが。
(副大臣)それぞれの県に置くべきということや、造るべき施設については全体としては必要性は理解いただいていると思いますが、当該詳細調査候補地に行くと御心配されるわけであります。もとより産業廃棄物処理施設等についてもそうですが、この種の施設、特に今回は地域にとっての心配を生む要素というのは大きいわけです。したがって、従来思っていたよりも、地域の方々は心配をされるのだなということを痛感しながら取り組んでまいりました。
(問)環境省としては丁寧な説明をする努力を重ねていくということで、地元側は最初から反対なのだということで、平行線をたどっている中で、どのようなことが今後必要になってくると思いますか。
(副大臣)一生懸命、色々な機会を通じて説明は申し上げてきているつもりです。一つにはフォーラムや説明会を開催しましたし、新聞やテレビなど各媒体を通じた説明にも努めてまいりました。さらに関係者の方々と個別にお目にかかることにも努めながら、説明を心がけてきた経緯があります。中には理解をしてくださる方々もいらっしゃいますが、町全体のことになると雰囲気として反対の方が強いようです。そういったところが難しい点かと思います。それだけに粘り強く理解をいただけるように努めていくしかないと思います。それぞれの関係自治体にも申し上げていることですが、詳細調査というものはいつまでも延ばしていくわけにはいかず、雪の季節も来るわけであります。去年、雪の季節が来ると申し上げていたように記憶しておりますが、もう1年が経ってしまいました。詳細調査を進めながらも並行して、説明に努めていくということも含めてしっかりやっていきたいと思います。

(問)共同通信の阿部です。南相馬市のほうで、除染廃棄物の仮置場の民有地が返還されたというお話ですが、国の仮置場も今後どのようにするおつもりでしょうか。
(副大臣)土地改良の元々の予定をされていた地域でありまして、無理からぬ話であろうと思っております。本来、作業が遅れてきた一つの影響であります。御心配をおかけして申し訳ないと思っております。別途方法を考えてまいります。

(問)NHKの橋本です。今日で栃木や茨城の豪雨災害から2週間になりますが、現地の災害廃棄物の処理に関して職員を派遣するということをやってらっしゃいますが、今の進捗についてお聞かせください。
(副大臣)特に被害の大きかった茨城県常総市では、市内外に11箇所の仮置場を設置し、災害廃棄物の搬入が実施されており、一次仮置場の集約も開始されている状況です。一方、環境省職員による現地調査の結果、一次仮置場における分別が徹底されておらず、火災防止対策や悪臭等の環境対策が不足しており、早急な対策が必要と考えています。9月16日に発足した災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-net)も活用し、常総市に常駐者を派遣して、技術的支援を実施しているところです。昨年の広島市土砂災害等の経験を踏まえて、仮置場の確保や民間事業者の活用方策等について、具体的な支援を実施していきます。また財政支援も必要に応じてしっかりとやってまいります。