大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成25年5月10日(金)8:45 ~ 8:52 於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。私のほうから1点御報告があります。
 大熊町における中間貯蔵施設の現地調査ですが、来週の17日金曜日にボーリング調査を行います。4月23日の現地調査と同様に、マスコミの皆様方から取材をという御要望がありますので、その段取りを事務方には指示をしています。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の共同通信社の渡邉と申します。よろしくお願いします。幹事社からは2点お尋ねしたいと思います。まず1点は、昨日可決しました川口順子委員長の解任の決議だったのですけれども、政治の動きなので行政の長にお尋ねするのもちょっと恐縮ではございますけれども、委員会の審議の正常化の観点などもあろうかと思いますので、コメントがあればお願いしたいと思います。
(答)一昨日の予算委員会の委嘱審査でも質問が出ましたが、「これは参議院という二院制の中の院が、院の意思を持って決定されたことである。しかし、非常に残念なことである。」とお話をさせていただきました。今もその気持ちに変わりはありません。
(問)もう1点は、憲法改正と環境権のお話なのですけれども、改正の論議の中で環境権が俎上にあがってまいりまして、要件の緩和だけでなくいわゆるセットでの発議があってもいいのではと、それは友党を意識したのかわかりませんが、党内から、また官房長官からも可能性の言及がございました。こうした動きについて大臣がどう見てらっしゃるか。また、環境権という概念についての、大臣のどういうイメージをお持ちなのかお尋ねしたいと思います。
(答)既に官房長官の会見でも、環境問題は現行憲法ができたときには全く無かった、そういうものを憲法の中に入れるのは自然なことである、というような内閣としての見解は示された通りだと思います。幹事長時代に、平成24年の憲法改正草案のとりまとめの作業を直に経験してきた者の一人として言わせていただきますと、環境保全の義務を25条2項という形で入れていることは、皆様方の知るところだと思います。昨日も、夕方、専門家の方と議論をしましたが、気候変動が人類の生存をも脅かすような事態、特に寒暖の差という形で今年は日本の多くの方々も、気候変動の影響というものを感じられてると思います。そういう事例一つをとっても、環境権をしっかりと盛り込んでいくという意見に、私は賛同する一人です。

(問)熊本日日新聞の渡辺といいます。水俣病問題でお尋ねです。昨日9日の参議院環境委員会で、大臣、水俣病の過去の環境省の見解で、司法と行政の認定に2種類の水俣病があっても存在しても構わないんだというふうに過去に環境省はそういう立場だったというふうなことについての、所見を尋ねられたと思いますが、その際に、そこの発言の経緯とか、誰がどのような形で発言をしたかはわからないけれども、不適切な答弁という印象を持ったという答弁をされましたけれども、どういう趣旨の答弁なんでしょうかというお尋ねです。過去に環境省の立場というのは、行政の認定と司法の救済というのは、別個のものなんだというスタンスでこの数十年来ているのですけれども、昨日の答弁はどのような趣旨だったのでしょうか。
(答)20年以上前の裁判について、通告なしにどういうものだったかと聞かれても、それはお答えすることはできない。(答弁の際には、)そういう前置きをさせていただいています。私の意味は、国が裁判にもし負けたにも関わらず、行政の判断と司法の判断が食い違っても構わないのですよと、私は誰が言ったかも知りませんとはっきり申してます。誰が言ったか、言ったのが本当なのかもわかりませんけれど、もしそういう言い方をしたのであるならば、それは不適切じゃないですかという印象を述べただけです。松野先生が質問された、その裁判が何を指すかも私は存じません。
(問)ちょっとお答えがわかりづらかったのですが。
(答)要するに事前にどういう裁判があって、この裁判の内容はどうであったか、そしてそれに対して、こうこうこういう人がコメントをしているけれどどうか、という質問があれば答えられます。しかし、何もわからないわけですから、先生がもし言うことがそうであるならば、先ほども言いましたように裁判の司法の判断と行政の判断が食い違っていても構わないというようなことを言った人がいるとするならば、それは不適切だという印象を持ちましたという意味です。
(問)ちょっと納得がいかないのですけれども。不適切だったかどうかというところは、大臣のお考えは。
(答)一般論です。
(問)一般論でということなんですか。
(答)裁判の内容は知らない訳です。何のどこで誰が原告として、誰がどう訴えて、どういう裁判だという説明も一切ないわけです。それでこういうことを言っている人がいるけれども、どうですかと言われたら、それはやっぱり、行政の判断と司法の判断が食い違っても構わないという意味で、もしそういうことを言っている人がいたとするならば、それはおかしいんじゃないですか、という印象を言っただけです。

(問)朝日新聞の神田です。水俣病についてお尋ねします。判定の後、大臣の方から多角的、総合的な検討についての具体化を急ぐように指示を出されたという話があったかと思うのですが、熊本県の方では判決後に申請者を認定するかどうかについてちょっと一時的に判断を保留しているような状態もありまして、やはり急がれる必要があるのかとは思うのですけれども。その後どのように検討が進んでいるかということをお願いします。
(答)結論から申しますと、結論はまだ出ていないという報告を受けています。
(問)時期的な目処ですとか、そういうものはどのように大臣の方、考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)まだ目処はたっていません。
(問)あと、具体化のイメージなのですけれども、ガイドラインのようなもので示すというイメージなのか、何かお考えありますでしょうか。
(答)総合的、多角的に検討するということです。その検討状況がどうであるのか、もちろんこれまでの事案に対しても総合的、多角的に検討していると思うのですが、それがどうだったのかということです。したがって、もうしばらくこれは時間をいただかないと、私がいくら急げと言っても、過去の蓄積の中の時間軸もありますし、事例もたくさんありますので、私のイメージとしては、一週間後に出るとかそのような問題ではないのではないか。もちろん急がなければならないという御指摘はその通りですが、それが出るのならきっと行政の側がこれまでにやっているのではないかというような印象を持ちました。

(問)朝日新聞の中村と申します。冒頭発言のありました中間貯蔵のお話で、17日からボーリング調査を大熊で始めるということでしたけれども、町のほうに対してのお話、町の受け止め方、地権者が消費者代表者であれば同意もそのあたりも全てクリアになってスタートということでよろしいでしょうか。
(答)ある程度同意を得ている方も数多くいます。ただこれは相手のあることですので、私から今この場所でどうというようなことは発言は控えさせていただきます。
(問)あともう一カ所楢葉についても調査スタートしてましたけれども、そちらについてもボーリング調査の目処というのは、たっているのでしょうか。
(事務方)お答えいたします。楢葉につきましても、これも相手のあるお話でございますし、また役場の方と事務的に詰める事項も結構あると思っておりますので、今役場の方と一生懸命議論しているところでございます。
(答)これは大変御関心のあるテーマですので、ものが決まりましたら事務方のほうから適宜適切にブリーフィングなり、そして取材への要望に対しての御回答をしっかりいたします。

(問)NHKの横井と申します。今の関連に合わせて1点伺いたいのですけれども、楢葉町の現地調査に関しては、ボーリング調査の前に事前に住民に説明会を開くということを副大臣が仰っていたのですけれども。大熊町に関しては地元説明というのは特に予定はないのでしょうか。
(事務方)お答えいたします。やはりこれも相手がありますし、やはり役場のお考えというのもありますので、そのあたり役場と十分相談しながらやっていくことになろうかと思っています。