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環境省大臣記者会見・談話等>平成24年 年頭所感

平成23年 年頭所感

環境大臣 細野豪志

 

 平成24年の年頭に当たり、御挨拶申し上げます。

 昨年は、3月11日に発生した東日本大震災とこれに伴う原発事故への対応が、我が国全体の最優先課題でした。年が明けてもなお、被災地では大変厳しい状況が続いておりますが、この国難を乗り越え、被災地の復興と日本の再生に向けた飛躍の年とすべく、全力を尽くす決意です。

 まず、復旧・復興対策の中でも、私が最も重要で喫緊の課題であると考えるのが、原発事故に伴う放射性物質による環境汚染への対処です。放射性物質による環境汚染は究極の環境問題の一つであり、その除染は福島における最大の課題となっています。私は、国内外の英知を結集して、福島県や周辺の県、関係市町村に御協力いただきながら、住民の皆様が安心して生活できるよう、不退転の決意で除染に取り組んでまいります。昨年の通常国会では放射性物質汚染対処特別措置法が成立し、環境省はその中心的な役割を担うことになりました。本年1月1日の同法の本格施行に合わせ、「福島環境再生事務所」を設置したところであり、今後は、この事務所も含め環境省、そして政府全体の体制を更に充実させ、より迅速に除染等を進めてまいります。また、除染により発生した土壌や廃棄物の仮置場等の施設の確保も、極めて重要な課題です。地元の皆様としっかりと対話をし、御理解と御協力を得ながら進めてまいります。

 次に、災害廃棄物の迅速な撤去・処理無くして、被災地の復興はなし得ません。今回の地震と津波により、岩手県では通常の約11年分、宮城県では約19年分という膨大な量の災害廃棄物が発生しました。被災地では仮設の処理施設を整備するなど最大限の努力をしていますが、とても追いつかず、広域的な処理を進める必要があります。本年も環境省が先頭に立って広域処理の推進に向けた取組を進めてまいります。また、地方自治体が実施する災害廃棄物処理への人的・技術的支援や財政支援など、引き続き災害廃棄物処理を積極的に支援します。

 さらに、原子力安全規制に関する組織等の改革に向けて、本年は歴史的な節目となります。原子力安全行政に対する信頼回復とその機能向上を図るため、利用と規制の分離、原子力安全規制に係る関係業務の一元化の観点から、環境省に「原子力安全庁」(仮称)を設置するとともに、危機管理のための体制整備、規制の在り方や関係制度の見直しなどを実施し、世界最高水準の安全性を確保すべく取り組んでまいります。また、今般の原子力発電所事故に伴う健康管理対策についても、継続的な調査を始め、確実に進めてまいります。

 また、被災地における本格的な復興にも力を入れていきます。地域経済の活性化を図り、東北の地が新しい地域づくりのモデルとなるよう、様々な取組を進めます。具体的には、持続可能な環境先進地域(エコタウン)を実現するため、再生可能エネルギーの潜在的な導入可能性が高いという強みを十分に活かし、被災地等における防災拠点などに、再生可能エネルギーなどを利用した自立・分散型エネルギーシステムを導入し、災害に強く環境負荷の小さい地域づくりを進めます。また、津波により甚大な被害を受けた陸中海岸国立公園を始めとする東北太平洋側の自然公園を「三陸復興国立公園」(仮称)として再編するなど、観光地としてのブランド化を進め、復興に貢献していきます。

 大震災関連の施策以外にも、環境行政の様々な政策課題の解決に向けて、積極的に取組を進める所存です。

 地球温暖化問題については、先のCOP17で、全ての国が参加する将来の法的枠組みの構築に関する新たな特別作業部会を設置し、本年から議論を開始の上、2015年までのできる限り早期に採択し、2020年からの発効を目指すことが合意されました。我が国は、この交渉に積極的に貢献していくとともに、その間においても、国内対策を一層強化してまいります。例えば、平成24年度税制改正大綱に盛り込まれた「地球温暖化対策のための税」の実現に全力で取り組むとともに、夏を目途に中長期の国内対策を政府として取りまとめます。

 また、使用済小型電気電子機器からのレアメタルなど有用金属の回収を促進するため、新たな制度の検討を進めます。

 さらに、自然共生社会の実現を目指し、生物多様性条約COP10で採択された愛知目標の達成に向けた施策推進のため、生物多様性国家戦略を改定します。

 このほか、環境保全への取組を通じた経済や地域の活性化、循環型社会の実現、公害健康被害対策、環境汚染対策や化学物質対策など安全・安心の確保などにも、取り組んでいきます。

 本年も皆様方のますますの御発展、御健勝を祈念するとともに、環境行政への一層の御支援、御協力をお願い申し上げ、新年の御挨拶とさせていただきます。

 


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