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大臣記者会見・談話等

長浜大臣記者会見録(平成24年12月18日(火)11:00~11:21  於:環境省22階第1会議室)


1.発言要旨

 私からは特にございません。

2.質疑応答

(問)幹事社の日経の吉野です。よろしくお願いいたします。
 二つありまして、福島第一原発の冷温停止から、16日で1年が経ったのですけれど、大臣は先週末、福島閣僚会議に出席されました。放射性物質の除染などで、IAEAと県のほうが協力していくというような合意があったと思うのですが、今後について、中間貯蔵施設の調査の現状も含めてどのようになっていくのか、現状を含めて御所見を伺えますでしょうか。出席された御感想も含めて。
(答)福島閣僚会議の御質問がありましたけれども、東日本大震災を受けた日本国及び日本国民に対する国際的な連帯が改めて表明をされたというふうに思っておりますし、復旧及び復興のための福島県民及び福島県の多大な努力が大いに賞賛をされるなど、私は有意義であったというふうに思っております。私自身もランチミーティングに出まして、閣僚の方々とお話をしました。私どもからは、我が国の福島第一原発事故に関する客観的な情報や事故の教訓の継続的な共有及び周知に関する重要性を強調したところであります。スピーチを昼食の前にやりましたが、その中において、これからも国際的に情報共有するし、日本で得た知見は発表していくということを申し上げましたので、そこからもお分かりいただけるというふうに思っております。
 中間貯蔵施設に関しましては、大変困難な課題を抱えつつ、この会議というよりは、辛抱強く首長の皆様方とお話を続けましたし、もちろん私どもの事務方も、あるいは県、町村の事務方も本当に努力をしてくれておりましたし、一つの町においては、首長さんの考え方というのはそれなりの御方針に基づいて固い考え方もおありになったようでありますが、議会の皆様方はまた違ったお考えを持っておられるとか、本当に、誠意を持って私自身、様々な段階で接触をさせていただいたと思いますので、いつも申し上げていることですが、「一刻も早く除染の問題を解決するために、中間貯蔵施設をつくれ」という方々と、「いや、慎重の上にも慎重に丁寧に説明を続けよ」という二律背反な問題を抱えつつ、私なりに取り組んできたところだというふうに思いますので、これは粛々と、この間会見で申し上げましたように、調査に入らせていただいて進めていくということだというふうに思います。
(問)もう一つ。ドーハのCOP18が終わりましたが、新しい枠組みで各国動きだそうという中で、日本の発言力、交渉力というのが低下しているのではないかという指摘も多く聞かれます。温対基本法も廃案になったということで、今後、政局ということもあると思うのですが、政局も踏まえて、国際社会に何をアピールしていくべきか、何をアピールできるのか御所見を伺わせてください。
(答)ドーハも、大変厳しい日程の中で私自身参加をして、今のような御質問も受けますけれども、私自身は日本のリーダーシップと責任を明確に表明できたというふうに思っております。アティーヤ議長を始めとする多くの閣僚の皆様方とお話をして、排出量3.8%~4%ぐらいの日本国が、現実には2010年から12年までの国際的な貢献、資金供与という部分においても先進国の4割を負担しているということも申し上げましたし、現実問題として、日本の財政再建を論ずる場ではありませんけれども、置かれている財政状況の中において、いかにこの問題に積極的に取り組んでいるかということも申し上げましたので、むしろ控えめというよりは、私は今まで日本が控えめ過ぎたのではないかなということで御説明をしました。第二約束期間に入らないということで化石賞を出すのだとしたら、いかに、第二約束期間に入っているという国々が、現実問題としては合わせて排出量15%ぐらいの国々の中において京都議定書のメカニズムを進めていくのがいいのか、それとも、2020年からのすべての国が共通だが差異ある責任を共有をしながら、すべての国が参加をするという意味において、地球温暖化対策を再構築するのだということに一番意義があるということを強調してまいりました。そういう意味においては、2015年までに枠組みをつくって、20年から共通な目的に向かってスタートできるという、基本的にはADPの考え方を成功にならしめたといいますか、15年への道筋をきっちりつくれたということにおいては、私は、私自身が行った意義もあったのではないかなというふうに思っております。
NPO、NGOの方々ともお話し申し上げました。ですから、やらなければいけないということを認識はしておりますけれども、日本がやってなかったということよりは、むしろ去年の3月11日以降も、少なくとも第一約束期間の6%に向けて厳しい活動を続けていることも事実だし、むしろ誇りを持って、温暖化対策に日本が取り組んできたことを言うべきだということもNGOの方に申し上げましたので、私はそういう認識でございます。

(問)朝日新聞の小林です。さっきの質問の関連で、温暖化対策の計画づくりなのですが、これは年内を目標にということでCOPでも約束されたと思うのですが、新政権にどのように引き継がれていくおつもりなのか、もう一度お願いします。
(答)環境省としては、現在の環境大臣の指示の下に粛々と、今年末に2013年以降の温暖化対策計画をつくるということを指示を出しておりますので、粛々とその作業は進めていると思います。しかし、今の御質問にありますように、もはや政権交代が現実のものとなってしまいましたので、ですから次の政権がどういう政治決断をするのか、どういうエネルギー政策をするのか、その辺のところは、政治決断という意味においては、次の政権がどうされるのかは、私は分かりません。私がやっている間は、現状の中において、野田総理から御指示をいただいた2013年以降の計画は12月末までということで、事務方に進めるように指示を出しております。

(問)朝日新聞の森です。今回の総選挙についてお伺いしたいのですけれども、環境省の政務官なり副大臣の方も多数落選されました。環境省はこれまで原発事故以来、除染なり、指定廃棄物の処理の問題、中間貯蔵の問題、色々な形で事故後の対応に関わってきましたけれども、そうした例えば政府与党の努力というものが、有権者にとって、こういう審判を下された時に、大臣としてそれが全く響かなかったのか、そういう成果とか皆さんの努力というものが全く有権者には、全く票に結びつかなかったのか、その辺どういうふうにお考えかお聞きしたいのですが。
(答)そういう個別の環境政策というよりは、トータルの3年3か月の民主党政権という評価があったのではないかなというふうに思っております。環境政策について、例えば有権者の方と、選挙期間中何か論争になったような、あるいはヤジが入ったとかそういう形は、福島も行きましたけれどもありませんでしたので。なかったから、では評価されているかと言われるとこれもまたよく分かりませんけれども、おっしゃられたとおり私以外は合わせて4人の副大臣、政務官。1人の副大臣は当選されたということでありますが、落ちられた3人の方が、御自身が担当された分野だけを訴えたのか、その辺はよく分かりませんけれども、私自身とすれば、3か月私が担当でありましたので、全体感を言うほど図々しくはありませんけれども、この3か月にやったことは、先ほどの質問にも関係しますけれども、まだ途中ですから満足とは言えませんけれども、道筋はつけられているのではないかというふうに思います。ダイレクトに答えづらいのではなく、答えられない。環境政策だけが主な課題になったわけではないので、ということでございます。

(問)共同通信社の渡邉です。よろしくお願いします。
総選挙に関連しますけれども、今のお答えにも少しあったかもしれませんが、今回民主党が敗れてしまって、現職の閣僚の方も、8人が落選されたという異例の選挙になったと、それの受け止め、また党の再生、これは閣僚方は皆さんにお尋ねしておりますので可能な範囲内でお答えいただきたいのですけれど、党の再生への思いとか、今後は自公政権に交代しますけれども、環境政策も含めて注文というか、何か言い残しておくこととか、そういうことをお願いします。
(答)閣議とかの内容は言ってはいけないという決まりのようでありますが、ある閣僚から、その方は、落選をされた閣僚でありますが、私は野田内閣の閣僚になったことを誇りに思うと、この短い間であったけれども日本の政治を大きく動かし、決断をするというような意味合いにおいてですね、まだ内閣が交代をしたわけではないので、その時まで、堂々と明るい顔で仕事をしていこうという御発言がありまして、私自身は、その発言に非常に感動しました。ですから、野田内閣が大変短い中において、表現しきれなかった部分、先ほども御質問にもありましたけど、どのくらい野田総理がやろうとしたことを国民の皆様に御理解いただけなかったのかという、こういう疑問といいますか、課題は残りますけれども、閣僚1人の発言で他からは発言ありませんでしたから全員の総意とは思いませんけれども、私自身は大変意義のある内閣であると思っております。
自民党政権に代わる中において、どういう政策転換がなされるのか、こんなはずではなかったと国民が思われるのか、その辺はまだスタートしておりませんから、よくわかりませんけれども、少なくとも私の分野、私自身も環境分野をずっとやってきましたし、これからもやっていくと思いますけれども、限られたこの地球の生命、日本国憲法の中にも生命、財産はありますけれども、地球全体の生命・財産を守っていくというこういう原点に立っての環境政策が実行されるということを望みますし、それから、不幸にして、今避難をされている皆様方、福島の皆様方のみならず、がれき処理等々で被災地の皆様方の御苦労を考えますときに、あの3月11日が問いかけたものはいったい何だったのか、今までの単にエネルギー政策のみならず、もう少し広げて言うならば、高度経済成長の中の光の部分と陰の部分、陰の部分とは、水俣とか、四日市ぜんそくとか、こういったことも思い起こしながら、常に推進と規制の分離、これは、原子力においては行いましたけれども、環境省の持つ意味、環境政策の持つ意味、それだけ重要な環境大臣、これは環境基本法を改正して、放射能汚染が入ってきたことを含めまして、その意味をかみしめながら、是非、環境行政に次の政権は当たっていただきたいと思います。

(問)NHKの間嶋です。
今大臣から、今後も環境行政に関わっていきたいという御言葉もあったので伺います。
ドーハのCOPの関係です。さっき大臣から二国間会談等でちゃんと評価されているという言葉がありました。ただ、私も取材をしていて、二国間会談の場ではなかなか厳しいことは言われなくて、多国間交渉の場ではCOP19に向かって中期目標、カンクン合意の報告の期限も近づいていたり、COP19が18よりも日本にとって厳しい交渉になるのは間違いないという気がします。次の政権の考え方もあると思いますし、基本計画が決まらない中でなかなか難しいとは思いますが、COP18での経験もふまえて、長浜大臣が、個人的に今後25%目標の扱いをどうしていくべきと今考えているのか、COP19に向かって、日本が何をしていかなければいけないというふうに思っているかお願いします。
(答)25%の問題は、申し訳ないですが、いつも言っているとおり、政権が代わってしまいますが、12月末に至るまでの地球温暖化計画をつくっている作業中でありますので、担当大臣としては発言が難しい。それから、バイの会談では、確かにおっしゃるとおり正直に言ってくださる場合があります。マルチの場合は、確かに国際関係の中においてどことは言いませんけれども、そこからODAを供与されている発展途上国等々含めてですね、なかなかその方の前では、日本への感謝が言い難いとか、それは環境問題に限らず、国連総会でもなんでもそうでありますが、それぞれの国益なり力関係が働いていきますので、そういうことも頭に入れながら、コツコツと、なかなか、私自身も物理的に短かったから出来なかったという言い訳はしたくありませんが、次やられる方も、国会開会中は海外に出られないとか、様々な大臣の制約が関わっていきますけど、要するに日本を理解している多くの国との接触を政治家自身が増やしていかないとだめだなという感じはしました。つまり、圧倒的に、国際影響力を持つ国々は、国会状況関係なく海外にずっと大臣が出て、様々な意味で、発展途上国と様々なフィールドを使いながら交渉の枠を使ってます。日本は会議の時にしか出られないような状況がありますので、いろいろな意味においてその瞬間的なCOP18にしろ、生物多様性のCOP11にしろ、その時だけの関係では非常に限界がありますので、どの党であれ、同じ悩みを抱えると思いますが、ある程度環境大臣という、そういう分野で1年、2年、3年くらいやるとかですね、それで国際関係の中において、その分野できっちり話が出来る人間関係を作るとか、出てみてわかりましたけれども、常日頃からのバイ会談ではありませんけれども、二国間の延長線上の中においてのマルチの会議での戦略が作れるということでありますから、なかなか、外務大臣も悩みを抱えているのでしょうけれども、どの政権になっても、政治家が常日頃海外の主要閣僚と話しが出来ると、任されている分野において、そういう関係を作っていくことが、国際関係の中においても、発言力、リーダーシップを持てるのではないかな、それができないとそのときだけ、「こんにちは」「初めまして」「私はこのたびこれになりました」から始まっていたのでは、なかなか大変だなと思ったのが本音です。

(以上)

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