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大臣記者会見・談話等

細野大臣記者会見録(平成24年8月7日(火) 8:37 ~ 8:56  於:衆議院本会議場中庭側廊下)


1.発言要旨

 私からは2点御報告申し上げます。本日閣議前に、第4回災害廃棄物の処理の推進に関する関係閣僚会合を開催いたしました。会合では、東日本大震災に係る災害廃棄物の処理工程表につきまして報告を行いまして、とりまとめが行われたということでございます。その中身について御報告申し上げます。
 まず、災害廃棄物全体の処理状況ですが、東日本の13道県241市町村におきまして総量約2,160万トンの災害廃棄物、約960万トンの処理を要する津波堆積物、合計をいたしますと3,120万トンの処理が必要となっております。このうち、7月の時点で、災害廃棄物につきましては、約半数に当たります119市町村で処理を完了していることが判明をいたしました。処理量は全体の約28%に当たる約598万トンということになっております。なお、従来から数字として御紹介をしておりましたのが、岩手県、宮城県、福島県の3県の状況でございますけれども、この3県につきましては、処理の進捗状況は約22%となっております。また、災害廃棄物等の仮置場ですが、最大318箇所設置をされておりました。処理の進捗に伴いまして、現在はそれが230箇所、約72%まで減少しておりまして、その仮置場でなくなった所については、当然、環境も良くなっておりますし、様々な有効活用がなされておりますので、改善に繋がったというふうに思っております。
 処理工程表では、平成25年度末の処理完了という従来の目標、これは変えません。その中で特に発生量の多い岩手県、宮城県の沿岸地域につきましては、中間的な目標を定めております。平成24年度末で約6割の処理を完了するという、そういうことにいたしました。今後は、特に両県における進捗状況をできるだけ正確に把握をいたしまして、目標達成のための必要な施策を行ってまいりたいというふうに思っております。
 広域処理についてでございますけれども、県内処理を最大限進めてもなお処理が間に合わない分についてお願いをしております。既に受入先が決まっているものを除きますと、現時点で調整を要する広域処理の必要量は、岩手県で約32万トン、宮城県で約100万トンとなっております。処理の調整の状況につきましては、資料で配らせていただいておりまして、ある程度、対象の自治体というのは見えておる状況ですので、その処理をしっかり進めていただけるように、これから更に調整を進めていきたいというふうに思っております。中身ですが、岩手県の可燃物・木くずや、宮城県の可燃物につきましては、現在調整中の自治体での受け入れ、及び、受入れ実績のある自治体における追加的な受入れについて、より具体的な調整を図っていくこととなりました。災害廃棄物処理をスピードアップしていくためには、これらの自治体の協力が不可欠でありまして、これまでも本当に皆さんに御協力をいただいてまいりましたが、引き続き御協力をいただくことができるように全力で取り組んでまいりたいと思っております。更に、岩手県の漁具・漁網や、宮城県の不燃系の混合物の処理先の確保につきまして、引き続き広域処理を含めて具体化を進める必要があります。今後とも被災地の復旧・復興には、このがれきの処理が極めて重要でありまして、着実に前進をしているという手応えはございますけれども、まだ課題がございますので、この課題を克服をして被災地の復旧・復興を実現をすべく、しっかりと努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 もう1件は、昨日、原子力委員会の原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会における、いわゆる「秘密会議」問題についての検証結果が出ましたので、一言、私の方からコメントをさせていただきたいと思います。後藤副大臣、並びに、國廣正弁護士、及び、高巖麗澤大学教授の両顧問をはじめ、検証チームにおきまして精力的に調査を検証していただきまして、昨日、私も報告書を受け取りました。関係者の皆様の御努力、短い期間の中で相当しっかりとした調査をしていただきましたので、感謝を申し上げたいというふうに思います。内容の概略の説明を受けておりますが、これから十分に精査をして、電力関係者等による政策誘導の意図であるとか、小委員会への審議の影響が完全に否定されないといった指摘がなされておりますので、原子力委員会内の検討プロセスにおいて十分な中立性が確保されているとは言いがたいと、そういうふうに私自身も理解をしております。既に原子力委員会に対しては後藤副大臣から近藤委員長に対して報告書が手渡されたというふうに承知をしております。独立委員会である原子力委員会としても、この検証結果を真摯に受け止めまして、今後、適切な対応をしていただきたいというふうに思いますし、私自身もこの報告書をしっかりと精査をいたしまして、今後の対応について検討してまいりたいというふうに思っています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社のTBSですけれども、2点伺います。東電のテレビのビデオが公開されましたけれども、一部制約がかかっていたりとかいうことについて、よろしくないと見る向きもありますけれども、もし大臣何かお考えになるところがあったらというのと、あと、エネルギー政策の意見聴取会が終わって、国民的議論のときは、大臣は特に意見をおっしゃるべきではないというふうにおっしゃっていたのですが、終わってみて今後のどういった方針がよろしいかとかいうこと、もしありましたらお願いします。
(答)1点目は、すみません、ちょっと私、昨日、忙しくてニュースも見れておりませんし、どういう映像が公開されたのかというのも確認ができていないのです。ですから、しっかりまずは私自身も確認をしたいというふうに思っておりまして、今、直接、私が見る時間がないので、しっかりと私の下でやっている者に見てもらうように言ってありますので、それを踏まえてということにしたいと思います。それとエネルギー政策なのですが、意見聴取会が終わりましたし、あとは討論型世論調査も終わりましたので、ここから政府内でしっかりと議論するということになろうかと思います。昨日、総理からも指示もございましたので、そこも含めてまさにこれからということです。もちろん、いろいろな議論がありますので、しっかりとやってまいりたいと思いますけれども、パブコメも今、取っている最中ですので、もうしばらく時間をいただいて、その然るべきタイミングで私自身も考えていることは皆さんにお伝えしたいと思います。

(問)朝日新聞ですけれども、がれき処理で2点お願いいたします。1点目ですけれども、大臣、岩手の時は一定のめどがついたというふうに報告されたと思いますが、宮城では木くず、不燃物等、まだ調整がついていないということですけれども、全体としてはめどというのはつきつつあるのかどうなのかという評価の部分をもう一度、改めて教えていただけますか。
(答)そうですね、そこの評価がなかなか難しくて、岩手県の時も調整中のものについて、これが順調に行けばめどが立ったという、かなり慎重な言い方をしたのです。同様に宮城についても、調整中のところでかなり具体化をしてきていますので、そういった意味では、進捗はしているのですけれども、あまりできそうだというニュアンスが強くでることで、調整中の自治体の皆さんに御迷惑、御負担をかけたくないという思いがあるのです。ですから、全体として言えることは、本当に多くの皆さんに御協力いただいて着実に進展をしています。あと、具体的に調整が必要なところについて、これをやり切ることで、全体としてのめどを立てたいというふうに思いますし、中間目標を達成する中で最終的な目標期限をしっかりと達成したいといったところが今の時点での全体の評価ということになると思います。

(問)あと1点よろしいですか。広域処理量、随分、今回も岩手の不燃が県内処理の更新ということで随分減りまして、一部意見では目標達成をちょっと延ばせば県内でも処理できるのではないかという意見もある中で、北九州のようにコストが他と比べてかかる地域をあえて広域処理の対象としているのは、北九州に運ぶ意義というのを改めて教えてください。
(答)北九州の場合は処理施設も非常に充実をしてますし、処理量もかなりまとまって受けていただけるということですので、宮城県のがれきを処理をするという意味では非常にありがたいのです。宮城県自身もそういう思いを共有をしていまして、県知事も北九州市長に直接お会いになって、更に要請をしたというようなこともございました。コストも、まとまって受けていただく場合にはかなり抑えることができます。ですから、そこはなんとか実現をしたいというふうに思います。もちろん、目標を達成することも重要ですし、加えて仮置場をできるだけ早期に地元にお戻しをするということも重要なのです。そのことによって宮城県内でもいろいろな土地の活用の仕方が広がりますので、トータルに考えたときに是非、実現をしたいというふうに思っています。

(問)共同です。中間目標なのですが、廃棄物が59%、津波の堆積物も入れて54%程ということで、かなり野心的な内容でもあるのかなというふうに思っているのですが、計画は実現しないと意味がないのですが、いろいろおっしゃっていたのですが、特にそれを達成するにはどれが必要だとお考えでしょうか。
(答)今、二十数%ということなのですけれども、確実に進捗はしてきているのです。後程、皆さんにお配りをしますが、このペースで確実に行けば、中間目標も達成できるというふうに思っています。ただ、そのためには域内の処理を確実にこれからも進める必要がありますし、再生利用も必要ですし、広域処理も着実に進展をさせていく必要があるということです。ですから、課題は何かということで言うならば、一つこれができれば何かものが全て解決するということではなくて、今、大変な御協力をいただいたり、御努力をいただいている関係者の皆さんの全ての力をお借りして、このペースをしっかりと維持をする、更にはできれば加速化をさせることで目標を達成させたいというふうに思っております。中間目標は確かに御指摘の通り、立てた以上は達成をしなければ意味がありませんので、絶対に達成をしたいというふうに思いますし、関係者の皆さんの御協力をいただければ達成は可能だというふに思っています。

(問)毎日新聞ですけれども、冒頭2点目にありました、原子力委員会の検証結果のことで、電力関係者による政策誘導の意図等について今後更に何か調査をするとか、そういうことなのか。今後の対応というのは、例えば処分とか、具体的にはどういうことを。
(答)検証調査自体は相当な時間をかけて、外部の方にも入っていただいてやりましたので、まさにそこで行われたことを確認をするということだと思います。本当にかなり詰めて調査をしておりますので、追加の調査というよりは、この検証結果というものをしっかりと受け止めるということだと思います。すみません、ちょっとまだ昨日の夕方でしたので、私もあの後もずっと予定を入れておりまして、概略は読んで説明も受けたのですけれど、しっかり全部読みたいと思ってまして、読んでないのです。しっかりとまずは読ませていただいて、その上で判断が必要なことがあればしっかりとしてまいりたいというふうに思っています。

(問)先程、大臣自身も中立性がないということで問題意識を持たれたということでしたけれども、5月の閣議後会見の時には、こういう会合自体も存在自体は必要だというお話をされていたのですけれども、それをちょっと聞いていて、ちょっと認識が変わられたのかなと思うのですけれども。
(答)事業者とのいろいろな情報、事業者から特に情報を取るということについては、これは核燃料サイクルについて検討するという原子力委員会の現時点での役割からすると、必要だという認識は変わりません。ただ、会議の持ち方については、これはその当時もやはり問題があったのではないかということを申し上げましたので、そういう基本認識は変わっていないのです。ただ、当時はどういう会議に問題があったのかというところまでは分かりませんでしたので、昨日受け取った報告書でそれが判明をしたということだと思います。
(問)すみません、追加で。議事メモが内閣府からないということで結果が出ていますけども、もし仮に後から出てくるとか、もしくは他省庁から内閣府の分が出てくる。逆に、内閣府から他省庁の分が出てくるといった場合に、例えばどういう対処とか処分というのが考えられるか。
(答)ちょっと、どこで議事メモが出ていてどこで出ていないのかというのをしっかりと把握をしたいと。
(問)内閣府は出ていないのですよ。経産省も出ていない。文科省も。
(答)ちょっと私も確認をしたいと思います。これはまさに個別の話になってくるので。
(問)個別というか、出ていないという検証結果でもう終わったんですね。昨日、結果が出た。で、この後に出てきたらどうするかという話なのですけれども。
(答)そこも確認します。本当に細部に入ってくるので、そこは今、伺って、私自身が直接、確認した上で判断をしなければなりませんので。

(問)神戸新聞です。がれきの処理の工程表についてお聞きします。工程表で新たな受け入れ先を含め要調整とされた岩手の漁具と宮城の不燃についてなのですが、改めて受け入れを関西に要請する考えというのはありますでしょうか。広域処理における関西への期待も含めて教えてください。
(答)漁具・漁網の場合はなかなか処理がやっかいでして、なかなか焼却することも難しくて、岩手の場合に関して言うと、いわゆる放射性物質による汚染というのは、これは基本的に全く心配ないものなのですけれども、処理自体が大変やっかいだと。例えば、いろいろなものが引っかかるとか、裁断をするのをどうするかとかそういう問題があるのです。ですからそこは具体的に御協力をいただける自治体を見極めてやっていく必要があるというふうに思っています。神奈川県知事が非常に前向きに表明をしていただいているので、今はそこを中心に調整をしておるという、そういう状況です。関西については大阪市のほうで精力的に取り組んでいただいていますので、そこは今日、皆さんにお示しをするぺーパーの中でも調整対象に入っています。フェニックスなのですけれども、フェニックスについてはいろいろな関係者に御努力をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。ただ、その中でそれぞれの自治体のいろいろな御認識というのもありまして、なかなか全体として処理を行うというところまで来ていないという状況なのです。ですから、今の段階では具体化というところまではなかなか行っていませんので、関西については大阪市を中心に考えていくことが現実的かなというふうには思っています。
(問)宮城の不燃がれきについてはいかがですか。関西の。必要であれば要請するとか。
(答)そこはもう少しちょっと量がありますので、いくつかの自治体に具体的な話はさせていただいているのですけれども、まだそれについて関西のほうと具体的な話には入っておりませんので、そこは具体化できるものがあればというふうには思いますけれども、今の段階での調整の対象ということにはなっていないということです。
誤解なきように。関西の皆さんには本当に御努力をいただたいたので、本当にそれはありがたかったのですね。ただ、フェニックスというのが全体の施設ですので、そこが最終処分場の中でも単独で持っておられる自治体とは少し性格が違うというところがあるということですので、そこは本当に我々としてはいろいろな御検討をいただいたこと自体に大変感謝しています。ですから、そのことだけは是非、申し上げたいと思います。

(以上)

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