本文へジャンプ
ここから本文
環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

細野大臣記者会見録(平成23年11月8日(火))


1.発言要旨

 私から1件。除染についてですけれども、それぞれの福島県の各地域で除染活動が本格化をしてきておりまして人的なサポートをできるだけしっかりと整えていく必要があるというふうに思っております。そこで環境省では、福島県と協力をいたしまして、除染に関するボランティアの募集についての情報発信を今、始めました。具体的に申し上げますと、各市町村などにおいて除染に関するボランティアの募集状況、そして除染に関する参考資料、除染ボランティアに参加する際の留意事項などを、ホームページ及びメールを通じて発信することといたしました。また、この取組と関連して、来週の日曜日、13日、この週末に福島県の伊達市で行われるボランティアと協働した除染作業に、私自身も参加をしていきたいというふうに思っております。今後もホームページの内容などの充実を図りまして、できる限り全国の皆さんがボランティアに参加をしていただいて、福島県の再生に是非、力を貸していただきたいと思っております。もちろん除染については国が責任を持ってやらなければならないわけですけれども、特に市町村、住民がお住まいの所については、様々な皆さんに参加をしていただいて、成果を出していくということが重要であるというふうに思っておりますので、こうした形で募集を積極的にしていくということになりました。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)日曜日に吉野熊野に視察に行かれましたけれども、地方分権の議論と絡んで、国立公園の管理の移管が求められていますが、今時点でのお考えを。
(答)私は地方ができる限りそれぞれの御判断で、しっかりと行政をできるようにする、いわゆる地域主権、地方分権ということに関しては積極的な姿勢で臨んでいきたいというふうに思っております。ただ、その一方で吉野熊野国立公園に関して言うと、和歌山県や、また広域連合に入っておられない奈良県のほうからは具体的な要望としては上がっていないんです。ですから国立公園というのは、国がこれまでも管理をしてきて専門的な、様々な、これまで蓄積をしてきた分野ですので、基本的には国がしっかりこれからも管理をしていくということがあるべき姿だと思っております。その一方で、地方環境事務所がやっている業務の中で、自治体がむしろしっかりとやっていただける、もしくは広域連合が受け止めていただける、そういったものというのはかなりあるのだろうと思ってます。ですから、そこはできる限りですね、どういったものであれば、地方にしっかりとやっていただけるのかということについては、私は踏み込んでいろいろな提案をしていく必要があるというふうに思っています。
(問)具体的にはどういった業務というのは何かありますでしょうか。
(答)今、環境省の中では様々な議論をしている最中ですので、しかるべきタイミングでまた皆さんにお知らせをしたいと思っております。あと、受け皿として広域連合がどういった姿になるということによっても変わってくると思います。近畿関西に関して言うと、お渡しをしたいというものもありますけれども、奈良県が抜けているという状況ですので、そういった中で果たしてどうなのかという議論が当然あるわけですね。ですから、そこは受け皿の議論とも関わりまして、今、川端大臣のところで精力的にいろいろな議論をしていただいていると承知しておりますので、その状況によっても私どもが提案できる中身というのは変わってくるというふうに思っております。
(問)確認ですけれども国立公園の管理の業務については引き続き国がやって、それ以外の部分の委譲について今後、考えていくということでしょうか。
(答)基本的にはそういうことですね。国立公園についての、例えばこの国立公園をこういうふうにしたいというような御要望が個別に出ているものもあるのですけれども、全体として、例えば関西のほうでそれぞれの国立公園について包括的な提案がなされているかというとそうではないんです。ですから、我々としては、もう長きに渡って国立公園という大変大きな自然遺産を守ってきましたので、それは守っていくというのはこれからも責任だというふうに思っております。ですから、そこは国でしっかりやっていくというのが基本的な考え方ですね。

(問)ボランティアの関係なのですけれども、国直轄でやる、昨日モニタリングが始まったような場所のうち、線量が低い所についても、今後国として除染ボランティアを募集していきたいという考えはおありでしょうか。
(答)そこは状況を見ながら考えていきたいとは思っていますけれども、基本的には直轄事業の所は立ち入りが制限をされておりますし、いろいろな業務の危険性についてもまだ十分な調査ができているわけではありませんので、考えていません。ですから、あくまで今日、皆さんにお知らせをしたボランティアというのは、警戒区域と計画的避難区域以外の一般の皆さんがお住まいで生活空間をできる限り除染をしていくという、そういう地域についての募集です。
(問)人数の規模ですとか、期間みたいなイメージはあるのでしょうか。
(答)それぞれ市町村によって状況は違いますので、必ずしも一概に、この何市は、それこそ福島県全体で何人とかいう形で決めているわけではないんですね。ですから、今それぞれの市町村がおよそどれくらいの方々をボランティアとして求めておられるのか、また受け入れ可能かということもありますので、そういったことを見ながら、募集については調整をしていきたいと思っております。除染については非常に息の長い活動が求められますので、一気にたくさんの方々を集めるというよりは、多くの皆さんに関心を持っていただいて、できるだけそれぞれの皆さんの御負担の少ない形で参加をしていただいて、継続をしていくというのが大事だというふうに思っています。

(問)温暖化対策についてお伺いします。昨日東京電力は、2010年度のCO2の排出量で、2009年度比の21%増という大変厳しい状況を発表しておりますが、これについて御見解をお願いします。
(答)それぞれの電力会社が、特に火力を動かしていますので、そこはCO2増の要因になっていることは間違いないだろうというふうに思っています。今の電力の供給状況を考えれば、それはやむを得ないところだというふうに思います。一方で、温暖化に関しては国内での節電努力というのは、非常に今年の夏、効果を発揮をいたしましたし、これから自然エネルギーについても投資が加速をしていくだろうというふうに思っています。ですから、そうしたプラスの要因、マイナスの要因、様々な要因を総合的に勘案した上で、エネルギー政策をどうしていくのか、そして、そのコインの裏表の関係にある温暖化について、どういった考え方、どういうめどをこれから立てていくのか、目標を持っていくのか、計画を持っていくのかということについて、来年の夏までに方向性を出したいと思っております。
(問)東電の姿勢についてですけれども、今回、購入している排出枠の一部しか算入せずに、すでに達成は厳しいという見解を示しています。これは国全体の達成にも、もちろん関わってくる話だと思いますけれども、この東電の態度についてどのようにお考えでしょうか。
(答)まだ東京電力のその辺の姿勢については、しっかり私自身説明を受けておりませんので、説明を聞いた上で対応を考えたいと思います。
(問)仮に、京都議定書の6%達成が厳しいという状況になれば、更に政府としても排出枠の購入を考える必要があるかと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
(答)まず説明を聞いた上で考えたいと思います。

(問)ボランティアの募集の話なのですけれども、東電が起こした事故であったり、国が進めてきた政策であるということに対して、広く全国に市民の力を募るという部分について、なにか、もう少し分かり易い説明なり、国が責任を持つとか、自治体の財政支援をしっかりやっていくという部分との整合性について、もう少し説明をいただきたいのですけれども。
(答)ごめんなさい、おっしゃっている意味が。
(問)市民の力が必要になるという部分の理由というんですかね。
(答)国難というべき状況ですので、多くの国民の皆さんの力を貸していただきたいということに尽きます。
(問)関連してですが、ボランティアの方の被曝については大臣どのようにお考えでしょうか。
(答)それは非常に重要だと思いますね。ですから、しっかり安全を確保するというのが大原則になります。そうしたやり方については、厚生労働省のほうでも非常に厳しい、保守的な考え方をとってやっているところですけれども、特にいろいろな方に来ていただく可能性がある、こういった募集をする場合には、しっかり安全を確保するというのは、政府の責任だというふうに思っております。

(問)TPPについて2点お伺いしたいのですけれども、一つ目は野田総理が、近々参加表明をされるというふうになっていますが、民主党内でも議論が割れていて、国内でもかなり議論が分かれている状況の中で、時期尚早ではないかという声も上がっています。この点について、大臣の見解をまずお伺いしたいと思います。
(答)TPPというのは、今、政府の様々な判断の中でも非常に重要ですので、私も私なりに、これまでいろいろな議論に加わってきたり、自分なりに考えてきたという意味で、私なりのスタンスというのはございます。ただ、一方で私は野田政権の閣僚の一員ですし、その一方で、TPPについては直接の担当ではないということで、政府内での議論にも、また、民主党、与党の議論にも全く加わってないという状況もございます。したがって野田政権の一員として、総理が御判断されるわけですから、それに基づいて私自身も政策の実現というのを図っていきたいと思っております。ですから、個人的にどう思うのかということについての私の発言は控えさせていただきたいと思います。
(問)関連なのですが、大臣の担当分野で、TPP、影響が出てくるようなものというのはなにかございますでしょうか、お考えがあれば教えてください。
(答)いろいろな検討はしておりますけれども、個別にいろいろな要因があると思いますね。例えば環境規制などは、これは、それこそ貿易の規制だということで、引き下げられるのではないかという懸念を表明する方もおられるのですけれども、逆に、最近はそんなことが許される、今、世界の状況ではありませんので、そのことによって、むしろ環境規制を高めて、環境負荷のない世界を作ることができるのではないかという議論もあるわけですね。当然、TPPというようなことになった場合には、我が国としては、高い環境技術も持っているわけですから、高い環境基準を世界で、できるだけ共有化していくという方向での議論をしていくべきだというふうに思います。つまりTPPというのは、例えば議論をするという中で、様々な要因についてプラスにも動く可能性があるし、マイナスにも動く可能性があるという意味で、交渉次第だという面が非常に大きいわけです。ですから、私は総理が判断をされれば、その判断の下で、どういう判断をされるかは分かりませんけれども、国益をしっかりと実現するという立場で議論をしていきたいと思っております。

(以上)

▲Page Top