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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

細野大臣記者会見録(平成23年9月13日(火))


1.発言要旨

 おはようございます。今日は閣僚懇談会で、私の方から環境大臣としての発言を致しました。現在、第三次補正予算案が検討されておりますけれども、復興における公共建築物の建築がこれから本格化してくるという事でございます。そうした時には、地球温暖化対策等も念頭に置いて、断熱性能の向上であるとか、再生可能エネルギーの整備などによりまして、ゼロエネルギー建築物を目指すよう是非御留意いただきたいという、各大臣にそういう要請を致しました。それぞれの大臣から非常に前向きなお話がございましたので、政府全体で取り組んでいけるのではないかというふうに思っています。私からの発言は以上です。

2.質疑応答

(問)幹事の読売新聞吉良です。よろしくお願いします。まず始めに、昨日フランスの原子力の施設で爆発があったのですが、それについて日本に何かしらの影響があるのか、またあるとしたら、それについてどのような対応を取るのか、よろしくお願いします。
(答)昨日のフランスのマルクールの放射性廃棄物処理施設につきましては、昨晩から官房長官を含め、閣僚間での連絡を取り合いながら、情報収集にあたりました。現段階で出ている情報では、放射性物質の施設の外への放出は無いと、そして爆発が原因となった火事につきましても、同日、ですから昨日ということになるわけですが、12日の現地時間の13日頃には鎮火をし、事故は収束したという報告を、フランスの原子力規制機関の方から得ております。昨晩から情報収集してまいりましたところでは、以上のようなことではございますけれども、引き続いて政府としてしっかりと情報収集にあたる必要があると考えております。特にマルクールの施設というのは、私も数年前に一度行ったことがあるんですけれども、使用済燃料の再処理なども行われている施設が近くにありまして、我が国にとっても非常に関連の深い施設でございます。したがって、施設内の一つのエリアの中で火事があったということですので、ここはしっかりと、これからのことも含めて情報収集にあたっていく必要があるというふうに考えております。現段階で、この火事をもって、なにか全体に大きな影響が出るというようなふうには、今のところは受け止めてはおりません。 

(問)アエラ編集部の大鹿と申します。大臣はフランスでの再処理の施設を視察されたということですが、大臣としては国が進めてきた核燃料サイクル事情とか、それについては今後どういうふうな御考えをお持ちでしょうか。エネ環会議では、大臣はエネ環会議のサポート役で、今後論点を詰めていく予定になっていると思うのですが、昨今の中間処分施設とか、再処理していくのか、直接処分していくのか、いろいろな議論が出てくると思うのですが、大臣としては当面、今の現行の核燃料サイクル技術についてどのようなものを考えているのでしょうか。
(答)再処理はこれから最も大切な議論の一つだというふうに思っています。菅政権の下で、エネルギー環境会議というのが立ち上がりましたので、そこは一つの検討の場所としてはあり得ると思うんですが、古川大臣のところで、官邸の会議について、これからどういうふうにしていくのかということについての検討が始まったというふうに聞いておりますので、そこはどういった場所で、そういうエネルギー全般についての議論が行われるべきなのか、私もしっかり検討の場所の在り方については、私なりの意見を申し上げたいと思うのですが、その場所をどうするかというのが、まずあります。その時に忘れてはならないのは、環境問題とエネルギー問題、裏表ですから、そういったことも含めて、総合的に検討できる場所が官邸にはあった方が良いのではないかと思っています。今、大柴さんから御質問があった、特にバックエンド、再処理ということに特化して言うと、そこはむしろ官邸の会議というよりは、原子力委員会の、原子力政策大綱の議論が、恐らく法的な根拠も含めて、一番詰めた議論ができるのであろうと思っています。今の段階での私の思いとしては、それこそ再処理、高速増殖炉も含めて、どういった方向が良いのかということは、本当にしっかりとゼロから議論するということが大事だと思います。

(問)毎日新聞の江口と申します。復興財源として、地球温暖化対策の税を充てるというような報道がありますけれども、その点に関しての大臣の受け止めをお願いします。
(答)残念ながら温対税、税法が通ってないということで、できておりませんので、いろいろな議論があることは私は悪くないと思います。特に、今日本にとって復興復旧は、最優先課題であるというのは、国民の共通の思いでありますので、その中でどういった使い方が良いのか、そこは私も積極的に受け止めていきたいと思っております。復旧復興の中でもいろいろな要素がありますよね、やはり環境やエネルギー全般に関わるような、いろいろな歳出の要因、要素というのがありますし、これまでそれぞれ、エネルギー特会の中で議論されてきたのがこれまでの経緯なのですが、その枠の中で何ができるのか、もしくはその枠自体をどう考えていくのか、そこは幅広に議論して良いと思います。私もそこは、例えば環境大臣とか、原発担当大臣とか、そういった枠を越えて政府内で議論していくことはやっていきたいと思っております。

(問)フリーランス記者の上出と申します。鉢呂大臣の辞任に絡んだ報道の在り方について、昨日、枝野さんの会見でも質問が出たのですが、輿石幹事長が取材の在り方について、なんらかの検討が必要だということを。まかり間違うと、夜回り禁止だとか、言論規制にも関わるような、警察庁なんかは大変厳しい規定があるのですけれども、そういうことに繋がりかねない問題であるし、フリー記者でありますけれども、大変関心を持っております。辞任が原発にも絡んでいることなので、細野大臣としては、どのような取材の在り方、何か御見解はありますでしょうか。
(答)報道される方は、取材をして、いろいろなところのことを、情報を国民に知らしめるというのが役割ですから、その役割は非常に大事だという受け止めです。私は、懇談の場所も含めて、いろいろな情報を皆さんお知りになりたいのは理解をするのですけれども、そこは、責任を持って発言をしていくべきだというふうに思ってますので、そういう姿勢で臨みたいと思います。
(問)関連して、フリーの記者からはマスメディアの言葉狩りだったのではないかというような指摘もあるのですけれども、それも議論の対象になるかと思うのですが、それについては何か。
(答)そこはマスコミの皆さんの中で、いろいろな御議論があるのであれば、それは積極的に交わしていただくべきものではないかと思います。政治家である以上は、自分が発した言葉については責任を持つということですので、私の方から報道の在り方について、コメントすることはありません。
(問)民主党の中で言論規制的な動きになっていることに関しては好ましくないと。
(答)そういう動きはないというふうに承知しておりますので、御心配には及びません。

(問)TBSの立山ですが、さきほどのフランスの事故に関連してなのですが、フランス政府からは、なにか連絡ですとか、報告みたいなことを、政府として受けてらっしゃるのかどうかということと、来週IAEAの総会がありますが、そこでフランス側と今回の件について、意見交換をするお考えがあるのかどうか。もし、これが安全性の問題に関わってくるとしますと、日本の核燃料サイクルにも影響が出てくると思われるのですが、この点についていかがお考えですか。
(答)フランスとのやりとりなのですけれども、外務省、そして経産省通じて、フランス政府とは様々な情報交換はしておりますので、そういった中で、今私が報告申し上げたような情報を得ているということです。今回の事故なのですが、私も今朝も詳細に説明を受けたのですけれども、低レベルの放射性廃棄物というのは、どうしてもこういう施設では出るのですね。特に金属関係の処理をしている施設ということで、放射性物質を扱う施設の中でいうと、比較的、いろいろな意味でリスクは少ない施設なのです。私も現地に行ってるので、だいたいその施設のイメージがありますから、例えば、高速増殖炉であるとか、再処理工場というのは、核物質そのものを扱うということでいろいろなリスクがありますよね、日本でもそういう施設については、非常にしっかりとした管理をしていかなければならないということになってます。そういう施設とは若干性質が違う施設なものですから、そこはやはり分けて考えるべきところではないかと思います。ですから、この施設も火事が起こったから、例えば、再処理とか高速増殖炉の在り方が、何か大きく変わるということではなくて、そもそも日本の場合には、一連の原子力政策や、東京電力の福島原発の事故を受けて、どう判断するのかということを議論すれば良いと。つまり日本は日本でしっかり議論をすれば良いということでありまして、今回のフランスのマルクールの事故を受けて、なにかそこが変わるというふうには受け止めておりません。フランスの大臣とは、できれば会談をしたいとは思っておりまして、まだ日程は詰めきれてないのですが、いろいろな議論をしたいと思っております。この事故について、そこで議論するべき対象であるかどうか、情報をしっかり得てから考えたいと思います。もう少し幅広にフランスとは議論をしたい件がたくさんありますから、そこは優先順位の問題としてどう考えるか、私も検討していきたいと思います。

(問)読売新聞の清永です。改めてなのですけれども、鉢呂大臣が福島に関する発言とか、不適切な言動という形で、責任を取られて辞任されました、そのことについての受け止めと、後任が前官房長官の枝野さんになったことについての受け止めをお願いします。
(答)先ほど舌足らずでしたけれど、IAEAの総会には出席したいと思っておりますが、まだ国会の日程もありますので、最終決定ではありません。すみません、そのことを先ほど説明し忘れましたので。鉢呂大臣の一連の発言と辞任については、御本人もああいう形で謝罪をしてお辞めになったわけですし、私にとっては、非常に温厚な人柄の素晴らしい人格者でもありましたので、その方が、ああいう形で責任を取った以上、発言も中身については厳しい御意見があるのは理解はできますけれども、私の方から改めてコメントをすることは控えたいと思います。御本人がああいう判断をされたということに尽きると思いますので、それを私としてはしっかり受け止めたいということです。枝野大臣とは野党時代も含めて、10年ちょっとの間、私がいろいろな仕事をした中でいうと、最も一緒に仕事をする機会が多かった先輩の一人ですので、それはしっかり連携をしてやっていきたいというふうに思っております。原発の問題にしても、エネルギーにしても、環境にしても、経産大臣と私の役割というのは、かなり密接に関わりますので、いろいろ相談をしながら、物事を運んでいくという意味では、やりやすい方になっていただいたというふうに考えています。

(問)共同通信の太田です。冒頭のゼロエネルギー建築についてなのですけれども、なにか新たな補助とか、支援策を作るということなのでしょうか。それと、目標として、どれくらいの数とか、どれくらいのエネルギーの発電とか、そういう数字的な目標というのはなにかあるのでしょうか。
(答)まだ、どれくらいの公共施設を、どういうペースで作っていくのかという全体像が見えておりません。各省それぞれが関わるテーマでもありますから、そういう数字的な目標が、まだできているということではありません。そこはあまりマクロで大きな目標を立てるというよりは、地元の要望も踏まえながら、一つ一つ丁寧に対応していくということの方が恐らく良いのではないかというふうに思いますので、それぞれの各省がやる様々な公共建築物について、環境省として積極的に、なんらかの支援ができるところがあれば、それはしていくと、そういう姿勢で臨みたいというふうに考えています。

(問)朝日新聞の森です。除染に関する専門家の検討会が明日から始まりますけれども、大臣として専門家の人達にどういう点を重点的に議論をしてもらいたいのか、その辺の思いを聞かせてください。
(答)除染については、環境省が全面に立ってやっていこうということで、福島除染推進チームも立ち上げましたし、本省の方でも非常にしっかりと体制を整えて、予算もできるだけ確保してやろうというふうに考えております。その中で一つのかぎは、どういった方法で除染をやっていくのがいいのか、どういう全体的なマスタープランを作っていくのか、その辺りなのですね。ですから、そこは専門的な、様々な知見を持っている方に集まっていただいて、アドバイスをいただければ、全体像を示しやすくなりますので、そこに期待をしています。私としては、もちろん技術的な問題や、全体像というのも大事なのですけれども、それを待っていたら始まりませんので、とにかくスタートしようということで、この一月ほどやってきましたので、実際に、とにかくまずはモデル事業からスタートするという部分と、全体像をどう描いていくのかという作業と、この二つを並行してやっていきたいというふうに思っています。

(問)新潟日報の前田と申します。福島県以外の上下水道の汚泥の問題なのですけれども、先日の会見で、各市町村で処理してほしいというような話も聞いたのですが、市町村の方からは、なかなか技術的にも、住民理解を得るのもかなり難しいという反発の声も上がっているのですが、国の責任でしっかりと処分をしてほしいという話も上がっているのですが、これについてどのように進めていかれるか、お考えがありますでしょうか。
(答)もちろん費用的な面、技術的な面で国が責任を持って対応していくというのは御指摘のとおりだと思うのですね。ただ、その一方で、放射性の汚染物質については、地域を越えて移動するのが非常に難しいという問題があるのですね。ですから、それぞれの地域で、ある程度安定的に処理をしたりであるとか、一時的に保管をしたりしていただかざるを得ない状態ですので、是非、そこは御理解をいただきたいと思います。ですから、国が責任を持つべきだというのが、例えば全部どこかに持って行って、全部国が処分ということは、それは非常に無理がありますし、やはり、それぞれの地域で、ある程度処理を考えていかざるを得ない状況でございますから、皆様にはいろいろ御負担をかけて申し訳ないのですけれども、是非、そこを御理解をいただきたいと思います。個別に、例えば、なかなか地域住民であるとか、事業者の皆さんに理解が得られないということであれば、そこの丁寧な説明については、国としては責任を持ってやっていきたいと思います。

(以上)

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