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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

江田大臣記者会見録(平成23年8月26日(金))


1.発言要旨

 おはようございます。今日は午前7時10分から災害関係の三つの会議があった後、8時から閣議、閣僚懇談会がございました。法務、環境、両省関係のことは特にございません。
 新たな原子力安全規制、これは組織を立ち上げていかなければなりませんが、その組織の設置のための作業を進める準備室、これが本日、内閣官房に設けられます。環境省の方からも人を出して内閣官房の中に作りますが、併せて環境省内においても準備態勢を構築しなければいけないということで、本日夕刻、事務方から御説明をいたします。環境省内の準備体制としては南川環境事務次官が本部長、白石総合環境政策局長が事務局長ということでやってまいります。それが1点。
 第2点目ですが、これは御報告。災害廃棄物の処理ですが、これは8月末までをめどに、住民の生活している場の近くにある災害廃棄物は仮置場に搬入すると。こういって市町村の皆さん大変な御努力をいただきましたが、なにしろ量が多いとか様々な事で困難な状況がございましたが、多くの関係の皆さんの御努力によって、現在、警戒区域を除く沿岸市町村すべてにおいて、この目標を8月末には達成できるということが確認できました。これはいろいろ具体的には石巻や宮古や様々な困難な所もございましたが、関係の皆さん本当に心から敬意を表します。今後は手順に従って着実に進めてまいります。広域処理というのが、これから重要になってまいりましたが、被災地自治体だけでなくて全国の自治体や関係者の皆さんの一層の御努力をお願いを申し上げます。 
 更にもう一つ。明日27日、福島市で「原子力災害からの福島復興再生協議会」、関係市町村の皆さんにもお集まりいただいて開催されますが、ここに環境省、私環境大臣と近藤副大臣、出席をいたします。この協議会は、「復興の基本方針」を踏まえて今般初めて開催されるものでありまして、福島県の復興再生に向けた対策等について、国と福島県とが協議を行う場ということになりますので、政府一体となった放射性物質により汚染された廃棄物の処理、除染、こうした取組について、私も発言をいたしたいと思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今の3番目の報告にも関係すると思うのですが、福島原発事故に伴う環境汚染に対応する新法が、今日の国会で成立する見込みと伺っております。これに対する受け止めと、それから今後、環境省がかなり重要な役割を担うと思うのですけれども、今後の課題等をお伝えいただければと思います。
(答)国会というのは一瞬先は闇と。闇か晴れか分かりませんが。とにかく、予断を許さないわけですが、しかしここまで来まして、あと一息だと思っております。「放射性物質により汚染されたおそれのある」というようなことで今日までやってまいりましたが、これからは「汚染された」廃棄物、土壌等の処理、これを一刻も早く進めていくように全力を尽くしてまいりたいと思っております。この新たな体制の中で、環境省は法律の施行に中心的な役割を担うことになります。政府一体となって進める体制を作るためにも、環境省が中心的役割を果たしていかなければいけないわけでありまして、直ちに、必要な政省令、あるいは基本方針の制定作業、それから3次補正でいろいろ要求をしていかなければなりません。予算のこともあるし、組織のこともあるし、そうした要求作業に取りかかる。更にまた技術基準をしっかり作っていくという、こうした検討もありますし。いずれにせよ、一刻も早く物事が進むように頑張ってまいりたいと。そのために人員体制の強化、新規予算要求、なかなか大変でございます。頑張ります。

(問)先ほどの、がれき処理の第一段階である仮置場、住宅近傍のがれきの撤去についてはできる見込みだということでしたが、最終処分に向けた今後の課題をどうお考えかという点と、昨日、泉南アスベストの高裁判決があり、原告側の逆転敗訴ということになりましたが、これの受け止めをお願いします。
(答)生活している場所の近くから仮置場へ搬入すると、これは8月末と言っておったのが、できるということが確認できたわけですが、もちろんそれでいいわけではないので、そこから先は今度、広域処理ということになってまいりますし、環境省が大いに役割を果たさなければならないということで、これは先般、例の国による代行、この法律ができておりまして、かなり早い段階から全国の市町村に、あるいは都道府県含め、手を挙げていただいていて、しかしなかなか、手を挙げていただいたのだけれども、いやいや、放射性物質によって汚染されたものが来るのではないかとか、いろいろな御心配もあって、マッチングがなかなかきっちりできていなかったわけですが、これは、そういったモニタリングもしっかりさせる、そしてこれについて十分に確認をしていただく、説明も尽くす、納得もいただく、こうした手続きを汗をかきながら進めていって、早急にめどをつけてまいりたいと。いずれにせよ、今年度末とか、あるいは25年度の末かな、ちゃんと目標を立てておりますので、そうした行程表のイメージに従って全力で前へ進めていきたいと思っています。
 アスベストの判決ですが、これはアスベスト被害について国の主張が、いずれにせよ高等裁判所に認められて、原告側が国に対してすべて敗訴という結果になったということで、そのこと自体は厳粛に受け止めたいと思います。まだ判決の中身まで詳しく検討することはできておりませんが、いずれにせよ、訴訟というプロセスの中でいえば、国はこの判決を受け止めるということ以外にないので、それ以上訴訟ということについてやることはありません。ただ、訴訟がどうであれ、アスベスト被害が現に起きているという事実はございまして、被害にあわれた皆さんの救済であるとか、あるいは、今後そうしたことが起きないように。起きないようにといっても、今の知見で言えば、これから患者数自体は更に広がってくるのではないかということが懸念されていますが、そうしたことが、それでも最小限に抑えられるように、あるいはまた今後のことについて、これは今、被災地域で、建物解体などでアスベストが出てくるのではないかといった心配などもされていますが、そうした被害が起きないように、しっかり被害発生の防止のために努力をしていくと。そういうことで、判決如何に関わらず、アスベスト被害に対する対応というものはしっかり国として頑張っていかなければいけないと思っているところです。

(問)今日の午後、このまま法律が順当に成立すれば菅総理が退陣を正式に表明する見通しとなりました。菅内閣で、震災などの対応というのもありましたけれども、内閣の一員として、この間の行政についてどのように自己評価されていますでしょうか。
(答)いろいろと言われますが、私としては、東日本大震災、原発事故というものを受けて、行政需要というものが膨大に広がった数か月であったと思っています。そんな中で、内閣全体として、あまり高い評価をしてはいけないかもしれませんが、私は、いろいろ御批判を受けるところ、反省しなければならないところ、いろいろあるけれども、精一杯やってきたという感じは持っております。私の所管のところでも、法務行政、環境行政、それぞれに懸案山積でしたが、着実に一歩一歩前へ進めてきていると思っております。法務でいえば、検察改革のこととか、あるいは、なかなか難しい法案の処理もございました。環境でいえば、これはやはり何といっても災害対応ですね。がれきのことなどを前へ進めてきているわけでして、いずれもまだ、方向はきっちり示して前へ進んできたけれども、更にこれから峠はますます坂道急になるというところなので、次のチームがしっかり前へ進めていってほしいという思いでおります。

(問)大臣は菅総理の長年の盟友として非常によく政権を支えられて、かつ間近で総理の相談に乗ったり、見てこられたと思うのですけれど、総理の一番の成果、間近で見てこられた中で、これが一番できたなというところを教えていただきたいのと、もし100点満点とかそういうので、点数で評価できればお願いしたいのですけれど。
(答)今申し上げたことですが、大変な事態の中で内閣を運営するということになって、確かにいろいろな御批判もいただいたところで、菅総理自身ももちろん長所も大変たくさんある人ですが、欠点もある人間ですから、いろいろな皆さんからお叱りを受けたのも確かなことでございます。しかし私は、まあ、まじめな男だなと思います。3月11日から1週間でしたか、官邸から出ずに仕事をしていたわけで。私もその当時に会いに行って、とにかくちょっと休めと。いろいろ気になることは一杯あろうけども、やはり人をねぎらえとか、そんなことも言ったわけですが。まじめに仕事に一所懸命取り組んだというのは、そばで見ていて、これはもう明かでした。ちょっと時間が経って離れてみてみると、なかなかいろいろなことをやったなということになると思うのですね。震災だけではなくて、社会保障と税のことでも、復興の大方針でも、あるいはエネルギーの方向でも、菅総理が、最初に言い出したときにやや唐突感があったりとかいうこともありましたが、結局、今になってみてみると、内閣の中でちゃんと皆の共有の認識なり方針なりになっているわけでして。私は、まあ達成感を感じてもいいのではないかなと思っております。点数ですが、これは他人がつけることですから、自分で何点というわけにはいきません。

(問)明日から民主党の代表選が始まることになっておりますけれども、菅総理の代表の任期を1年引き継ぐ形になるわけですけれども、今、公式、非公式でいろいろな方が名乗りを上げておりますが、どのような方が、どのような観点で選ばれるべきだと思われますでしょうか。
(答)これは、今日は閣議後の会見なので、閣僚の一員としては、それは党の方でしっかりと次の代表を選んでくださいということしか言いようがないので、今も申し上げましたが、私は、菅内閣1年2か月というのは、少し間をおいて、時間を空けて見てみると、いろいろな、これだけの成果を上げているじゃないかとすぐ分かる、そういうところに来ていると思うのでね、これをしっかり引き継ぎ、更に前に進めるという人なり体制でなければいけないと思います。2年前の政権交代は、やはり日本の政治史の中で重要な出来事ですから、間違ってもこれを雲散霧消させるというようなことは、絶対にあってはならないと思います。民主党というのは確かに今まで政権担当をした経験がないから、不手際もありました。しかし、政権担当能力というものを、仕事をしていく中で次第に身につけてきた2年間だったと思うので、次は政権交代時代の新たなフェーズにちゃんと入っていく、そういう人を選んでいただけるものだと思っております。菅総理のグループの、国のかたち研究会としても、これは、そういう状況を踏まえて適切に対応していきます。

(以上)

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