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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

江田大臣記者会見録(平成23年6月28日(火))


1.発言要旨

 今日は午前9時から閣議と閣僚懇談会がございました。昨夜、環境省のほうで就任会見いたしました。私は二足のわらじで、法務大臣と環境大臣の二役でということでございましたが、両省とも閣議・閣僚懇談会では特にテーマはございません。ちょっと、ここへ来るのが遅れましたが、今日は実は前々からの予定で、東ティモールの新しい大使とマラウイの新しい大使の信任状捧呈式待立をしておりまして、遅れました。皆さん御承知のとおり、震災後そうした様々な行事が延期になっていて、この時期に重なっておりまして、しかも法務省と環境省と両方重なるということで、これから勲章の伝達式など結構あれこれ立て込んでおります。環境省の方から2つほど御報告をしておくことがございます。
 一つは現在パリで開催されております世界遺産委員会で、24日の夜、22時50分ですか、我が国の小笠原諸島が世界遺産一覧表に記載されるということが決定されました。小笠原諸島というのは、小さな島の中に、陸産貝類とか、あるいは植物をはじめ、離島ならではの独特の進化を遂げた生物が凝縮されておりまして、生物進化の縮図と言える場所でございまして、世界的な価値が認められたということでございます。日本ではこの自然遺産、知床、白神山地、屋久島に続いて4番目ということでございますが、こういう誕生、震災に苦しむ私どもにとっては大変勇気付けられることだと思っております。
 もう一つは、これは、ちょっと残念なニュースでございますが、昨日東京都の23区の清掃工場から排出された焼却灰の放射能濃度の測定結果が東京都から公表されまして、最も濃度が高かった江戸川清掃工場の飛灰、燃えた下に溜まったかすではなくて、煙と一緒に飛び散る、これを集めているわけですが、その飛灰の放射性セシウム濃度が、1キログラム当たり9,740ベクレルだったということでございまして、これは東京都知事から内閣総理大臣と環境大臣に要望が出されてもおりまして、こうした状況を受けまして、環境省の方から東北地方と関東地方等の15都県を通じまして、一般廃棄物の焼却施設における焼却灰の測定等の要請を行うこととしております。処理方法は、早急に安全な方法を提示できるように、国立環境研究所と連携して、必要な調査を行うことといたしました。全力を尽くしていきたいと思っております。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)改めてなんですけれども、環境省と兼務なされるということについての、大臣の所感と受け止めを伺いたいということと、法務省では検察改革等、課題が山積みですが、それらに今後どういうふうに当たっていくかということを改めてお聞きできますでしょうか。
(答)昨日、環境大臣の就任会見でも申し上げましたが、もちろん、心浮き立つというような状況ではありません。今、政治状況もなかなか大変なときに、しかも法務行政も環境行政も、共に大きな課題を抱えているという状況の中で兼務ということですから、それぞれ一つずつでも大変なところです。しかし、いろんな状況から兼務という判断になったのだと思いますので、これを菅総理大臣、そして菅内閣をしっかりと支えるために、微力ですが、両方の行政担当責任者として頑張っていきたいと思っているところでございます。法務省については、捜査の可視化のこととか、それから法曹養成であるとか、様々な課題が登山でいうと、ますます上り坂が厳しくなってきているというところでございますが、これも全力を尽くしていきたいと思います。1日24時間しかありませんが、1日30時間あるつもりで頑張っていきたいと思います。

(問)昨日の人事を断行したことによって、民主党の執行部にも事前に知らされていなかったとか、あるいは自民党議員から政務官に引き抜きをしたということで、民主党の執行部との関係が非常に悪化しているとされています。そういった状況で正に四面楚歌に近い状況ですけれども、党執行部との関係を今後改善していくにはどういうことをすべきかということと、大臣御自身がそうした菅総理をどういった形でサポートされていくつもりかということをお願いします。
(答)正に御質問の中にもありましたとおり、「されている」ということで、どの程度、どういう関係になっているかというのは、私は直接自分で話をしたり伺ったりしているわけではないので、よく知りません。知りませんが、いずれにしても、今、政治状況が大変な状態になっていることは確かで、私としてはとにかく自分が今与えられた法務行政と環境行政、これをしっかりやることに尽きるのだと思っております。そのほかにも更に特命で、政府と党の環境調整をと言われても、これ以上兼務はなかなかできませんので、大いに皆の理解も得ながら、与党の方もそうですが、野党の方もみんなの理解を得ながら、菅総理も昨日、三つの課題を述べられたということなので、そうした課題が早期に達成できるよう頑張っていきたいと思っております。

(問)放射性セシウムを含んだ廃棄物についてですけれども、福島県の方でもがれきの処理で、再処理処分の方法がまだ決まっていないという状況で、福島県知事なんかは最終処分場をどこに作るのかということに関して、県内には作りたくないという意思表示をされています。今後この処理方法をどういう方針で進めていくべきとお考えですか。
(答)昨日の夜就任したところで、まだこれまでの経過や、あるいは省内の検討、あるいは当該自治体との折衝の経過などを十分聞いておりませんので、そうしたことを踏まえて適切な判断をしていきたいと思います。いずれにしても原発事故でかなりの量の放射性物質が飛び散ってそれが、災害廃棄物にも付着をしていたり、また今の下水の処理とか、いろいろな関係に出てきているのは確かですし、これは何としてもしっかりと処理処分をして行かなくてはいけないというのは当然で、一時貯蔵をどこかにお願いするということがまず必要なんだろうと思いますが、そこへ一応安定的に一時貯蔵できるようにとりあえずすると、そしてその後の最終処分というのはゆっくりとはいいませんが、拙速で行き詰まってしまうということがないようにやっていきたいと思います。

(問)災害廃棄物の関連なのですが、先ほど江戸川の事例を出していただきましたけれども、今の段階では福島の災害廃棄物についてしか処理指針というものがまとめられてないのですが、今後一般の家庭ゴミでも、そうした飛灰で高い放射性物質が出たことを受けて、新しい指針といいますか、そういうものをまとめることは検討しますでしょうか。
(答)いずれ検討しなきゃいけないと思います。考えてみれば、正に使ってはいけない言葉、想定外と。そういう原発事故だったわけですね。したがって、こういう事故によってこれだけ放射性物質が飛び散る。それがこの下水道の例であれ、家庭からのゴミであれ、あるいは災害廃棄物であれ、そういうところに飛び散って、放射能汚染をしているかもしれない。そういういろんな廃棄物があるという状況というのは今まで想定できていないわけです。それどころか、とにかく原子力発電所の外部交流電源が相当長時間にわたって全部途切れるというようなことは、想定する必要がないなんていう、昨日もちょっと言いましたが、そういうマニュアルを引き継いで我々原子力行政を引き継いできたわけですから、やっぱりこういう事態に直面してしっかりした指針を出していかなくちゃいけないところだと思っております。ただ、ゴミ処理の環境行政について繰り返すようですが、私自身にとっては省内の検討など十分まだ聞いていないので、それをしっかり聞いて適切な処理にしていきたいと思います。

(問)政治の関係の話なんですけど、今のお話でもあったように焼却灰に放射性物質が入っていると、ちょっと前では考えられないような話題が今当たり前のようになされていると、こういう状況の中で今回の人事がありましたよね。これは明らかに原発政策をどうしていくかということも考えた布陣じゃないかと思っているのですが、今後の菅政権の在り方として、原発政策を続けていくのか、脱原発の方向に舵を切っていくのか、大きな政治の流れとして大臣はどうお考えでしょうか。
(答)昨日の就任会見でも申し上げたので、簡単にしたいと思いますが、人類の文明の程度が一体どういう状況かと、復興構想会議を梅原さんにお願いしたときに、梅原さんが今回の事態というのは文明災だとおっしゃいました。サイというのはもちろんお祭りのサイじゃなくて、天災、人災という災害のサイですよね。文明というものが引き起こしている災害で、これは現代に生きる哲学者としても必死になってこれの解決のために取り組まなくてはいかんということを言われたというのですが、そのような私の昨日の紹介した例でいえば、イギリスの物理学者サー・オリバー・ロッジの水素の原子核から取り出すエネルギーが本当に人類の幸福につながるかどうか、核融合の話ではありますが、基本的には同じです。それはそのときの人類の文明の程度によるんだと、私どもはそうしたことを真剣に考えながら原子力エネルギーとの関わり方を考えていかなくてはいけない。そういったことを考えずに、とにかく原子力エネルギーというのは夢の魔法のいかなる困難も全部解いてしまう呪文のようなものだというわけにはいかないと。こういう事態に直面しているのだろうと思います。
(問)繰り返しで申し訳ありませんけど、兼務をなさった最大の理由というのをもう一度教えていただきたいのですけど。
(答)菅総理大臣の要請だからです。
(問)その要請があったときに逡巡なさったり、悩まれたりもした上での決断だったのでしょうか。
(答)悩むも悩まないもそれはないので、長い長い本当に長い盟友の菅内閣総理大臣が今大変な困難な中を政局運営をやっているんですよ。いろいろ言われるそれを全部分かっているとは思いますが、それでもテーブルをひっくり返すような辞め方をするわけにもいかないので、ここは若い世代にしっかりと責任を引き継いでいきたいという、その菅さんがここのところ一つ力を貸してくれと言う以上は、これはもう良いも悪いもないということです。

(以上)

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