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環境省大臣記者会見・談話等>政務三役会議後記者ブリーフ要旨

大臣記者会見・談話等

政務三役記者ブリーフ会見録(平成22年11月1日(月))


1.発言要旨

(副大臣)では私の方から、大まかな今日の、今の三役会議の流れだけお話しをさせていただきたいと思います。COP10もありましたので、久しぶりの三役会議ということでありましたので、当面のスケジュール、最近の環境省の各部局の動きというようなことであります。また御承知のとおり、政策コンテスト、ヒアリング、環境省のところはこれからでありますので、そのことについて。あるいは三役として、大臣等規範の徹底ということがありましたので、その話もさせていただきました。それと近々のことでいうと、これは全部細かい日程のことでありますが、地方環境事務所長会議、地球温暖化防止活動環境大臣表彰、第7回のエコプロダクツ大賞環境大臣賞について、3R推進全国大会について等々の、今後の、近々の重要な日程について、三役でどう出席するかの調整をさせていただいたというようなことであります。大まか、久しぶりの会議ということで、そうした事務的な連絡、相談があったということであります。
 以上です。
(大臣)久しぶりに3人で会ったな。
(副大臣)そうですね、はい。あとは大臣からやはりCOP10について。
(大臣)それぞれ紙面を割いていただいて、従前から生物多様性という言葉の浸透を図っていただいた皆さんにお礼を申し上げたいというふうに思っております。
 実は、28、29日がものすごく重要な時間があったということで、議長提案の出し方、それも丁寧に出さなければならないということで苦労しましたし。そういう意味では、皆さん方の動きも含めて、この成功に導いたのだなというふうに思います。事務方の一人一人がいなければ、私を含めて誰1人欠けてもこの成功は無かったと思うくらい、かなりスリリングでしたし。しかし思いは、正に皆が名古屋に、2010年までの危機感と、損失速度を止めようという2010年目標が駄目だった危機感と、そして希望を持って、名古屋に皆集まってくれて。で、それぞれ皆さん方が対立している、あるいは相違点があるというふうにいつも言われていましたけれども、17日に私、名古屋に入った時に、その質問をされた時に私は、それはあるけれども共通の利益があるというふうに、必ずあるというふうに私は思ったのですけれど。昨日、朝初めて気がついたのですけれども、僕が共通の利益と言ったのは何なのかなというふうなことを考えたら、例えばこちら側に先進国があって、こちら側に途上国があって、それぞれ皆、国益が200の国にあって、で、皆そこで議論をする中で、長い議論を重ねていく中で、28日までいろいろな議論をして、歯がゆい思いをして、痛みを分かち合って、譲歩して、妥協して、皆がそこまで来た。
 つまり、一つの国がそれぞれ、自分たちの国益の中から少し人類益というか、地球益の真ん中に積み重ねていった、先進国も自分の国から、自分たちの利益ばかり言ったのではまとまらないということで、真ん中の地球益というか、人類益を積み重ねていって、アフリカ諸国もそうしていって、要するに共通の利益が固まってきた。大きくなってきた。そこに議長提案というのがあって、そこに皆さんのこれが乗っかってうまくいった。だから、誰が欠けてもこれは成就しなかっただろうと最初に言ったのは、アフリカがいなくてもEUがいなくても、皆さんがいなくても私がいなくても駄目だったろうというふうな、ものすごく、その思いが、成就したという意味では、大きかったなと。だから先ほど言ったように、真ん中の地球益とか人類益に、それぞれの国が、自分たちの利益を少しずつ、痛みを伴って重なっていった。これ、ベネフィットシェアリング、これがね。だから、ABSのベネフィットシェアリングではなくて、自国のベネフィットを、地球益として少しずつシェアリングしていった形が、今度の成功につながったのだと。で、それは、いろいろな意味で皆が希望を持って、絶対成功させるという思いを積み重ねた結果だろうというふうに思います。
(木づちをたたいて)以上。

2.質疑応答

(問)(木づちを指して)それは、ちなみに持って帰られたのですか。
(大臣)持って帰ってきた。まだ議長だもの、私。
(問)ああ、そうですね。
(大臣)持ってって良いのかなって、あそこ置いていったらね、置いたままだったから。普通、持って帰るらしい。
(問)議長がですか。
(大臣)うん。で、今度インドのラメシュに渡す時は多分、新しい(木づちに)。

(問)COP10では議定書と共にターゲットの方がうまくまとまりまして、で、ターゲットの方はやはり環境省として、保護区にしろ絶滅危惧種にしろ、環境省主導でやっていかなければいけないことがいろいろあると思います。その辺り、どういうふうな取組を、どういうスケジュール感でやってらっしゃるのかというのを。
(大臣)正に今おっしゃられたとおりで、ターゲットにしてもプロトコルにしても、今スタートしたわけで。そういう意味では、議長国としての自国の国内法とか、そういった意味では、スピード感を持ってやっていかなければならないということは、昨日、おとといぐらいからずっと思ってまして。そういう環境立国、あるいはCOP10の議長国として、やはりこれは今おっしゃったように、保護区の問題、絶滅危惧種の問題、森林の問題、すべてにかかわりますけれども、スピード感を持ってやっていかなければならないなというふうに思っています。ですから、批准が50日?
(事務方)50カ国以上が締結した後の、90日後です。
(大臣)そういうスケジュールはちょっと分からないから。すみません。

(問)批准なのですけれども、政府としては、今国会でも、例えば提案というか、する方向なのでしょうか。日本国としての批准の方向なのですが。
(政務官)今、私ども環境省としてやりたいのは、閣議決定をしました里地・里山法案の早急な審議入り並びに成案を得るということでありまして、なおかつ御案内のとおり、土曜日の未明に、今回採択になったということでありますので、今後、環境省を始めとして、各省と連携を取りながら、今後対応については、しっかり具体的に推進すべきことは推進をしてまいりたいと、取り組んでまいりたいというふうに思っています。

(問)ABS国内法では、チェックポイントを一つ以上作るということになると思いますけれども、現時点でどのような機関がふさわしい、既存のもの新規のもの、とお考えでしょうか。
(大臣)まだ具体的なことはちょっと。まだ、これから整理してやりますから。

(問)今後、例えばなのですけど、厚生労働省だとか、農林水産省だとか、多くの関係省庁がかかわる問題かとも思うのですが、プロセスとして国内法についてどのような形で運用されていくのでしょうか。
(政務官)だからこそ各省と、すみません、先ほども申し上げましたとおり、しっかりと連携をとってまいりたいというのがまず、私どもの今一番目指すべき、やるべきことだろうというふうに思っておりまして。具体的なことにつきましてはまた、発表できるような段階になりましたら、また丁寧に説明させていただければ有り難いというふうに思います。

(問)地球益ということなのですけれども、これで、温暖化と生物多様性の上で、どちらも日本発の議定書ができているということになるわけなのですが、いずれもやはりアメリカが入っていないということになりまして、で、松本大臣、今後2年間、日本が議長国ということなので、アメリカへの働きかけというのは何か考えることは。
(大臣)それは、文言に書いてあったでしょう。
(副大臣)具体的にアメリカとは書いてない。
(大臣)具体的にはアメリカとは書いていないけれども、当然これから先、そういうことは考えていくことだろうと。いつ、どこどこで、どういう範囲で、まあ外務大臣もおられるし、いろいろなところでこれは、いろいろな国際会議とかいろいろなところがあって、私がアメリカと、そのことのために会いにいくとかということではなくて、いろいろな場面でいろいろなチャンスはあるだろうというふうに。

(問)ターゲットの実現に向けては、国内では国家戦略の第4次改定ということがあるかと思うのですけれども、これはいつぐらいから着手して、いつごろメドというのは。
(副大臣)これでCOP10でのターゲットが決まったわけですけれど、各省庁、非常に関係してくるところですし、国家戦略についても今までとは違って大きく動かしてくるところですから、そういう中での4次、これからということであります。もちろん各省庁、この会議にはかかわってきたわけですから、それぞれ準備というか、この会議に向けての対応をしてきたわけですから、その中から進んでいくと思いますけれども。いずれにせよ、やっとここで議定書という枠が、議定書とターゲットが決まったわけですから。いや、これからスタートという意味ではなくて、具体的にはここからだというふうに思っています。
(大臣)今度のCOP10は、海外の皆さんからいつも言われたのは、愛知・名古屋のホスピタリティというか、よく行き届いた受け入れをしていただいた、そして議事運営の運び方がものすごく良かったと。COP15を経験されてきていますから。コペンハーゲンを経験して名古屋へ来られているから、もうイギリスの大臣などは、アトモスフィアがものすごく良いと言われて。それは、受け入れから議事運営も含めてずっとやってきた、そういうやはり、やり方も含めて、日本が少しずつ、日本はちゃんとやっているのだな、一生懸命やっているのだなという信頼を醸成していったというのは、この18日から始まって28日までの皆さんの気持ちが、やはり、日本がこれだけしっかりやってくれているのだからという思いも、そこにはあったと思います。
 ナミビアの女性の大臣が、コペンハーゲンの失敗を今度許すなら、後々の政治指導者は許されないだろうと。ここに参加した政治指導者は歴史が許さないだろうと言われるくらい、やはり重い思いを持って自分自身も来たということがあって。皆、三つの議定書がまとまって、何かサンキュースピーチとかいって、私と日本政府に対する御祝いの言葉を言う時に、ちゃんとこの議定書をポケットに入れて、息子や娘に渡しますというスピーチとかがあって、その子たちが孫に渡してくれるでしょうと。そういうスピーチがいろいろあって、良かったなあと思った。

(問)そういう意味では、昨日の今日の話で恐縮なのですけれども、メキシコ政府から、COP16に向けてアドバイスを下さいというか、それこそ日本の運営が非常に良かったので、メキシコから何か知恵を貸してくれみたいな話はないのでしょうか。
(大臣)いや、それはまだ。
 一つ、今度一番取り組んで良かったなと思うのは、27日からハイレベルセグメントしましたよね。閣僚級会議を。つまり、作業している人たちがなかなか進まないということで、27、28、29でハイレベルセグメントをやったのですけれども。つまり、責任を持って政治的な決断をしなければならないよというアナウンスを、ここで閣僚級にしたことになるのですね、早い話が。これ、政治解決しましょうと。作業部会で決まらないから、政治解決しかないということを閣僚の人たちに伝えて。閣僚級会議がずっと、私は公式会合の最初の5分出て、私は非公式会合ばかりで、なかなか皆さんにお話しすることができないのですけれども。この非公式会合で、やはり信頼醸成していって、腹を合わせていって、それこそ各ブロックでしっかり作業している人たちに、交渉人に、閣僚級がガイドラインを与えていって、そのガイドラインに基づいて、またちゃんと作業しましょうよということを言って。その非公式の閣僚級会合が、皆、ほとんどの人が、COP10成功させましょう、名古屋で議定書作りましょうということがありましたから。そういうのも含めて、私たちも、その議論を議長提案の中に盛り込んだというか、最後の最後の彼らの思いを議定書の中に詰め込んだのですよね。それまでの議論も詰め込んだけれども、最後の最後、あなたこう言ったじゃないか、こう言ったじゃないかではなくて、皆が聞いている大多数の意見を、議長提案の中に、最後の最後28日の午後から夕方にかけて、どんどん議長提案に詰め込んでいったということでしょうね。議長提案いつできたのですかと言われても、ちょっとこれ言えないですけれどね。どんどんどんどん、やはり皆、会議の様子を見ながら、話を聞きながら、どこが落としどころか。
 だから私も、非公式会合で、この部屋の半分くらいのところに、EUと六つの地域の人たちが集まって。で、合意をずっと取り付けていって。さあこれからどうなるかなと思った時に、アフリカの人たちが来て。2、30人来たよね。
(副大臣)そうですね。代表者ではなくて、皆さん。
(大臣)皆来て。この話はもう新聞に載っているよね。
(副大臣)載ってましたね。
(大臣)2、30人入ってきた時に、どんな話が聞けるのかなあと。ナミビアの大臣が来て、話し始めて、10分くらい話しして。10分くらい話した中で、最初、議長がこれを出したことには敬意を表しますと。途中で、HOWEVERが3回くらいあるわけよね。しかしながらが。だから、また何か言い出すのかな、怖いなと思ってずっと聞いていて、最後の最後になって、私はこの議長案からスタートしたいと思います。あれは何と言ったのかな。ほとんど覚えていないけれどね。いわゆる合意しますと。合意しますと言った時に、私はもう泣き始めて。だってEUとアフリカが抱き合ったもの。EUの本当に頑張っていた人が涙を流したし。ナミビアの、アフリカの環境大臣が出てきたところ、俺もうさっと出て、表で、皆ありがとう、ありがとうと握手していったら、ナミビアの大臣の右のほっぺと左のほっぺにキスして。そのくらい嬉しかった。それがもう3時前で。3時前にそれがあって。だから、まだ全体会合開けないから。しかしそこから、とにかく環境省にも外務省にも、交渉官にも、今から危機管理と。これでまとまったと思ったら大間違いだと言って、これから危機管理しましょうと言って。いろいろなトラブルとか、いろいろなアクシデントが起こってはいけないから、ここで気を緩めてはいけない。だから、いろいろな情報を持って探してこいといったら、本会議でもめたでしょ、いろいろ、あの情報もいろいろとってきて、それに対処をどうするかという危機管理をずっとしてきた。その詰めも、ある程度良かったというか。まあ、今度ゆっくり話します。いろいろなことがありました。

(以上)

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