環境大臣 小沢鋭仁
あけましておめでとうございます。昨年も環境行政に多大なご理解とご協力を賜り、心から御礼申し上げます。平成22年の年頭に当たり、ご挨拶申し上げます。
私は、昨年9月に環境大臣に就任して以来、環境行政に積極的に取り組んでまいりました。国民の皆様の選択によって生まれた鳩山内閣としても、環境問題、特に、地球温暖化問題への対応を、外圧対応の消極的なものから世界の議論をリードするものに抜本的に変革しました。
昨年12月の気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)においても、コペンハーゲン合意に向けて積極的に貢献しました。この合意により、第一に、米国・中国が入る制度の原型ができました。また、第二に、短期及び中長期の途上国支援について、具体的な認識の共有がなされました。これは、温暖化防止に向けた重要な進展であると考えています。
そして、公平かつ実効的な国際的枠組みの構築を前提に、1990年比で、2020年までに我が国の温室効果ガス排出量の25%削減を目指すという野心的な目標については微動だにしておりません。鳩山政権では、この25%削減のための行動を、「チャレンジ25」と名付け、その実現に向けて大胆に政策を推し進めています。
この「チャレンジ25」は、国民の皆様や産業界に「ガマン」を強いるものでは決してありません。今より快適で住みやすい暮らしを実現し、地域を元気にするとともに、日本のエコ産業の躍進を目指すものです。
まず、皆様の日々の暮らしについては、省エネ家電に対するものに加えて、新たに住宅の省エネ改修に対するエコポイント制度を導入すること等により、エネルギー消費を抑えつつ、快適な暮らしを実現するお手伝いをします。
また、世界の先進的な取組を見ながら、大幅な温室効果ガス排出削減を実現しつつ、元気な地域づくりを進めます。例えば、コペンハーゲンでは、主に再生可能エネルギーを活用した地域暖房システムや、バス専用レーンや自転車専用レーンを設けるなどエコ交通システムを導入しています。我が国でも、様々な取組を進めようとする先進的な地域を思い切って支援し、元気で環境に優しい地域づくりを進めていきます。
一方、25%削減について、産業界としては困難だ、という話を聞きます。しかし、ものづくりでも地球温暖化対策は日本にとって大きなチャンスです。いままで価格競争しかなかったところに環境という性能ファクターを入れることで、性能で勝負できるようになります。日本の環境・エネルギー技術の競争力を保つためにも、積極的な環境政策を行い、日本の多くの企業にとって新たなチャンスをもたらします。そのため、来年4月からの地球温暖化対策税の導入や、キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度の導入により、市場を変革します。また、カーボン・オフセット制度や環境金融等により、環境投資を促進します。
本年10月には、愛知県名古屋市において生物多様性条約第10回締約国会議、通称COP10が開催されます。生物多様性の危機が叫ばれる中、世界的にも注目されているこの会議を議長国として成功に導き、これを契機に生物多様性を守る取組を国内外で強化していきます。同時に、魅力的な国立公園づくりや人といきものが共生できる関係づくりを進めます。
循環型社会をつくり、社会全体の資源効率性を高めることは、社会全体の温室効果ガス排出抑制にも結びつきます。そのため、意欲と能力のある事業者を育てることなどにより、廃棄物の発生抑制、リユース、リサイクルの3Rを強化します。
政府の基本的な務めとして国民が安心して暮らせる安全な社会を保ちます。そのため、東アジア全体を視野に入れた取組や、浄化槽の整備、土壌汚染対策等地域の取組推進など大気、水、土壌環境の保全を進めます。また、子どもの心と体の問題に関して、環境問題による影響を調査するなど、化学物質対策を進めます。さらに、水俣病を始めとする公害健康被害対策、石綿健康被害対策等を着実に進めます。
地球と日本の環境を守り、未来の子どもたちに引き継いでいくため、私はあらゆる政策を推進します。皆様方の環境行政へのより一層のご支援・ご協力をお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。