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大臣記者会見・談話等

小沢大臣一般記者会見録(平成22年5月11日(火))


1.発言要旨

(政務官)お疲れ様でございます。御参集ありがとうございます。4回目の環境大臣一般会見を開催させていただきます。事務方の方からは何もございません。大臣の方からは。
(大臣)今日も閣議後会見がありましたが、私から御報告したことはございません。どうぞ皆さんから。
(政務官)では、お名前と所属を述べて、お願いいたします。

2.質疑応答

(問)ルポライターの横田由美子と申します。いつもお世話になっております。本日の環境委員会で、齋藤健さんの方から質問が出たかと思うのですけれども、環境省の中期ロードマップ検討会の分析について、批判的なタスクフォースメンバーの有志から文書が出ているのですけれども、これに対して、鳩山総理大臣の御所感をいただいたのですが、大臣としての御所感というのをちょっとお聴きしたいのですが。
(答)いろいろな意見があるということだと思います。モデル分析というのは元々がそういうものでありまして、それを大いに議論をすればいいわけだと思っております。昨年、いわゆる前政権からの引き続きのタスクフォースのチームでやった分析は、3例とも成長率もマイナスが出たと、今回は4例やって、そのうちの1例は成長率、雇用ともプラスになったという話でございまして、そういった意味では、いろいろな条件によって変わるのだなということがはっきり分かったということではないでしょうか。

(問)引き続きよろしいでしょうか。今の話を受けてなのですけれども、当時、昨年の段階で産経新聞さんの方で、麻生政権とほとんど数値が変わらなかったことに対して、大臣自身が、今後は民主党を応援する人がやると、それに付随するような形で福山外務副大臣が、これも産経新聞からの引用からですが、このままの数値が出ていくとネガティブなイメージを与えてしまいかねないということをおっしゃって、タスクフォース自体を非公式にしようというようなことがあったというふうに報道されているわけですけれども、それを受けての批判的なコメントなのではないかというような見方もできるわけですが、この辺りはいかがお考えでいらっしゃいますか。
(答)それを受けての批判的なコメントというのは、誰の。
(問)要するに、その時のタスクフォースのメンバーで、何人か入替えになったわけですよね。で、はずされてしまった人たちというか。
(答)はずされたというよりも、全く新しく作ったというふうに思っていただいた方がいいと思います。要するに私の発言の趣旨は、民主党がこれからやろうとしているような政策、技術革新、そういったものが反映されていないモデルであったので、前回の場合はですね、次はそういうモデルを、反映したものをやりたいという意味で申し上げました。

(問)フリーランスの岩上です。よろしくお願いします。4月30日に日本学術会議が、温暖化についてのシンポジウムを、半日かけて長いシンポジウムを行いました。クライメイト・ゲート事件、IPCCから流出したと言われる様々な、いろいろな疑いがあるというメール、ウォーターゲート事件にちなんでクライメイト・ゲート事件と言われていますけれども、これを前提に置きながら、この問題について日本の学会として、どういうふうにこれを受け止めるべきか、考えるべきかということを論じたシンポジウムだったのですけれども、これについて少しお話を伺いたいと思うのです。ヒマラヤの氷河が2035年、5分の1になるのではないかといったようなことがIPCCから言われていたのだけれども、どうもスピードはそうではないらしい。こういったいくつかのポイントに関しては、そこに出席されている方々もお認めになってらっしゃる。
問題点はいくつかあると思うのですけれども、そもそも温暖化というのは事実なのかという第1点の問題。気候変動といって、温暖化じゃない方向に振れているのかもしれない。第2点は、仮に温暖化が事実であっても、その原因がCO2によってもたらされているかどうか。これも絶対的、確定的なことなのかどうなのか。これが一つ、第2点目。第3点目の問題として、温暖化が進み、かつその主たる原因がCO2だとしても、予測がそのとおりではないということがあり得るか。これまで言われていたとおりの速度で進んでいく、あるいはその対策が、例えば日本だと25%カットということ。これが例えば、実効性のあるものかどうなのか。行き過ぎていないか、逆に足りないのかといった、そこがそもそもあやふやだと対策にもちょっと問題がありますよね。4点目として、こういった問題が欧米では盛んに議論され、報じられかつ議論されたけれども、日本では報じられもしなかったと、あるいは報じられてないと言い切ると、ちょっと問題があると思いますけれども、ここで実際に出席した日経新聞の記者の方が、日本では、こういったことを報じる状況にはなかった。報じることを会社として許さない雰囲気があったとかいう発言がありましたし、あと学者の方は、報じないことは非常に良かったというような発言をして、逆に、よらしむべし、知らしむべからずというようなことなのかと批判を浴びていたり、日本としては非常にちょっと、言動、どちらが正しいかどうかは別として、そういうことを論じ合うことが自由にできない、今はまだ状況にあったのではないかというちょっと反省も一部見られました。
ちょっと長い質問になって大変恐縮なのですけれども、大臣、この問題に関して、論点はいくつかに分かれますが、御見解をお聴きしたいと思います。
(答)まず一番大事な話は、そういった懐疑論の真偽がどうかということだと思います。その学会の議論も、私も大変関心を持っていたのですが、結論としてIPCCの話がおかしいとか、あるいはおかしいまでいかなくても、疑わしいからもうちょっとチェックしようとか、そういう話にはならなかったというふうに聞いています。
(問)全部ビデオを起こして読み返してみましたけれども、やはり学術論文できちんと査読をするとか、手続をとっていかないといけないという、その手続論が随分語られていました。その手続の部分に不備があったのではないかというような指摘が随分出ておりました。ちょっと、だから一般の人が聞くと分かりにくい議論ではありますけれども、学者にとっては、手続というものをもうちょっと厳密にやるべきだという反省はあったようです。従って、その厳密でない手続によって出てきたもの、一部、今まで言われたように、IPCCが公式見解と言われたものが必ずしも正しいとは言えない。細かいところに違う部分もあるという、その程度には、科学というのは、逆に言うと振れ幅の大きいものであるというような御説明もあったように思います。
(答)岩上さんの何点か具体的な質問がありましたが、それをひっくるめて、いわゆる本質的な議論というふうに申し上げると、私自身もそこはものすごく関心を持っていまして、日本の政策の遂行者として、誤った政策遂行をしてはいけないわけですから。そこは正直言って、大変関心を持っていろいろな報道を見ていました。それで、日本であまり報道が無かったということもないのではないでしょうか。私は中央公論だとか、文春だとか、そういったところでも太陽の黒点原因論の論文とか、読んで見ていますし、そういうものがあれば必ず目を通すようにしていますので、そういった意味では、日本でそういう報道が無かったということはなかったというふうに思います。
まず、いろいろな事実関係で誤りがあったというのも、これまたIPCCが認めているとおり、いくつかあったと思います。ただ、本質論に関して言うと、温室効果ガスが原因で地球の温暖化が進行しているという、そこの本質論に関して言うと、そこに関してはまだ疑義は無いと。これは今のところ日本も、あるいは世界各国の政府も全く微動だにしていないということではないでしょうか。IPCCの長い報告書ですから、そういった中にはミステイクも当然あるわけで、それが本質的なものにつながるものなのか、そうでないのかという、まず見極めが必要なのと、現時点においては本質的なものではないミステイクだということでIPCCも訂正を出してますよね。出したと同時に、即座に、実はそういう問題が、クライメイト・ゲートみたいな話が出たときに、たまたま南川官房長がインドに行く機会があって、パチャウリさんと話をしてもらって、とにかくIPCCとしてもちゃんとやってくれと話しました。検証委員会も作ってやってもらっているはずですし、そういういろいろな事実関係のIPCCの文書があったら、もちろんネット上でもオープンにするし、それで英語であるのは、こちらの環境省の方で即座に日本語に訳してホームページに載せると。そういう作業も連携してやれるようにしました。そういう、いわゆる本質的でないところの事実関係に関しては、そういうことがあってはいけないわけですが、できるだけこれからならないようにしようということと、あったら即座にきちっと対応しようということと。それから今日も委員会で申し上げたんですが、このIPCCの話に関して言うと、この位置づけの重さというのは、いわゆる、どこどこの一研究機関が何人かの研究者のチームで研究して発表したというようなこととはちょっと違って、これは皆さん御案内のとおり、世界中の文献も読み込んで、世界中の著名な専門家がですね。なおかつ各国が有識者、政府含めてそれを検討して、そして、その上で報告書として成り立ってますので、そういった意味では、そこのところに関しては今のところ、私自身は全く疑義は持たない、そんな気持ちでいます。関心は大変持っています。
(問)このことは、あまり報じられないということはなかったというふうにおっしゃられましたが、先ほど大臣が例に挙げたのは雑誌だったりしまして。
(答)新聞でもいっぱい書いていたじゃないですか。もし書いていないとしたら、正に皆さんの頑張りどころだから、皆さんが大いに発信していただいたらいいのではないでしょうか。
ただ問題は、いつも言っているのですけれど、IPCCの組織論を申し上げたのですが、例えば1000人の賛成と1人の反対みたいな話でも、新聞紙面で書くと1対1になっちゃうんですよね。1000のボリュームと1のボリュームというふうにならないので、そこは本当にメディアの皆さんには是非御注意いただきたいという話をいつも言っているんです。こういう意見もあると、こういう意見もあるよねって必ず言うのですけど、こっちの意見は何万人の意見で、こっちの意見は本当に少ないという、そこを見極めて書く能力こそ、正にメディアが問われている能力で、一般の素人の人たちはそこは分かりきらないわけだから、そこをミスリードしていただかないように皆さんには是非お願いしたいなと思うのですけどね。

(問)ニコニコ動画の七尾です。視聴者の質問を代読いたします。生物多様性を破壊した企業に、別の場所での再生を義務づけるオフセット制度についてなのですが。生物多様性条約事務局のジョグラフ局長が、7日の会見で高い評価をしまして、10月の名古屋市でのCOP10で議論する意向を示しました。この制度の詳細が明らかであれば教えていただきたいのですが、例えば、百歩譲って移植でしたらまだ分かるのですけど、再生とは具体的に何を指すのでしょうか。例えば、失われた生物種そのものなのか、生物の生息環境条件の復元なのか、それとも両方なのか。再生という言葉はいいのですけども、なかなか簡単にはいかないと思うのですが。
(副大臣)ジョグラフ事務局長が言ったかどうかは私も承知はしておりませんが、オフセットについて、欧米、アメリカなんかでかなり、汎用性、随分採用されているという報告等々は聞いております。ただ、このオフセット自体、国内でも今おっしゃったように移植なのか、それとも代替地で補填をすればそれで事足りるというのか、その解釈自体が国内で定着しているわけでもありませんので、私どもオフセットについての考え方、また概念というものについても関心を持ってはいますが、まだこれが国内でアセスメント等々をやっていく上での解決策として適当かどうかというような結論にまでまだ正直至っておりません。今後もう少し詳細であるとか、アメリカ等々で行われているオフセット自体がどういう成果を挙げているのか、それが本当に良い意味での代替案として意義あるものなのかも含めて、やはり検証をこれからしないといけないと思っております。

(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。4月の、ちょっと細かい日程は忘れたのですが、環境対応車戦略というのを環境省が出しているかと思うのですが、その中で、以前にも小沢大臣に聞いたバイオ燃料、藻が有効ではないかというようなお話をされていたと思うのですけれど、環境省、農水省、経産省もそうなのですが、バイオ燃料のE10というものを推進しておりまして、そういうものを京都議定書では2010年までに50万キロリットルを生産していこうという話になっているのですが、これが全然達成できていないということに関して、いろいろ障壁があると思うのですが、サービスステーションでの普及拡大をどのように考えているのかとか、もしくは税金、脱税や不正軽油、まあ軽油では無いのですが、そういったものがあるのではないのかということで、今後バイオエタノールの普及戦略についてどのような御見解を持っているのかということをお伺いしたいなと思っているのですけれども。
(答)まずバイオエタノールに関しては、大いに推進をしていきたいというふうに思っています。ただその、脱税とかいう話はちょっと分かりません。それともう一つは、藻に関しても、これはもうすぐにでも有効だぞという意見もあれば、いやまだ何年もかかるんだという意見も両説あってですね。つい昨日、農水省の皆さんとそういう議論をしたばかりなのですけれども、正直言ってまだきちんと現状が発表できるような状態までいってません。あと中環審の方で、是非E10を推進していきましょうという話を取りまとめをしていただきましたので、先般は自動車のメーカーの皆さんにお集まりいただいて、私からも、是非政府としても頑張っていくのでメーカーの皆さんもそれに合わせた技術対応について、協力をいただきたいという要請をいたしました。ですから、大いに推進はしていきたいと思っています。
(問)今日の直嶋経産大臣の会見で、直嶋大臣が、バイオ燃料はCO2削減には有効であると思うが、最近いろいろ議論が出てきて、ちょっとバイオ燃料自体の効果について検証しなければいけないというような発言をされているのですけれども、それに対して、やはり小沢大臣はバイオ燃料は有効であるというような御認識でいいですか。
(答)モノによっては有効にならないという話が一部あるということでしょう。
(問)はい。
(答)全体としてはバイオ燃料は有効だという話が、世界基準だと思いますけれど。
(問)それに関して、小沢大臣は特に藻に注目されているという感じなのですか。
(答)藻「も」注目してるのですよ。
(問)他にバイオ燃料はいろいろあるのですけど、サトウキビだとかトウモロコシだとかあるのですが、特に。
(答)間伐材。間伐材なんかも、これは私だけではなくて菅さんなんかも、特に森林整備、間伐材の活用、大変熱心ですよ。
(副大臣)これ結構、個人レベルで皆興味あるものが違っているんですよ。私は菜種に頑張って欲しいなと思っているのですが。耕作放棄地なんかでバンバン作られたら良いのではないですかね。エネルギーの田畑としては非常に有効と思いますけれども。
(答)今回ボンに出張で行かせてもらったじゃないですか。本当に菜の花がすごかった。まっ黄っ黄ですよ、ドイツ。
(副大臣)確かに、あそこは先進国ですよ。
(答)いろいろな話があって良いと思うんですよ。何か一つ大化けしてくれればいいなと思っているのですけれども。

(政務官)あまりもう時間が無くなってしまったので。では一周して横田さん。
(問)先月にちょっと問題になったかと思うのですけれども、ウクライナに200億円の日本の血税がティモシェンコ前首相に政治資金として利用されたのではないかということで、大臣も会見で質問をされてらっしゃったと思うのですけれども、IEAの試算では25%を達成するには、だいたい10%が真水だろうと。残りの15%を排出枠、これ4400億くらいというふうに試算されているのですけれども、こうやってこなければいけないのではないかというような、そういう試算もありますし、とはいえ主管庁は経産省、国際交渉は外務省というお話もあるとは思うのですが、このことが産業界にとって果たしてプラスに働くのかマイナスに働くのかというか、そこら辺の御所感みたいなものをいただければと思いますけれども。
(答)まず、いわゆる真水論に関しては、今日も総理が答えていましたが、現時点であまり数字を申し上げるのは、出来得る限り国内で高めの数字を達成したいと申し上げておくことが、政策論として意味があるのだという言い方をしていました。私もそうだと思います。ウクライナの話は、今、現地調査に行ってもらっています。環境省からも人を出して行ってもらっておりまして、とにかく、流用しているようなことでは困るので、しっかりとウクライナ政府と交渉をして、その分はもともとの計画に充てるように、復元といいますか、元に戻すといったことをやってくれという指示を出して、今、行ってもらっているところです。経産省と環境省で一緒に行っていると思います。

(問)品確法というのがありまして、バイオエタノール3%まで混ぜて良いという話なのですけれど、これは3%に使途限定しているという訳ではないのですよね。
(副大臣)元々のパーセンテージの、いわゆる品質確保法の中での基準として設定されている部分です。
(問)これを緩和していくという方向には。
(副大臣)そこもやはり検討課題だと思います。当然緩和をすることについては、他のいろいろな制約等々が出てまいりますので、環境省だけの話では済まない部分もありますので、環境省だけでどうこうするのは難しいとは思いますが、そういったところを視野にいれて、出てくるかもしれません。

(以上)

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