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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

松本大臣記者会見録(平成22年12月28日(火))


1.発言要旨

 おはようございます。発言が二つございます。
 本日、閣僚委員会で地球温暖化対策に係る主要三施策について、政府の方針が決定されました。詳細は、事務局といいますか、平野副大臣が、閣僚委員会の中身についてはお話があるというふうに思います。環境省としての年明け以降の地球温暖化対策の取組方針として3点、お話しさせていただきます。
 第一は、基本法案の成立に向け、環境省としても、全力を挙げて取り組むという点です。この法案は、地球温暖化対策の基本的な方向を国内外に発信したものであって、この政権の温暖化対策の基本哲学である、基本理念であると考えています。継続審議となっている法案については、様々な意見を虚心坦懐に伺いながら、その成立を目指して、審議の円滑な運営に協力をしていきたいというふうに思います。
 第二は、COP16であげた成果を、来年末のCOP17に繋げていくこということであります。すべての主要国が参加する公平かつ実効性のある枠組みの構築に向けて、我が国としても積極的に知恵を出しながら、交渉の進展に貢献をしていきたいと思っています。
 第三は、国内対策で着実な前進を見せて、国内外に明確なメッセージを送りたいと思っています。主要三施策に関する政府の方針は固まりました。環境省としては、基本法案の骨格はしっかりと維持をしながら、2020年25%、2050年80%の排出削減を目指して、どのような対策・施策が必要か、打ち出していくということとしています。その際に、地球益をしっかり見据えながら、環境と経済の両立を図り、国内対策を前進させていくという前向きなメッセージを国内外に打ち出していこうというふうに考えています。以上であります。
 もう1点。先ほど閣僚懇談会の中で、鳥インフルエンザの対応について発言を申し上げました。環境省としては、全国で高病原性鳥インフルエンザに感染した野鳥等が相次いで確認されていることを受けて、都道府県等と連携して、全国の野鳥の監視体制を強化をしています。また、ツル類の大規模な越冬地である出水市におけるナベヅルの感染については、26日に近藤副大臣を現地に派遣をし、現地調査や関係者との意見交換を行ってまいりました。環境省としては、専門家の意見を聞きながら、関係省庁及び地元自治体と連携をして、適切に対応をしてまいりたいと思います。今後とも関係省庁の御協力を、お願いをしたところであります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今回、三施策の方針が決まったということで、特に排出量取引の件は関心が高かったかと思うのですけれども、環境省としては今後どのように取り扱っていくのかというのを教えていただければと思います。
(答)基本は成立に向けて、ある意味では全力を挙げて頑張っていきたいと。骨格は引き続き維持をしていきながら理解が得られたということは、評価をしていきたいというふうに思います、先ほどの委員会。先ほど言ったのと大体重なりますけれども、これから全力を挙げてやっていくということに尽きますね。
(問)先日、2009年度の温室効果ガスの排出量について速報値が出まして、確か基準年を下回る、4.1%減ということで、90年比でははじめての減少ですけれども、これについての御所見をお願いします。
(答)様々な要因があると思います。リーマンショックもあるでしょうし、原発が少しずつ回復しているということもあるでしょうし。しかし、やはり予断を許さない。しっかりこれからも、削減に向けて努力をしていくということはやっていかなければならないというふうに考えています。

(問)大臣、来年は年男になられると、確か伺ったのですけれども、節目を迎えるにあたりまして、何か抱負ですとか、目標ですとかがありましたら、伺えればと思います。
(答)今年、3ヶ月と10日ぐらいしか経っていませんけれども、いきなり就任1ヶ月後にCOP10の開幕ということもあって、厳しい状況を切り抜けてきて、また、熊本、鹿児島、新潟等々の、水俣病の取組等々もやってまいりました。またCOP16も、ぎりぎり厳しい状況であったけれども、一定程度の成果ができたということがありますけれども、私、一回頭を切り換えなければいけないなと思っております。もう、ちょっとCOP10もCOP16も忘れて。来年はやはり、自分自身、いろいろな意味で、大量生産、大量消費、大量廃棄ということに加えて、大量流通もやめようということも、地産地消とか、身近なところからもう一回環境問題を見つめなおしていきたいなという。冒頭の9月の記者会見でも言いましたけれども、そこのところをちょっと、いろいろな意味で膨らませていきたいなと。それと、課題を先取りしていくグリーンイノベーションというのがありますけれども、言ってみれば、中国でもスマートシティとかスマートグリッドということが、やはり大気汚染とかこのCO2の問題は全世界共通の問題ですので、そこで日本が、環境立国としてどれだけ貢献をできるか。更にはそれが成長に結びついて、経済というものと両立をしていくということを見極めていって、やはり前向き前向きに走っていきたいなというふうに思っています。

(問)地球温暖化対策の基本法案ですけれども、先ほど、いろいろな方々の御意見を虚心坦懐に伺っていくとおっしゃいました。既に法案提出されてから半年以上が経ちまして、各界も意見表明されてますし、野党もスタンスをはっきりさせていると思いますが、現時点で何か修正をするような余地があるというふうにお考えでしょうか。
(答)それも税の問題等々もありますから、それも含めて、いろいろ更なる検討をしていきたいというふうに思っています。詳しい中身についてはこれから検討してまいりますので、その時々にお話をさせていただきたいと思いますし、いろいろ議論が深まってくるにつれて、様々な問題が出てくると思いますし、産業界あるいは労働界、NGO等々、かなり意見をこの間聞いてまいりましたけれども、その意見交換も続けていきたいというふうに思います。

(問)今日の閣僚委員会のことなのですけれども、排出量取引について、これは先送りなのか、凍結なのかどういった結論に達したのか、大臣のお考えをお聞きしたいのですけれども。
(答)検討をするということでありますから、先送りとは絶対考えてませんし、いろいろな意見を踏まえていきながら、これから更に検討していくということです。
(問)制度自体を検討していくということですか。
(答)骨というか、骨格というか、そういうのは変えません。
(問)それは基本法の話でしょうか、骨格を変えないというのは。
(答)基本法もそうですし、ただ、いろいろな税の問題とか、いろいろなところで書きぶりが違ってくるというのはあると思いますし、いろいろな他の二つの施策についても、これから議論をしていく中で更に検討をしていくということはあろうと思いますけれども、骨格というか、柱みたいなものは、そのまま骨に、鳩山前総理、菅総理からずっときてまいったところですから、そこのところはしっかり腹に入れてやっていきたいなというふうに思います。

(問)三施策についてなのですが、どうもよく分からないのですけれども、今回どうしてこういうことを検討したのか、それと、効果というか、いったいどういうことを狙ったのか、その辺を聞かせてください。
(答)効果。
(問)効果というよりも、どうしてこういう、問題意識というか。
(答)党の様々なチームとか、いろいろなところの意見がありましたし、様々な議論が、党のPTですか、出てきました。それもやはり真摯に我々は受け止めなければなりませんし、しかしやはり、政府の見解というのも、しっかり我々、組み立てて、今までまいりましたし、これからも続けていきたいと。そこのところも副大臣会合も随分多くやられましたし、逆に言うと皆さんが真摯に取り組んでくれてたなと、逆に私は前向きに受け取っています。よくぞこの地球温暖化の法案といいますか、三施策について、いろいろ皆さんが議論をいただいたということは、逆に言うと私は、それだけ関心がそれぞれ皆さんにあるんだなという証でもあると思いますし。
(問)それから、先ほど、お話の3番目におっしゃった、2030年削減の30%削減目標と、それから50%ですか、これは既にもう温暖化対策基本法で、25%削減2020年で決めてますよね、それは全く消えたということですか。
(答)いや、全くそういうことではない。
(問)最近は2030年とか、数字のほうがいっぱい出てるので。
(答)それはエネルギー起源と、それで少し違いますけれども、私たちは2020年25%と1990年比というのはこれからもずっと守っていきたいというふうに思います。様々な議論があるということも、承知を、一方ではしています。

(問)排出量取引なのですけれども、先送りではないということなのですが、あくまでもそうすると環境省としては中環審の小委員会のとりまとめに沿って2013年度の開始を目指していく方向は変わらないという理解でいいのですか。
(答)中環審のとりまとめは、今、小委員会でしょう。それがまた上に上がっていって、様々な議論は、これからも私どもちゃんと聞いていかなければならないというふうに思っています。
(問)そうすると、今の時点では、2013年度の開始というのは、そのまま生きている、環境省として。
(答)そこも含めて、これから検討していくということですね。

(問)鳥インフルエンザなのですが、今、出水で、5羽で強毒が確認されてますけれども、環境省として、現状認識といいますか、事態がまだ感染の拡大が懸念されるという段階なのか、あるいはある程度収まっているという段階なのか、その辺の認識を教えていただけますか。
(答)非常に難しいというか、私自身はね、ツル類の鳥インフルエンザは非常に難しいと思いますけれども、やはり、専門家等の意見を聞きながら、関係省庁との連携あるいは地元自治体との連携をしっかり図っていきたいと思いますし、逆に言うと、軽々に厳しいとも言いませんし、軽々に終息に向かっているとも言えないというのが私の正直な感想です。ですから、やはり時間が少し必要だろうと思いますし、そこに至るまでは近藤副大臣、昨日は事務次官にも行っていただきまして、環境省が積極的に頑張っているという姿は関係自治体も大変感謝をしておられるという報告も聞いておりますし、そういう意味では、これからも、なんと言いますかね、この問題はとても難しいのですけれども、餌をやるのがいいのか、餌をやらないのがいいのかということも、様々議論があります。餌があるから養鶏場に行かないとか、餌があったら人間のインフルエンザでも集会は禁止とかいうのがあって、ツルが集まってきたら密度が高くなって、それでまた逆に危ないのではないかとか、様々な議論がありますけれども、そこのところはやはり専門家の意見を聞いていきながら、地域で分散して、大きくならないように分散して、密度が濃くならないような餌のやりかたがあるという話も様々な人達から聞きましたから、そこのところは専門家の方から知見というのを求めるしかないなと思っております。
(問)現地に行かれた、副大臣あるいは次官からどういう報告を受けられて、直近の課題としてはどんなことがあるというふうに考えてらっしゃいますか。
(答)環境省としてやるべきことが、課題という点では、毎日毎日、拡大しないように祈るばかりですけれども、今ある知見の中で、何ができるか、さっきの餌とか様々なことがあります、現地としては立ち入りが出来ないことによる経済的な影響が出ているということもありますから、そこのところもしっかりと話を聞いていきながら、環境省としてなにができるのかということは、今日の午後にでも、副大臣とか事務次官の行った話を詳しく聞いていきながら、対策を練っていきたいと思います。
(問)兵庫県のコウノトリでは、感染防止対策のためにケージの移し替えなんかもされているようですけれども。
(答)ケージ。
(問)カゴの移し替えをされているようですけれども、佐渡のトキについてなにかそういうった対策は。
(答)佐渡のトキについては検討中と。
(事務方)はい。全体を検討しております。

(問)主要三施策についてですが、しつこいようですけれども、民主党の選挙なんかのマニフェスト、公約ではね、温暖化対策基本法とか排出量取引は、期限を切って導入するという具合になっていたと思うのですが、それが実質的に大きく後退しているという具合に私は見てるのですが、その辺を環境行政のトップとして、どう見ておられますか。どう認識しておられますか。
(答)私はもう最初から言いましたし、虚心坦懐にお話をずっと伺って、それをずっと続けてきて、今に至っていると。しかし、基本的な立場は、私自身としては、環境省としては、変えないというスタンスで、これから来年に望んでいきたいということに尽きます。

(以上)

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