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大臣記者会見・談話等

小沢大臣記者会見録(平成22年9月17日(金))


1.発言要旨

 閣議で辞表を出してまいりました。皆さんには大変御世話になりまして、この場をお借りして御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 閣議後記者会見での発言ということに関して言えば、私自身は退任をいたしますけれども、今週末は、いよいよ22日から、国連史上初となる生物多様性をテーマにしたハイレベル会合が開催されます。世界的な生物多様性への取組を更に推進する上で大変意義深く、また各国の生物多様性を担当する閣僚級が集まることから、COP10を前にした意見交換を行える貴重な場だと思っておりまして、これは私の方でいろいろな会合をセットさせていただきましたので、新大臣がそれを是非有効に活用して、COP10に向けての弾みをつけていただきたいと期待をしているところでございます。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)まずは1年を振り返ってということと、生物多様性条約を前にお辞めになることへの所感、後は後任の大臣への期待と注文をお願いします。
(答)まず1年を振り返ってということで言えば、昨年のスタートが正に国連の地球温暖化のハイレベル会合からのスタートでありまして、それが1年前ということになるわけであります。そういった意味では、温暖化問題は殊にそうでありますが、かなり意欲的にチャレンジングな課題をやってきたという思いでいます。それから後、生物多様性の話、あるいは水俣、あるいはまた様々な、いわゆる環境金融を始めとする経済対策を含めて、かなり幅広に種はまいてきたという気持ちでおりまして、それを次の大臣が是非引き続き、もう一歩のところまでそれぞれ来ていると思っておりますので、実らせていただきたいと思っております。

(問)先日の代表選で、どなたに投票したのかというのをお伺いできればと思います。
(答)これはずっと、いろいろな関係がありますので控えさせていただきますということで、今もそのままです。

(問)任期中振り返られて、水俣病政策について、御自身としてどのようなことを成したという思いがあるかということと、今後チッソの事業再編計画の提出なども待ち受けておりますけれども、今後についてどういう課題があると思われるかというところをお願いいたします。
(答)まず、全てではありませんけれども、ほとんどのと言って良いのだろうと思いますが、皆様方と和解が成立して、特措法の事業もスタートができたという話は、更にはまた、慰霊の式に総理御自身も、鳩山総理が御出席いただいて、一つの大きな山は登ることができたのかなと思っています。で、今おっしゃられたように、今後まだ、チッソ自身がしっかり責任企業としての責任を果たしていただなければいけませんし。更にはまた、この水俣の問題を、日本だけではなくて諸外国含めて、二度とこういうことが起こらないような政策、あるいは行政を展開していかなければいけませんので、是非ともそういったことにも、私自身もどのような立場になっても努力したいと思いますし、次なる大臣の方には、特にそういうことを心がけていただきたいというふうにお願いをするつもりでいます。

(問)生物多様性条約会議を直前に控えて、議長となる大臣が突然替わるということで、会議に与える影響、後、国際交渉への影響をどういうふうにお感じになりますか。
(答)会議に与える影響は極めて大であるというふうに言えれば格好良いのでしょうが、会議そのものは、日本という立場を背負っての会議でありますので、次なる大臣になられる方は、短期間で状況を把握しなければいけないという意味では大変だとは思いますけれども、そこさえしっかり把握していただければ、一定のレール、レールを敷いたと言ったらおこがましいかもしれませんが、良いところまで詰めてきているというふうに私は思っておりますので、短期間に、是非精力的にそこは把握をしていただいて、日本という立場を背負って、それをベースにしっかりやっていただければ、成果は出るものと期待をしています。

(問)先日の代表選挙の時に、菅総理、小沢前幹事長ともに、最後のスピーチの時に、温暖化対策への熱い気持ちというか、そういったものの発言が特に聞かれなかったのですが、今回のスピーチを聞いて、次の内閣に期待したいことがあれば聞きたいのですが。
(答)そのことに関しては、常時皆さんに私なりに申し上げてはきたのですけれども、残念ながら今おっしゃったように、そういう具体的な発言が聞かれなかったですね。やや昨年に比べてモチベーションが落ちている。これは日本だけではなくて世界的にもですね。というきらいがあると思いますけれども、これは本当に地球規模の大変深刻な問題でありますし、特に今年の猛暑だとか、各国の異常気象を見れば、もう待った無しの課題だというのはそのとおりだと思いますので、次の内閣としてもしっかり取り組んでいただきたいなというふうには思います。

(問)トキのことなのですけれども、任期中にトキが大量に死んだりして、襲われて死んだりして、大臣御自身も現地に行かれたりして。その後、三次放鳥を11月に控える中なのですけれども、改めて今後への期待ですとか、この1年を振り返ってどうだったかをお願いしたいのですが。
(答)あの、トキのテンの侵入事件は本当に大変驚いた事件の一つだったですね。私としては、できる限りスピーディーに対応させていただいたと思っておりまして。そういった意味では、そこはそれなりに対応は、リカバリーはできたのかなというふうに今思っています。野生のトキの、正に誕生という話は、これは国民の皆さんの願いでもありますので、本当に引き続き環境省としては大いに頑張っていただきたいというふうに思います。

(問)通常国会に提出された地球温暖化対策基本法案、あちらが廃案になったりとか、心残りな点もおありになるかと思うのですが、振り返って、やり残したと思われる、そういった政策というのは何かございますでしょうか。
(答)途中、道半ばであることは間違いないので、そういった意味では残念は残念なのですけれども、ただやはり人事は人事だし、やはりそういうものですから、後に続く人たちにしっかりやってもらうということだろうと思うのですね。基本法の話も、かなり各方面と詰めてきておりますので、今一歩のところまでは来ていると思いますから、それはしっかり対応していただければ、必ず成案が得られるというふうに思います。
 さらに、基本法の中に入っている、いわゆる税の問題も、今年の年末の税調ということになるわけですが、これも相当話を詰めてきておりますから。関係省庁、これは政府の中では、歴史的和解などという話も冗談で出るくらいうまくいっておりますので、そういった成果もあがるものと期待しております。

(問)生物多様性会議で、次の大臣に具体的にこういうところをしっかりと理解してもらって引き継ぎたいという、少し具体的におっしゃってください。
(答)それは、いつも言っているポスト2010年目標は、これはもう本当に何としてでも決めてもらわないといけないし。ABSも、なかなか括弧書きは残ってはいますけれども、ある意味では、基本的な話をしっかり合意ができれば、かなりの括弧書きがあっという間にとけるというような状態になっているというふうにも思っておりますから、その辺りでしっかり頑張って、ABSも一定の成果をあげてもらいたいと思いますし。里地里山の話は、これはもう日本の、正に提示している話だし、その中では特に自然との共生という新しいコンセプトをポスト2010年目標にも入れてもらっていますから、プレイアップしてもらいたいと思いますし。後はIPBESですね。これも大体世界的な合意ができていますから、それの設立を決議すると。他にももちろんいろいろあるのですけれども、大きなところではそういうところではないでしょうか。
 ABSの話が若干難しいとは思いますけれども、後はしっかりやってもらえば、間違いなくうまくいくと思っておりますので。大丈夫だと思います。

(問)先ほど、やり残したことの質問が出ましたけれども、この1年間やってらっしゃって、最も大きな成果だというふうにお考えの点をお聞かせ願えますか。
(答)いろいろありますけどね。そういうのは皆さんで御判断いただければと思うのですが。形になったという意味では、水俣は一つの形がついたかなと思いますね。後、一番ということで言えば、やはり温暖化対策、25%という話が、一部の大変強く反対をしている業界団体というか、一部の反対はあるものの、国民的な了解事項になったのではないでしょうか。このこと自体は、大変チャレンジングな目標でありましたし、それが国民にある程度定着したという話は一番大きかったように思います。
 それと、それに関連して言うと、そのこと自体が、いわゆる経済への阻害要因ではなくて、成長のエンジンだという、そういうとらえ方を国民各界、各層がしてくれるようになったということは、極めて、今までのいわゆる公害型環境行政を大きく切り替えることができたのではないかとは思っています。

(問)水俣というお話が出たのですけれども、新潟の方では和解協議が進んでいて、昨日も期日が入っていたのですけれども、裁判続いているところもあるのですが、これに対する見通しと、今後どういうふうに進んでいってほしいかという思いをお願いします。
(答)新潟の話は、かなり熊本の話を、それぞれ皆さん方、意識をして対応していただいておりまして、そういった意味では、しっかりと話を伺っていくことによって、同様の結果が得られるというふうに私自身は思っております。

(問)もう一つ水俣よろしいですか。今後の水俣病政策なのですけれども、一番、今後考えていく上で大事な点は、大臣は何だと思ってらっしゃいますか。
(答)やはり水俣条約は、先ほども申し上げましたように、同じような水銀の被害者を、人類の中で二度と起こさないという意味からいっても、大変重要な案件だというふうに思いますし。それがやはり、水俣で苦しんでこられた皆さん方へのせめてもの政治行政の責任だというふうに思います。
救済の問題は救済の問題で現在進んでおりますので、それはしっかりやることとして、後、大事なことは、今申し上げたように、二度とそういうことを起こさないという対応だと思います。

(以上)

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