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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

小沢大臣記者会見録(平成22年9月10日(金))


1.発言要旨

 私から御報告、4件ございます。
 まず経済対策について。本日の閣議で、新たな経済対策が閣議決定されました。今般の経済対策では、約9,200億円の予備費を活用した措置と、規制・制度改革が盛り込まれております。環境省関連では、予備費を活用した措置としては、住宅と家電のエコポイント制度の延長が決定されました。規制・制度改革に関しては、廃棄物、温泉法、環境アセスなどの分野の合計8項目について、改革を新規に、又は前倒しで実施することが決定されました。必要があれば詳しい資料は後ほど提出、皆さん方の方に、貼り出しをさせていただきます。
 それから2番目に、本日1時から、COP10のブリーフを事務方からさせていただくということで、御案内を申し上げたいと思います。問題点の概要、あるいはまた取組の内容等を、皆さん方にもできるだけ御理解をいただきたいという趣旨で、やらせていただいきたいということでございます。つきましては私の方から、COP10に向けての思いというものを一言、先立ちまして申し上げておきたいと思います。まず、今回のCOP10の意義は、世界各国が生物多様性の危機的な状況につき、認識を共有し、将来のあるべき姿を踏まえつつ、条約の目的に沿った取組を加速することであると考えておりまして、日本としては、これは何度も申し上げておりますが、自然との共生、Living in Harmony with Natureという理念を提案して、こうした考え方が、2050年のビジョンとして、盛り込まれることを期待をしております。リオ・サミットにおける、持続可能な開発に加えて、世界の新たなる理念として、各国の共感を得、生物多様性の確保の大きな原動力となるよう、取り組んでいきたいと思っております。ちなみに申し上げておくと、自然との共生という言葉は、我が国にとっては大変馴染んでいる、ある意味では国民にとっての当たり前の考え方でありますが、自然との対立、自然との対峙という、西洋的な考え方においては極めて新鮮であるという意味で、日本的でもあるという意味で、私としては心強く、COP10に向けて押し出しているところであります。具体的な課題としては、まずポスト2010年目標の策定があります。条約下で初めて2050年のビジョン、2020年へのミッション、20の個別目標などをまとめた体系的な姿を持つものでありまして、各国の取り組みを促す基盤となる計画を作らせていただきます。それからABSの国際枠組みの検討の完了ということでございまして、条約の目的に入っていながら約20年間法的拘束力のある仕組みが策定できなかったこのABSに関しまして、それを終了し議定書の成立を目指したいということでございます。で、我が国としては個別の話として、SATOYAMAイニシアティブと。条約の目的にある持続可能な利用につき、各国の取り組みをサポートする仕組みとして、SATOYAMAイニシアティブを提案をいたします。さらにはまた、国連生物多様性10年の決議に向けた決定を目指すということでございます。これからの10年間が、自然の恵みを次世代に引き継ぐためにきわめて重要であるとの指摘を踏まえ、国連システム全体で生物多様性の確保を推進するものでございます。同時にこれは、まあ率直に申し上げまして、米国が条約そのものに入っておりませんので、国連という枠組みの中で、米国にもしっかりと対応していただくという意味も入っているということでございます。さらにはまた、IPBES設立に向けた決定を目指したいと思っています。定性的な分析になりがちだった生物多様性分野において、科学的な分析を地球規模で推進する新たな取組になりまして、我が国としても、まずIPBESの設立を決定し、その後の場所の選定においても、積極的に手を挙げていきたいと思っております。それから、COP10での合意形成に向けましては、経済界、自然保護団体など、数多くの関係者との意見交換をしてまいっておりまして、こうした意見交換を踏まえて、日本からは具体的な提案をしてきたつもりでございます。そういった意味では積極的に貢献を、これまでもしてきたと思っておりますし、この会議に向けては更なる努力をしたいと思います。これらの、そういった経済界、自然保護団体から出されております課題については、締約国間で集約していないものも、もちろん多くあるわけでして、これまでも各種会合や主要国とのバイ会談で意見調整を進めてきているところでありますが、国連総会ハイレベル会合に合わせ、閣僚級ミーティングをニューヨークで開催させてもらうほか、各国とのバイ会談を精力的に行って、調整をしたいと思っております。更にまた、COP10を踏まえた国内施策の強化をしっかりやっていかなければいけませんので、国内でもポスト2010年目標を踏まえた、生物多様性国家戦略の見直しに着手するとともに、保護区、国立公園・国定公園の拡充や、希少野生動植物種の保全の取組をしっかり進めていきたいと思っております。詳細については後ほど、先ほど申し上げましたように1時から、皆さん方に事務方から御報告を申し上げます。
 それから、水俣病の関連で、淵上訴訟の控訴理由書の提出について申し上げます。本日午後3時熊本県は、大阪高裁に対して、7月16日に判決がなされた水俣病の認定申請棄却処分に関する控訴訴訟についての、控訴理由書を提出をいたします。環境省としても、去る7月22日付けの熊本県による控訴は、極めて妥当なものと考えていることから、その控訴理由について、分かりやすく理解をしていただくための一助として、環境省の見解を作成し、広く国民の方々の参考に供することにいたしました。見解の主なポイントは、既に控訴時点で申し上げたとおりでありますが、1.これまで確定した上級審の判例に照らすと、公正迅速な補償といった公健法の趣旨や仕組みを考慮しておらず、また水俣病の認定基準、‘52年判断条例の妥当性の判断に誤りがあること。2.原告の方に対して、最高裁判決により損害賠償は終了しているところ、原告の方のような症状の方々に対し、最高裁判決も踏まえた内容の救済が既に立法化され、開始されていること。などでありまして、それらについて極力分かりやすく説明したつもりでございます。環境省の見解は後刻、事務方から広報室を通じて、記者の皆様方に配布するとともに、公開をいたします。内容をご覧になり質問等があれば、事務方に対応をさせます。
 更にもう1点、エコ・ファースト制度。エコ・ファースト制度について、今般、見直しが済んだのでその内容を公表するとともに、時期を定めて企業の約束案の募集を再開することといたしました。見直しに当たっては、私から、エコ・ファーストの約束に相応しい水準を示すこと、また企業の取組が不断に強化されることを盛り込むように指示をいたしました。今回の見直しでは、認定に関する基準を、地球温暖化対策、3Rなどの分野ごとに明確化し、また、認定の有効期間を5年に定めることにしました。今後とも、エコ・ファースト制度の更なる普及・発展を通じて、先進的に取り組む企業とともに、環境にやさしい社会づくりを進めていきたいと思っております。
 以上、私からは4点、御報告を申し上げました。

2.質疑応答

(問)今日、日本振興銀行が、預金保険法に基づく破綻処理を申請して、ペイオフが初めて発動されるという事態になっています。政府は今日、追加経済対策もまとめたところですが、今後、政府全体としてどのような対応が必要だというふうにお考えでしょうか。
(答)今般のですね、いわゆる景気動向、それに対応する経済対策というものと、日本振興銀行の破綻は、全く影響がないとは言いませんけれども、直接的な影響があるものではないわけでありまして、そういった意味では、日本において初めての対応になりますけれども、政府として果敢に対応したことは、私は良かったことというふうに思っております。

(問)水俣病の認定義務付け訴訟の件ですけれども、今回、国は控訴人から外れていると思うのですけれども、環境省としての見解というのを今回作成された理由というのを教えていただけますか。
(答)一言で言えば、できるだけ多くの人に分かりやすく知ってもらう責任があると、環境省としてもですね、そう思ったということであります。
(問)認定審査業務というのは、国の法定受託事務ということで、所管環境省だからということですか。
(答)もちろんそうですね、同時に熊本県の今回の訴訟内容というのは、我々も当然妥当だと思っているものですから、それを分かりやすく説明させていただいたということでございます。
(問)原告女性の方は、80代半ばとかなり御高齢なのですけれども、県が控訴したことによって裁判が長引くということになりますけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
(答)そのことは私も気がかりなことではありますけれども、今回の裁判の中身はですね、50年判断基準の妥当性というような、大変、ある意味では影響の大きい内容でありますので、そういった意味ではですね、ここはきちんと対応していく必要が不可欠であるという判断だと思います。
(問)改めて確認ですけれども、認定基準を見直す考えは無いということでしょうか。
(答)はい。ありません。
(問)それは大阪地裁判決が確定するまではということですか。
(答)そういうことですね。もちろんそれで司法の判断が確定すれば、行政としては、どういう対応をするかはともかくとして、なんらかの対応をしなければいけなと思いますが、それまでは。公健法は公健法である中で、今回は特措法、出来る限りそうでない形も特措法の対応の中でしてきたと思っておりますので、ここで公健法の中身を変えてしまうことになると、全体像そのものがですね、崩れてしまうことになると思ってます。

(問)代表選なんですけれども、各種報道で、菅さんのほうがやや優勢で、小沢一郎さんが追い上げているというような情勢が報道されてますが、そのことをどう見られているかということと。大臣は最後の演説を聞いてですね、判断したいというふうに常々おっしゃっているのですけれども、この情勢を見て、その考えは変わらないということでよろしいですか。
(答)まず、今の情勢についての感想ということだと思いますけれども、具体的に今回は票読み等全く見ておりませんし、そういった意味では、報道でそういう報道には接しておりますけれども、まず、それが本当に正しいのか、あるいは正しくないのか含めてですね、正直言って、判断出来る状態ではありません。でありますので、特に、特別な感想という話もありません。平常心。私の対応は、先ほどおっしゃっていただいたとおりです。最後のお二人のスピーチを聞いて、その場で決めたいということです。

(以上)

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