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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成21年7月13日(月))


1.発言要旨

 今日の事務次官等会議の案件は、一般案件が9件、議員提出法律案関係が1件、政令が3件でした。いずれも直接関係するものはありません。
 明日の閣議了解を経て、環境省幹部の人事異動が行われます。大臣のお許しを得て、私自身は明日退かせていただきます。皆様にお世話になった御礼を申し上げます。大変ありがとうございました。昨年7月から鴨下大臣、斉藤大臣と両大臣にお仕えいたしまして、その御指導によって環境政策が大きく飛躍できたと思っております。皆様方の御支援に感謝いたします。特に今年に入ってから、私が仕掛け人になったエコポイントが好調に滑り出したことは大変嬉しいことです。それから、少し大げさかもしれませんが、エコカー、ソーラー、エコ金融などに代表されるようにグリーンニューディールという時代のパラダイムを環境省が生み出すことができるようなところまで進んだことについて大変感激をしております。私個人としては、水俣病の救済特別措置法がようやく成立したことがあります。私が環境庁に就職して最初の仕事は、公害健康被害補償法の立案で、最初に補償法の立案に携わり、途中ではいろいろありますが、東京大気汚染訴訟の和解もあり、水俣病の特措法の成立に至るまで終始被害者救済に携われたことは、大変ありがたいことだと思っております。新しいパラダイムについて話し出しましたので、少し申し上げますと、最近しきりに水平シェアリングに対する垂直シェアリングの大切さということを思っております。地球環境問題というのは、結局エネルギー、資源、生物その他の環境を分かち合うという話で、皆でどうシェアリングするか、分かち合うかという問題です。私達と同時代の人たちとの間は水平で、次の世代との分かち合いを垂直と考えると、水平シェアリングは、国内では今年も経済界から環境NGOまでの様々な立場の人の議論が沸騰いたしまして、議論を戦わせる場所もあります。グローバルには、これからコペンハーゲンでのCOP15に向けて、まさしく厳しい国際交渉でいろいろな国が発言をするような仕掛けの中で、同時代の人が声を出して議論した上でシェアリングをどうするか、効果的なシェアリングがどうなのかが議論されるわけです。これに対し、非常に気になるのは、垂直シェアリングで、次世代の人、遙か後の人、今2050年世紀末はこうなっていますという議論をやっているのに、そのような人たちにどのような環境をリザーブしていくか、垂直シェアリングの方で言えば、そのような人々に声を発する機会がなく、発しようがないわけです。それは偏に今の私たちの世代の洞察力、理性、、倫理観にかかってくるわけで、将来どのような環境になり、どのような生活になるかを描き出して、今の時代の人達が正しく判断しなければいけないと思っております。そういう意味で先般来、環境と経済の大きな研究、あるいは子供の健康と環境の大規模疫学調査を打ち出しましたが、そこで直ぐに上手い答えが出せなくても広げておくことで、きっと後の人の役に立つと思っております。来年の生物多様性の中でもIPBES、生物多様性版IPCCが必要ではないかという議論をしっかりやっていけば、次の世代のプレゼント、サービスになりますし、垂直シェアリングを押し進めるための鍵になっていかないかと、つくづく考えているところです。これから環境政策によって、どのような新しいパラダイムが生まれていくか、非常にエキサイティングですし、私自身もワクワクしながら見守っていきたいと思っております。
 再度、これまで本当に色々とお世話になりました。御厚意に重ねて御礼を申し上げます。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

質問
次官になられてからちょうど1年になりますが本当にお世話になりました。
 先週、水俣病の救済法が新しく成立し、次官はまさに公害が一番深刻だった頃に環境庁におられ一つの節目だと思いますが、在任中今になって思い起こされること、あるいは今お話されておりましたが、今年は12月にCOP15という大きな会合もございますし、これから環境省としてどういうことを期待されているかの2点をお伺いできますか。

今まで環境という仕事に携われて、これがある面では21世紀の大きなパラダイムであったわけで、これから遙かな道だと思います。その道の始まりに立てたことは非常にありがたいと思います。その際にはいろいろ助けて下さった方もたくさんおりますし、関係省庁や民間企業の方とも一緒に組んでやるプロジェクトといいますか、エコポイントも3省でやっておりますし、エコカーもメーカーや物流業者と自治体とも一緒にやりました。大切なところで関係省庁、関係自治体、関係団体と一緒にできたことは良いことと言いますか、今も振り返ってしみじみ思うことです。これから先に向けては、先ほども言いましたとおり、まさしく同世代のシェアリングはこれからの交渉の議論の沸騰、交渉の最盛期に入ります。ただ、次の世代、更にその先の人類に何を残していけるかは、深い洞察とか、衡平公正な理性、高い倫理観などを持っていかなければいけないものでして、日々の交渉にアグレッシブに取り組むとともに、やはり環境省というところは、今の時代にあって人間の理性の部分をしっかり取り組んでいったらよいと思っております。 

質問
御退職後はどうされるのでしょうか。

これから探します。少し環境省の仕事の残りを整理させていただくべく参与なりの辞令をいただく予定です。整理しなければいけないことを整理させていただいてからと思っております。

質問
先週のサミットとMEFの成果と課題についてお願いします。

サミットのG8の方は2℃を念頭におく点と2050年半減を意識した中で先進国は80%ないしそれ以上の目標を選ぶということで、先進国は率先して取り組むというメッセージを出したことは非常に大事なことです。その後、MEFの情報も入ってまいりましたが、MEFでは、実は数字は書かれていませんので、その点物足りないという意見もありますが、MEFの中で書かれていた事柄で見ますと、先進国も主要排出国も2℃を頭に入れてしっかりと取り組んで行く。それから、ピークアウトということもいずれきちんと考えなければいけない、これは、先進国と途上国で時期がずれるとしてもしっかり考えて行かなければいけません。長期に亘って取り組んでいかなければいけないということで、実は数字こそ書いてありませんが、いくつかの副詞で補っているわけで、数字こそ出ていません。そのような大きな骨組みが大分浮かび上がってきたのではないかと思います。ですから、暮れのCOPに向けての非常に大きな足がかりで、それぞれが何を取り組まなければならないか、どういうストーリーで取り組まなければいけないのか、そうしたストーリーは書かれております。あとはそこに数字を入れていく作業が当然必要ですが、それは、これから暮れまでの交渉の中で煮詰まって行くわけですから、そういう面ではMEFの方も全般の先進国のG8の積極的なメッセージを受けて、MEFの方は数字こそ無いものの骨組みをしっかりして、コペンハーゲンに向けての交渉の足取りを確かなものにするという作業がされたわけで、きちんと進んでいるものと思います。米国がかなり積極的に取り組まれて進めているということについて、非常に心強いものを感じます。 

質問
残された課題は何でしょうか。

パッケージの交渉ですから、やはりコペンハーゲンに向けて元々日本が言っています全ての主要排出国が参加して、効果のある枠組みができることに目掛けて交渉にいく必要があります。いろいろな論点について少しずつ姿を現してきておりますが、国際交渉ですから最後の最後までパッケージでやっていかなければならないと思っています。特にこれだけ米国に積極的に取り組んでいただいているのですから、日米連携やアンブレラなどグループでの議論を密接に行いながら、それぞれのジグソーパズルのようになっているものが、きちんとでき上がって全ての主要排出国は参加して効果的な枠組みができるまで頑張らなければならないということだと思います。

質問
水俣病についてですが、週を跨ぎましたがその後スケジュール感などで示せることがあればお願いします。

先に私が、環境保健部にとにかく丁寧に始めたらどうかと言ったものですから、担当が一生懸命検討していると思います。

(了)

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