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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成21年2月26日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 今日の事務次官等会議の案件は、法律案が5件、政令案が1件、人事案件が5件、報告事項が2件でした。報告事項の2件目が、環境省の関係でして、2月18日に中央環境審議会から報告された循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第1回点検結果についてです。
 点検の結果については、前にお知らせしてある中環審でまとめていただいた報告に定量的なデータなどが出ているわけですが、資源生産性などの指標値はそれぞれ着実に向上しており、順調だと思っています。対策面での主要な指摘としては、温暖化対策や他の関係政策との連携の強化、地域特性を生かした形での地域循環圏作りをしっかりやるべき、などの指摘がありました。具体的には、ご指摘も踏まえて、バイオマス利用や廃棄物のエネルギー利用を一生懸命やる、あるいはレアメタル等の適正かつ戦略的な回収、利用、それからアジアにおける3Rの推進などにつきまして、さらに一生懸命やっていくということでございます。また関係省庁にもこの点検結果を踏まえて、いろいろご検討いただくようにとお願いを今日致しました。明日の閣議でも同様の報告がなされるということでございます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
昨日の日米首脳会談に合わせて、気候変動問題の実務者レベルの会合がもたれたと聞いていますが、その内容について分かりましたらお教えください。

→まず日米首脳会談については、オバマ大統領が就任してから最初に招かれた首脳ということで、日米で重要な事項についてご協議がなされたということはとても大切なことでありますし、その中で温暖化問題に関して、日米の連携についてお話しをされたということは非常にありがたいことだと思っています。実務レベルでも協議が持たれ、外務省の杉山大使が中心でありますが、環境省からも森谷審議官が同行して、スターン気候変動担当使などと意見交換をしました。先進国の目標、途上国の行動、資金や技術の移転などについて意見交換をしたと聞いております。このエネルギー、環境問題に関しては、大統領の就任演説にもありましたように、オバマ政権に非常な意気込みがあると思いますので、これからも体制を整えて取り組みを強めていかれると思います。昨日、実務者協議が持たれたということは非常に結構なことだと思いますが、これを皮切りにこれから重層的にいろいろなレベルで何度を重ねていく必要があるだろうと思います。審議官が戻りましたら協議の内容を詳しく聞き、またこれから日米で協力する取り組みを強めていくということが必要だと思っています。

質問
特に先進国の削減目標の数値について、例えば25%、40%といった具体的な言及、認識の表明等はあったのかお聞かせください。

→そこは交渉事なので、逐一の内容は申し上げられません。これからどういう取り組みになっていくのかという点については、米国もだんだん詰めていかれるでしょうから、これからもいろいろな機会でコンタクトして、米国の進み方もよく見ていく必要があると思っております。

質問
昨日、経済産業省から固定価格買取制度導入についての方針が示されましたが、それについてのご所見とその中身について環境省の示されている方針と若干異なる部分もあるようですが、それについていかがお考えかお聞かせください。

→太陽光発電をしっかりやっていくことは、再生エネルギーを強化していく上で、太い幹、大きな潮流として今世紀中に必ず築かなければならないことだと思っています。その道程の中でいろいろな手法はあるとは思います。一昨年、私がソーラーに注目した時には、環境技術立国日本だと言っているにも係らず、太陽光パネルの設置数はドイツに抜かれており、製造企業にしてもビック3は日本が占めていたものが、ドイツ・中国の企業に取って代わられるということでしたので、資源エネルギー庁にも本腰を入れてやって欲しいという話をしてきたわけです。それが去年、一旦目的を達成したということで終わった補助金を、復活させるという予算の常識から言えば難しいことを資源エネルギー庁はしました。更に、斉藤大臣もかねてより固定価格買取制度は非常に有力な手段だとおっしゃっておりましたが、今回、経済産業省もいろいろ難しい議論があったと思いますが踏み切られたということで、ソーラーに向けて非常に大きい波が、ソーラーだから波ではなくて光ですね(笑)、明るい光が見えてきたということです。これはどんどんやってもらえばいいと思っています。それから私は非常にいいと思っているのは、補助金を復活させて、税制も緩和するということです。ドイツなどは固定価格買取一本槍なのですが、補助金、税制といった政策と固定価格買取制度とをハイブリッドでやっていこうということです。これからその進展を見て、たくさんの政策手段を組み合わせていくことが重要だと思います。アメリカは今、グリーン・ニューディールと言って、オバマ大統領はこれから盛り返すんだと言っていますが、我が国は再生エネルギーで世界の先端を走っていく中で、その一歩を踏み出されたわけですから、非常に高く評価をしていますし、まずこれでどんどんやっていってもらうことが肝要だと思っています。

質問
太陽光について進んだわけですが、一方、風力を含めた他の再生可能エネルギーが結果的に取り残される懸念がありますが、それについてはいかがでしょうか。

→それぞれの再生可能エネルギーに特質と課題がありますから、私は局長時代も含めてですが、5、6年前からエネルギーの多様化が必要であるし、温暖化対策としても重要であるということで、バイオエタノールやバイオエネルギーが必要だということを様々な機会ごとに打ち出してきました。まだまだ満足のいくようなところまでいっていませんが、ある程度大きな礎となりました。その次にどうしても進めていかなければいけないと思ったのはソーラーでした。ソーラーや風力、小水力といった分散型電源というのはどうしても必要ですが、その中でも特にソーラーは新しいエネルギーの時代の到来や環境がこれから産業、経済発展の中心になっていくということを、一番分かりやすく示すものですから、ソーラーで大きな成功を収めることが是非とも必要です。他の再生エネルギーについては設置場所、効果、普及戦略等はまだまだ研究していかなければいけませんから、みんなが投資をしたり、努力する気運が盛り上がるためには、ソーラーが成功することが非常に大切だと思います。もちろん他のエネルギーもそれぞれ努力をしなければいけません。風力はかなり長い間努力をしていますが、様々な制約がある中でどうやって推進するか、さらに努力をしていく必要があると思います。小水力は少し皆の意識が低かったわけですが、やはり我が国は水と傾斜にも恵まれているわけで、農村の風景に小水力のネットワークが組み合わさった新しい農村風景が出来ると非常に良いと思います。古川政務官がイニシアチブを取っていただいていますので、押していこうと思っています。少々長い話になりましたが、ソーラーが成功して、みんなの意識が再生エネルギーに向いていく、その中でもちろん風力や小水力が取り残されないよう努力をしていかなければいけないと思っています。

質問
ホンダがハイブリッド車のインサイトを発売して、予想の3倍近く売れて、業績厳しい自動車業界で、ホンダの業績を下支えしているという状況があるのですが、これは正に環境と経済の相乗効果だと思いますが、次官の耳には他の事例などは入ってますでしょうか。

→私もメーカーの人に会うたびに話しているのですが、経済対策はまず目の前のことをしっかりやっていくことが大事ですが、実はやはり経済が浮揚していくためには、これが将来の希望である、これをやっていくことで日本が強くなるという光と言いますか、チャンスが必ず必要だと思っています。自動車に関して言えば、実は平成21年度税制改正で自動車重量税の減税措置など、普通の年であれば大きな起爆剤となるような措置がとられる予定ですが、このような経済状況ですから効果がまだ見えていないわけです。しかし、このような措置がとられていなければもっと大変だと思うのですが、早く税制関連法案も上がって、新年度から自動車重量税の措置なども効いてくれば、効き目が出てくると思っています。その中でメーカー各社が努力されれば、今は下っていくところですから一度支えてということになりますが、大いに希望はあると思います。オバマ政権が自動車産業の再生と言っておられますが、我が方はそこはすでにアドバンテージがあるわけですから、しっかり前に進めていく必要があると思っています。ちょうどホンダさんは比較的低価格の車を普及しようという戦略を組み立てたところにこういう情勢になったので、非常にヒットしたのだと思います。ただ他の社とも話していますが、やはり基本はこういった形でハイブリッド車、次世代車をしっかり開発して、技術のアドバンテージをとってやっていくことが重要だと云うことです。目の前のことは大変苦しいけれども、そこはちゃんとR&Dをして、次世代車の技術のアドバンテージをしっかり持つことが本命だという意識、それをメジャーな自動車会社の方が持っておられますので、そういうことで頑張ってもらえば希望はあると思います。今こういう隠し球があるということは申せませんが、本当に環境にいいものがあれば積極的に宣伝していきたいと思います。

(了)

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