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大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成21年9月8日(火)

1.発言要旨

 閣議が終わりました。今日、私の方からは特に最初に申し上げることはありません。御質問をどうぞ。

2.質疑応答

(問)昨日、民主党の鳩山代表が中期目標を90年比25%ということを明言されました。様々な懸念の声、期待の声が上がっていますが、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

(答)新政権の地球環境問題に対する積極的な取組の姿勢ということで、高く評価したいと思います。いわゆる2020年の中期目標、科学の要請に基づいて、先進国は25%以上の削減を目指す、25%削減を行うということにつきましては、私も閣内の中で主張してきたことでもありますし、私が所属する公明党の主張でもあり、大変意義深いものであると思っております。しかし、これを実現するには、いろいろな国内施策の積み上げが必要です。私も環境省の職員に新しい大臣の下、この国内施策の積み上げ、それは当然経済と両立するものでなくてはなりません、私は、いろいろな懸念の声がありますが、私も何度もこの場で申し上げさせていただきましたが、世界一の環境技術を持ってすれば、日本はたしかに大きな負担はありますが、それを上回る大きな経済活性化も生み出すことができる。そこにしか日本は生き残っていけないと私は思っておりますので、新しい大臣の下、積極的な国内施策の積み上げをして欲しいと言うつもりでございます。ついでにもう少し言わせていただきますと、その具体的な国内施策ですが、是非、民主党さんも次の施策については見直していただきたい、つまりガソリン暫定税率の廃止、高速道路無料化、これと25%削減は両立しません。また、原子力発電の活用、これは、新規増設も含め、また稼働率の向上も含め、非常に大きなポイントを占めることになります。そういう意味で社民党さんと連立政権を組まれるということですが、社民党さんは原子力発電に対して否定的な政策をおっしゃっておりますので、この点も連立政権樹立の際に明らかにしておかれなければならない点だろうと思っております。いずれにしましても、そういう野心的な目標を掲げ、そして、それによって世界の議論をリードしていくという姿勢は非常に重要だと思いますので、COP15の成功に向けて日本がリーダーシップを取って行ってもらいたい、昨日はその一歩だったのかなと評価しています。

(問)平成21年度の補正予算の執行状況についてお伺いしたいのですが、今現在で補正予算が執行されている案件がどれぐらいあるか、大臣として把握されているものはありますか。

(答)正確に今、何%執行されているかということについては、詳しくは把握しておりません。ただし、全てその準備のために、いろいろな施策の準備を進めている段階だと思います。一つ一つの基金、グリーンニューディール基金については、実際に施行されている金額はまだかと思いますが、具体的に地方自治体で内示し、計画が進んでおります。エコポイントにつきましても、その中でどれだけ今、交換商品としてお金が出たかというのは掴んでおりませんが、これは実際に既に始まっております。具体的に進んでいると思っております。

(問)民主党政権になって、新しい財源を捻出するために皆さんいろいろ補正予算の執行停止とかいろいろな話が今出てきておりますが、現実問題として次の政権からそのような意味での引き継ぎというのは、大臣は受けつつあるのでしょうか。

(答)そういう話は一切ございません。私どもが責任を持って景気対策として決めた補正予算ですので、これが執行されることを願っております。特に環境省関係につきましては、グリーンニューディール基金、エコポイントに関連する基金と、景気対策の目玉でしたし、また、現在の経済の活性化に大きく役立っているとの評価をされているものでございますので、これは国会で決めていただいたとおりに執行させていただきたいと私としては強く願っております。

(問)マイナス25%を実現するための施策ですが、環境省として改めてどういう施策が必要だとお考えでいらっしゃいますでしょうか。

(答)ここは今具体的にこれを何%という数字を申し上げることはできませんが、いわゆる真水での2005年比15%削減、90年で8%削減までは出しております。可能であると積み上げをしております。その後、いわゆる排出量取引や森林吸収源等をどこまで見込むのかという議論と、なおかつ真水部分をどれだけ増やしていかなければいけないかの議論をこれからしていかなければならないと思います。基本的には、再生可能エネルギーの更なる充実、普及、それからいろいろな国民生活における家庭部門、業務部門における省エネ、住宅の断熱化、そして、エネルギー転換部門では、先程の再生可能エネルギーとともに原子力発電の稼働率の向上ということ。25%のうちのどこまでが国内削減分になるのか、昨日の鳩山スピーチでは分かりませんが、少なくとも8%よりは上になるだろうと思われますので、その部分は早急に新しい政権として明らかにしていただきたいと思いますし、環境省としてもどういうことが可能なのかということを国立環境研究所とともに研究していかなければいけないと思っております。

(問)公明党としてはですが、今回の鳩山さんのスピーチの内容は、協力していける前向きな内容だと捉えているのでしょうか。 

(答)公明党もマニフェストで中期目標90年比25%減と明示しておりますので、そういう意味では評価をしていると先程申し上げたところでございます。 

(問)基準年が05年から90年にまた戻るのではないかという話がありますが、この点については、どのように受け取っていらっしゃいますか。 

(答)我々現政権が05年比も表記をしましたが、基本的に絶対量でどこまで下げるかが問題であって、基準をどこで取るかは、私は二次的な、相対的な問題だと思っております。そういう意味で、90年比で言ってもよいし、05年比で言ってもよい、ただ、我々が目標とするところでどれだけ減らすか、絶対量でどれだけ減らすかだと思います。現政権が05年比の表記をするようになったのは、アメリカが05年比で表記をしておりまして、今後、アメリカの国際枠組みへの参加を促すという意味でも得策ではないかということでそうしたわけですが、それは、ある意味で拘りません。私個人としては拘っておりません。90年比、これも科学の世界で用いられておりますし、ヨーロッパでもその基準を使うということです。05年比はアメリカを中心として使われている、その両方で表記すればよい、表現上の問題だと思っております。

(問)現在の評で例えば、家計負担が7万7千円年間かかるというのが、25%であれば年36万円が家計負担増というようなことが言われておりますが、家計負担がどのくらいのものになるか、その差について大臣はどのようにお考えですか。

(答)先程申し上げましたとおり、当然これは国民や産業界に大きな負担をかけることになるわけでございます。しかし、それと同時にこれから低炭素社会を目指して世界中が技術競争をする中で、その先頭を走ることによる利益ということも考えなくてはいけないと思います。そのプラスマイナスがどうなるかということですが、私はプラスマイナス、プラスになると思っております。今後、新政権は、これだけ負担はかけますが、経済的な効果はこれだけあります、その他の新しい枠組みを作る上で日本が世界をリードする立場になることによって、こういう効果もあります、メリットもあります、ということをよく明示し、国民の皆様に分かりやすくそのプラスマイナスが分かるようにして行くべきだと思います。環境省としてもそういうグリーンニューディール的な経済効果を計算できる新しい経済モデルを作ろうということで研究を始めたところでございまして、そういうものも使って、何が真に国益になるのか、地球全体の利益になるのかを分かりやすく明示することが必要だと思います。

(問)麻生政権では、真水であくまで議論するということで、国際交渉でもこの方が有利なんだという話ですが、今回も鳩山さんの表明だとその辺がはっきりされていなくて、交渉上の戦略の転換かなとも受け止められますが、COP15の前に中身をもって明らかにしていくべきだとお考えですか。 

(答)ある意味でCOP15で目指しておりますのは、新しい国際枠組みの中で各国がそれぞれどういう目標を持つのかを明らかにすることだと思います。ある意味でオブリゲーションがあり、数値的に明示された目標、全て同じ表現である必要はありませんが、途上国に対しては「差異ある責任」という立場でよいかと思いますが、そういう意味で日本は先進国としてどれだけ国内で減らし、また、その他の柔軟性措置でどれだけ減らしていくことに貢献していくのかというのは、COP15までに明らかにしなくてはいけないのではないでしょうか。

(問)従来、大臣はその辺りで真水で15%減らすことが可能で、その他CDMや森林吸収で減らせば25%までいけるのではないかとおっしゃっておりましたが、その意見は今も変わらなくて、今後も野党としてその立場で質問されていくということでよろしいでしょうか。

(答)はい、変わっておりません。閣内で主張したことは変わっておりませんし、これからもちょっと立場は変わりますが、その立場で国会質問や主張はしていきたいと思っております。日本がこの国際枠組みを作る国際議論でリーダーシップを発揮するように私も私の立場で頑張っていきたいと思っております。

(問)補足の質問ですが、内訳を明らかにしてしまうことが、国際交渉上、得策ではないという意見もたぶんあると思いますが、大臣はその辺りは、COP15までに内訳も明らかにしなければいけないとお考えですか。

(答)国際交渉の段階で必ずしも明らかにする必要はないかもしれませんが、COP15の最終段階では、国内でどれだけ削減する、そして、国際貢献でどれだけ削減する、ということを明らかにしなければ、国内の目標が出てこないわけで、我々の国内技術開発の目標も出てこないわけですので、それはCOP15が最終決着をする、その金槌が打たれた瞬間には明らかにしておかなければいけないと思います。 

(問)そのためには残り3ヶ月の間に国内の積み上げ分については早急にもう一度考え直さなければいけないということですか。

(答)それは鳩山さんが昨日あそこまでおっしゃったわけですから、新政権に課せられた大きな課題だと思っております。可能だと思います。もちろん、今後まだ見ぬ技術、まだ11年あります。これだけの技術開発をしなければいけない。まだ見ぬ技術という部分は出てくると思いますが、それを認めた上で私は可能だと思います。

(以上)

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