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大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成21年9月1日(火))

1.発言要旨

 今日は特にありませんが、冒頭少しお話をさせていただきたいと思います。
 まず、今日閣議がございまして、麻生総理から行政の空白は許されないのでこの間、次の内閣ができるまでしっかりと対応するように、業務に専念するようにというお話がありました。もちろん新しい方針を出すとかそういうことは控えたいと思いますが、これまで出した方針の徹底や緊急対応等には万全を期していきたいと思っております。
 それから、今回の総選挙につきまして、主権者たる国民の厳粛な審判ということでこれを重く受け止めて、良く分析をし、反省をし、再び政権に返り咲くよう頑張っていきたいと思っております。一つは、党として10年の自公連立ということが終わるわけでございまして、この連立に対して大きな成果を上げてきたものと思っておりますけれども、今後、党としてどのように再生していくのかということに対して真剣に考えなくてはいけないということ。
 それからもう一つ環境につきましては、環境政策、特に環境が経済を引っ張っていく社会の創出、社会の変革ということを訴えてまいりまして、多くの有権者の共感を得たという実感がございます。そういう中で特に選挙ですから、民主党の政策についての批判も加えたわけですが、ガソリンの暫定税率を無くす、また、高速道路料金の無料化等について、これは石油がぶ飲み社会への後戻りであり、民主党さん自身が掲げられている中期目標のマニフェストとも相矛盾するものであるという話もさせていただきましたが、これも国民の皆様から大きな理解をいただいたと思っております。そういう意味では今後、私は、野党という立場になりますけれども、緑の経済と社会の変革で出しました構想の実現のために、与えられた立場で全力を尽くしていきたいと思っております。
 私の方から以上2点です。

2.質疑応答

(問)今お話にもありましたとおり、衆院選挙で自公が歴史的な敗北、政権交代ということになりました。それに対しての今の率直な受け止めと、改めて敗因ということをどのようにお考えでしょうか。

(答)まず、最初の御質問は自公連立の10年の評価という御質問かと思いますが、私は政治を安定させ、そのことによって経済を伸ばし、そのことによって生活者、庶民の暮らしを守る、国民の生活を守るという意味では、この自公連立政権は大いなる成果をあげてきたと思っております。また、公明党といたしましても、多くのある意味で庶民目線の政策を実現できたのではないか。また、言い出したらきりがありませんが、政治とカネの問題についても、これまでの自民党政権ではなし得なかったいろいろな改革を実現できたという意味で、政治史上の中で大きな足跡を残すことができたと思っております。環境政策についても同様です。私達公明党の環境政策をいろいろな局面の中で100%ではありませんでしたが、政府の方針とし、与党の方針とし、そして実行してくることができたと思っております。
 2番目の質問の今回の敗因ということでございますが、私の実感として、全国を歩き、また有権者の方とも多く話をさせていただきましたが、政策そのものが、これまで打ってきた政策、それから、これからやろうとしている政策そのものが否定された感じはしませんでした。むしろ、今回の100年に一度の経済危機に対応する経済政策や、その中で環境が経済を引っ張っていくという政策については非常に高い評価をいただいた。この政策を続けて欲しいという生の声も多く聞きました。それでは何が敗因だったのかということですが、一つは10年続いた自公政治に対しての一つの飽きと言いましょうか、社会経済状況閉塞感があって、その閉塞感を打ち破るには、打ち破りたいという感情と飽きの感情が重なったのが一つではないかと思います。それから、この一年間の政権運営という面で、一つの方向性を打ち出して、それに向けて各閣僚が心を合わせて団結して総理を守りながら進んでいくという姿勢が足りなかった。そこに対して反省を求めたいという感情があったように思います。今後、ここのところはよく分析して、自民党、公明党それぞれに再生の手だてをしっかり議論して、立って行かなくてはならない。また、そのことが日本の民主主義そのものを育てていくことになると思っています。民主党の巨大与党が誕生したわけですので、野党の中の公明党の割合がある意味で非常に高いものがございます。歴史からみますと野党の経験は公明党に十分ありますから、本来の民主主義を支えていく意味においても野党としてその存在意義を発揮していくことが重要だと思っておりまして、そのためにしっかりとした今回の敗因分析とこれからの方針を皆で議論して、決まった方針について皆が心合わせて団結していくことが重要だと思っております。

(問)今の御発言の中の総理を守りながら一致団結していく進んでいく姿勢が足りなかったというのは、具体的に言うと麻生おろしと言われた点の言動ですとか、郵政を巡る閣僚が辞任されましたが、そういうことを指されているということでよろしいでしょうか。

(答)一番頭に最初に浮かぶのは、定額給付金につきまして、いろいろな迷走があったということでございます。当初、定額減税で、しかし所得税、住民税、非課税所帯への配慮という形で定額給付金となったわけですが、あくまでも基本的な考え方は減税であるという基本的な考え方を貫いておけば、あそこまでの迷走劇はなかったと思います。そのことで、内閣の中の考え方が不一致という印象をもたれました。そのことも今回の大きな影響があったのかなと思っております。そういうことを示しております。定額給付金だけではありませんが。

(問)公明党に関して言えば、代表と幹事長が落選されて、新執行部が急務という状況の中で、大臣自身が重要なポストに就く可能性も指摘されているわけですが、今後の新政権への対応についてどのようにお考えでしょうか。マニフェストの中では、公明党と民主党は近い計画を打ち出している面もあると思いますが、その辺も含めていかがでしょうか。

(答)先程申し上げましたように、健全な野党としてしっかりとした役目を果たしていく。そういう中であって、一つ一つの政策について全体での整合性をよく見ながら、国民生活を守っていくものについては、一緒に協力して整理させていくということは当然あろうかと思います。政策的には、まさに是々非々で行くということだと思います。ただ、巨大与党に対して、きちんとした野党が存在するということは、大変重要なことですので、その政権チェック、それから野党からの政策提言。また、公明党の存在意義である生活者、庶民の視点からの政策提言ということについては、これをどんどん行っていきたいと思っています。

(問)今の是々非々ということですが、中期目標については、25%公約で今月は決めていらっしゃいましたが、政府与党としては、方針として05年比15%減ということで一致していると思いますが、この部分は、公明党は民主党と是としてやっていかれるということでしょうか。

(答)難しい質問を難しいタイミングでしていただきました。選挙前であれば、私は05年比15%削減を決めた立場ですので、それをベースに、ただ、中期目標というのはあの数字だけではなく、いろいろな排出権取引やその他の柔軟性措置等をプラスして出すものですので、あの政府方針を基にこれから中期目標を国際交渉の中で決めていくという基本的な立場だったと思います。今も基本的に環境大臣としてそうですが、他方、公明党としては、先程申し上げた排出権取引や柔軟性措置も含めた形で90年比25%というのをマニフェストで掲げております。その公明党のマニフェストの実現という意味で、具体的に現実性のある方策として、民主党政権がその方針を出されれば、それはその内容を吟味してそれが社会の進歩に繋がるものであれば、当然反対すべきものではないと思います。 

(問)選挙の話ですが、先程、政策そのものが否定されたわけではないとおっしゃいましたが、今回、過去5回当選された選挙と比べて大臣御自身は相当御苦労をされたのではないかと思いますが、肌で感じた厳しさみたいなものはどの辺に、どこにお感じになられたのでしょうか。

(答)経済政策については、この一年間、今年度予算、3つの補正予算、そしてその中に環境政策も含めて盛り込みました。そのことに対して、ある程度の評価と期待は強かったと思います。特に私は選挙区が中国5県ですので、今回は全国とともに特に中国5県を巡ったわけですが、いわゆる疲弊されている地方で特にその政府が出してきた経済対策についての強い期待というのは感じました。そういう意味では、中国地方が強い期待を感じたところは、与党側が勝っているという風に感じます。中国地方は20選挙区ありますが、小選挙区では10対10です。ただ、厳しさを感じましたのは、都会の厳しさを応援、また私の選挙区の中でも政令指定都市である広島、岡山という大都会を歩きますと、やはり厳しい雇用情勢からくる、途中で失業率が下がる報道もありました。そういう中でこの閉塞状況を何とか打開して欲しい、今の政権ではこの閉塞状況を打開という大きなインパクトを期待できないというような、特に男性からですが、反応が実際にありまして、厳しさを感じたところです。
 実際、厳しさを感じたところでは、現実民主党が勝っている。今の経済対策に非常に強い期待をしているところでは、私の知る限り与党が勝ったという感じを持っております。鳥取1・2、島根1・2、山口の山陰側は全部勝ちました。

(問)重なるかもしれませんが、公明党ということですが、今回小選挙区で議席を確保できない形になりました。代表も落選ということで、なぜこういう形で大きな敗北を喫したのかというところをどう見ていらっしゃるのかということと、再生のためにはどういうことが必要だとお考えか、改めてお願いできますでしょうか。

(答)ここのところはこれから分析をして、再生のために最も有効な手を打っていかなければならないと思います。ですので、今ここで予断を持って言うことはできませんけれども、一つ感じておりますのは、公明党の立党の原点、存在意義というものが連立政権の中で見えにくくなってきているところが出てきたのではないか、私も政調会長を2年間させていただきましたが、我々は与党の中にあって、まさしくある意味で、庶民の立場から、弱者の立場から、中小企業の立場から、また地方の立場からということで、政策実現に向かって努力をしてきたわけですけれども、これはどうしても妥協をして、ひとつの落としどころを見つけるということが必要になってきます。そういう中で真の公明党らしさというもの、我々としては努力をして100%ではないけれども、これを現実のものとするという努力をしてきたつもりだったのですが、これが国民の皆さんに、支持者の皆さんにうまく伝わっていなかったのではないかという反省をしております。
 あともう一つ、私は広島におりますけれども、平和の党、そして環境の党という旗印、この旗印の元に頑張ってきたつもりですけれども、例えば私のことで申し訳ないのですが、私ずっと在外被爆者に被爆者援護法を適応するという運動をしてまいりました。数年前は在外にいる被爆者については援護法の適応がありませんでした。これは社会保障だからという論理からです。これは社会保障を受けるのは現実に日本に住んでいらっしゃる方という考え方からですけれども、この在外被爆者に援護法で国内で援護を受けている方と同じ援護をということで、頑張ってまいりまして、それを実現させることができました。この在外被爆者に援護法を適応するというのは基本的な考え方が社会保障ではなくて、ある意味でこの被爆者援護というのは国家補償的配慮から行うものであるという基本的な考え方の変換がなければ為し得ないものですが、そういうことを一生懸命やって、被爆者援護法の改正を去年の国会で実現することができました。これなどは、ある意味で平和の党としての一つの大きなポイントになるかと思いますが、あまり一人でいろいろなところでしゃべっても、あまり社会に認知されることがなかったわけですけれども、特に関心も持っている方が在外被爆者ですから日本にいらっしゃらないわけですから、そういう面で平和ということについても頑張っているんですが、なかなか世の中にPRできない、そこら辺に大きな、国民の皆様の意識の中に、平和の党というけれど頑張っていないじゃないかというような意識もあったように思います。そういう意味で、これからその点も反省して、存在意義を明確にして行動し、それを世の中にはっきりとPRしていくということが重要だなと思います。質問の趣旨とちょっと答えが外れてしまいましたが、そのことによってもう一度、党の存在意義、アイデンティティーを明確にすることが、党の捲土重来を期すことにつながっていくと思います。

(問)大臣、そうすると関連ですけれども、今後自民党との距離ということでいくと、自民党と少し距離を置いた方が党の存在意義が成せるというお考えでしょうか。

(答)今までより距離を置く、置かないということではなくて、これまでもそうでなくてはいけなかったのですが、独立した党ですから、党の存在意義というものを明確にした形で発信するということがより重要だなと思っています。これまで10年間連立政権を組んできた信頼関係がございます。その信頼関係は当然これからも大事にしていきたいと思っておりますし、今回の選挙は選挙協力をしながら共に戦い、共通公約も発表させていただきました。そういう意味では、野党ですけれども、その共通公約の実現に向けて自民党と頑張らなければなりませんし、二大政党といいますか、二大政党グループ的なものは日本の民主主義に必要だと思っております。そういう意味ではゆるやかな自民公明グループ、これは私は保守中道、それから今の民主党は社民党と連立政権をお組みになるということで、そしてそれを支えているのは労働組合や、かなり左派系の団体、日教組や自治労といったものがその基盤にあるということで、我々は保守中道、向こうはそういう風に、左派労働組合系グループといえばいいか分かりませんが、そういう二つの考え方のグループがあって、それぞれが政策提言を行い、切磋琢磨していくということは非常に重要と思っておりますので、そういう意味でのこれまでの10年間の経験と培ってきた信頼関係、これはこれからも非常に重要なものであるのではないかと思います。しかし独立した党ですから、同じことを二回申し上げて申し訳ないのですが、党の独自色を出していくということも非常に大事であるのではないかと思います。

(問)敗因の件ですが、政策については批判はなかったということですが、大臣が選挙前に再三おっしゃっておられた自民党にまとまりがないということ、総理の発言のぶれとかそういうものに公明党としては自民党に足を引っ張られたという思いはありますか。

(答)そういう思いが全くないと言えば嘘になると思います。総選挙に入る前のいろいろな自民党のゴタゴタのイメージというのは選挙にとってやはりマイナスだったと思っております。

(問)何か麻生首相におっしゃりたいことはありますか。

(答)約1年間、総理の下で環境大臣として頑張ってまいりました。私は総理に任命された環境大臣ですので、総理を支え、盛り立てて行くことが私の任務だと思っておりました。その思いで頑張ってきたつもりです。そして、いろいろな局面がありましてけれども、中期目標の決定等につきましても、私は私の思いをぶつけ、それを真摯に聞いてくださり、私の思いも大きく入った形で総理の決断があったと思っております。そういう意味では感謝をしておりますし、国民の皆様にいろいろな誤解を与えるような発言があったことに対しては、私もこの場で正直に「これは誤解を与えるのではないか」と言わせていただきました。そういう面があったことも事実ですけれども、これまで環境政策についても、また環境技術、環境と経済の両立というかそれを乗り越えた環境が経済を引っ張っていく社会の構築ということについても理解をいただき、ある意味では緑の経済と社会の変革構想をまとめることができたのも、正月早々に、多分1月6日だったと思いますが総理から「こんなシャビーなものではなく、きちんとしたものをよく全省庁を連携とりながらまとめてこい。考えろ。」と言っていただいたことが、あの緑の経済と社会の変革をまとめることにもなりましたし、そういう意味ではそのリーダーシップに大変感謝をしております。

(問)公明党の次期代表に大臣御自身の名前も挙がっているようですが、意欲の方はいかがでしょうか。

(答)今は、そんなこと考えたこともございませんし、今はこの敗北の現実を直視し、分析し、そして再生、捲土重来を期していくためには何が必要かということを皆が心を合わせて議論することが大切だと思っております。今まさにそういう時間、時期でございまして、体制をどうするかというのはそういう議論をした後の話だと思っております。

(以上)

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