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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成21年7月28日(火))

1.発言要旨

 最初に私の方から3点お話させていただきたいと思います。
 今日の閣議の前に5回目の緊急雇用・経済対策実施本部会合が開催されました。関係各大臣から発言があったところでございます。私の方からは、環境省として、これまで取り組んできた太陽光発電等の新エネ技術、次世代自動車等の導入促進、また地域の生活排水対策等の施策について、早急な実施を図っていることを報告し、エコポイントについては、国民の皆様の御関心も高く、テレビ・エアコン・冷蔵庫の売上高も前年比20%増となっております。このように、省エネ家電製品が広まることにより、家庭部門のCO2排出量削減に大きな効果が出るものと期待していることなどを報告したところです。環境対策を思い切って実行し、それを経済の牽引力にしていく「緑の経済と社会の変革」について施策を実施していくことについて報告して参りました。総理の発言については、オープンになっておりますが、実施を精力的に行っていくような指示がありました。
 2点目ですが、「緑の経済と社会の変革」フォローアップチームの設置についてでございます。先ほど申し上げましたように「緑の経済と社会の変革」について、4月20日に発表させていただきましたが、一つ一つ実行に移しているところでございます。どこまで実行し、何が実行されないでいるか、今後どうするのかのフォローアップを今後していかなければなりません。そのフォローアップチームを作って、進行状況の把握と効果の評価、今後の進め方、関係省庁との連携や経済界・学界・言論界との連携を図っていきたいと思っております。構成メンバーは、総責任者として小林事務次官、総括として南川官房長、総括補佐として小林審議官、チーム員として各局長と廃棄物・リサイクル対策部長、水環境担当審議官がメンバーとなります。
 3点目ですが、大久野島沖で発見された発煙筒らしき不審物の引き揚げについて、日時を決定いたしました。8月12日に引き揚げ作業を行うこととしております。また、これらの不審物については、引き揚げ作業後、できるだけ早く、しっかりと内容物の分析を行いたいと思っており、確定し次第、公表する予定です。当日は可能であれば私自身も引き揚げられたものを確認しに行きたいと考えております。詳細なスケジュール等については、皆様に発表させていただきたいと思いますが、12日の午前中を予定しております。
 私の方から以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、民主党がマニフェストを発表しまして、先週もお聞きしましたが、高速道路無料化、ガソリンの暫定税率の廃止を打ち出す一方で、目標としては90年比25%削減とかなり高い目標を掲げておりまして、この辺りをトータルでご覧になって大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

(答)詳細については、まだ読み込んでおりませんので、今の質問に対してのより詳しい回答はまたの機会にさせていただきたいと思います。
 概略を承知しているところでございますが、例えば、ガソリンの暫定税率の廃止と中期目標等について整合性の取れていないところがあるのではないかと思っております。また、長期目標につきましては、民主党のマニフェストは60%と認識しておりますが、既にサミットで80%及びそれ以上の削減と国としてもお約束をしておりまして、その点では与党の考え方の方が進んでいるのではないかと思っております。いずれにしましても、詳細に読み込み、私の考えを述べさせていただきたいと思います。

(問)今おっしゃられた、暫定税率の廃止と中期目標について整合性が取れていないところは具体的にどういうところでしょうか。

(答)暫定税率、ガソリン税というのは、ある意味で炭素に値段を付けている環境税的な考え方でございます。そこを大幅に低くすることだと。中期目標を民主党は90年比で25%とおっしゃっていると認識しております。2005年比になりますと31%となります。この中でクレジットをどのように評価されているか、国内排出分をどれだけ見込まれているかは分かりませんが、いずれにせよ非常に高い目標だと思います。この高い目標というところは評価するところです。その高い目標と現実に化石燃料の消費を減らしていくということが必要になってきますが、それと暫定税率の廃止は方向が逆方向ではないかと思っております。

(問)政府与党としては、暫定税率の維持あるいは暫定税率部分の課税目的に明確に温暖化防止ということを書き込む方針なのでしょうか。

(答)これは、税制の抜本改革の中でその他の税と総合的に考えていかなければいけないと思っております。私は、化石燃料に課税することは、今後の低炭素化になくてはならない経済的手法と考えておりまして、そういう意味付けを行う方向だと思っております。しかし、抜本改革の中で総合的に他の項目とも考えていかなければいけないと思っております。

(問)民主党のマニフェストの中では、地球温暖化対策税の課税対象とか税率とか分からないのですが、それを代わりに入れるような風に読めるのですが、それをどのように分析されているのでしょうか。

(答)そういう風に読めるという程度でして、そこは私にも分かりかねるところでございます。今後の議論を是非与党とさせていただきたいと思っております。少なくとも暫定税率を廃止するということは、ガソリンについては、税率を下げるということではないかと思っております。別の名前でその分を維持するとはあのマニフェストでは読めないと思います。 

(問)グリーンニューディールのフォローアップチームの設置についてですが、いつ付けで設置されるのでしょうか。

(答)今日付けで設置いたします。今日指示をいたしました。

(問)詳しく目的を教えていただきたいのですが、ある部分については、補正予算とかで予算措置をされている面もあると思いますが、そうでない部分についてプッシュをしていくような役割を担うということでしょうか。 

(答)まず実行されているものについては、その効果を検証します。エコポイントや次世代自動車支援については、先日も申し上げましたが、もっと推進すべく今後関係省庁とも連携を深めていくようなこともあろうかと思います。そういう効果の検証と今後の方向とまだ手を付けられていない部分がございます。特に循環型社会、自然共生社会に関係した分で、これを今後どのように具体化していくかについても、例えば来年度の予算案の編成の中等で考えていかなければならないわけです。やっているところとやっていないところ、やっているところについては、その効果の検証と今後の方向、やっていないところについては、早急に手を付けなければいけないということを今後明確にして作業を行っていくという目的です。

(問)いつの段階かでレポートのような形で出されるということでしょうか。

(答)具体的に何月何日までに中間報告を出しなさいという指示をしておりませんが、具体的にはそういうことが必要になってくると思います。

(問)広島の土砂災害についてですが、大臣も御存知のとおり先週末に処分場の残土が崩れてお一人が亡くなったという痛ましい事故がありました。再三、周辺住民が建設について県に指摘していたという事実もあるようですが、産廃行政を所管する省庁として、大臣の受け止めと今後何か対策を取られるお考えがあるのかお聞かせください。

(答)土曜日の朝5時半の災害でした。私は、当日広島におりました。公明党広島県本部代表という立場もございましたので、地元の市長より早く駆けつけました。その大雨によって崩壊したものが、いわゆる産廃処分場ではなかったかという情報は出発した当時は知りませんでした。移動中にそのような情報が入ってきまして、現地に近づいて行きますと 「産廃処分場建設反対」のプラカードがかかっておりました。これが産廃処分場の崩落、また流出災害ということであれば、環境省として大きな問題であり、責任を持って対応しなくてはいけないと覚悟しつつ、現場に向かいました。私も現場まで行き、この目とこの手で触ってみましたが、いわゆる産廃処分場が流れ出ているという感じではなく、純粋な土砂という感じで、これは違うのではないかと実感したところです。しかしながら、過去の経緯もある話ですから、調査して、もし産廃処分場という形で行われているものであるとしましたら、現在のような大きな気候変動の中で改めてこの産廃処分場の建設基準等について我々は考え直さなければいけないのではないかと感じた次第です。まだ最終的な確定はしておりませんが、最終的には産廃処分場として計画があっても、地域の反対があり、結果としては建設残土の置き場になっていたのではないかと認識しております。 かつ非常に規模が小さいので、県の許可も受けなくても良い規模の残土置き場であったという情報がきております。それにしても、現実にお二人の方が生き埋めになりました。不幸中の幸い、奇跡と言われておりますが、お一人の方が助かった点は良かったと思っております。人命に係る災害を起こしたということで、直接環境省の所管ではありませんが、政治家として、非常に狭い谷がずっとあり、集落が続いておりまして、本当に綺麗な里山で、その谷の一番奥の家が被害にあったわけですが、200~300m上のところに建設残土が捨てられておりました。そのようなところは、日本中にたくさんあるのではないかと思います。環境大臣の所掌事務とは外れますが、今後の大きな問題、検討していかなければいけないと実感したところです。

(問)先ほどの産廃残土については、環境省が調査をするわけではないのでしょうか。

(答)直ぐに環境省職員を派遣させました。翌日の日曜日になりましたが、環境省の職員を派遣させまして、現地でよく連携を取っております。もし、残土の中に廃棄物、若しくは産業廃棄物が入っていれば、環境省としても積極的に関与して解決しなければいけない問題と認識しております。

(問)関連というわけではありませんが、広島、山口、福岡を始め、今年も大雨、集中豪雨という、いわゆる異常気象と思える状況が今年もまだ続いております。中には温暖化の問題、原因を指摘するような声もありますが、改めてこのような気象状況が相次いでいることについて、大臣のご感想がありましたらお聞かせください。

(答)「昔から大雨があったではないか」と言う方もおりますが、現在の大雨は、例えば1時間あたりの雨量が30mmですとワイパーが動かない、40mmですと自動車は動けないと言われている中で、今回は100mm以上の雨が福岡、山口、広島に降っております。これだけの局所的な、まさに「バケツの水をひっくり返したような」という表現がよく使われますが、昔は無かったのではないかと思います。また、昨日は群馬県で竜巻が起きております。竜巻というのも日本の自然環境の中ではなかなか無かったことですが、この竜巻の発生も各所で言われております。そういう意味で大きな気候変動を我々は実感してきており、その原因は明らかに温暖化だと思っています。これは、100年間で0.74度気温が上昇したことは科学的に認められていることで、平均で1度近く上がるということは、大気が抱えているエネルギーからすれば、ものすごい量のエネルギーを大気が内包しており、そのエネルギー増加量は、ものすごい大きなものになると思います。そのような現れが今回の異常気象という形で出ていると私自身は認識しております。

(以上)

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