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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成21年6月5日(金))

1.発言要旨

 今日最初に私の方から3点、お話をさせていただきます。
 1点は、先ほどの閣議で決定をされました、温対法の一部の施行期日が決まりました。この政令は、昨年の通常国会で改正された地球温暖化対策推進法、いわゆる温対法における、地域地球温暖化防止活動推進センター、それから地球温暖化防止活動推進員に係る規定の施行期日を本年6月12日とするものでございます。今回の施行によりまして、都道府県知事に加え、指定都市、中核市、特例市の長も、地域地球温暖化防止活動推進センター及び地球温暖化防止活動推進員を指定・委嘱できることとなります。これで、昨年の温対法の法改正については、全ての規定が施行されることとなりました。
 それから2点目ですけれども、今週末、6月7日(日)に東京都内で開催される、第2回日中ハイレベル経済対話に出席をいたします。対話では、気候変動・環境問題が柱のひとつとして取り上げられておりまして、張平国家発展改革委員会主任、それから李干傑環境保護部副部長らと意見交換を行う予定です。張平主任は、気候変動の私のカウンターパートナーである解振華副主任の上司にあたる方です。李干傑さんは、副部長ということで、周生賢環境保護部部長の直属の部下になる方です。気候変動問題については、COP15での公平かつ実効性のある次期国際枠組の合意に向けて、中国側にしっかりと働きかけていきたいと思っております。また環境協力について、循環型社会、環境教育、黄砂・酸性雨、海洋ゴミ、水環境、コベネフィット・アプローチなどの分野で、協力の一層の深化を呼びかけていきたいと思っております。
 それから3点目ですが、今日、6月5日は「環境の日」、国連の定める「世界環境デー」、また環境基本法に定める「環境の日」でございます。環境省では、6月の環境月間の行事として、明日になりますが、6月6日(土)、7日(日)にエコライフ・フェア2009、それからエコカーワールド2009を開催いたします。エコライフ・フェアは、代々木公園に28の企業・団体、28のNGO/NPOが出展をいたします。またステージではエコライフや環境問題をテーマにしたトークイベントなどを行います。明日初日のトークイベントには私も出演をさせていただく予定でございます。また6月6日、同日開催で、横浜赤レンガ倉庫広場におきまして、次世代自動車についての理解を深め、その普及促進を図ることを目的としたエコカーワールド2009を開催いたします。こちらにも、明日の開会式には私、出席をさせていただきたいと思っております。ぜひ、多くの方にご参加いただき、地球環境のために行動を起こしていただきたいと思います。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)本日の朝に、地球温暖化問題に関する閣僚間の会合を終えまして、中期目標の設定に向けた調整といったものが山場を迎えております。そういった中で、大臣は一貫して主張し、また公明党内でも共有する、踏み込んだ削減案に対して、どの程度聞き入れられているという感触を得ておりますでしょうか。また閣僚間の足並みは揃いつつあるのでしょうか。現時点での大臣のこの辺りのお考えを改めてお聞かせください。

(答)今朝閣議前に、4大臣会合と言いますが、現実には財務大臣も入られて、5大臣会合プラス総理で、中期目標についての議論を行いました。前回もお話したのですが、大変申し訳ないことですが、その中身については、今政府の中で調整中ということで、外には出さないようにということを言われておりますので、他の大臣がどのような主張をされたか、また調整の状況はどうかということについては、大変申し訳ないのですがお答えできませんけれども、少なくとも私が主張したことについてはお伝えできると思います。前回の4大臣会合では、麻生総理はお入りになりませんでしたけれども、今日は総理がいらっしゃる場で、同じ主張をさせていただきました。今日特に私が強調しましたのは、日本は省エネ国家だから、その分寝て待っていればいいんだ、努力はしないという姿勢では、日本の優れた環境技術の優位性を失ってしまう。次世代に日本の優れた優位性ある技術を受け継いでもらって、それで大幅に二酸化炭素の削減を図っていくということでなければ日本の将来はない。数字は高ければいいというものではないという反論がある訳ですけど、しっかりとした技術の裏打ちのある数字であり、かつ日本の産業の競争力ということを重々配慮した目標設定であるということを、特に今日は強調させてもらいました。

(問)CDMについての議論はありましたでしょうか。

(答)ありました。国富の流出であり、否定的な見方の意見もありましたが、私の方からはこれから途上国に対して、技術支援、また資金供与等を行っていかなければいけない。その時に、日本の努力によって世界規模で大きく二酸化炭素排出抑制をすることができ、かつ日本の排出量にカウントできるということで、CDMは否定的に捉えるものではなく、積極的に評価すべきものであると。例えば1億tを削減しなくてはいけない時に、日本で1億tを削減するには大変なコストがかかる訳ですけれども。ある意味では桁違いに少ない額でその1億tをCDM等を使って海外で減らすことができ、かつ削減量を日本の努力、国際貢献として認められる。言葉は悪いのですが、どっちみち日本は先進国として、これから途上国に支援をする訳ですから、その支援が日本の努力として、日本の削減量として生きるということも十分考慮して、我々は中期目標を考えなければいけないのではないかということを私の主張とさせていただきました。

(問)CDMに依らない、他の直接支援によって途上国に削減努力を促すという意味での提案というのは、中期目標と一緒に打ち出すというものは政府内で検討されているのでしょうか。

(答)会合の中身については言わないということになっています。質問が上手いので、だんだん中身について言いそうになっていますが、今日はその細かい部分については議論できませんでした。

(問)今日の会議では中期目標の数字について、閣僚間での意見の一致はなかったという理解でよろしいのでしょうか。

(答)それぞれの大臣がご意見をおっしゃいましたけれども、一致はしてないと私は認識しております。

(問)一定の方向性といいますか、意見の集約に向けたものは見えたとお感じになりましたでしょうか。

(答)これも中身になりますので、なかなか答え方が難しいのですが、それぞれの大臣が言っている意見の背景については理解できたというところまでは来たのではないでしょうか。例えば、高い数字だけ挙げればいいというものじゃないんだということに対して、そうではなくてこれにはきちんとした技術的な裏付けもあり、それをやるかはどうかは正に政策の課題なんだということについてはご理解をいただいたのではないか、そういう理解が共有できたのではないかとは思っております。そういう意味で表向きの意見の一致はまだありませんけれども、それぞれの大臣が話しているその背景や基盤についての理解は進んできたと思います。

(問)各大臣がいろいろおっしゃった中で、麻生総理の反応がどうだったか可能な範囲でお願いします。

(答)全大臣が発言されて、いろいろなやりとりがありましたが、その後に麻生総理の発言がありました。各大臣の発言に対して、けっして一方に偏るような発言ではなく、幅広い発言があり、私は適切なご判断をしていただけるものと思っております。申し訳ありません、それ以上は申せません。

(問)今日については総理が各大臣の意見を引き取って、来週以降に発表という流れと考えてよろしいのでしょうか。

(答)そうですね。ただ、まだ4大臣会合があるかもしれません。そこは分かりません。

(問)終わった後に、河村官房長官と個人的に立ち話をされていたと聞いていますが、そこでは中期目標の話をされたのでしょうか。

(答)終わった後に総理と官房長官に7、8分お話をさせていただきました。それは正式な会合で私が申し述べたことを、より深く理解していただくために解説をさせていただいたということでございます。やはり4大臣会合も、今日のように後に閣議がありますと時間が限られているものですから、なかなか言いたいことが100%言えないので、私が言いたかったのはこういうことですと解説をさせてもらいました。

(問)確認ですけど、斉藤大臣は大臣会合の中で15~25%という数字は言われたのでしょうか。

(答)前回と同じ数字を挙げて、主張させていただきました。

(問)幅を持たせるということもでしょうか。

(答)はい。

(問)大臣の意見の差違もありつつも、来週10日前後に麻生大臣が中期目標を発表されるという話もありますが、その方向に向けて、大臣間の意見が集約されてきたというようなニュアンスでよろしいのでしょうか。

(答)率直な感想では、大臣間の考えには差があるので、今後集約の努力が必要だと率直に思います。

(以上)

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