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大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成21年5月22日(金))

1.発言要旨

 今日、最初に私の方から1点だけ、使用済携帯電話回収キャンペーンについてお話をさせていただきます。  先日、総務大臣と合意致しました使用済携帯電話回収キャンペーンは、本年6月の環境月間を契機に、6月3日からクールアース・デーの7月7日までの約1ヶ月間にわたって、総務省、経済産業省、地方公共団体、通信事業者及び携帯電話メーカー等と連携して、様々な取組、行事を実施したいと思っております。
 こちらが本キャンペーンのポスターでございまして、統一ポスターです。地方公共団体や携帯電話ショップで掲示をさせていただきたいと思います。眠っている携帯が、また回収されて、リサイクルされて、現役でまた活躍したいと、そしてその中に眠っているレアメタルも循環型社会の貴重な資源として、採取をされるというものでございます。
 このポスターは、1万4千枚、貼りたいと思っております。また百万枚、リーフレットを用意しまして、配っていきたいと思っております。
 キックオフイベントはスタートの6月3日、ちょうど国会閉会日なので、閉会の本会議に合わせて、多少プラスマイナス10分15分ずれるかもしれませんけれども、12時から、ビックカメラの有楽町店前で、総務省、また経済産業省。大臣等に参加を呼びかけておりますけれども、参加をしてキックオフをしたいと思っております。
 これを機会に、携帯電話の回収・リサイクルについて、国民の皆様の一層のご理解、ご協力を賜りたいと考えております。現在、回収率は約15%ぐらいだそうですが、これを大きく増やしたいと思っています。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)中期目標の件なのですが、 先日、業界団体を中心にして新聞の一面広告に、[1]、[2]番以外ですと、例に[3]番が上がっていましたけど、国民の負担が増えるというような主張を展開していましたけれども、大臣はこの件についてはどのようにお考えでしょうか。

(答)今後、地球温暖化問題に関する懇談会、いわゆる奥田懇談会が開かれまして、その時点までは国民の意見をよくお聞きするということでございますので、今回の表明もその意見の一つの表明なのかなというように捉えております。ただ、2点だけ少し気になる点があります。1点はこれだけ負担が増えるという書き方です。今回は中期目標検討委員会での検討結果が使われているという点が前回の意見広告と違いますが、それでも、例えば選択肢[3]番ではGDPがマイナス0.5%、ないし0.6%の国民負担があるということですけど、分析の前提は、毎年1.3%、ある時点を越えると1.6%のGDPの成長があるということですので、2010年から2020年までを考えますと、20%近いGDPの伸長があるわけでございます。それだけ伸長した上で、マイナス0.5%下がる、もしくは0.6%下がるということですので、そういうこともきちんと国民の皆様に情報として提供しなければ、間違った判断に結びつくのではないかということと、これは前回も申し上げましたが、世界は低炭素競争をしている訳で、その低炭素競争に勝つということは、グリーン・ニューディール的な大きな経済効果がある訳でございまして、その効果はあの分析には入っておりませんので、そういうことも含めて、国民の皆様に情報を提供して、判断していただけなければならないのではないかと感じたのが一つです。
 あともう1点は、昨日も国会答弁で申し上げたところでございますが、今回の補正予算の前提となっております未来開拓戦略、これは閣議決定こそ行われておりませんけれども、政府の方針になっております。この政府の方針では、2020年までに例えば太陽光発電については現状の20倍にする、次世代自動車については、新車販売の2台に1台はいわゆる次世代自動車にするという目標が掲げられ、それに向かって邁進しようということで、それに基づいて今回の補正予算も組まれている訳でございます。しかし、いわゆる選択肢[1]というのは、正に自然体ケースでございますので、太陽光発電については現状の4倍、次世代自動車についても新車販売の10%ということでございまして、いずれも我々、政府が決めた目標の5分の1しかしないということになっておりまして、ある意味では未来開拓戦略をまとめた我々、政府与党としましては大変残念なことでございます。中期目標というのは、国民全体が頑張っていこうと、低炭素社会に向けて日本が先頭を切って低炭素社会にしていこう、国民全体で頑張ろうというものでございます。私は、その恩恵を受けるのは産業界だと思います。その結果、低炭素技術が進んで、日本の産業界の国際競争力が高まるということになる訳で、そういう意味では、グリーン・ニューディール効果、そして技術開発で先頭に立つ効果をぜひ考えていただければと感じた次第でございます。

(問)その意見広告でもう1点なのですが、昨日の広告を見ますと国際交渉の面で、公平性の指標が限界削減費用だというようなことが強調されていたのですけれども、これまで実際に交渉に携わってこられた大臣の立場からその点はどのようにお考えでしょうか。

(答)限界削減費用も公平性の指標の一つと私も思います。しかし、各国の担当者と議論をいたしますと、限界削減費用だけでなく、例えば、GDP当たりの費用、また1人当たりの排出量、またそれぞれについて過去蓄積された排出量、といったいろいろな公平性の指標がありまして、限界削減費用だけで公平性を論じるということが、世界的な交渉の中で必ずしも主流になっていないということを感じております。いろいろな方とお話をすると、必ずまず最初に向こうの方がおっしゃるのは、日本がこれまでの努力で、エネルギー効率の高い社会を築き上げてきたことに対して、心から敬意を表するというのを必ず最初におっしゃいます。そして次におっしゃる言葉は、だからこそ地球を救うために低炭素社会を築く先頭に立って、頑張って欲しいという日本に対する高い期待、これも事実でございます。そういう意味で限界削減費用だけではなく、他の指標についても一緒に考えていく必要があるのではないかと思っています。それが各国と交渉する時に、必要になってくると思っています。

(問)中期目標でもう一つ、ここのところの報道で、政府内で7%減を軸に調整が進んでいるという報道がいくつか見受けられるのですが、実際にそういう感じになっているのかということと、かねてから大臣は、次期枠組で、すべての主要排出国が入る枠組、科学の要請に基づいたものでなければいけないとおっしゃっていますが、仮に7%減という目標を日本が立てた場合に、そういうお考えに適うかどうか、その辺の考えをお願いします。  

(答)今後、地球温暖化問題に関する懇談会が開かれます。これはある意味で国民の皆さんの声を聞く最後の締めの懇談会だと思います。その時点までは、私から具体的な数字について論評するということは、大変申し訳ありませんが、避けさせていただきたいと思います。奥田懇談会が済みましたら、私、環境省、環境大臣としての意見も、私はこうあるべきだということも表明したいと思っております。その時の基本的な考え方は、これまで申し上げてきた3つの基本原則、科学の要請、主要排出国の参加、そしてグリーン・ニューディールを引っ張るもの、この3つの基本的な考え方についてはこれまで申し上げてきた通りでございます。そういう政府部内で動きがあるかということについても、よく知りません。

(問)先日、国連の作業部会の議長案が出ましたけれども、それに対するご感想があればお願いします。

(答)いわゆるLCA、条約作業部会の議長案が出てきました。その前に、いわゆる京都議定書作業部会の議長案も出てきて、いよいよ二つ揃って、これから12月のCOP15に向けての交渉がスタートしたというところで、こちらも正に気を引き締めて、交渉に当たっていかなければならないと感じております。京都議定書の作業部会、そして条約の作業部会、この二つが平行して進んでいるということに対しまして、我々としてはやはり違和感がございまして、今、京都議定書に入っていない国も一緒に考える条約作業部会に一本化して、温室効果ガスの削減や適応について、世界一つの土俵で考えるようになればとこのように思っています。
 ざあっと見ましたけど、今のところ、各国が出した案がオプションという形で、ずらっと整理されて並んでいるということで、いよいよ主要排出国が参加する一つの枠組作りに向けて、かつ主要排出国が実質的な削減に向けて、努力を進めることができるような、そういうものになればと思っています。

(以上)

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