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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成21年4月28日(火))

1.発言要旨

 今日は、私の方から1件ご報告いたします。先週、G8環境大臣会合に出てまいりました。参加国は20地域にのぼり、国際機関も多数参加して大変有意義な会合でした。テーマは4つに分かれておりまして、「低炭素技術」、これは世界を代表する20以上の企業も参加する新しい形でした。それから、「気候変動」、「生物多様性」、「子どもの健康と環境」の4つのセッションに分かれておりました。
 低炭素技術については、民間企業の方も参加して議論しました。各企業ともこの低炭素社会に向けて積極的に取り組んでいるというプレゼンテーションがありました。印象的だったのは、その会議を終えて、日本の企業の方が、低炭素技術では優位を持っている日本にとって、目指すべき志の高い目標こそ日本の技術を発展させることができるとおっしゃったのが大変印象に残りました。
 気候変動でございますが、我が国として共通だが差異ある責任という原則の下、次期枠組みは、一つの国際的枠組みの下で行うべきという意見を強く主張してまいりました。この共通だが差異ある責任の下、一つの枠組みの中で、ということが日本国民の一致した認識であると強く強調してきたところでございます。全体としては、やはり途上国と先進国の意見の差が明確になりましたが、そこは率直に意見を言い合い、最終的な議長サマリーの中では、先進国と途上国間の信頼感の醸成ということが今後大変重要だということが議長サマリーに入ったところで、今回大きな前進があったという皆の認識でございます。先進国と途上国の意見の違い、これはAWGでもある意味同様ですが、途上国は先進国に対して早く中期目標を出し、そして技術供与、資金協力の姿を明らかにすべきという主張をします。先進国は当然、技術支援、資金援助の用意はあるがそれを途上国がどういう形で使うのか明確にした姿を現すべき、具体的にこういう風に使って、こういう風に排出削減を行いますという姿を示すことも途上国にとっては必要、ということをお互い主張したのだと思います。
 生物多様性については、皆さんもご存じのとおり今回シラクサ宣言が採択されました。これも先進国と途上国の間で意見の差があり、いわゆるABSにつきましては、来年の名古屋のCOP10までに解決しようということが合意されたのは非常に大きな前進であったと思っております。
 子どもの健康と環境については、私とアメリカのリサ・ジャクソンが基調講演を行いました。日本の講演は、パワーポイントで実際データを使いながらの講演しましたのでよく理解していただけたのではないかと思います。日本がこれから行おうとしている6万人規模のコホート調査の概要を説明し、是非協力して、より国際的に幅の広い精度の高いものにして行こうと提案しました。アメリカとは、バイの会談の中でお互いに協力し合い、データを交換、共有し、より精度の高い知見の得られるような努力をするということで合意いたしました。世界の間でも是非協力をしたいという声が相次いだところでございます。具体的な姿については、今後詰めて行きたいと思っております。
 以上がG8環境大臣会合の概要です。途中でベルルスコーニ首相がG8の会場をマッダレーナから地震被災地に移すということでイタリア側は大混乱をするようなハプニングもありました。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)先日、日本から次のAWG会合に向けたサブミッションが出されて、今大臣がお話しされたように一つの枠組みの中で話をしていくべきだと主張されております。一方、今ワシントンでMEFが開催されておりましてそちらにCOP15の議長国のデンマークが入るような動きがありますけど、今後の交渉の主要な現場として日本として両者をどう考えていくのかお聞かせください。

(答)両方併行して両方重視しながら、AWGとMEF相互に関連しながら連携しながらやっていくことになろうかと思っております。そういう意味では両方に力を入れてやっていくということです。

(問)先日WHOが豚インフルエンザについてフェーズ4を宣言して、今朝、政府の緊急対策本部も立ち上がったと聞いておりますが、環境省の取れる役割と行動計画上環境省のやるべきことというのはどういう事があるのか教えてください。

(答)今日の閣僚懇談会でフェーズ4に上がったことが厚生労働大臣から報告され、名前も豚インフルエンザではなく新型インフルエンザに正式に変更されました。そして、8時に対策本部が設置され、その第一回の会合を今日12時35分から開きます。私は、ちょうど委員会の答弁に立っており出席できませんので、吉野副大臣が代わりに出席いたします。総理からのご発言があり、情報提供と水際作戦ということが基本となりますけれども、万全の体制でいこうということになりました。WHOの勧告の中に「ただし、入国制限や国境制限は行わない事」とあったそうで、飛行機の往来についてこれを禁止するとか渡航を自粛するよう要請するところまでは、今の段階ではWHOの勧告もあり、しないけれども、飛行機の中に入っての検疫等については行っていきたいという発言が厚生労働大臣からありました。環境省としてできることは何かということでございますが、今具体的にこの部分を環境省が受け持つというものはありません。政府全体で取り組むべき課題でございますので、情報提供、水際作戦という基本施策の中にあって、環境省として取り得ることは何があるのかについて事務方に検討せよと今命じたところございます。できる限りのことをしていきたいと思っております。

(問)G8の場で大臣が自然エネルギーの買取制度について、もう少し風力とか小水力とかを検討しても良いのではないかと発言があったとお聞きしているのですが、大臣のお考えというか意図はどういうところにあったのでしょうか。

(答)その発言は本会合が終わりまして邦人記者と懇談しましたが、その中で、太陽光発電に続いて再生可能エネルギー等の今後の普及についてどう考えるか、特にフィードインタリフについてどう考えるかという質問があって私が答えたものでございます。本会議の中では太陽光発電についてのフィードインタリフ等再生可能エネルギーの普及に努めていくということは発言したわけですが、それを受けての邦人記者からの質問でございます。それに対して私が答えたのは、まず太陽光発電の爆発的な普及のためにこのフィードインタリフをしっかりやっていきたい。また、特に個人的にはという言葉を入れまして、将来的は特に風力と小水力について爆発的な普及を図っていきたいので、このフィードインタリフの導入も、今すぐにできる状況にはないが、長期には検討することもあるのではと話しました。
ここから先はその場では言いませんでしたが、今回も太陽光発電でフィードインタリフを導入することによって、増産や技術開発が期待されて数年間で単価引き下げ等大幅なコストダウンも見込まれる状況になってまいりました。仮に風力や小水力についてもフィードインタリフを導入することによって大幅なコストダウンが図られれば、そのことによってスパイラル状に普及が促進できるのではと私自身は思っております。そのような基本的な考え方の下で発言をしたものでございまして、早い時期に太陽光発電と一緒にやりたいということではないことをこの場でお話しておきたいと思います。

(問)今の段階での大臣ご自身の個人的なお考えということでしょうか。

(答)そういうことでございます。

(問)フィードインタリフの件ですが、特に風力と小水力という話しでしたが、何故この2つを推進と言いますか、押そうという気持ちの背景にはどのようなことがあるのでしょうか。

(答)1つはフィードインタリフを導入するのは、普及することによってコストダウンが図られることも大きな要因だと思います。そういう意味でいろいろある再生可能エネルギーの中でそれに該当するものを探していきたいということです。

(問)日本で特にポテンシャルが高いものということですか。

(答)特に小水力は、農業用水が張りめぐらされた日本において非常に大きなポテンシャルがあるのではないかと思っております。風力については、風況が基本的に悪い国土ということがありますが、今後開発の余地はあるのではないでしょうか。そういう意味で普及することによってコストダウンが図られることになればよいと思っております。

(問)広島県の大久野島の沖で環境省が工事中に毒ガス弾と思われる砲弾が見つかって、環境省として工事を中止しているということがあるようですけれども、見つかってから3ヶ月ほどたって工事を中止するというところまでは環境省やっているのですが、その後の対応、その砲弾が実際に毒ガス弾なのかどうなのかの確認作業が進んでいなくて、その対応主体をはっきりさせて早く対応した方がよいのではという意見もありますが、どのようにお考えでしょうか。

(答)陸域の遺棄化学兵器については、環境省が責任を持ってやるということが平成15年に閣議決定されたところですが、いわゆる水域の遺棄化学兵器についてはどう対応するかということがはっきりしておりません。今、内閣官房の方でその処置について対応を検討していただいているところでありますが、どう対応するのか方針をはっきりさせるべく我々も検討していきたいと思います。

(問)つまり陸のようにはっきりした主体を設けるべきだということでしょうか。

(事務方) 閣議決定ではこれは案件ごとに内閣官房が仕切るということになっておりますが、未だその仕切りがございませんのでわかりません。もちろん関係省庁としては、環境省も協力していきます。

(問)自民党の地球温暖化対策推進本部で低炭素社会形成推進基本法案というものを検討しているようです。環境税など幅広く議論していくようですが、大臣としてそれに対する期待、所見についてお聞かせください。

(答)今、議員立法で検討いただいているところで、政府の立場、私も環境大臣という立場ですので直接のコメントは差し控えさせていただきます。私も公明党の政調会長時代に与党でこういう法律を作ろうというお話があり、それは素晴らしいことではないかと言った覚えはあります。期待しながら見守りたいと思っております。

(以上)

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