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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年9月18日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 今日の事務次官会議は一般案件が2件です。その1件目は新経済成長戦略のフォローアップと改定についてです。これは2年前に作られた新経済成長戦略について、その後の経済情勢を踏まえてフォローアップ、改定をするということです。経産省の主管でありますけれども、環境と経済の両立とか低炭素社会実現に向けてのいろいろな記述はしていただいたと理解をしております。
 一般案件の2件目は発表資料の形でお手元にお配りしておりますが、皇居外苑の北の丸地区の管理に関する事柄です。国土交通省が主管ですが、北の丸の公園の中に気象庁の観測施設を整備するということで、配付した資料に地図をつけてありますけれども、武道館より皇居側の園地の中に予定地を作っております。
 なぜこういうことになったかというと、現在、気象庁本庁庁舎の大手町の観測場所で、東京の気象観測をしているわけですけども、平成25年度を目途に気象庁本庁庁舎は虎ノ門に移転する計画になっております。気象観測施設というのは、あまり周りの影響のない、日照や風やいろいろな条件で安定したところが必要だということなので、適地がないかということでご相談があって、この北の丸の園地であれば適地としていいのではということになりました。北の丸公園はいろいろ経緯があり、きちんとした公園として整備していくということで、何かそれ以外のものを建てるときは閣議の了解を得るという厳格な手続きになっておりますので、今日の次官会議、明日の閣議にかけて閣議了解の上、観測施設を設置するということです。これからの気象観測は、温暖化の話もあり、ますます私どもの仕事と関連してまいります。いろいろな局面で気象庁と環境省もさらに協力して地球観測等をやっていくということですので、こういう事柄についてはご協力を申し上げるということでいいのかなと思っております。
 このほか、法律案が3件、政令が10件、人事案件が2件でした。次官会議の案件は以上です。
 私の方から申し上げておかなければいけないのは、チッソ支援の話です。火曜日の大臣の記者会見のとおり、与党救済策の実現に向けて前進していないということで大臣からも叱責をうけておりまして、私としても申し訳なく思っております。チッソ株式会社とは再三接触はしているわけでありますけれども、大臣が火曜日に言われたとおりで、現状ではチッソは与党救済策について従来の姿勢を全く変えていませんし、支援についても、私の受け止めたところは、閣議了解どおり当然実施されるべきだという態度であると認識しております。もう25日の支払期限まで時間がありませんので、本日、チッソ支援関係省庁会議幹事会を開催して、9月25日の支払い分、約14億6000万円については、実質、国の補助金をもって対応するという措置を講ずる方向で関係者に諮ることにしたいと思います。
 結局9月分の償還は、1日は概ねチッソの支払い分で、25日は国の補助金をあてるということで処理しますが、この次の支払期は3月1日と25日であります。ここに向けては現在県債が発行されていないわけですから、9月25日の措置をとっても、3月期の支払いに向けてはなんら問題解決にはなっていないわけであります。私ども事務方としては、問題解決に向けて今後とも努力を惜しまないということでありますけれども、現時点でいえることは、チッソ株式会社の方が頑なな態度で終始するかぎり物事はなにも前進しないわけで、残念だということであります。  私からは以上です。

2.質疑応答

質問
幹事会は何時からなのでしょうか。

(事務方)15時半からです。

質問
3月の問題解決に向けて努力を惜しまないとおっしゃられましたが、努力しても頑なな態度が続く以上、平行線というか、打開の途が見えないような気がするのですが、どのような努力をされるお考えでしょうか。

→まず与党PTの救済策の実現に向けて努力をするということ、それから、より根源的に言えば、現に救済を求める方々がいらっしゃるわけですから、そういう方々に応える努力を続けることは放棄できないわけです。一方、チッソ支援についても、県債が発行されない状態のまま放置していくことはできないわけですから、何らかの解決に向けた努力は必要ですし、これまでも説得や、与党PTのご指導の下に努力はしてきているわけです。
 どのような努力をするかということで、いろいろなことをこれからも考えていきますが、私たちが幾ら努力をしても、チッソの側が全然努力をしないなら全部空回りになります。行政の方はどうするんだと聞かれて、私もずっといろいろなことを考えて説得してきましたが、チッソの側が努力をしなければ全部空回りになるということだと思います。今後とも、今申し上げたような被害者補償の確保や救済の立場が基本ですから、そちらに立って交渉を続けていく必要があると考えていますが、今こんな具合になっている原因は、支援は閣議了解で当然でしょうと見ていて、一方で被害者救済には頑なになっているというチッソの態度、直接の原因は全部そこにあるわけです。他のいろいろな関係者の人は、それぞれ思いや立場が違っても努力をしていこうということだと思いますので、結局、全部空回りしている直接の原因は頑ななチッソの態度であります。
 これからなかなか大変だと思うけれども環境省はどうしていくんだという御質問ですが、私どもが努力をすることを放棄することはありません。しかし、努力すべきなのはむしろチッソの側で、チッソの側からいろいろ打開策を考えて努力をなされるべきものです。私どもの努力について質問されるのは分かりますが、どうするかをこちらからばかり言うのではなく、チッソは何をするのかをちゃんと示すべきだと思います。

質問
チッソの年間の返済額というのは、今日の会議でも確定はさせないという理解でよろしいですか。

→私どもがどういうふうにしても、県が県債を発行していないわけですから、閣議了解にしたがっていくというのはそのとおりにするのですが、それを具体的にどう確定させて何をするというのはそれぞれの人が努力をしなければいけないわけです。閣議了解どおりやって欲しいとチッソは思っておられるのでしょうが、それが円滑にいくための努力はされていないという状態ですから、閣議了解に従ってはやりますが、それを事務的にきちんとやるためのピースははまっていないです。はまっていませんが、25日まで日にちがありませんから、国の補助金でとりあえず25日をしのぐにすぎません。ですから、問題は何も解決してないということです。

質問
チッソに追加の返済を求めるという考え方はあるのでしょうか。

→意見は違うかも知れませんが、何故こういう事態になっているかということは、チッソは重々ご存じだと思います。事態を解決に向けてどうしていくかは、まずはチッソがお考えになることではないかと思います。
 県に対してもそうですよね。県も県債を出して、非常に厳しい財政の中で支援していくということですから、やはり県の方から思っておられることに対してもちゃんと応えていないと思います。どうすれば事態が解決するかを考えて努力されるべきだと思います。

質問
国としての努力とおっしゃいましたが、これはチッソが救済策を受け入れるよう説得を続けるという理解でよろしいでしょうか。

→私の方は、与党PTのご指導に従ってあらゆる手立てを考えて努力をしていくということですが、相手に応える気持ちがなければ何もできないわけです。相手の方からいろいろ考える、あるいは考えないにしても、何か解決をしようという気持ちを示していただかなければ、私もいろいろ考えていることはありますが、私の方から具体的なことを言う段階ではないのではないかと思います。

質問
昨日、排出量取引の試行的実施の案が出たと思うのですが、その評価と今後のスケジュール的な見通しをお願いします。

→昨日、地球温暖化に関する懇談会の政策手法分科会で御議論いただいたということでございます。この分科会は、サミットに向けてもいろいろ御議論いただいて、貴重な意見をいただいてきた分科会でございます。そういうところで御議論いただいて、そこで出た御意見も踏まえて、これから検討・調整していくということだと思いますが、一つのステップが踏まれたこと、意見をいただいたことは非常にありがたいと思っております。内閣を中心にした検討チームでこの後作業をしていくということであり、9月中目途に詳細を詰めて、10月中目途に試行するということですので、その作業が進むように念願しているところです。
 私どもの担当局も一生懸命やっていますし、各省もおやりになっています。産業界も真剣に意見を言っていただいていると思っています。とにかくやってみなければ始まりませんので、産業界とも話をして調整をしたところで、大臣もいつも言っておられるように、主要なところは皆入っているという状態で、とにかく試行が始まることが大事だと思いますので、そこに向けて、努力が進められたらいいと思います。そういう面で、昨日の分科会でいろいろ御意見をいただいたことはありがたいと思っております。

質問
今のプランで実質的な削減に繋がるとお考えなのでしょうか。

→福田総理は、この問題はいろいろ議論があったけれども、議論をしているときではなく、まずは踏み出していいものを作っていく努力をするべきじゃないか、という方向を示されました。まったくそのとおりだと思っています。それぞれの立場で言っておられることにはそれぞれ言い分があると思いますので、そういう言い分を入れて、とにかく試行して良くしていけばいいわけです。したがって、試行したものがきちんと評価できて、どこに問題があり、どこに効果があるかということがくっきり際立つようなやり方で試行していただければ、試行しながらどんどん良いものにしていけるわけですから、大いなる前進が図れると思います。

(了)

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