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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年7月31日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議については、一般案件が、事後報告として予算のシーリングなど2件、人事が3件、配布が2件です。
 環境省と関係があるのは予算のシーリングです。今度のシーリングは、重要課題について重点配布する仕組みということで、重要課題推進枠として3300億円程度が設けられました。成長力の強化、低炭素社会の構築、安心できる社会保障制度、質の高い国民生活の構築などについてそういう仕掛けができ、枠組み自体も昨年よりも大きくなりました。骨太2008に、低炭素社会に向けてきちんと書き込みもしていただきましたけれども、シーリングにもそういう項目が盛り込まれましたので、ありがたいと思っております。
 今後私どもがしなければいけないことは、こういう枠も活用して、意欲的で説得力のある予算要求をまとめていくということであります。具体的なことは作業をしているところであります。大臣もいろいろとお考えをお持ちですから、私どもも大臣のお考えを伺って、それを踏まえて詰めていくことになると思います。
 私からは以上です。  

2.質疑応答

質問
その前提にもなると思うのですが、同じ日に低炭素社会の行動計画が閣議決定されました。その全体的な次官の評価をお願いします。

→低炭素社会づくりの行動計画ですが、基本的には6月の福田ビジョン、総理懇談会の提言を受けて、それを具体化していくことが盛り込まれているわけです。大きな柱は総理の福田ビジョンの中に意欲的にうたわれたと私は思っておりますので、今回はそれを実施していくために必要な事項について、各省も一緒になって具体的なことを盛り込んで、地球温暖化対策推進本部でも決めて、最終的には閣議決定したということで、政府としてきちんと位置付けをできたことは、何よりも大きな次への橋頭堡だと思っております。
 それぞれのことはまたそれぞれで、大分報道もされていますが、排出量取引の試行実施、それから太陽光発電のところは随分具体的に、福田ビジョンにも書かれておりましたけれども、それをしっかりと各省でやっていくことを書き込んでありますし、技術開発など重要なそれぞれの点は盛り込まれていると思っておりますので、政府の文書として閣議決定に至ったことは非常に大きな橋頭堡だと思っております。

質問
首相のおっしゃっている2050年に60から80%削減というのはまだこの計画では担保されていないと思いますし、今の次官のお話に次への橋頭堡とありましたが、次へのステップというのはどういうことをお考えでしょうか。

→それはそれぞれですね。排出量取引の試行実施も秋にということで取りかからなければいけませんし、それぞれ努力をしていくということであります。環境省内でやるべき事柄は、せっかく予算に重点課題推進枠ができましたから、その中に工夫をしてできるものは盛り込んでいかなければと思います。

質問
その中でも、地球環境税、国際連帯税は環境省が検討せよという位置付けになったと思うのですが、まだ漠とした概念だと思うのですが、次官は現時点ではどういうイメージをお持ちになっていますでしょうか。

→国際連帯税は、研究・検討せよという事柄でありますので、現時点ではそれに尽きます。

質問
研究・検討というのは、手法としてはどういうものをお考えですか。

→私自身は、まだ、今のところはそこまで考えが至っていません。

質問
行動計画ですが、中味を見ていると、以前に経産省が出した報告書や、審議会が出した提言に書かれていることがほぼそのまま反映されている感じで、真新しさに欠ける印象を受けるのですが、その部分に関して次官はどのように思いますか。

→福田ビジョンには、それまで政府内でもいろいろ議論があり、方向性が必ずしも一致しない、はっきりしない問題について、総理のイニシアチブで随分踏み込んで書かれました。そこからさらに新しいことが出てくるというより、必要な項目については非常に太い柱を示していただきましたから、それぞれ今まで各省がやっていた検討・意見があったでしょうが、そういうものが福田ビジョンの筋にそろえて、傘の下できちんと繋がっている形になったのだと思います。それぞれのパーツについての議論はあると思いますし、私も各パーツまで全部こなして説明を尽くせませんが、今まで各省が勉強してきたことそれぞれが、ばらばらな方向に発展していくのではなく、福田ビジョンで示された大きな骨組みにきちんと繋がるということを、筋道を作ってきちっと政府内で決めたわけで、こういう作業はどうしても必要な作業だと思います。総理のイニシアチブは非常に尊いことですし、それがサミットに非常に効いたわけですが、やはり行政でこなしていくためには、各省寄り集まって、政府の文書として閣議決定し、きちっとまとめていくのは大事なことです。
 真新しさという切り口より、きちっとステップを築いたものだと思います。そのステップがあって、次は何するんですかと急に言われても困りますが、これから検討するとか、道筋が必ずしも見えていないものもあるでしょうが、その状態であの中にきちんと書いて、福田ビジョンのそれぞれの柱の方向に奉仕する形で位置付けられたわけです。次にそれぞれの検討等の作業を進めていくときには、福田ビジョンの精神に沿って進められていくことになるのだと思います。役所の仕事というのは、きちんと折り詰め・箱詰めをやっていくことで進んでいくものだと思っておりますので、私は非常に大事な作業だと思っております。

質問
直接は関係ないのですが、WTOのドーハ・ラウンドが決裂したと伝えられていて、構図としてはやはり先進国と途上国の見解の相違が埋まらなかったと、温暖化の交渉でも、かなり中味はまったく違いますが、利害の対立もあって、似たようなところもあると思うのですが、WTOをご覧になってどう思われたかをお聞かせいただけますか。

→WTOについてはあまり論評する能力がないので、一般的なことしか言えませんが、おっしゃるとおり、主要経済国、発展途上国との対話や議論の積み重ねが非常に重要な世の中になっていることについては、異論のある人はいないと思います。その限りにおいては、温暖化の交渉についてもそのとおりだと思います。
 それ以上、ああいう動きから、環境や温暖化の交渉にどういう影響があるかといったようなことについては、私自身も今そんなに知らないし、環境省としてもそんなに分析できてないと思います。だからこそ、先日も言ったように、世界でのいろいろな経済事情や貿易などの大きな出来事と、今後の環境がどうなっていくのかということは、やはりもっと勉強しなければいけないという気持ちを強くしております。

(了)

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