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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年4月28日(月))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件2件、政令4件、人事1件、配布2件です。一般案件のうち1件が平成20年度一般会計予備費使用についてで、約3,700万円の環境省関係の予備費使用が決定されました。これは、沖縄県浦添市で発見された砲弾に係る緊急対応として、地域住民の方々の安全確保を第一に、砲弾を密封容器により安全な場所へ速やかに移送・保管するために必要な経費として、防衛省に支出委任して執行します。環境省としては、内閣官房の調整の下、今後とも関係各省と連携しながら必要な協力を行ってまいりたいと思っております。
 私からですが、4月21日に秋田県十和田湖畔で回収されたオオハクチョウから、27日夜にH5亜型の鳥インフルエンザウイルスが分離された結果が判明いたしました。本日13時に秋田県から発表されたところです。お手元にプレス資料を参考に配布しております。この鳥インフルエンザウイルスについては、引き続き、つくば市の動物衛生研究所において、N亜型の特定、ウイルスが強毒性のものか弱毒性のものかの検査である病性鑑定等が行われると聞いており、この結果、高病原性鳥インフルエンザウイルスであるとの報告があれば改めてお知らせいたします。早ければ明日にでも判明するのではないかと思います。またこの場合、環境省としても秋田県の協力を得ながら、十和田湖周辺等におけるウイルス保有状況調査を実施するなど速やかに対応してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
現段階では、検査の結果を待ってということでしょうか。

→そうです。鳥インフルエンザウイルスということははっきりとわかっておりますが、N亜型の特定や、毒性がどの程度のものかの鑑定を今待っている状況です。

質問
例えばこの時期に見つかることや死んでいる数など、環境省として今どのように捉えているのでしょうか。

→25日の簡易検査で陽性だったとの報告を受け、26日、27日の両日、十和田自然保護管事務所の保護管等が秋田県と連携して、周辺の野鳥に異常等がないか巡視いたしました。さらに、東北等の地方環境事務所、北海道や県に対して監視の強化を指示・要請したところです。また、人への感染防止に関する対応に資するため、農林水産省等とは連絡等を行っているところです。
 一般的にオオハクチョウ等の水禽類は、体内に低病原性の鳥インフルエンザウイルスを保有しているものがあることが知られております。まずはこの病性鑑定の結果をしっかりと見定めてまいりたいと思っております。この時期、隣国から渡って来る野鳥はあまり考えられませんので、渡り鳥による直接の感染は考えにくいと思っております。
 いずれにしても、今回の事例を受けて、情報提供、発生状況をきちんと把握していくこと、防除対策を徹底していくことなどを速やかに進めてまいりたいと思います。仮にこれが高病原性鳥インフルエンザウイルスだと確認された場合に備えて、オオハクチョウが収容された箇所の周辺において、ウイルス保有状況調査を行う準備をしているところです。

質問
今のところ原因等は特定されていないということでしょうか。

→検査の結果を見ないとわかりません。

質問
ウイルス保有状況調査というのは、高病原性だった場合に調査をするということでしょうか。

→そうです。

質問
対象地域はどうなるのでしょうか。

→周辺地域が中心ですが、少し広範囲にと考えております。ただ、まず検査の結果を待ってからと思っております。

質問
どのような調査をすることになるのでしょうか。

→具体的には、野鳥の糞の調査などが中心になると思います。場合によっては個体を捕まえて血液の検査等も行うことになるかもしれません。

質問
高病原性だった場合ということでしょうか。

→そうです。検査結果はできるだけ早急に皆さん方の手元に届くよう手配いたします。

質問
国内では昨年、クマタカから見つかったかと思いますが、いつ以来、何件目となるのでしょうか。また、オオハクチョウが死亡、衰弱していた理由は鳥インフルエンザウイルスによると考えられるのでしょうか。

→オオハクチョウの死亡、衰弱との因果関係については現在のところわかりません。検査の結果待ちです。前段の御質問については資料の形で後ほどお配りいたします。
(事務方)平成16年に京都府と大阪府でハシブトガラス9羽からH5N1が出ており、これは野積みの家禽から2次感染したと言われているものです。それと昨年の熊本県のクマタカとで、合計10例が国内で確認されています。

質問
昨年来の検出になるということですね。

→(事務方)H5N1ということになれば昨年来ということです。

質問
クマタカは昨年の何月でしょうか。

→(事務方)確認されたのは昨年3月です。

質問
N何型かは今、動物衛生研究所で特定しているということですね。

→そうです。N亜型の特定と病性鑑定の2点を中心に検査をしております。

質問
H5N1だとしても、水鳥は保有していても普通は死なないのではないでしょうか。

→(事務方)カモ類は死なないと言われています。

質問
ハクチョウは死んでしまうのでしょうか。

→(事務方)それはケースバイケースで、亜型であれば死ぬかというのは、まだはっきりわかっていない部分もありますので、ここで具体的に何か申し上げることではありません。

質問
水俣病問題ですが、本日、熊本県の蒲島知事が上京されて、チッソの後藤会長と面会をしています。先週、大臣が後藤会長とお会いになって、救済策の受け入れをお話になりましたが、この会談は残念ながら前進がないままでした。今回のこの知事の動きをどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
 また、5月1日が迫っておりますが、環境省としてどのような対応をしていくお考えかお伺いします。

→本日、蒲島熊本県知事がチッソの会長と面談されたということは承知しております。ただ、詳細はまだ承知しておりません。おそらく与党PTのとりまとめに対して協力を要請されたと推測しております。
 5月1日の慰霊式まで残された時間は限られておりますが、なおこうして大臣、そして知事から要請をしておりますので、環境省としては、チッソの適切な対応がなされるように期待しているところです。今後とも与党プロジェクトチーム、熊本県等関係者と十分連携しながら、救済策の実現に向けて努力してまいりたいと思っております。
 大臣がお話されたとおり、チッソには与党PT案をしっかりと受け止めて、原因者としての社会的責任を十分自覚していただきたいと考えております。

質問
連携ということもありますが、知事が今回、このように独自に動かれたことについてはどのようにお考えでしょうか。

→知事として、水俣病問題は解決しなければならない大きな課題の一つだと受け止めていらっしゃるのだろうと思います。そうした問題意識の下で、本件を少しでも早く、水俣病被害者救済のために進めていかなくてはならないという知事御自身の御判断と存じます。大臣も県との連携ということをお話されており、県もそうした動きで対応しているということですから、同じ気持ちで一緒に努力していきたいということに尽きます。

(了)

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