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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年4月3日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、政令が3件、人事が1件です。特に環境省関係はございません。
 バンコクで行われている気候変動会議について申し上げます。本会合は、今週月曜日から明日4日までの予定で開催されています。
 前回申し上げた二つの作業部会のうち、新AWGと言いますか、条約作業部会については、バリ行動計画、いわゆるバリ・ロードマップに記されている四つの要素、すなわち緩和、適応、資金、技術について、各国からの意見表明が全体会合で行われています。我が国からは、事前に提出したサブミッションに基づき、長期目標に関するビジョンを共有していく重要性や、セクター別アプローチの有効性などを訴えているところです。また昨夜から、今後の交渉の進め方を定める作業計画についての議論が始まっており、最終日までに本作業計画の採択を目指して交渉が続けられています。
 もう一つの作業グループ、議定書AWGについては、既にある作業計画に基づき、削減手段として、京都メカニズム、森林や土地利用の問題、セクター別アプローチ等に関するワークショップが行われています。我が国からは、京都メカニズムや森林についての我が国の取組や考え方について発表を行うなど、議論をしているところです。ワークショップは本日の昼で終了し、その結果をまとめた文書が発出される予定です。
 いずれにせよ、バンコクでの会合はこれから佳境に入るという段階であり、今後現地からさらに情報が届き次第、いろいろな形で状況をお知らせしたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
 5月の環境大臣会合の方もそろそろ準備などが本格化してくるところだと思うのですが、主にテーマは3R、気候変動、生物多様性と三つあると思うのですが、まだ各国との調整とかもあると思うのですが、環境省としてこういう成果を出したいとかというものがありましたらお聞きしたいのですが。

→環境大臣会合は、7月7日から始まる洞爺湖サミットに向けて、重要な会合だと思っております。同じG8のグループ、アウトリーチの国も含めて、まさに環境の責任者が集う会合ということでございますから。循環型社会の構築の問題や、生物多様性の問題もアジェンダの中に入れて考えていますが、中心は気候変動と思っております。これらについて、率直に議論していくということだと思います。
 タイミングもちょうどサミットに繋がるタイミングでございますし、中味もサミットの中心議題となる環境の責任者が集い、まして日本は議長国ですので、しっかりと進めていかなければならないと思っております。
 ただ、どういう成果を出すかというところまでは、今ここでご披露できるものはございませんが、洞爺湖サミットの成功に向けて、ただ集うということよりも、成果を出さなければならないと思いますから、十分な議論・準備をしっかりやっていきたいと思っております。

質問
 昨日、水俣市の市長さんがいらっしゃって、産廃問題に関わってほしいという要望があったようですが、環境省としての立場を教えてください。

→水俣市長とお会いし、御要望をお聞きし、たくさんの市民の方々と御一緒にいらっしゃいましたので、かなりの方々のお話も聞かせていただきました。
 やはり最終処分場というのは、どこに置いても、住民の生活に直接関わる問題でございますので、周辺住民の不安感が根強いこともよくわかります。国としても、これまで数度にわたって廃棄物処理法を改正するとか、規制を強化することによって、生活環境保全上の支障が生ずることのないよう対策を講じてきているところでございますが、産廃処理施設の設置を許可する・許可しないという権限はやはり県知事でございます。地域の様々な実情を一番把握している自治体が判断を行うことが、やはり地域環境保全のために重要だということから、県知事の権限というのが法律上の基本でございます。これもお話をさせていただきました。
 私どもとしては、熊本県において、これから法の規定に基づいた厳正な審査が行われるものと考えておりますし、先般、事業者側から出された環境影響評価文書に対しても、知事の方からかなり詳細な追加注文のようなものが多岐にわたって出されておりますから、事業者側としてはこれを受けとめて、これから一つ一つその回答に向けて調査していかなければならないわけです。
 そういう過程にありますので、国としても、状況はしっかり見守っていきたいと思いますし、法律の範囲内ではございますが、県から求めがあれば、私どもから助言等もしてまいりたいと、市長にはそのようにお返事を申し上げたところでございますし、それが今の環境省のスタンスです。

質問
 水俣の懇談会が、去年でしたか、国の関与を積極的に求めるという提言が出たと思うのですが、これに対しての環境省の考え方は。

→確かに水俣病問題に関する懇談会においても触れられており、昨日いただいた市の要望の中にもそういうことが入っております。
 今申し上げたことは、それらも踏まえての答弁のつもりでございます。県知事の権限だからどうぞ県でおやりくださいというスタンスだけではなく、私どもとしてもしっかり見守っていきたいと思うし、必要に応じて助言もと考えております。

質問
 暫定税率切れについての次官の御所見と、今後の環境税の議論がどうなっていくのかということをお聞かせください。

→暫定税率切れについては、私どもは従来より暫定税率の維持、環境問題への配慮ということをずっと訴えてきました。先月27日、総理が、記者会見において、暫定税率分を含めた税率について、環境問題への国際的な取組や、地方の道路整備の必要性、国・地方の財政状況を踏まえて、検討するという言及がありましたし、特定財源制度自体について、今年の税制抜本改革時に廃止して21年度から一般財源化する等を表明されました。また特に環境関係として、総理は、21年度から一般財源化して活用するけれども、その際に地球温暖化対策など様々な政策に使えるようにする、また、今申し上げたように、暫定税率を含めたガソリン税等の税率のあり方についても地球温暖化対策に取り組んでいる国際的な動向等を踏まえて今後検討するということをおっしゃっておられました。総理として深い思いを示されたわけですので、我々として重く受けとめるということを改めて申し上げたいと思います。
 それから、環境税については、これまでも主張してきましたし、これからも主張し続けるつもりです。環境税の旗は下ろすつもりはありません。
 やはり、地球温暖化対策として、経済的手法の一つである環境税というのは非常に有効な手段の一つだと思っておりますから、どういう仕組みを考えていくのか、課題もたくさんあることはわかっておりますが。道路特定財源などもOECDの整理によっても環境関連課税の一つであり、こうした化石燃料課税、あるいは自動車に対する課税をはじめ様々な現行税制との調整ももちろん必要ですし、産業・経済に与える影響、国際競争力に与える影響など、幅広く考えなければいけません。
 そういうこと全体を踏まえた上でなおやはり環境税というものを構築していかなければならないと、私どもは思っております。その意志を変える考えはありませんので、私どもはこれからも環境税の旗は立ててまいりますと申し上げたわけです。

質問
 バンコクの会合で、G20もそうでしたが、日本のセクター別アプローチに対する理解が途上国を中心にいろいろ反発があります。日本が今度サミットをやるということで、それをもうちょっと広くわかりやすく説明するような、例えば特別に英語のホームページを立ち上げるとか、日本として、世界により理解を深めてもらうために情報発信をしていくとか、バンコクの交渉の場で説明はしているかも知れませんが、そこらへんの情報発信の手法などは検討されていますか。

→まず、バンコクにおける会議の状況を申し上げると、日本からはセクター別アプローチというのは総量目標を代替するものとしてあるわけではないということや、先進国のみならず、開発途上国にとっても、双方に資するものであるということを主張しているところです。確かにいろいろな意見も出されておりますが、総量目標を代替するものではないという理解の下で議論を進めるということについて、相当程度の認識は得られたと思います。
 二番目の質問に関連しますが、セクトラルアプローチは、国別総量目標を設定する際にボトムアップしていく上での一つの手立てです。国別総量目標が目標なわけで、こちらの方はそれを作るボトムアップの手立てです。国際会議で交渉等で力まかせに決めるのではなく、きちっとボトムアップして、セクター別の分析をすることによって公平性のある数字を作り、一方において、IPCCが提示しているような科学的基礎などもありますから、そういうものも踏まえて、きちっとした目標を作ろうという、そういうボトムアップの手立てなのですが、そこら辺のところがどうもわかりにくく、いろいろな議論があるわけです。御質問のようにもう少しわかりやすく説明していく必要もあるし、それは我々としても感じております。
 例えば5月に、これは主として科学者が中心でございますが、セクトラルアプローチや、国別総量削減としてどういう分析方法があり得るのか、どのように説明していくのかという方法論等も含めて、ワークショップを開催すると発表いたしました。そういういろいろな機会を通じて、セクトラルアプローチなどについてももう少しわかりやすく、かつそれをどのように活用していって、セクトラルアプローチと言ってもいろいろなやり方があるわけですから、もう少し身近に、かつフィージブルになるように議論する必要があるし、そういうことを私どもとしても工夫し考えていきたいと思います。国際会議やバイの会談等でも説明を重ねていくことはもちろんですが。

質問
 甘利大臣と鴨下大臣が、洞爺湖で一緒に国民対話をしますが、これまで個別のものはありましたが、あえて両省でやるという意図はどの辺にあるのでしょうか。

→国民対話でございますから、これは環境省というより内閣全体の主催でやりますので、私から答えるのは適切ではないと思いますが、洞爺湖で7月にサミットが開かれるということも一つの契機として、北海道の方々に直接、両大臣から環境の問題、あるいはエネルギーの問題等を通じて、サミットの重要なテーマとなる気候変動について、いろいろな角度からアプローチ・説明していこうということで両大臣になったのだと思います。

(了)

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