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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年3月19日(水))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の繰り上げ事務次官等会議ですが、法律案が1件、政令が8件、配布が1件です。特に環境省関係はございません。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
 総合エネルギー調査会の需給部会で、20年、30年の見通しが出まして、他省庁のことですが、環境省サイドから見て、どんな印象を得ているかをお聞きしたいのですが。

→総合エネルギー調査会で、2020年、30年の見通しが出されたということでございますが、これは主としてエネルギー起源CO2を中心に、様々な省エネ技術・新エネ技術等に関して、技術的なポテンシャルについて一定の仮定を置いて試算された、一つの見通しだと承知をしております。
 私どもはその根拠等について詳細を承知しておりませんので、当省として、現時点で具体的に評価・判断することはできないのですが、印象ということで言えば、低炭素社会への転換に向けた削減見通しについては、個々の対策技術の導入ポテンシャルは基本だと思います。しかし、それのみならず、都市・交通の在り方の抜本的見直しや、国民・事業者の行動の変革、あるいは排出削減を進めるための政策手法の在り方など、様々な要素が関係してくると思います。
 いずれにしても、今回のエネルギー需給見通しの計算結果も一つの試算として受け止めつつ、今申し上げたような様々な要素も含めて、我が国の排出削減見通し、あるいはそれを実現するための政策手段などについて、関係省庁ともよく連携して、検討していきたいと思います。

質問
 90年比マイナス4%という数字も出ていますが、バリのときに先進国は25~40%という話が出た中で、もちろん経産省の試算なのかも知れませんが、ああいう審議会で議論されたわけで、25~40%という数字に比べて4%は極めて低いというふうに各国に印象を与えると思いますし、特にセクター別アプローチを日本が主張するのに、日本はこれだけしかやらないのかと捉えられかねないと思うのですが、こういう観点から次官の御意見をお聞きできればと思います。

→例えば、マイナス4%という数値が妥当かどうかは、一定の仮定を置いて試算した一つの見通しですので、その根拠等について私どもはまだ十分詳細を承知しておりませんので、具体的な判断・評価は、現時点ではできません。
 それから、これも繰り返しになりますが、技術のポテンシャルも極めて大事で、基本なのですが、それ以外に申し上げたように、政策手法まで含めて様々な要素を合わせて、最後の目標数値を決めていくことになると思います。これから経産省などの関係省庁と連携して進めていきたいというのは、そういう意味で答えたつもりです。
 また、セクトラル・アプローチですが、国別総量目標というのが基本なのですが、これを設定する際のアプローチとして、我が国は一つの科学的かつ透明性の高い尺度として、エネルギー効率などをセクター別に割り出して、削減可能量をボトムアップ、積み上げていく、いわゆるセクター別アプローチを提案しているわけです。
 このアプローチについては、G20で大臣が発信されましたように、5月にも国際的なワークショップを開催するとともに、7月の洞爺湖サミットにおいても主張していくことになると考えております。国別総量目標の具体的な数字については、セクトラル・アプローチに拠りつつ国際的な議論の動向を踏まえ、IPCCが示している世界全体の排出削減の姿も念頭に置きつつ、今後検討していくべきものだと思います。

質問
 政策手段というのは、例えば排出量取引制度のようなものでしょうか。

→さまざまな政策手段があると思いますが、経済的手法としてそういうものもありますし、その他申し上げたように我々のライフスタイル・ビジネススタイルの抜本的見直し、街の在り方みたいなものも大事だし、そういう中で必ずしも技術に現れないものもあるわけです。

質問
 これから考えていく上で一つの叩き台みたいになるとは思うのですが、次官が言われているような低炭素社会に向けてのいろいろな方策も含めて、今後は地球部会で検討していくという形になるのでしょうか。それともまた別な研究グループみたいなものを作っていくのでしょうか。

→もちろん審議会もそうですし、あるいは各省庁間においても、事務的レベルのものも含めて、きちっとそこは方法論も含めて議論を始めております。中心としては4大臣会合というものもございますので、これから様々な場で進めていくのだと思います。

質問
 技術の積み上げの部分について言いますと、印象としてはこんなものかなという感じでしょうか。それともやらなきゃいけないことが予想外に多そうだなということでしょうか。

→先ほど申し上げたことに尽きます。

質問
 ライフスタイルの変化とか、そういうところに任される部分というのは相当程度多そうだなという感じですか。

→ライフスタイル・ビジネススタイルの見直し、政策手法の検討、コンパクトシティと、いろいろなことを我々も提案していますが、そういったことも含めて、技術のポテンシャリティ以外にも様々な要素もあるし、また技術自体についてもどういうふうに計算していくか等についてはもう少し詳細を承知してからと思っています。
 一方で、先ほども申し上げましたように、2050年の50%目標、あるいは今後10年・20年にピークアウトするとか、やはりそういうことも頭に置く必要があるわけですから、そういうことも踏まえながら、まさにこれから幅広い角度から作っていくということだと思います。

質問
 国際社会からは多分、セクトラルアプローチと日本が言っているけれどもやる気がない、マイナス4という数字が非常に象徴的だと思いますが、サミットを控えて、リーダーシップを発揮しようとしているとは思われないと思うのですが、その辺について次官のお考えはいかがですか。

→先ほど申し上げたように、これは一定の仮定を置いた、一つの試算だと受け止めているということなのです。つまり、ここで印象が大きいとか小さいとか言うより前に、もっと基本的な様々な考慮すべき要素がいろいろありますから。もちろんエネルギー調査会の審議の過程でも、おそらくそういう議論もあったと思いますが。

質問
 バイオ燃料の関係なのですが、先週末に、経済産業省が石油連盟に対してバイオ燃料の導入拡大を要請して、それに対して石連側は2010年時点での50万キロリットルは難しいけれども、2012年時点で協力するということを表明したという報道があるのですけれども、現在の政府計画の実現がなかなか現状では危ぶまれる中で、業界側は依然として給油場所での供給になかなか協力をしてくれない中、環境省として、こういう現状をどうご覧になっているのかをお願いします。

→石連が輸送バイオ燃料について50万キロリットル導入する云々については、報道を通じて私も聞いておりますけれども、2010年に50万というのは、結局、8年から12年を平均して50万ということですから、最後の年に50万キロリットルとおっしゃったのか、あるいはそうだとすればそれはどういう意味合いでおっしゃっているのか、今の時点で詳細は把握しておりません。
 いずれにしろ、温暖化対策として輸送用バイオ燃料の対策も含めて、マイナス6%削減目標に向けてあらゆる手段を講じていくべきであり、環境省としては引き続き、E3、大阪も宮古島もそうですが、実証事業を通じて進めておりますし、あるいはE10なども、これから公道の実証走行事業などを通じて着実に実施し、普及を目指していく所存です。
 やはり石油連盟におかれても、ETBEを伸ばしていかれることも大いに望ましいことですが、E3の実証事業等についても、御理解と御協力をさらに求めてまいりたいと私どもは思っております。

質問
 石綿の関係ですけれども、大臣が昨日、委員会で見直しについて言及されましたけれども、省として具体的にどういうふうに動いていくかというのを説明していただけますか。

→本制度につきましては、法律の中で施行後5年以内に見直しを行うということになっているわけでございますし、また国会における当時の御審議の中でも、必要があれば5年を待たずとも、適宜、適切に必要な見直しを行うべきであるというご指摘を受けておりました。
 昨日、大臣も具体的には速やかに検討に入らさせていただきたいという御発言をされたわけでございますので、私どもは早急に見直しに向けて検討してまいりたいと思っております。
 本制度は、今、現にお苦しみになっておられる被害者の方に、まず安んじて医療を受けていただくということを目的としているから、被害者御本人からの申請に基づいて、医療費等をお支払いするという仕組みになっているものですから、生前に申請していないまま死亡したという場合は救われていないわけですね。したがって、そういう事例が生じないように、医療機関を中心に、精一杯、引き続き制度の周知徹底に努めるというのが当面の私どもの立場でございます。
 そして、周知徹底に努めるのみでなく、大臣がおっしゃられた制度の見直しということも含めて、早急に検討に入らせていただきたいと、そのように思っております。

質問
 先ほどおっしゃっていた5月のワークショップなんですけれども、セクター別のワークショップということなのでしょうか。具体的にどういうものをワークショップに入れる考えなのでしょうか。

→それに限りません。私どもは国別総量目標設定の際のアプローチとして、セクター別アプローチということを提案しているわけでございます。その一方で、今後、IPCCが提案しているような科学的基盤と言いますか、背景になるものを頭に置きながら、進めていこうと思っているわけです。
 今回G20でもいろいろな議論がありましたけれども、そもそもセクターをまずどういうふうに分けていくのか。セクターのどういう指標を取ってそれを積み上げていくのか。積み上げたものを活用しつつ、今後の国別総量目標としてあり得べきものとして、どう形作っていくのか。新興国や開発途上国にとってどういうふうに考えたらいいのか。そうした様々な問題・論点が縦軸、横軸にございますから。
 そんなことを含めて、世界中のいろいろな研究機関等とともに、セクター別アプローチを含めた国別総量目標の出し方みたいなものを中心に、そして周辺のことも含めて、主として科学者の方々を中心にした議論と考えておりますけれども、そういう国際ワークショップを5月頃に日本主催で行っていこうということです。

質問
 将来的な削減可能性みたいなものに関するワークショップということですか。

→そうですね。削減ポテンシャリティというのでしょうか、いずれにせよ様々な議論に発展すると思っています。

質問
 日本独自の試みとしてやるということなのですね。G8プロセスとしてやるということではなく。

→日本政府として広く世界の研究機関に呼びかけて、国際的な総合ワークショップというものを考えております。IPCCでもそうした様々な研究が集められ、第4次報告にも示されておりますので、そうした土壌はあります。

質問
 今日までアジア3R推進会議があったと思うのですけれども、今後、神戸の会議に向けてこの分野でどのようなイニシアチブを発揮できそうか、御見解をお願いします。

→まだ報告を受けておりませんけれども、やはり環境政策の3つの目標といいますか、気候変動や生物多様性と並んで、循環型社会の構築というのも日本として大事な課題だし、またOECD等を中心に、世界でもかなり、この循環型社会ということが議論されてきております。3Rもそうした背景でございます。
 そういう観点から、特に5月の環境大臣会合は、もちろん気候変動が中心になりますけれども、この3Rの問題、あるいは生物多様性の問題等も併せて議論されると思います。そこで3Rの問題、特にアジアを中心にした展開や、あるいは世界的には資源生産性の議論等が出てこようかと思います。
 今回の3Rのワークショップの成果も踏まえて、5月、そしてできればサミットにもというふうに、3Rの分野からもつなげていければと思います。ただ、具体的に、神戸ではこんな形でこうした論点について議論・検討に供するというところまで固まったわけではありません。

(了)

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