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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年1月17日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件3件、法律案が2件、政令が3件でした。特に環境省関係のものはございません。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
 古紙の話についてですが、はがきでは各社、割合が低かったということが判明して、一部ではコピー紙にまでこの問題が広がっておりますが、これに対する受け止めと、環境省の方でも調査を要請しているかと思いますが、その後の状況はいかがでしょうか。

→ 今回、報道されているコピー用紙あるいは印刷用紙等における、いわば虚偽表示でございますが、これにつきましては、グリーン購入の趣旨に賛同いただき、環境配慮製品の普及のためにグリーン購入を推進していただいている多くの方々の努力を踏みにじる、遺憾な行為だと考えております。
 環境省では、9日に日本製紙株式会社と日本製紙連合会に対して、はがき以外の紙製品についても調査を依頼しており、他の4社にも製品の調査を依頼しているところでございます。古紙の配合不足が明らかになった北越、あるいは大王、三菱、王子に対しましても、はがきを含めて製造・販売する製品の全容を明らかにするように調査を依頼したところでございます。
 そして、15日に日本製紙株式会社から、自社ブランドの直近の生産品及び在庫品の調査結果について報告がありました。その限りでも、実際の古紙パルプ配合率と乖離のある表示を行っている製品が確認されたわけでございますので、日本製紙が製造・出荷した製品について、全容を明らかにするように改めて追加調査を求めたところでございます。
 今後の対応については、これらの調査結果を経て、適切に判断したいと思っております。その調査結果に基づいて、適切で信頼ある対応が取られるということが先決だと思っております。
 環境省といたしましては、月内にもと思っておりますけれども、グリーン購入法にかかる特定調達品目検討会を開催して、今回の事態を踏まえて、特に三つのことについて議論を開始していただくこととしたいと考えております。一つは、今申し上げました、グリーン購入法に関する問題点。第二点は、再生紙についての考え方。第三点は、古紙配合率などの確認や検証のあり方。こういうことについて、月内にも検討会を開催して、議論を開始していただくこととしたいと考えております。

質問
 昨日、4大臣会合がありましたけれども、ダボス会議で総理が何をおっしゃるかと言うことは最終決定には至らなかったようですけれども、今後の政府内の協議はどのようになるのかということを教えてください。

→ これはもちろん国会の御了解を得られればということですが、総理が御出席されるという方向で、今、検討が進んでおりますし、国会の了解が得られれば環境大臣も出席をする方向で進めております。
 4大臣会合、厳密に申し上げれば、資金メカニズムの関係もあって財務大臣も入っておられましたので、5大臣会合でございますが、昨日会合があって、特に今の時期でございますから、ダボス会議に総理が出席されるという方向の中で、どういうふうに政府として考えていくのかという議論を中心に温暖化対策の国家戦略について議論が行われました。ただ、4大臣会合の詳細については官房長官が対外的な窓口と決められておりますので、私ども各省からいろいろと申し上げるのは差し控えさせていただきます。
 ダボス会議というのは日本の考え方が世界に発信される場でもございますから、日本国の総理であり、かつサミットの議長である福田総理がいらっしゃり、発言をされるということで、私ども環境省としては、これはもう鴨下大臣も官房長官も記者会見で述べておられますけれども、日本が温暖化対策に積極的であり、リーダーシップを取って引っ張っていくというふうに受け取られるように発信をしていただけたらと考えております。後は具体的な表現ですね。これについては、今まさに関係省庁で検討しているところでございますので、私からはそこまででとどめたいと思います。

質問
 古紙の問題の検討会なんですけれども、これはいつごろまでに結論を出すのでしょうか。

→ できるだけ早くと思っておりますが、一方で調査が、日本製紙もそうですし、製紙連合会からの回答もこれからですので、それと並行してと思っております。問題の広がり、あるいは議論の仕方、委員の方々の考え方もあるでしょうから、終結時点をいつとはまだ決めておりませんが、できるだけ早く、何らかの形で取りまとめていくようにしたいと考えております。
 ただ、グリーン購入法の調達品目は今222品目あり、この中に紙も入っているわけですけれども、これをさらにどのぐらい追加するか、あるいはそれぞれ入っている品目の基準をどういうふうに定めるかということについては、毎年大体2月の初旬でございますけれども、見直しをしております。紙については今まさにこういう状況でございますので、時間的な問題もありますから、今回のグリーン購入法の見直しにはとりあえずは含まれないと、保留ということで考えたいと思いますが、やはり循環型社会の構築を進めていく上でも、紙というのも大きなウエートを持っておりますし、グリーン購入の中でも大切な品目の一つですから、申し上げましたように、月内にも早速、今回の事態を踏まえた議論・検討を別途開始したいということです。

質問
 特定調達品目検討会についてなんですけれども、これは毎年恒例のものなのですか。

→ 国、独立行政法人、そして地方公共団体にも努力していただくわけですけれども、グリーン調達品としてどういうものを選ぶのか、また基準はどうか等について基本方針ができていまして、その基本方針を毎年見直しをしております。今申した紙や、文房具なども含めて現在は222品目ありますが、そういうものの見直しを、各業界の意見も聞きつつ、毎年2月頃に取りまとめております。
 来年度についてはもう大体とりまとめ中ですが、只今申し上げたのは、それとは別にこの検討会を開催して、議論を開始したいということでございます。もちろん同じ検討会ですから、同じメンバーでやりますけれども、主として、申し上げた3つの点について議論をしたいということでございます。

質問
 そのためだけの検討会を別に開くということですか。

→ 今ある検討会ではありますが、そのために別途、新たに議論をします。やはりグリーン購入等について一番専門家が集まっている検討会ですから、そこでやるということです。
 本件自体はもちろん、経済産業省や公正取引委員会など、いろいろなところが関係してきますので、もう少し大きな観点、あるいは産業の観点など、いろいろな観点から議論があると思いますが、私どもの立場として、まずグリーン購入についてどう考えるか、そして再生紙というもの自体をどういうふうに定義してどう考えるか、あるいは古紙配合率の確認や検証をどうするかということについてを中心に、多少広がりあるかもしれませんが、その3つについて検討を開始するということでございます。一方で調査が進むところもありますから、それを見ながら並行していくということになると思います

質問
 グリーン購入法の問題点というのはどういう問題があるとお考えですか。

→ グリーン購入法において、対象品目の代表の一つである紙というものについても、例えば100%あるいは70%と基準も示してあるわけですが、実際に多くの会社においてそういうものが守られていなかったという事実があります。グリーン購入法に基づいて国は実際に調達しているわけですから、契約の問題もあるし、あるいはそもそも基準自体の問題もあるでしょう。あるいはその品目をどう選ぶか、今回の事態を踏まえてどう考えるかということでございます。委員の方々もいろいろな考え方があると思いますけれども。

質問
 再生紙の考え方というのはどういったことでしょうか。

→ 例えば今の100%とか70%というグリーン購入法上の基準についてどう考えるかということも含めて、再生紙の定義、基準等についてどう考えるかという議論です。これも、名前の付け方から始まっていろいろな議論があると思いますが。

質問
 それは、今は明確な定義がないからということでしょうか。

→ そういうことを言われる方も多いし、あるいはそもそも再生紙というものについて、基本的にグリーン購入との関係をどう考えるかという議論もあるかも知れません。それはその次の3番目にも繋がっておりますけれども、古紙配合率についても、実際にどうやって確認するのかということがあります。購入するときに技術的に確認などできないわけで、ある程度の時間と専門的知識も必要ですから、そういう確認のあり方、あるいは検証するあり方、そういったことを考える必要がある、そんなことでこの3点と申し上げました。ただ、これは議論していく中で広がりを持っていくでしょうが、今はとりあえずそういうことを考えているということを申し上げました。

質問
 現段階でグリーン購入法に違反している可能性の高い製品を納入しているわけですが、その状態を修正する方法や時期についての考え方はどういうふうにされているのですか。

→ それも大事な点だと思いますが、まずは実態把握をきちっとすることではないでしょうか。先日、日本製紙から一度回答はありましたが、不十分なものだと私どもは思っていますので、もっと自社ブランドに限らず、自社が製造しているすべての製品について、あるいはそれを工場ごとにとか、いろいろと追加でお願いをしております。製紙連合会からの回答を含めて、各社の全体像をまずきちっと把握することが先決だと思います。そういうことを踏まえて、グリーン購入の今までのあり方や、これからどうしていくのか、あるいは買ってしまったものをどうするとか、いろいろな議論はあると思いますが、まずは実態把握をきちっとして、適切な対応を考えていきたいと思っております。

質問
 それまでは日本製紙の製品も含めて今まで通り購入していくということでしょうか。

→ これは契約の問題でもありますから、もちろんそれをどうしていくのかも含めて検討する必要があると思います。只今申し上げた適切な対応というのは、そこも含めて考えていくということです。ただ、考える前に、実際にどこの製品がどうだったかということなどの事実については、慎重に調査の結果を待つ必要もあります。

質問
 現時点では変えていないということですね。要は、一部の文具メーカーなどは販売を一時停止みたいな検討に入っているところもあるようですが。

→ 今現在ということで申し上げれば、出てきたものが不十分だったものですから、まずは全体にわたる調査を至急お願いしておりますので、この結果を待って適切に対応したいと思っております。ただ、一方で、待ってるだけではなく、検討会も新たに開始して、もう少し広がった、今おっしゃったような問題も含めて、早速検討したいと思っております。

質問
 その検討会というのは、グリーン購入法に基づいた検討会ということですか。

→ これはグリーン購入法についての特定調達品目に係る検討会ですから、まずはグリーン購入との関係で考えてみたいと思いますが、申し上げたように広がりが出てくると思います。今回の調査結果も、グリーン購入法の製品とそうでないものと、いろいろと分けて出されてきました。不十分だったために追加調査をお願いしておりますが、まずはグリーン購入法のことについて議論していくこととし、それからもっと幅を広げて、全体についてどう考えていくかということです。ただ、再生紙の考え方については、テーマ自体が自ずと全体に広がっていくものだと思いますが、1番目にグリーン購入法との関係を申し上げたのは、検討会の性格からしてまずはそれが1番目だろうということです。2番目・3番目なども加えて、早速月内にスタートする準備を進めます。

(了)

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