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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成20年5月9日(金))


1.発言要旨

 本日の閣議案件ですが、国会提出案件1件です。環境省請議はございません。
 私から幾つか発言をいたします。一つは、高病原性鳥インフルエンザについてですが、既に公表しましたとおり、オオハクチョウで高病原性鳥インフルエンザの感染事例が続けて2件発生しました。野鳥に関して今後どのような対応をとるべきか、専門家の意見を聴きながら検討を進めるため、急遽、来週12日の13時30分から、専門家会合を開催することとしましたのでお知らせします。詳細は、午後に事務方から話をさせていただきます。
 G8環境大臣会合に関する討議ペーパーについてですが、24日から神戸で開催するG8環境大臣会合に関して、議論のベースとなる討議ペーパーを作成し、各国に送付しましたのでお知らせします。この討議ペーパーは、大臣会合の議題である「気候変動」「生物多様性」「3R」に対応する3部構成となっており、大臣会合では、このペーパーを基に各国大臣と忌憚のない意見交換をしたいと考えています。詳細については、後ほど事務方から討議ペーパーを配布して、説明させていただきます。
 昨日、パリにおいて日本政府主催のセクター別アプローチに関する国際ワークショップが、17カ国、約80名の参加を得て開催されましたので御報告します。本ワークショップは、総理がダボス会議において発表した積み上げ方式による目標の設定に向けた方法論に関する最新の科学的知見について、科学者と政策担当者間で情報・意見交換を行うためのものです。ワークショップでは、セクター別の積み上げ方式の有効性の認識を共有することができました。また、今後更に国際的な協力の下に研究・分析の進展が必要であるということで、継続しようということになったと思います。詳細については、事務方から後ほど資料を配付して説明させていただきます。
 5月11日に、ヤクルト-広島戦で私が始球式をいたします。背番号は、多分マイナス6になると思います。地球温暖化防止について、『2008 NPB Green Baseball Project』ということでプロ野球の方も御協力いただけるということもありまして、思いっきり剛速球を投げてきたいと思っています。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)中国の胡錦濤国家出席が来日しており、温暖化対策に関する日中共同声明というのが発表されましたが、これについてコメントをお願いします。

(答)中国と日本の間で、気候変動に関する問題は今までもいろいろと議論されてきましたが、私はこの首脳会談においてかなり前進があったと考えております。特に、セクター別の積み上げ方式について、有効であるという認識を中国にお持ちいただいたということは非常に大きな前進だと思っていますし、我々はポスト京都に向けて、G8サミットの中でも、これが共通認識になるようにということを働きかけてきました。そういう意味においては、多分、世界中は、日中がこういう問題について前向きの合意ができたということについては大変評価してくれていると考えています。
 気候変動に関すること、あるいは、私は周生賢さんと水の問題について覚書を取り交わしましたけれども、こと環境分野においては、日中の首脳会談は大変有意義なものだったと考えております。

(問)一方で、温暖化対策は先進国がやるべきだということで、従来の主張の域を出ていないのではないかという見方もありますが、それに関してはいかがでしょうか。

(答)共通だが差異ある責任という原則に則った上でですが、今申し上げたように、セクター別の積み上げ方式についても認識するということをお互いに合意ができたという意味では、私は、中国はかなり前に進んだと思います。

(問)日中ですが、50年半減というのが日本の掲げている前提ですが、中国はそれに対してのコミットについてはまだ留保しているという印象を受けるのですが、その点については残念ながら失敗だったのか、それとも今の段階ではまだ難しいのでしょうか。

(答)一歩ずつ前進するわけですから、例えば中期目標、長期目標など、すべてがここで合意できるとはもともと思っていませんでした。少なくとも、中国が気候変動に関して積極的な姿勢を示したということについては、大いに評価できるものだと私は思っております。

(問)鳥インフルエンザの専門家会合ですが、ねらいとか期待されることなど、大臣のお考えをお聞かせください。

(答)ハクチョウが高病原性鳥インフルエンザウイルスを持っていたという一連の事件について、今、渡り鳥は日本からシベリア等に向かって渡っていくところなので、その段階で我々がどのように対応すべきなのかということと、周辺の地域の家禽等に対する影響が今のところは無いようですから、一部安堵はしていますけれども、これについても緊張感を持って対応しなければならないというようなことについて、専門家の間で議論がされるのかなと思っております。

(問)水俣病の関連ですが、チッソから大臣宛に文書で回答があったとお聞きしていますが、いつ、どのような内容で回答があったかをお聞かせいただけますか。

(答)双方のやりとりの具体的な内容については、先方のこともありますからはっきりとは申し上げられませんが、私は5月1日の直前に再度、チッソとして協力するようにと要請をしました。それに対してチッソが文書で回答してきたということは事実です。
 内容については、残念ながら従来の主張から進んでいることは何もありませんでしたので、もう一度、我々として折々に要請をしていくということと同時に、熊本県知事とも十分に連携ができていると考えておりますので、それぞれの立場でチッソに働きかけていくということを引き続き強力にやっていきたいと考えております。

(問)大臣自ら、また直接交渉に乗り出すということもお考えでしょうか。

(答)一つは熊本県の対応、あるいは熊本県議会での様々な御主張に対して、チッソがどのように判断されるかということをまず見守りたいと思います。加えて、これからチッソの決算報告等の時期、株主総会等の時期があると思いますので、そういうようなことも我々としては見定めつつ、働きかけるべき時にしっかりと働きかけて、協力を要請したいと思います。

(問)アメリカの地理学協会というところが発表した調査結果のようなのですが、日本人の環境意識や行動が、温室効果ガスの主要排出14カ国中11位だったという結果が発表されたようなのですが、それについてどう思われますか。

(答)私も報道でしか知りませんが、日本の国民の環境意識は非常に高いと私は思います。ただ、1位はインドですよね。それぞれ発展段階において、車に分乗するとか、バイオマスを使うとか、こういうことを含めた評価の仕方が、必ずしも日本人の環境意識というのが反映されていないのだろうと思います。環境への関心については、日本は世界の中でもトップレベルと思っておりますし、調査の仕方によってはそういう結果が出るだろうと思っております。

(問)G8の討議文書についてですが、日本としてはかなり前進するような内容を盛り込んだということでしょうか。それとも、大体これくらいなら妥協できるだろうという線を踏んだ内容でしょうか。

(答)最終的には合意ができないといけませんから、それぞれの各国の立場を慮りつつ、一歩前に進むようなことで今のところは打ち出そうと思っています。コペンハーゲンのCOP15までの間にどれだけG8環境大臣会合で前に進められるかというのは、これから約3週間の間の我々の努力も必要だろうと思っております。

(以上)

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