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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成20年4月30日(水))


1.発言要旨

 本日の閣議案件ですが、一般案件2件、国会提出案件14件、条約の公布1件、法律の公布4件、政令5件です。環境省請議はございません。
 私からですが、今般、地域ぐるみの様々なレジ袋削減の取組状況をとりまとめましたのでお知らせいたします。このような調査を全国レベルで行ったのは今回が初めてです。レジ袋の有料化のほか、エコマネー、地域ポイント制など様々な削減の取組が全国で広がっており、特に事業者、住民及び地元自治体が連携した地域で盛り上がりをみせています。環境省では引き続き、3R推進マイスターによる普及啓発、モデル事業や環境大臣表彰などを通じて取組の浸透を図っていきたいと考えています。詳細については、この後に行います勉強会で廃棄物・リサイクル対策部から御説明いたします。
 もう1点は鳥インフルエンザについてです。既に報道等で御存知だと思いますが、去る4月21日に秋田県十和田湖畔で回収されたオオハクチョウから分離された鳥インフルエンザウイルスがH5N1亜型であったことについて、既に公表したところです。
 環境省としては、オオハクチョウが回収された十和田湖周辺において野鳥における異常がないか巡視を行っているほか、各地方環境事務所、都道府県、関係団体に対し、監視体制の強化について指示・要請等を行ったところです。また、十和田湖周辺及び北海道の主要渡来地において、道・県と連携して、ハクチョウ等のガンカモ類のウイルス保有状況調査を実施することとし、本日、環境省本省からも職員を派遣いたしました。
 鳥インフルエンザウイルスについては、感染した鳥と濃密に接触するなど特殊な場合を除いて、通常では人には感染しないと考えられています。しかし、念のため、衰弱・死亡した野鳥を見かけた場合は素手で触らないようお願いします。また、日常生活においては、鳥の排泄物等に触れたときには手洗いやうがいをしていただき、感染予防に努めていただきたいと思いますが、過度に心配する必要はないと考えております。冷静に行動していただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)5月1日の水俣病被害者慰霊式がいよいよ目前になりましたが、先日、チッソの後藤会長と会われて、その後の進展は厳しい状況になってきたという御認識でしょうか。

(答)既に2月にチッソの後藤会長に対して、5月1日の水俣病犠牲者慰霊式には、救済を求めている人たちが安心して出席できるように、解決に向けて努力をしてもらいたいという話を申し上げました。4月24日に再度、後藤会長にお会いしましたが、残念ながら合意には至らなかったということです。具体的には、事態は切迫しており、この段階で与党PT案に合意できないのであれば、後藤会長そのものが解決の障害となっていると言ざるを得ないということをお話いたしました。また、蒲島熊本県知事が、4月28日に後藤会長と面談され、県議会や県民の認識も厳しいものがあるという話をされました。
 そのような事態を受けて、チッソには与党PT案をしっかり受け止め、原因者としての社会的責任を自覚していただきたいと考えていますが、今日一日さらに働きかけをしたいと思っています。

(問)今日一日さらに働きかけをとお話されましたが、なかなか厳しい状況にある中で、大臣は5月1日と期限を切らないと物事が進まないという思いがあったかと思うのですが、これを過ぎてしまった場合、今後どのような働きかけをなさっていかれるのでしょうか。具体的に環境省としてチッソに働きかけるカード、手段があるのかどうかお伺いします。

(答)まだ一日ありますから、今日様々な形で働きかけをと思っています。明日は会場でもお会いするのでしょうから、どのような形でコミュニケーションをとれるかわかりませんが、そこででも働きかけを行いたいと思っています。熊本県知事とも、連携することについてお互いに信頼関係があると思っておりますので、周辺の合意ができるような、ある意味で圧力をかけていく体制はできていると思います。ただ、チッソにも固いお考えがるようですから、それを我々が根気よく、しかもある種の圧力をかけつつ、協力をお願いしたいと考えています。
 仮定の話ですが、5月1日を過ぎたときにどうなるかということについては、私も1日は一つの区切りだと思っていますが、残念ながら打開の道が見えなければ、一日一日が期限だと考えて、より積極的に働きかけたいと思っています。

(問)もう一つの原因企業である昭和電工への働きかけは、現在、環境省として並行してなさっているのでしょうか。それとも今後何かなさっていくことになるのでしょうか。

(答)今まではチッソに対しての働きかけでしたが、全体的なこととしては、水俣病全般について解決していくということなのだろうと思います。ただ、具体的に昭和電工に対してというようなことは、今の段階ではございません。

(問)鳥インフルエンザのウイルス保有状況調査はいつから始めるのでしょうか。

(答)既に準備に入っており、できるだけ早く行いたいと思っています。今日、派遣をして、これから体制を整えるということですが、できるだけ早くと思っています。

(問)東北地方の野鳥から鳥インフルエンザが見つかった事例は今までありませんでしたが、時期的なこともあるかと思いますが、環境省としては想定はされていなかったということでしょうか。

(答)鳥インフルエンザについては、渡り鳥は国境なく飛んできますので、どこでどのような事態が起こるかは常に緊張感を持って対応しようという話はしています。たまたま十和田湖周辺で見つかったということですが、日本全国どこでこうしたことが起こっても不思議はありませんので、できるだけ早くその全容を掴みたいと思います。今のところ家禽等に対する影響はないようですが、そうしたことも踏まえて、周辺、野鳥に影響があるかどうか、我々としても正確に掴みたいと考えています。

(問)レジ袋の調査ですが、大臣は結果を御覧になってどのような印象を受けたのでしょうか。また、個人的にはどのような活動をされているのでしょうか。

(答)レジ袋については、環境全体に対する国民の皆さんの意識の象徴的なことだと思っております。皆さん非常に関心をいただいているなと思いますし、多少の不自由も乗り越えて、環境のために行動しようという気持ちが表れたものと思います。私としては大変歓迎したいですし、国民の皆さんには引き続き、さらにこうした意識を持っていただきたいとお願いしたいと思います。
 基本的に私はあまりレジ袋などを使うような生活はしていません。お店に寄って袋をもらうということは基本的にはいたしません。そのままでテープを貼ってもらいます。キオスクでもそうですし、コンビニはたまにしか入りませんが、そのようにしています。エコバッグは持って歩いてはおりませんが。

(問)古紙偽装問題についてですが、今、正に検討会が行われていますが、そこで、配合されている古紙パルプのうち、30%を上限としてバージンパルプに置き換えても良いという新しい考え方を示しているようですが、これについての大臣のお考えをお伺いします。

(答)基本的には100%再生が一番いいのでしょうが、古紙全体のリサイクルの問題、技術的には何とか可能だという話も聞いていますが、ずっと100%で回るということはないと思いますので、何らかの形で補完していかなければならないという意味で言うと、バージンパルプをどのくらい入れるのか、バージンパルプの由来をどこから求めるのかということについては議論すべきだと思います。

(問)今年度、総合評価指標という新しい方式の導入を検討となっていますが、何か指標を用いて新たに認めるということなのでしょうか。

(答)それはこれから議論をして、最終的にどのあたりに一番環境負荷の少ないところがあるのかということを、科学的な知見として考えるべきだと思っています。そうした趣旨で検討するということだと思います。

(以上)

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