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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年12月3日(月))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、政令9件、配布3件です。特に環境省関係のものはございません。
 私からですが、本日からインドネシア・バリにおいてCOP13が開会しました。これからおよそ2週間、2013年以降の温暖化対策の国際的な枠組み作りを中心に交渉が行われていくと存じます。今回のバリ会合での最大の焦点、私どもが考えている最も大事なことは、アメリカ、中国、インドを含む主要排出国全てが参加する枠組み作りに向けた交渉プロセスを立ち上げることです。具体的には主要排出国全てが入った作業部会の設置です。我が国は既にボゴールでの準備会合において、鴨下大臣から具体的な提案を行いましたが、バリ会合においても引き続きこの新しい作業部会の設置、そして新しい枠組み作りの2009年までの合意に向けて、日本が積極的に議論を主導してまいりたいと思っています。いずれにしても、まずは議論が開始されたところですので、引き続き交渉の進捗状況等について会見の場などを活用して、皆さま方には随時御説明、情報を提供していきたいと考えています。
 これまでも、EUグループやアンブレラグループなど、それぞれの交渉グループなどが連帯しながら交渉を行ってきておりますが、例えば昨日は、非公式なものですが、日本、アメリカ、カナダ、ロシア、オーストラリアといった国々が中心になっているアンブレラグループ会合が開催され、意見交換を行ったということも聞いております。そうした様々な会合を通じて、アメリカ等主要排出国全体が参加する作業部会の設置を目指し、そしてアメリカを含め全体を網羅した新たな枠組み作りを目指して議論を主導していきたいと思っております。
 次に、環境省と国土交通省が、「自動車NOx・PM法適合車ステッカー制度」を来年1月から導入します。このステッカー制度は、中央環境審議会の意見具申、改正自動車NOx・PM法の国会審議等を受けて、新たに自動車NOx・PM法適合車ステッカーを作成し、自動車NOx・PM法上の規制に適合している全国のトラック、あるいはバス等に貼付していただくものです。このステッカーを貼ることにより、使用している自動車が適合車であることが誰からもわかりやすいものとなります。自動車の使用者、荷主の皆さまにおかれましては、大都市圏に流入する車両への貼付、あるいは適合車であることを確認することなど、適合車の使用にあたって、このステッカーを活用していただきたいと思います。このステッカー制度により、排出ガス性能のよりよい自動車の使用が促進され、大都市圏の大気環境の更なる改善が図られることを期待しております。詳細については、後ほど資料を配付させていただきます。
 私からは以上です。


2.質疑応答

質問
 鴨下大臣が報道機関のインタビューに答える形で、今回のCOP13において、条約の全締約国が参加することで合意できれば、日本も年内に温暖化ガス削減目標を公表するとお話されたという記事が載っておりましたが、これについて具体的にどのようになっているのかお伺いします。

→「美しい星50」において、2050年までに地球全体で50%減らすという大きな目標を掲げております。しかし、日本はどうなのか、あるいは中短期目標としてどう構えるのか、ということが国会等様々なところで議論が起こっています。日本としてはこう考える、中短期目標、長期目標はこうだということを、環境省、また政府全体としても考えていくべきことだと思います。ただ、大臣がそのインタビューでもお話されているとおり、それを出していくために、何より大事なことは、アメリカ、中国、インドを含めて全体が参加する枠組みを作っていくことが、一番大事なことだと思っております。
 そうしたことがうまくでき、また実際に数値を作っていく際には様々な議論が当然出てくるわけで、例えばエネルギー生産性の問題、セクトラルアプローチの問題、原子力発電の状況、あるいはCCSといったこれからの革新的技術がどうなるのかなど、様々なことが考慮に入ってくると思います。こうした諸要素をきちんとかみ合わせながら、数字の作業を積み重ねていくことだと思います。そのためにはまずマイナス6%の目標、今まさに詰めの段階まできていると思いますが、これをきちんと作り、その延長線上に今度は新しい枠組みに対する諸要素を積み重ねながら作っていくということです。しかし、いつまでも世界の数字だけを言っていて、日本自身の目標、中短期目標はどうなのかということはできるだけ早く出した方がいいと考えられるので、条件が整えばということで大臣もお話されていると思います。

質問
 この記事に関しても、COP13に全主要排出国が参加することで合意できればという前提で年内にもと具体的に踏み込んでいますが、年内というのは少し違うということなのでしょうか。

→主要国間の共通理解がこれからどのように進むのかとか、削減効果の高い様々な対策、原発の稼働率や自然再生エネルギーなどいろいろ含めて、いくつかのケースに分けて議論していく必要があると思います。そうしたものが整っていけばできるだけ早く出したいということです。それが年内になるかどうかわかりませんが、できるだけ早くということです。状況やこうした諸条件が整わないのに日本だけ数値目標ばかり強く主張していくということは考えていないということです。

質問
 環境省なり政府内で作業は進めていらっしゃるのでしょうか。

→マイナス6%自体の作業はもちろん進めておりますし、ボゴールでの会合、バリ会合など国際外交、環境外交のいろいろな国際的枠組みを交渉する一方で、日本としてどうすべきかということは検討を続けています。

質問
 昨日の非公式会合を終えて、どのような感触、見通しをお持ちになったのでしょうか。

→一つの例としてアンブレラ会合を申し上げました。これは様々な国が入った大事な会合ですが、こうした会合はこれからたくさん行われますし、その他にも水面下でいろいろな動きがあります。その内の一つを例示として申し上げました。これからもできるだけ情報を皆さま方に申し上げたいと思いますが、これからまさに議論が開始されますから、一つの非公式な会合だけをとって感触を申し上げるつもりはございません。

質問
 日中韓三カ国環境大臣会合についてはいかがでしょうか。

→明日4日から6日にかけて、富山市で開催されます。大臣も出席いたします。今回の主要なテーマは、日本、中国、韓国が集まるということですので、地球温暖化の議論はあると思います。日本も2050年半減という目標も含めて、日本のスタンスを御説明したいですし、また中国、韓国の協力も得たいと思っております。更に、黄砂の問題や光化学スモッグの問題という日中韓における問題についても、更に緊密に進める必要がありますから、こうしたことをどう進めていくかという枠組みなどを含めて議論するという予定にしております。

質問
 韓国とはどのようなことがテーマになるのでしょうか。

→黄砂にしても、光化学スモッグにしても、韓国も同じような影響を受けていますので、同じ問題意識を持っています。全体の議論としては地球温暖化、これは韓国、中国問わずです。

質問
 地球温暖化問題について、韓国についてもそろそろ応分の負担をという考えはあるのでしょうか。

→地球温暖化の問題は、既にバリ会合がスタートしておりますから、きっと韓国についてもいろいろな議論があるでしょうから、お互いに意見交換していくのではないかと思っております。

質問
 日本提案について支持を得るという部分もあるのでしょうか。

→日本提案について支持を得るべく説明をいたします。中国は今回は大臣ではなく副大臣が出席されますが、大臣とは1日土曜日に直接協議して、コベネフィットアプローチに係る具体的成果も上がっています。今回は副大臣ですが、温暖化問題の話にも及ぶと思います。韓国は大臣がいらっしゃいますので、こちらもお話することになると思います。

質問
 中国の大臣と会われた時に、日本案についての支持云々の話は出たのでしょうか。

→中国の大臣とのバイ会談では、気候変動問題ではなく、主としてコベネフィットの話が中心でした。ただ全体会合の中では温暖化の話がどんどん出ており、大臣も実際に発言されております。コベネフィットは公害対策や地球温暖化対策に役立つもので、バイ会談はこうした日中間協力の話でした。
 全体会議の中で次期枠組み構築の問題について話し合われ、ハイレベル経済対話のプレスコミュニケが出されていますが、その中で、実効的な2013年以降の枠組みの構築に積極的に関与することで一致したということが書かれています。もちろん環境保護協力の方も別途書かれています。

(了)

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