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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年10月1日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件3件、配布4件です。特に環境省関係のものはございません。
 私からは以上です。


2.質疑応答

質問
 今、福田総理が所信表明演説を行いましたが、環境の部分についての御感想をお願いいたします。

→地球温暖化対策を中心に積極的な姿勢が十分入っておりますし、環境として項目を一つ立てて総理の所信として表明され、私どもとしては大変力強いものと受け止めております。

質問
 安倍総理と違うところは、物を大切にする社会というところだと思いますが、これについてはいかがでしょうか。

→ストック型社会といいますか、作ったものを長持ちさせてずっと大切に使っていくということが所信表明の中にあります。持続可能社会ということで大切なことと存じます。

質問
 環境省もそれに合わせて何か考えていかれるのでしょうか。

→福田総理自ら、200年住宅ということで、党の住宅土地調査会においてレポートを提出されたり、総裁選の中でもいろいろと主張されておられます。住宅問題は一つの代表例だと思いますが、住宅に限らずストック型社会を作っていくということは、21世紀環境立国戦略にも示されている循環型社会と相通じるものです。大量生産、大量消費、大量廃棄という時代から、持続可能なストック型社会の構築に向けて、諸施策を進めてまいりたいと思います。
  また、これまで進めているようなものも更に拡充してまいりたいと思っております。例えば住宅対策で言えば、省エネハウスなど、これは税制要望もしておりますし、また、まちづくりなどにおいても持続可能なまちづくりということで、来年度の予算要求もしております。総理の提唱にそって、更に肉付けができないかということも大臣の御指示により検討しているところです。

質問
 米国で開催された主要経済国会合の評価をお願いいたします。

→この会合自体はライス国務長官の進行の下で、ブッシュ大統領の演説等もあり、まずはアメリカの本会合への取組の真剣さ、積極的な姿勢が非常に印象的であり、評価されると思います。また、この主要経済国会合プロセスの成果が国連プロセスに貢献していくものだとはっきりと位置付けられ、再確認されたことも評価できると思います。
  長期目標のあり方についても、来年夏までに本会合に参加した首脳が集まって排出削減に関する長期目標に合意したいということが、ブッシュ大統領の演説の中にも入っております。このように長期目標について率直な議論があったことは評価できますし、短中期目標についても各国間で忌憚のない意見交換があったことは評価されると思います。
  次回の会合については、バリ会合の後に開催されることになったと聞いております。いずれにしても、COP13のバリ会合は一つの大きなポイントだと思いますし、更にバリ会合を受けて、次期枠組みに向けて今後の交渉をリードしていくことについて、日本が大きな役割を担っていくことが必要だと存じます。

質問
 2009年末までに合意を目指すと報道されていますが、この事実関係についてお伺いします。

→2009年末に向けて合意を目指すという議論があったということは承知しております。いろいろな議論の中で、そうしたことも表明されたということであって、議長サマリーにはっきりと明示されたということではありません。

質問
 今、日本は2010年という言い方をしておりますが、そうすると今回の2009年末というのは合意ではないということでしょうか。

→はっきりとした合意という形ではないと思います。EUは元々そうした議論をしており、今度のバリ会合から始めて2009年に何とか収れんしたいという主張でもあります。これまでの国際会議でも度々出ている議論だと思いますが、今回改めて決定されたというほど強いものではないと思います。

質問
 日本として賛同したわけではないということでしょうか。

→そもそも、各国間でこれで正式に決まったということではありません。

質問
 義務的な目標設定についてですが、これはアメリカの主張どおり義務的な目標としないということなのでしょうか。

→長期の方と短中期の方は分けて考えるべきだと思います。日本もEUもカナダも長期目標について今回もいろいろと議論を提起し、演説しましたが、必ずしも義務的なものということではなく、多くの国々も義務的なものとしては受け止めていないと思います。
  一方、短中期目標については、国際的に法的な拘束力のあるものにしたいというEUの主張もありますし、国内的な拘束力あるものとして受け止めようというアメリカの議論もありますから、先ほど様々な率直な意見の交換があったと申し上げましたが、そこで何か決まったということではなく、両論あったということです。

質問
 短中期について、日本政府の立場はどのように意見表明されたのでしょうか。

→我が国からは、様々なオプションを持った上で、各国の動向を踏まえ、今後、より詳細な検討を行っていくべきだという発言をしております。

質問
 アメリカ側でもないし、EU側でもないということでしょうか。

→そうです。繰り返しになりますが、アメリカからは、国内で法的拘束力のある短中期目標を目指すという発言がありました。一方でEUは、国際的に法的拘束力のある短中期目標の必要性を主張したわけです。ブラジルなどは先進国は法的拘束力のある短中期目標が必要不可欠だとする議論を展開しておりましたし、中国からは、長期目標は反対しないが、それに基づき途上国の短中期目標が影響を受けることは反対との意見がありました。そうした中で我が国は、短中期目標については、様々なオプションを持った上で、各国の動向を踏まえ、今後、より詳細な検討を行っていくべきだと発言したわけです。

質問
 高村外務大臣が、日本の考え方は比較的アメリカに近いという発言をして、国内、海外含めて義務化には反対と取られかねないトーンが出てしまっているのですが、これについてはいかがでしょうか。

→長期目標については、日本が提案した2050年に50%削減について、EU、カナダはもちろん、アメリカも含め全体としてそうした長期目標を考えていくことが大きな議論として進んでいったわけです。短中期目標については、今申し上げたようなことが実態ですし、日本としても短中期目標については、今は様々なオプションを持った上でということですから、どちらに近いということではなく、各国の動向も踏まえながら、より詳細な検討を行っていくべきだという発言をしたというのが正確なところです。

質問
 政府内で、短期中期について何か方針が決まったわけではないということでしょうか。

→アメリカにおける真剣な検討、あるいはEUの主張、あるいは開発途上国の主張なども見ながら、いろいろなオプションを検討した上で、動向を見ながら進めていくということで、短中期目標について今、確たる特定の結論を持っているということではありません。

質問
 次期枠組みについて2009年までに合意という話ですが、次のCOP13では、バリ・ロードマップを作ろうという意見が一部高まっていると思いますが、日本としては正確にはどのような立場なのでしょうか。

→バリ・ロードマップの議論をこれから進めていくことは賛成ですし、むしろ進めていくべきだと思っております。2009年までにまとめるかどうかというのは、これまで3原則という言い方をしておりますが、短中期目標については、アメリカや中国、インドを含めた主要排出国が参加しないと、きちんとした枠組みにならないと思っております。つまり次期枠組みの最大のポイントは主要排出国がその中に含まれていることですから、それが含まれて2009年までにということであれば全く賛成ですが、そこがまだはっきりと見えてきませんから、部分部分に賛成、反対と言ってもしょうがありません。基本的には実効性のある、多様な事情も含めた、かつ主要排出国を必ず含めた次期枠組みに向けて努力することがまず先決です。何年までにということではなく、まず中身としてきちんと担保しようと日本は努力しているところです。それが担保されるのであれば、2009年までということは大いに結構だと思います。

質問
 そこが担保されない限りは、2009年までにということを合意するつもりはないということでしょうか。

→それはロードマップの中で議論していくということではないでしょうか。アメリカの中でも、そういうことでやっていこうという議論がありますし、アメリカも2、3年前に比べればはるかに積極的な姿勢を出してきたと思いますから、これから2、3年後もっと進んでいくということを考えれば、そうしたロードマップもあり得ると思いますが、まず大事なのは中身を担保することだと思います。

質問
 ではアメリカ、中国抜きのロードマップはあり得ないのでしょうか。

→アメリカ、中国を抜いてロードマップを書いても、あまり意味がないと思います。

(了)

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