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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年4月26日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件が3件、政令が1件、人事が1件です。特に環境省関係のものはありません。
 私から2点ほど申し上げます。一つは花粉の関係ですが、今般、平成19年春のスギ・ヒノキ科の花粉飛散終息予測を取りまとめましたのでご報告致します。スギ花粉の飛散は、九州及び中国、四国地方は3月中に終息致しております。近畿地方も4月中旬には概ね終息しました。東海、北陸、関東、甲信越地方では一部で飛散が続いておりますが、間もなく終息するものと予測されます。東北ではスギ花粉の終息は4月末になると見込まれます。また、ヒノキ科花粉は、中国、近畿及び東海地方の一部でやや多い状態が続いていますが、ピークは越えており、標高の高い山間部を除き、関東以西では4月末、東北では概ね5月上旬頃に終息する見込みです。
  なお、今春の花粉飛散量の状況は、今のところ、関東から東海にかけては例年の半分程度で、東北及び近畿、中国では例年並と言えるかと思います。四国、九州では例年の70%程度となっています。詳細につきましては、この後資料も配付致しますし、担当課にもお尋ねいただければと思います。
  もう一点は、水俣病の実態調査の件です。先週、アンケート調査について、4月18日時点で、熊本、鹿児島、新潟の3県を合わせて7,466の回収があったとご報告しました。1週間経過しまして昨日、4月25日時点での回収数は、同じく3県合わせまして、8,412となっております。多くの方々にご協力いただいており、改めて感謝を申し上げたいと思います。なお、ご回答いただいていない方々にも、更に協力を呼びかけているところでございます。 
  私からは以上です。  


2.質疑応答

質問
 生物多様性の関係で、今日の中環審の自然環境・野生生物合同部会の方で、第3次生物多様性国家戦略に対する諮問が、日付的には何日か前らしいのですが、諮問がされたということなんですが、今度の3次というのは、これまでの1次、2次と比べてどういった新しい観点が入ってくるのかという方向性についてお聞きしたいのですが。

→まさに、これから審議を進めるところですから、今、方向性を申し上げるのもどうかと思います。したがいまして、私の個人的な考えになるかもしれませんが、この生物多様性というのは、単に種の多様性とか、遺伝子の多様性ということに留まらず、生態系の多様性ということも入ってくるわけであり、ますます大事な問題になってくると思います。また一方で、予想を上回る速度で進展している地球温暖化とも極めて関係は深いと思います。
  これまで生物多様性に関し三つの危機が言われていました。人間活動による自然の破壊、人間の働きかけの後退、そして外来種による危機ということで整理されておりましたが、そういう整理を超えて、今申し上げた温暖化の話などを十分視野に入れ、環境問題全体の連携の中でしっかりと位置づけつつ、生物多様性というものを考えていく必要があると思います。
  そういう意味で、幅広い観点から、この第3次戦略をとりまとめることになるのではないかと期待しております。また今、環境立国戦略を取りまとめている中でも、生物多様性というのは一つの大きな柱になると思いますし、来たるドイツのハイリゲンダムサミットでも、生物多様性はテーマの一つになると考えておりますので、しっかりした議論を部会の方でも期待したいと思います。


質問
 熱帯魚の関係ですが、先日、遺伝子を組み換えた光る熱帯魚が輸入されて販売されたということで、カルタヘナ法違反ということがありましたけれども、その輸入や販売に当たったペット店などが、違法性にあまり自覚がなかったんじゃないかということが言われているわけですが、ここら辺の周知徹底のあり方と言うか、今後同じような事案が起こらないようにするために、何か対策を考えていたりするのでしょうか。

→周知徹底をこれからもしっかりやっていくということに尽きますけれども、あの案件は外来種の承認を得ていなかったという基本的なものでございます。いずれにせよ、しっかりとした周知広報をしていきたいと考えます。


質問
 先ほど発表された花粉の件で、当初の環境省の予測よりスタートが早かったと聞いているんですが、その原因は何であるとお考えでしょうか。

→まず、飛散の開始時期でございますけれども、確かに今年の春は全国的に見て飛散開始時期がだいぶ早まっておりました。例年と比べると、だいたい10日ぐらい早かったというふうに考えております。
  例えば東京都ですが、本年は1月31日だったということで、これは全国で最初に飛散が始まったわけでございますけれども、例年の開始時期は大体2月中旬でございますから、そういう意味では、2週間ぐらい早まったと思います。理由はやはり予想を上回る暖冬ということに尽きるのだと思います。


質問
 予測より早かったということで、医療現場や患者さんに影響があったように聞いているんですけれども、それについてはどのように思われますか。

→環境省としては花粉の飛散状況について、1時間ごとのリアルタイムで、環境省のホームページで公開をしているのですが、夏の頃の気候や、あるいは冬前後の気候などが非常に大きく影響しますので、まず予測の精度を高めていきたいと思います。
  終息状況につきましても、今年は飛散開始が早かったということもあり、全国的に時期が早まっており、これも結局、暖冬の影響です。一方で量の方は、地域によって少し差はありますけれども、例年よりもやや少なかったということでございます。これからもそういうこれまでの傾向を分析しつつ、より予測を高めながら、よく国民にもホームページ等を通じて早め早めに通知をしていきたいと思っております。
  また、花粉症自体をめぐっては、環境省のみならず、厚生労働省等を中心に関連省庁で連携した会議・取組を続けておりますので、これからもきちっと連携して進めたいと思っております。


質問
 明日から石連のETBEの販売が始まるそうなんですけれども、初めてバイオエタノールを使った燃料が市場に出回るということで、意義があると思うのですが、環境省と違った規格を推進していることと、あと環境省が推進するバイオエタノール混ぜるためのガソリンがまだ協力を得られなくて入手できていないという観点からコメントをいただきたいとのですが。

→まず前段のETBEについては私どもも期待しております。ETBEがこれからもどんどん増えていって、今21万klを目指すということですので、是非それで進めていっていただきたいと思います。
  それから私どもが申し上げている、今度実証もスタートしますけれども、いわゆるE3という混合方式です。これも大阪を初めとして、これから大いに進めていければと思っているところでございますし、いろいろE3に対しご懸念の点もあろうと思いますので、そこはきちっとクリアしながら、実証等を通じまして、これからおおいにETBEとともに両方普及、進んでいければと思っています。


質問
 ガソリンの供給についてはいかがでしょうか。

→何とか目処がつくのではないかと思っております。


質問
 5月1日の水俣の慰霊式には、次官はご出席されるのですか。

→環境省は大臣が代表して出席なさるということで、今、調整しております。私はこちらで留守番をしております。


質問
 与党が新たな救済策を6月までにまとめるということで、環境省としてはどんな救済策が望ましいとお考えなのか、改めてお伺いしたいのですが。

→私どもとしては、多くの方々のご協力をいただきながらアンケート調査を進めているところでございますし、また、並行してサンプル調査も、3県ともスタートしております。これらの結果を、6月の半ば頃になると思いますが、与党のプロジェクトチームにも報告を致します。そういうことも通じて、認定基準には至らないけれども、国として、あるいは公として手を差し延べなければいけない人々をどうやって救済していくかということに中心を当てて、与党プロジェクトチームにおいて議論がされており、6月中には方針も出されるということで今、進められておりますので、プロジェクトチームと十分連携しながら、熊本県をはじめ、各県とも十分意見交換をしながら、しっかりした対策を作ってまいりたいと思います。


質問
 全面解決を目指すということでよろしいのでしょうか。

→しっかりした対策を作ってまいりたいということに尽きます。


質問
 日米首脳会談ですが、世界で50%削減だとか、CCSの話なども出ていますが、やはり、どういう形で中国やアメリカに参加していただくのかということが重要だと思うのですが、最近の議論を聞いていますと、原単位の話とか、CCSというのがキーワードになっているかと思うのですが、次官のご見解は。

→私どもとしては是非、気候変動の問題についても両首脳間で議論して、なんと言ってもアメリカは最大の排出国ですから、日本とアメリカでおおいに協力・連携して、気候変動問題に取り組んでいくということで、一歩進めた議論ができればと期待しているところです。
  また、後段の方のご質問については、いわゆるエネルギー原単位も重要だと思います。次期枠組みに当たって、開発途上国も含めた仕組みを考える際に、何よりもアメリカと中国とインド、こういった大排出国が枠組みの中に一緒に入っていくことが何よりも大事だと我々も思っております。そういう観点から施策も考えていく必要があると思います。
  それから一方で、やはりCO2の排出量を何としても大幅に減らさなければいけないわけですから、最も実効ある方策は何かということを、各省とかそういうレベルではなく、国民みんなで、いろいろな手段、これはもう日本だけではなく、いわばグローバルなベースで、エネルギー原単位を含め、いろいろな手法があると思いますから、いわばもう総動員で、さまざまな施策を注入して進めるべきだと思います。


質問
 そのお話ですと、まずCCSや原単位ありきではなく、他のものを打ち出していくことを考えているということですね。

→他のものも当然議論すべきだと思っております。


(了)

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