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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年3月29日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件が4件、法律案が1件、政令が5件、報告が3件でした。
 一般案件の一つに環境省関係がございまして、「政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画」、いわゆる「政府の実行計画」です。これは地球温暖化対策推進法に基づきまして、政府の事務・事業に関し、温室効果ガスの排出削減に向けて、省エネルギー対策、あるいは再生可能エネルギーの導入などのいろいろな取組を進めることを定めた計画です。平成14年7月に最初の計画が定まり、18年度で終了ということですので、今般新たな計画を定めます。
 京都議定書の約束期間開始を来年に控え、新たな政府実行計画を決定して、政府自ら率先して温室効果ガスの排出削減に取り組むことは、国民等の積極的な取組を求めていくためにも大変意義があると考えており、京都議定書の約束期間を踏まえ、この新たな実行計画の計画期間も平成24年度までとし、目標と致しましては、政府全体として、今までの計画が、平成13年度比で平成18年度において7%削減だったのですが、今回は、同じ平成13年度比ですが、平成22年度から24年度の平均で8%削減という数字にしております。正式には、明日閣議決定ということですので、明日、大臣からお話があると思います。また、その際に、18年度の政府の排出量の試算につきましても、今はまだ作業中ですが、取りまとまれば明日併せてお示しすることとなると思います。政府の実行計画に関する資料は、この会見後に事務方から配布を致しますが、さまざまな、具体的な取組を追加することにより充実を図ったものです。
 それからもう一点、ほう素・ふっ素等に係る暫定排水基準の取扱いについて申し上げます。これは水質汚濁防止法に基づく、ほう素・ふっ素及び硝酸性窒素に関する暫定排水基準の本年7月以降の取扱いについて、環境省の方針案を取りまとめましたので、この会見の後、資料をお配りさせていただきます。
 この3物質については、一律排水基準に適応することが技術的に困難な26業種に対しては、より緩やかな暫定排水基準を設けており、この暫定措置が本年6月末に期限を迎えることから、環境省では、その後の取扱いについて検討をしまして、今般、省としての方針案を取りまとめたところです。現在、暫定措置の対象である26業種のうち、5業種については一律排水基準へ移行しますが、残りの21業種については暫定排水基準を延長せざるを得ない状況です。新聞等で報じられました、温泉を利用する旅館についても延長の扱いに含まれています。なお、4月中旬から1ヶ月間、パブリックコメントを実施し、その結果を踏まえて、6月初旬に排水基準についての省令改正を公布する予定です。施行は7月1日です。
 私からは以上です。 


2.質疑応答

質問
 SEAについてですが、先日の研究会の最終会合で、発電所については除外するという方向の文言が盛り込まれましたが、委員から多数削除を求める意見が出る中で、環境省としてもSEAは長年の課題と位置付けてきたと思うのですが、最終的に座長一任という結果になったことについて、どのようにお考えでしょうか。

→戦略的環境アセスメント全体について申し上げますと、第3次環境基本計画に基づいて、今般、共通的ガイドラインを作成しました。今後、このガイドラインを踏まえて、関係省庁においても個別ガイドラインを策定するなど、戦略的環境アセスメントの取組を進めていただくということになっています。3月27日、第5回の研究会におきまして、最終案は座長一任ということになったわけでして、今、座長が最終の点検を行っているところでございます。この研究会でのガイドラインの取りまとめを受け、関係省庁に通知をして、これからさまざまな実施事例の積み重ねに向けて、取組を促していくことを予定しておりますし、既に国土交通省のように新たに研究会をスタートしたというようなことも聞いておりますので、今後しっかりと進めて参りたいと思っています。
   ご質問の発電所の建設事業でのSEAの実施につきましては、関係者と意見の交換・調整を進めてきたわけですが、意見の隔たりが大きいということから、発電所については戦略的環境アセスメントの実施を求めないこととしたものでございます。研究会においても議論を尽くしていただいたわけですが、対象とすることが問題であるとする意見がある一方で、発電所の除外を記載することは適当でないという意見も多く、結論が得られなかったことから、これを踏まえた取扱いが必要であるという記述になったものです。私どもとしては、こういう状況ですので、環境省がSEAの実施を依頼する際にも、発電所については取組を求めないということにしております。今申し上げたような手順でこれから進めていきますが、しっかりとした戦略アセスが進められるように、さまざまな事例が積み重ねられていくことを期待しているし、またそのように進めていきたいと思っております。


質問
 もともと、ガイドラインということで拘束力はないかと思うのですが、それに加えて、民間事業者に対して一律に取り組みを求めるのは困難という文面もあの中に入っていたかと思うんですけれども、さらにああいう形で発電所を取り上げるという必要性はあるのかという見方もできるかと思うのですけど、それに関してはどのように思われますか。

→基本的に、今回の戦略的環境アセスメントの対象として議論・検討をしたものは、規模が大きく、環境影響の程度が著しいモノになる恐れがある事業として、発電所を含む、環境影響評価法の対象事業です。そういう中で、それぞれの事業によって、例えば公共事業と民間事業で相当性格も違いますし、同じ民間事業の中でも鉄道と発電所は全然違いますから、ケースバイケースでその事業に即して、計画段階としてのアセスを考えるときには色々議論していかなければならないので、関係する方々とも十分議論を尽くしてまいりたいということは、ずっと申し上げてきたつもりです。これからも実際に事例を積み重ねていく中で、戦略的環境アセスメントがしっかりとできあがってくると思いますから、そういう中で、やはり事業事業の特質性、あるいはそれぞれの性格というのはしっかり見ていかなければいけないということだと思いますし、これからもそうした取組の状況を踏まえながら、しっかりと進めていくということです。


質問
 政府の実行計画についてですが、今の実行計画は、まもなく年度が終わりますが、見通しとして、7%の目標は達成できるのでしょうか。

→申し上げましたように、今まだ作業中ですので、なるべく明日にはお示ししたいと思いますが、18年度において、政府全体での削減がかなり進んでいるという感じですので、先程マイナス8%と申したように、今よりさらに深掘りした目標を立てられるという感触を持っています。


質問
 見通しで結構なのですが。

→多分そういうことになるのではないかと思います。ただこれも、今はまだ18年度中ですから、そもそも最後の四半期については明日も出せません。率直に申し上げまして第3四半期くらいまでしか出せません。先程試算と申し上げたのはそういう意味です。これは終わってみないとわかりませんが、あえて見通しとおっしゃられるものですから、マイナス7%をあえて深堀りしてマイナス8%という目標を立てた気持ちとしては、そういう感触を持っているということです。


質問
 達成できるという感触ですか。

→1月、2月、3月とまだ終わっていませんので、数字も出てくるのはまだまだ先になりますから言えませんけれども、少なくともこれまでの3四半期を見ている数字の感じから言えば、マイナス7%はどうにか達成できるのではないかという感触を持っておりますが、これについては明日、その試算を含めて、公表がなんとか間に合うようにしたいと思っております。


質問
今回の計画で、うまくいったところとそうでなかったところとあると思うのですが、そこを検証して新しい計画に活かしているところはあるのでしょうか。

→もちろんそこも検証しなければいけないし、やはりその年によっていろいろな事情がございます。たとえば、海上保安庁の船をどれくらい動かすかによって、相当CO2の量も違ってくるなど、その年によっていろいろ違いがあります。そういう個々のケースの問題もあるし、たとえば総理が昨年の所信表明演説で、地方支分部局を含めて国の庁舎における太陽光発電や建物の緑化の計画的整備を進めるということをはっきりとおっしゃっておられますので、そういうことも踏まえて、追加的な施策も採り入れたものとなっております。


質問
 カエルのツボカビ病についてですが、一昨日、警視庁の家宅捜査もありましたし、今月初めには、おそれていた沖縄でもついに見つかったということもあったのですが、環境省としては流通ルートの解明というのも課題に上がっていたと思うのですが、今後の見通しや方策についてお考えがありましたらお聞かせ下さい。

→まず、カエルの不正輸入の容疑で警視庁が家宅捜査したという話が報道されていました。環境省が自然環境研究センターから事前に通報を受け、警察と相談をしていたことは事実でございます。このヘリグロヒキガエルですが、先般の法律のカテゴリーだと未判定外来生物になります。未判定外来生物というのは、生態系等に係る被害を及ぼす恐れがないという旨の通知を、環境大臣や農水大臣から受けた後でなければ輸入してはいけませんから、そういう通知がないのに今般は輸入されていたというわけです。そういう意味で不正輸入だったわけです。今後とも外来生物法の適正な執行を行って、生態系に係る被害を防止したいと思っております。
 今の話とツボカビの話は別ですが、ツボカビの問題についてはその影響が極めて大きいものですから、保護すべきカエルの種類も多い沖縄地域を中心として、今は主としてペットショップ等を含めた流通面に焦点を当てて、さまざまな対策の周知を行っているところです。


質問
 ふっ素・ほう素の規制の関係ですが、これは延長して、今後の残る業種に対しても促していくのか、それともそういうことも含めて検討していくのかを伺いたいのですが。

→基本的に業種によってだいぶ違いますので、今申し上げたように一律移してしまう業種も5業種ありますので、他の業種については、延長の仕方もそのまま延長ではなく、少しバリエーションがございます。いずれにしろ延長する業種についてもやがては一律の方に向けて努力をしていただきたいと思いますが、たとえば、技術開発等によりふっ素・ほう素を減らすには、コストがかかって経営自体が行き詰まるというところもあるようにも聞きます。そういった点も含めて今回も議論をしてきました。まだこれからパブコメにかけますので決定ではないのですが、今後3年さらに延長する事業についても、その間にしっかりとフォローアップをしながら、かつ必要な技術開発などは是非進めていただかなければならないと思っていますし、私どもとしても、何か支援ができるようなことがあれば、そういうことについても検討していきたいと思っております。


質問
 基準自体の見直しということにはならないのでしょうか。

→そういう議論ももちろんあると思いますが、今はいろいろな観点から決められた一律基準についてはそのままにしております。


質問
 温泉業を延長するという理由は何でしょうか。

→温泉を扱う旅館業ということですが、最もいろいろな議論があったところだと思います。たとえば、自然由来の温泉もあれば、あるいは掘っているようなものもあれば、あるいは日帰り温泉のように今回対象となっていないところもさまざまございます。そういう中で一律に今の基準に移していくことには、今のご質問に重なりますが、技術コスト等、経営面も含めて考えざるを得ないし、全体を勘案した上で、環境省としては延長と考えているということです。


(了)

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