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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年1月15日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件が1つと政令が1つでした。一般案件は、生物多様性条約第10回締約国会議等の本邦開催という案件でしたが、これは明日の閣議で正式に決定された後に公表される予定ですので、本日は私からは差し控えさせていただきたいと思います。政令は特に環境省関係ではございません。
 二つほど私からお話をしたいと思います。一つは高病原性鳥インフルエンザの発生に関連してです。既にご承知のとおり、1月11日の夜、宮崎県の清武町の養鶏農場におきまして、高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例の発生が報告されました。13日には、この農場の飼養鶏から分離されたウイルスがH5亜型のA型インフルエンザであることが確認されました。環境省としては、11日の夜に事例発生の報告を受けて、農林水産省や宮崎県等から情報収集を行うとともに、13日には、本省及び九州地方環境事務所職員、トータル3人を現地に派遣し、宮崎県とともに発生農場周辺の渡り鳥を含む野鳥の生息状況等を調査致しました。具体的に申し上げますと、発生農場から概ね3kmの範囲で現況把握を行いまして、いくつかの状況把握を致しました。まず発生農場は、農地や住宅地に囲まれた状況で、大規模に野鳥が生息するような地域ではありません。また2番目、周辺では、農地等で普通に見られる野鳥を確認しました。3番目、野鳥に関する大量死等の異常は確認されませんでした。4番目ですが、今回確認された鳥類は、31種でした。このうち16種は渡り性の鳥類、つまり渡り鳥であったといったことを調査しました。高病原性鳥インフルエンザの発生には、人的要因の他に、渡り鳥が関与しているという指摘が従来からあり、今回の事例発生に関して、野鳥に対しどのような対応をすべきか、専門家の意見を聞きながら検討を進めていく考えであり、本日12時から、急遽、専門家会合を開催しているところです。今後は、本日の専門家会合におけるご意見を踏まえつつ、関係省庁、特に農林水産省が中心ですが、宮崎県等とも十分な連携をとりながら対応してまいる考えです。なお本日の専門家会合の概要につきましては、夕方17時頃、担当から説明をさせる予定です。
 それからもう1点、浄化槽の関係です。浄化槽は、ご承知のように汚水処理施設整備の一つの柱としてその整備が進められているところですが、特に今後の汚水処理施設の整備の中心は中山間地域等になるということですので、そのような地域で経済性、効率性に優れた浄化槽の役割は、今後、一層大きくなるものと考えています。こうした社会状況の変化、環境行政全般の進展を踏まえて、今後の浄化槽の在り方について、これも本日ですが、10時から開催の中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会浄化槽専門委員会において、「浄化槽ビジョン」というものを取りまとめました。環境省では、この「浄化槽ビジョン」を踏まえ、浄化槽の普及等について一層取り組んでまいりたいと思っています。「浄化槽ビジョン」について、例えば、浄化槽の整備区域を積極的に設定するとか、あるいは浄化槽システムを構築するとか、浄化槽の研究開発を進める等、さまざまなものがありますが、「浄化槽ビジョン」の概要を後ほどお配りすると聞いておりますので、是非ご覧いただきたいと思います。
 私からは以上です。


2.質疑応答

質問
 東京大気汚染訴訟で、メーカー側の対応が出揃ってきたことを受けて、今後の国の姿勢に変更があり得るのかどうか教えていただきたいのですが。

→東京大気汚染公害訴訟で、メーカーの7社が東京都の医療費助成制度の拠出について、協議に応じるというようなことが報じられており、私どもも承知しておりますが、自動車メーカー自身のお考えについては裁判上のお話でもありますので、コメントは差し控えたいと思います。私どもの考えが変わっているのかということについてですが、一言で言えばこれまでと同じで、申し上げてきたように都が提案されたような医療費助成制度、そうしたものに国として財政支出を行うためには、やはり前提となる因果関係を明らかにすることが基本であると思っております。従って、現時点では一般環境としての大気汚染、これについてぜん息の主たる原因であるとは考えられませんし、幹線道路沿道の局地的な大気汚染、これとぜん息との因果関係については科学的な知見が十分ではありません。従って、そこを十分にするためには、まずそらプロジェクト等の調査研究を推進していくことが必要であると考えております。いずれにしろ環境省としては従来から大気汚染対策を進めていくことは極めて重要だと思っておりますから、ディーゼル車排気ガス規制などの公害対策については、ご承知のように自動車排気ガス基準を強化する等、進めてきておりますし、現在、3大都市圏における自動車排気ガス対策のためのNOx・PM法の改正について、今、中央環境審議会でも議論し、その改正を通常国会に提案するということも予定しておりますので、これらの施策により、大気環境のさらなる改善を図ってまいりたいという国の基本的なスタンスは変わっておりません。

質問
 水俣病の認定審査会が熊本県の方で再開するということをまも なく発表すると思いますが、聞いていらっしゃいますか。

→本日午後、熊本県知事が認定審査会について記者会見をするということは承知しております。私どもは、詳細な内容は聞いておりませんが、従来から申し上げているように、一つは、公健法の円滑な施行という観点から、認定審査会が1日も早く再開されることが大変重要な課題であると思っておりますし、これまで熊本県の前審査会委員の先生方についても、40回くらいでしょうか、熊本県も、あるいは環境省の職員も何十回も訪問し、前審査会の委員の方々にも再開に向けて真剣にご検討いただいているのではないかと私どもは認識しております。発表はこれからされるということですし、詳細な内容も承知しておりませんので、今のコメントはその程度にしておきたいと思います。

質問
 再開されることについては歓迎すべきことだということですか。

→それは記者会見が終わった後、その内容を見て、何らかの対応をとるかどうか検討致します。ただ、今申し上げたように、基本的には認定審査会の1日も早い再開というのは大変重要な課題であると思っておりますし、我々もそれに向けて何十回と審査会の委員の先生方にお願いしてきていますし、先生方も真剣に考えていただいているのではないかというように考えているということを申し上げておきます。

質問
 来年度予算で8億円確保された実態調査の具体的な中味もほぼ決められたと思いますが、その中で2点お聞きします。
 アンケート調査一月一人当たり5千円で、これが高いのか低いのかは判りませんが、こういう大規模なアンケート調査で国として前例があるのかどうか、何故5千円なのかということと、もう一つはサンプル調査で5%程度と、計算すると500~600人になりますが、それを検査するお医者さんの確保をどのように考えておられるか、その2点をお聞かせいただけますか。

→調査の概要は率直に言ってかなり固まりつつあります。与党のプロジェクトチームの先生方にも相談しておりますし、県にも既に相談の骨子を申し上げております。県は県で自分たちのご判断もあるかと思いますので、まだ確定ということではないので、それを最初に申し上げておきます。これから議論し合いながら、仰った質問の件も含めて、もっと詳細に固めるようにと考えております。
 大きく言って二つ柱があり、一つは今のご質問にも関係しますが、現在救済を求めている方々の状況を、まず幅広く捉えていこうという観点から、いわゆるアンケート調査、概況調査ですね、これをやります。さらに2段階になっておりまして、さらに詳しく実態解明を行うということで、対象者の5%をメドとして、サンプル調査を実施するという構成になっております。アンケート調査を行っていくわけですが、できるだけ早急に実施したい、4月からと思っておりますが、かつその新たな救済を求める人々から幅広く協力をいただくという観点から、謝金というのも必要だと思っておりますし、その必要な謝金として今仰った5千円程度と考えています。どこかの調査と比較して定量的に分析・割り出した数字ということではありませんが、協力していただく謝金として5千円程度が適当ではないかということです。
 それからサンプル調査の問題、たしかに5%といえどもかなりの数ですから、医師の問題もあると思います。そこはまた、まず求めてこられる方々の数ですね、それから実際の症状とか、日常生活の支障がどの程度か、ADLと言っておりますが、そういったことが把握できるようにきちっとしたサンプル調査を行わなければなりません。その中味について、どの程度やるのか、またどういう医者の方、あるいは看護師の方、どういう方々をどうするかということはこれからの議論ですので、まだそれをお答えするだけの詰めはこれからだと思っております。

質問
 生物多様性条約の締約国会議に関するお話ですが、これは名古屋でやるということが明日決まると考えてよろしいですか。

→そうですね、明日の閣議で正式に決まって公表し、もちろん環境大臣からも記者会見で、内容も含めて、ご説明されることとなると思っております。ただ本日の事務次官等会議の件名にはありましたので申し上げたということです。

質問
 バイオエタノールですが、明日、大阪の方で開所式がありますが、バイオエタノールのプラントは完成しても肝心の混ぜるガソリンが十分に確保できてないということがあると思うのですがそれについてコメントをお願いします。

→バイオエタノール自体につきましては、明日は大阪府堺市ですが、廃木材を活用してバイオエタノールを作っていこうということです。私どもは今、E3を中心に考えておりまして、今度の予算も含めてバイオエタノールの導入の加速ということについて進めたいと思っております。量的には、京都議定書の調達水準にはまったく届いておらず、これから進めなければなりません。

質問
 混ぜるガソリンの提供に関して、石油業界から協力を得られていないということに関してはいかがですか。

→私どもはE3と言っていますが、ただ石油業界が仰っているETBEという考えについて進めることも構わない、両方ともともかく進めていくべきだと我々は考えております。いずれにしろ京都議定書の目標達成計画、あるいはさらにその先に向けて、バイオエタノールをもっと加速すべきだと思っておりますから、関連業界ともこれからお互いの理解を求めていくために相談してまいりたいと思っております。

質問
 ガソリンに関しては、石油業界は提供する意志がないのですが、引き続き協力を求めていきたいということですか。

→E3についても重要だし、これからも是非理解を求めていきたいと思っております。


(了)

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