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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成19年12月4日(火))


1.発言要旨

 本日の閣議ですが、一般案件2件、国会提出案件8件、政令9件です。環境省請議については、主請議、共同請議ともにありません。  私から、「日中ハイレベル経済対話」についてですが、この週末、12月1日に北京で行われた「日中ハイレベル経済対話」に出席するとともに、中国国家環境保護総局の周局長と会談を行いました。ハイレベル経済対話では、気候変動に関して、次期枠組みづくりの交渉への参加を働きかけました。また、環境に関しては、水、大気、廃棄物、環境教育などの分野の協力について議論がありました。なお、この会議の前に周生賢国家環境保護総局長と会談し、公害対策と温暖化対策の双方に資するコベネフィット協力についての合意文書に署名したほか、黄砂、酸性雨、環境と健康、地方事務所の強化等についての協力を推進すべく意見交換を行いました。周局長とは今回初めてお会いしましたが、両国にとって重要な課題である環境問題について前向きに取り組むよいパートナーであると感じ、極めて親密に話ができたと思っております。
 また、本日これから行くのですが、12月4日から6日にかけて富山で開催される日中韓三カ国環境大臣会合に出席します。この会合は今回で9回目となり、また初めて首都以外の都市で開催されます。今回は中国の周大臣が所用のため出席できませんので、代わりに李副大臣が出席されます。三カ国の協力強化について議論したいと思っております。今回の主要なテーマは、既にバリで議論が始まっていますが、地球温暖化問題について、日本の提案する長期的な目標などを御説明し、中国・韓国の理解と協力を得たいと考えています。さらに、黄砂や光化学スモッグなど、地域の問題についても更に緊密な協力を深めるために、枠組みなどについても率直に議論したいと思っています。また、先月開催された東アジアサミットの結果を踏まえ、具体的な成果の実現に向けて、日中韓が主導していくということで、十分に議論を深めていきたいと思っています。
 次に、IPCCがノーベル平和賞を受賞したことを記念して、IPCCに参加した研究者が実際に活動しています国立環境研究所、海洋研究開発機構と、海洋研究開発機構があります横浜市の文庫小学校とそのPTAの4者が、今週末8日に子ども環境教室を開催するということです。気候変動のシミュレーションを行っているスーパーコンピュータである「地球シミュレータ」があり、その成果についてIPCCの学者たちが子どもたちに優しく講義をしてくれるということです。文庫小学校が環境教育にとても熱心であり、この研究成果を政府の政策決定者にも聞かせたいということで、私にも招待状が来ていますので参加しようかと思っています。文部科学省の原田大臣政務官も参加されるようです。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)COP13がバリで開幕し、これから2週間にわたってポスト京都の枠組みを含めた話し合いが始まりますが、今のところの大臣の御感想をお伺いします。

(答)もし国会の御承認がいただければ来週月曜日から出席させていただくつもりでいます。バリでのCOP13は、全ての国が参加して次期枠組みをしっかりと議論ができる新たな交渉の場をつくることが一番重要だと思っております。それに向けて、事務方でもハイレベルでもしっかりと議論してまいりたいと思っています。バリロードマップをつくって、2009年までに全ての国が参加する交渉の場の中で交渉ができることを、このバリ会合で大方合意したいということなのですが、今、現地に入っている担当者の話を聞くと、決して簡単ではないような印象を受けています。来週行かせていただけるのであれば、しっかり議論してまいりたいと思っています。

(問)中国が先進国に大幅な削減を求め、報道では2020年に1990年比25%〜40%削減という提案をしようとしているということなのですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。

(答)中国も条約の下で、それなりに貢献、参画するということでの話だと思っています。交渉はまだ始まったばかりですから、数字の削減目標等についての議論は、それぞれの交渉の中でカードを切り合うことの一つだと今の段階では受け止めています。必ずしもそのとおりにいくかどうかは、これから2週間の交渉の結果によってどのように合意できるかということだと思っています。

(問)先週の日中ハイレベル経済対話では、割と日本の姿勢が受け入れられたかのような印象を受けていたのですが、昨日の中国代表団の話を聞くと、まず先進国がやるべきというような言い方で、かなり強硬な姿勢を見せているようにも見えるのですが、これに対する感想と、今後どう対応していけば協力を得られそうだというような秘策はあるのでしょうか。

(答)秘策はありません。我々もボゴールの準備会合で理想形について申し上げましたが、2トラックの概念についてもそれぞれ解釈は違いますし、アメリカ、中国、インドといった国々の主張は様々です。これは国際交渉ですから、まずお互いの立場を言い合うところからスタートして、この2週間精力的に議論して、どこかで合意点を見いだすということだと思っています。最初から落としどころを言う国はないわけですから、そのような受け止めで、それぞれ精力的に協議すれば一つの方向性を見いだせると今のところは思っています。
 ただ、それぞれ本国を抱えているので、交渉するのも決して簡単な道ではないと思います。我々が提案している全ての国が参加する新たな交渉の場と、AWGの中での議論ということについても、中国の今回の意見とは随分と隔たりがあると思っています。そこをどの程度調整できるかというのはこの2週間のそれぞれの国の努力だと思います。

(問)中国側が先進国の目標設定を求めたことに関しては、日本が途上国の協力を求めるのであれば、日本側もある程度数字を切っていく必要があるということになっていくのではないかという懸念もあるのですが、これについてはいかがでしょうか。

(答)我々はバリでロードマップを合意して、2009年までに全ての国が、というようなことを考えていますので、数字を切り合うのが本当にいいのかどうかという話はあります。ただ、日本は先進国の中で環境技術も洗練されていますし、京都議定書議決の時の議長国でもあるわけですから、国際的な責任は十分に受け止めつつ、数値目標についてもEUに匹敵するというようなことは腹には置いておかなければいけません。しかし、今直ちに、自分たちはこうだと言うことが、本当に国際交渉の中で一番いいのかどうかという話と、日本が優等生的に自分たちの削減目標を言って、それについてこられないところは枠組みから離脱するというようなことになったら、これは最悪の話です。我々は日本独特の調整の機能、調整力を発揮することが今回のバリでの役割分担かと思っております。 それはインドネシアの環境担当大使がおいでになったときに、インドネシアは議長国としての立場、我々はそれをサポートして、一つの枠組みをきちんとつくるために汗をかきましょうというようなことは申し上げています。それができた後はプレーヤーとして自分たちの努力もきちんとしなければいけません。それは当然のことです。

(問)そうした中で、全ての国が参加する枠組みができなければ、日本は今の京都議定書の6%削減以上の目標は受け入れられないということを、会議の中で発言する予定はありますか。

(答)交渉の推移がどのようになっていくかということですから。ただ、優しいことばかり言っていればいいということでもないですし、時には厳しいことも言わざるを得ないこともあるかもしれません。ただ、日本はどちらかというと調和の精神ですから、枠組みが壊れないようにどのようにするかということを最優先にしっかりと交渉していきたいと思います。

(問)では、京都議定書の目標は今の段階で引き上げられないというようなことを言って、わざわざ後進国の反発を招くような議論は今のところは考えていないということでしょうか。

(答)そうした言いぶりは、日本はあまりしない方がいいだろうと思います。できるだけまっすぐに善意を伝えたいと思っています。あまり変な駆け引きはしないということです。

(問)オーストラリアが昨日、正式に批准して、後は日程次第ということになりましたが、これについての御感想と今後の協調体制についてお伺いします。

(答)オーストラリアが京都議定書を批准することは、日本にとって極めて歓迎すべきことだと思っております。これで未締約国はトルコを除いてアメリカだけになるわけですから、非常に意義のあることだと思っています。それも、バリでのCOP13冒頭にそうした話になったことは歓迎すべきことです。これが国際世論の中で、今後のポスト京都に向けても相当の好材料になるだろうと理解しています。

(問)先週の「日中ハイレベル経済対話」の際に、日中会談を行ったと思いますが、それを受けて中国の環境問題について現状、展望をどのようにお感じになったかお伺いします。

(答)気候変動については、中国の対応、姿勢はなかなか厳しいものがあると受け止めました。ただ、公害対策、特に大気汚染の問題、水質の問題、廃棄物の問題、あるいは行政組織についても、日本が環境庁から環境省になったようなところについて、中国はまだこれからというところです。公害問題について皆さん非常に熱心ですし、非常に問題意識を持っていますので、我々は技術や資金についてもいろいろと考えなければいけないということを感じつつ、コベネフィットについてそれぞれの意向書に署名をさせてもらいました。これは最終的にバリ会合にもそれなりの影響があるかもしれないと受け止めています。

(問)中国の環境問題は日本にとってどのような意味を持つか、いろいろな部分で共通する課題があると思いますが、どのように受け止めていらっしゃいますか。 (答)直接の話でいいますと、例えば大気汚染の問題で、九州全体に光化学スモッグ等があり、越境の汚染物質である黄砂やオキシダントなどが影響しているということについては、日本は他人事ではありません。そういう意味では中国の公害問題に対して協力することは我がことでもあるというような位置づけでいいと思います。

(以上)

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