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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成19年11月27日(火))


1.発言要旨

 本日の閣議ですが、一般案件3件、国会提出案件19件、公布の条約2件、公布の法律4件、政令2件、人事案件、報告2件、配布1件です。
 環境省請議は、主請議2件で、「第三次生物多様性国家戦略の決定」と「環境基本計画の進捗状況の点検結果に関する中央環境審議会の方向について」です。共同請議は1件で、衆議院 笠井亮議員提出の築地市場移転問題に関する質問に対する答弁書についてです。
 私からですが、第三次生物多様性国家戦略を閣議決定いたしました。生物多様性国家戦略は、「生物の多様性に関する条約」の第6条に基づく「生物多様性の保全及び持続可能な利用を目的とする国家的な戦略若しくは計画」に当るものです。
 生物多様性を巡る問題は、近年、地球温暖化と並んで、その重要性についての認識は国際的にも一層高まりつつあることから、我が国として、生物多様性保全に係る各種施策をより強力に推進し、国際的なリーダーシップを発揮すべく、本戦略を閣議決定したものです。
 第三次となる本戦略は、私たちの暮らしを支える生物多様性の重要性や、近年顕在化しつつある地球温暖化の影響を記述するとともに、長期的な観点と地方・民間の参画の必要性を強調した上で、具体的施策を実施省庁を明記した行動計画として定めるものです。
 今後は、本戦略に基づき、本来豊かな我が国の生物多様性をより良い形で将来世代に引き継いでいくため、その保全と持続可能な利用に関する施策を政府一体となって進めていきたいと考えています。
また、11月22日に中央環境審議会から提出を受けました、「環境基本計画の進捗状況の点検結果について」の報告をいたしました。
 本報告において、全般的な評価としては、環境保全の取組の進展は見られるが、未だ課題を抱えており、各主体が連携し、施策の実効性を高める必要があると指摘されています。個別分野では、良好な大気環境の確保については、環境的に持続可能な交通であるESTの全国展開や、環境負荷の少ない物流体系の構築の必要性、健全な水循環の確保については河川流域や閉鎖性水域に関する取組について、各関係省庁の連携の必要性等が指摘されています。
 環境省では、今回の指摘を踏まえ、各種施策に率先して取り組むところですが、関係府省においても、より一層の取組を進めていただくよう、各閣僚にお願いをいたしました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)来年度の税制改正についてですが、自民党税制調査会が昨日総会を開き、いよいよ党内でも本格的な議論が始まるかと思います。環境省としては温暖化対策推進ということで、環境税を始め、バイオ燃料の非課税措置、省エネ住宅の普及促進などの創設を求めていますが、見通しについてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

(答)環境省は、環境税については引き続き最重要項目としてお願いをしているところです。また、E3等についても個別にお願いをしているところですが、今回、党税調がどのような状況で運んでいくかということは、我々もなかなか先が見通せないところです。来年、第一約束期間に入りますので、ぜひ党税調においても環境に配慮した税制について御議論いただき、実現できるようにお願いしたいと思います。私も個別にはそれぞれにお願いをしていますが、部会等でもそのような動きをしていただけるようですから、総合的にぜひ前に向けて進めたいと思っています。

(問)先週末、大臣の資産について、土地等の記述で訂正、追加があったということで届出をされたそうですが、この経緯について大臣の方からお話し願います。

(答)私の当選当初、資産報告のルールにおいては非課税の部分については記載する必要がないということだったので、非課税部分についてはそのとき報告をしていませんでした。この度大臣になったときに、内閣官房の方から、またマスコミの一部からも非課税部分についても報告すべしというような御指摘をいただきましたので、それについて全て名寄せをいたしました。公共の用に供しているところが主ですが、例えば道路の一部や下水の一部に供しているところ、それと、以前私が理事長をしていた学校法人の幼稚園に無償で貸している土地も非課税になっていましたので、そうしたところについて報告させていただきました。ただ、一部その中で課税の部分についても漏れているところがありましたので、それについても訂正をいたしました。全ての私の名義、あるいは共有名義について名寄せをして、その作業に1ヶ月半ほどかかりましたが報告させていただきました。
 基本的なところで言いますと、議員になる前と15年経った今とで財産の移動は全くありませんので、最初の報告のルールについて、我々の解釈と今の状況が変わってきたということが今回の訂正の一番の本旨です。

(問)生物多様性国家戦略ですが、数値目標をいろいろと盛り込んだことについて、大臣としてはどうお考えでしょうか。

(答)生物多様性については、COP10も含めて、日本は積極的に取り組むべしというようなことでもありますので、具体的な数値目標も含めて、あらゆるところで積極的 に取り組んでいきたいという表れだと御理解ください。

(問)今回は温暖化のことにも非常にページを割いて、生物多様性に与える影響について言及していますが、これについてはいかがでしょうか。

(答)生物多様性と地球温暖化は表裏一体のものでもありますから、温暖化によって様々な生物あるいは生態系に影響が及ぶということについては、我々としても非常に重く受け止めていますので、温暖化対策と同時に生物多様性保全という二つの目的に沿ってこれから取り組んでいかないといけないと思っています。

(問)オーストラリアの総選挙の結果についてですが、京都議定書の批准という見通しもありますが、どのような御感想をお持ちでしょうか。また今後、オーストラリアとどのように交渉を進めていかれるのかお伺いします。

(答)ハワード首相とは何回かお会いしたこともありますから、いろいろな意味で大変だったのだろうなと思います。ただ、京都議定書に積極的である方が首相になられたことについては、我々としては歓迎すべき部分もあります。特にオーストラリアは、次期枠組みにとっても主要な役割を演じていただく国ですから、そうした国の中で京都議定書に対して積極的な取り組みをしていただけるような方向になってきたことについては、我々としては意を強くしています。
 今回の選挙は、自由党と労働党との間の政策の中で、特に地球温暖化がかなり上位の政策として選挙の争点になったと報道等でも聞いていますので、いよいよこれから政策についても地球温暖化というものが重要視されるのだなということを今回つくづく思いました。

(問)12月のCOP13でバリ・ロードマップができるとして、例えばそこに2009年までにということだけではなく、2020年までに世界で25%から40%を削減というようなことを盛り込む議論があれば、日本としてはどのような立場を取るのでしょうか。反対するのか、それに参加するのか。

(答)我々は、COP15に向けて一つのロードマップをつくっていくことに、全ての国が参加していただくことが大前提です。もしそうした枠組みの中で中期目標について議論がされるのでしたら、それは歓迎です。ただ、その前の段階である、全ての国にポスト京都に向けての枠組みに参加してもらうことは、そんなに簡単ではありません。
 つい先日の東アジアサミットでのインドの様々な御意見を考えると、まず我々が初期の目標としている、ロードマップを合意して2009年までに次期枠組みについて合意するための議論に入っていくというプロセスすら、そんなに簡単なことではないと思っています。そうしたことがいち早く合意され、次の段階で総量あるいは数値目標の議論ができるような事態に直ちになるとは思っていません。ただ、そうしたことができれば大変結構なことだと思いますが、そんなに簡単ではありませんし、道のりは厳しいと思います。

(問)バリ・ロードマップで、どこまで入れば今回は成功だと思われますか。

(答)今回はボゴールで準備会合がありましたが、そこでは2009年までに合意することについて、ほぼコンセンサスは得られていると思っていますから、ここをまず固めることが第一です。日本はこの条約下で、全ての国が交渉する場をつくるということを提案しましたが、残念ながら途上国は別のトラックで議論すべきというようなこともありましたので、そこについてはある程度妥協した形での2トラックアプローチのようなものが固まればいいなと思っています。AWGと、全ての国が議論する場の2トラックアプローチまで辿り着ければ大変結構なことではないかなと思っています。日本はノンペーパーで、ビルディングブロックスを9つ表明していますが、その話の内容についても合意ができるような状況になってくればと思っていますが、それはこれからの交渉です。それから、全ての国が入るところでの交渉ができるのか、対話なのかということについて、我々は多少こだわっており、交渉ができる場をセットできるということに一つの目標を持っています。

(以上)

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