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大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成19年10月2日)


1.発言要旨

 本日の閣議ですが、一般案件3件、国会提出案件25件です。環境省請議については、参議院 喜納昌吉議員提出の環境省によるジュゴンの「絶滅危惧IA類」指定に関する質問についての答弁書の件です。
 私からですが、本日、第17回地球温暖化対策推進本部が開催され、「京都議定書目標達成計画の見直しに向けた基本方針」が了承されました。この会議において、私から基本方針の概要を説明しました。2010年度の排出量の見通しは、既存の目標達成計画による対策を実施したとしても、2千万トンから3千4百万トンの削減不足量が生じ、京都議定書の6%削減目標の達成が極めて厳しいという見通しになっています。今後、年内に既存対策に係る施策の強化、追加対策の具体化・定量化の検討を進め、年度内に政府として目標達成計画の改定を行う予定ですが、京都議定書の6%削減目標を確実に達成するよう、現行対策の着実な推進に加え、産業、業務、家庭、運輸部門等あらゆる分野において、法制度や予算・税制上の措置を含めた追加対策の具体化・定量化を、幅広かつ積極的に進めていただくことを各大臣にお願いしました。会議の最後に総理から、地球温暖化問題の国際戦略について、官房長官、経済産業大臣、外務大臣及び私の4大臣を中心に検討を進めること、また、京都議定書の6%削減目標達成のため、この4大臣に加えて農林水産大臣、国土交通大臣、財務大臣も参加して検討するようにとの御指示がありました。
 また、「1人1日1kgのCO2削減」を進めるための「私のチャレンジ宣言」に少しでも多くの方に御参加いただけるよう、この運動を応援していただける企業を募っております。これまでに110社に協賛企業になっていただいておりますが、本日、17社からの協賛のお申し出がありました。これからも御協賛いただける企業には、ぜひこの運動に参加していただきたいと思っています。詳しくはお手元の報道資料を御覧ください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問) 地球対策推進本部についてですが、これまで4大臣会合というものがあったのですが、今、4大臣を中心に対策を考えているとお話がありましたが、要するに4大臣会合は残るということなのでしょうか。

(答) そうです。本日の総理の御指示は、国際戦略全体を見ていくにはこの4大臣会合でやるということです。加えて6%削減達成のための国内的な問題については、7大臣でお願いしないといけない部分がたくさんあるので、例えば業務部門や運輸部門、家庭部門など、いろいろなところに働きかけていただくのに7大臣にお願いするという趣旨の発言がありました。

(問)環境省としては家庭部門の排出削減が求められると思うのですが、今、何か考えていらっしゃることはありますか。

(答) 先ほど申し上げた話の中で、例えば「私のチャレンジ宣言」などもそうですが、国民運動的にやっていく中には、来年度の概算要求の中にも省エネ家電等の買換え促進などもありますから、一つ一つできることから国民運動を展開していこうと思っております。環境省だけではなかなかうまくいかない部分もあるので、加えて各大臣にもお願いしたいということです。
 本日の温暖化対策推進本部の後に官房長官から、「1人1日1kgのCO2削減」のための「私のチャレンジ宣言」をやられていない大臣もいらっしゃいますから、そういう方々にも是非加わっていただき、加えて所管の職員の皆さん、あるいは関係の所管分野にも協力していただきたいという話も出ておりました。総合的にできることから全てやるということだと思います。

(問)7大臣に財務大臣が加わっていますが、財務大臣の役割はどのようなことになるのでしょうか。

(答) これからの話になるのでしょうが、例えばグリーン税制などを含めた税制上の措置も追加対策の中に入っており、マグニチュードの大きい話ですので、やはり財務大臣に加わっていただくということは極めて重要なことだと思います。

(問)7大臣会合、4大臣会合について、次にこの日に開くなどの近々の予定などは入っているのでしょうか。

(答) 今日から始まったものですから、まだ具体的には決まっておりませんが、私としてはできるだけ精力的に、年内にも相当前に進めていかなくてはいけないと思っていますので、何回か開催していただきたいと思っていますし、そのように働きかけたいと思っています。

(問) 特に家庭部門の対策ということで、新エネルギー、太陽光発電などの導入の効果が大きいと思うのですが、7大臣会合というのはいろいろな分野で連携できるということですから、例えば今、RPS法の数値目標が非常に低すぎるというのが導入の壁になっていますが、数値をもっと高く引き上げるように大臣として訴えかけていかれたりされるのでしょうか。

(答) 中身について具体的にどうするかということは、事務的な折衝もまだ始まっていませんのでこれからですが、少なくとも6%削減は極めて厳しいというのは共有されている部分だと思いますので、そこで具体的に何をどうするかという話はこれからやらせてもらいたいと思います。環境省あるいは環境大臣としては様々な分野で是非多くの大臣に、あるいはその所管の分野で協力してもらうよう要請していくことだと思います。具体的に何をするのかという話については、まだ今日立ち上げるということになったばかりですから。

(問)大臣が心の中に持っていらっしゃる、これだけは実現させたいというようなものはございますか。

(答)概括的な話は2回目の就任の際に申し上げたことです。目標達成のためにやれることは全てやるという心意気だけは理解しておいてください。

(問)先週末にワシントンで開催された会合について、大臣としてはどのような受け止めをされていらっしゃいますか。

(答) アメリカから積極的に地球温暖化対策に参画していこうという趣旨が出てきたことは極めて重要だと思っております。全体的に言えば、長期目標として我々が提唱している「クールアース50」については、概ね皆さんの考えが共有されたのだろうと私なりには理解しています。ただ、短中期目標については、それぞれいろいろな話が出たようですから、そこのところはなかなか難しい部分があり、まだまだ乗り越えなければならないところがあるのでしょうが、少なくともアメリカがかなり積極的に、新たなポスト京都の枠組みの中に参画する、あるいはその中で主導的な役割を演じるということにおいては極めて重要な会議だったと認識しています。

(問)ブッシュ大統領が言った2009年末を目指すということについてはどうお考えでしょうか。

(答) 具体的にはバリのCOP13でロードマップ等が議論されるのでしょうが、アメリカなりには2009年にというようなことをおっしゃったと聞いています。ただ、途上国、新興国、先進国それぞれの立場がありますので、その枠組みが崩れないために、日本はつなぎ役のような役割を果たしていかなくてはいけませんので、2009年にきちんとした形で方向性が出てくれば大変結構なことだと思いますが、それに向けて日本としての役割をきちんと踏まえていなければいけないだろうと考えます。

(問)「美しい星50」という言葉はもう使わないのでしょうか。

(答)いえ、使います。昨日の総理の所信表明演説でも「美しい星50」という話は一言出てきます。

(問)今、大臣も「クールアース」とおっしゃったので。

(答)「美しい星50」というより、「クールアース50」と言った方が喋りいいので。同義語だと思っています。

(問)福田総理の新しいキャッチフレーズなどはこれから出てくるのでしょうか。

(答) 特別今のところは話はありませんが、ただ、私に御指示いただいたのはストック型社会の構築です。その象徴として200年住宅というような話がありましたが、ストック型社会というのが出るのか出ないのか、それについて総理から今日は特別、何の言及もありませんでした。やはり大量生産、大量消費、大量廃棄のようなやり方には当然限界がありますから、使える物、あるいは環境負荷の少ない物についてはできるだけ長く使い続けるというような考え方は、こらからどんどん世の中は変わってくるだろうと思っています。その一つの考えとして、持続可能な社会なのか、ストック型社会なのか、何らかの形で私も提案したいと思いますし、総理からもそうしたことについて、是非国民に向けてお話いただきたいと思います。

(以上)

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