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大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成19年9月26日 専門紙)


1.発言要旨

 再度お世話になる鴨下です。どうぞよろしくお願いいたします。

2.質疑応答

(問)再任ということになりましたが、その御感想と、福田内閣における環境行政の方向性がどのようになるかということをお聞かせ下さい。

(答) 感想としては、私は8月27日に安倍総理から環境大臣を拝命して、本当に一月弱でありましたので、思いはたくさんありましたが、全く結果を出せずにこのまま終わるのかなと思っておりました。しかし、再び福田内閣において指名をいただきましたので、私自身は環境問題に対して取り組みたいことが山ほどありますので、たいへんありがたいと思っております。加えて、来年の洞爺湖サミットに向けてさまざまなマイルストーンがありますから、バリのCOP13、あるいは5月の環境大臣サミット、こういうことも含めて一つ一つきちんとこなしていきたいというふうに思っています。
 それから福田内閣における環境問題については、総理になる前の総裁選の中で、福田総理はたいへん環境問題について研究なさって、特にストック型社会についてお触れになっていますけれども、私はあれを聞いて、この総理は環境に対して非常に意欲を持ってらっしゃるというふうに考えて、我が意を得たりと、こういうような認識がありました。ですから今回も、昨日環境大臣の御指名をいただいたときに、福田総理からいくつか御指示があったのですが、一つは、地球温暖化問題についてということで、京都議定書削減目標の達成ということと、2013年以降の新たな枠組みについて積極的に取り組んでもらいたいということをいただきまして、やはり非常に環境に関心の高い総理だということを再確認いたしました。もう一つは、今申し上げたストック型社会を構築してもらいたいと、こういう二つの大きな御指示をいただきましたので、それを私どももしっかりと実現していきたいと思います。

(問) この一連の政局の混乱というのが、ある意味では国際的にも、国内的にも、出足を挫いたということは否めないと思うんですよね。まず国際的なことなのですが、昨日まで国連のハイレベル会合がありましたが、そういうところにも森元総理が行くという非常事態の影響があると思うのですが、常々、大臣は、国際的にリーダーシップを取るのは環境問題ではないかとおっしゃっていましたが、この出足を挫かれた形のところでの巻き返しも含めて、どういうふうにお考えになっていますか。

(答) 民主主義の国ですから、政治というのは民意を反映して行われるわけで、与党と野党がそれぞれ衆・参でねじれている、こういう状況の中では致し方ない現実だろうと思います。ですから、政治がリーダーシップをとってやるということですけれども、意見が合わなければ、やはりその意見を調整するという国内的なところに精神的なエネルギーを使わざるを得ない。その分だけ国際社会の中で存在が薄れていくということは国民が選択することですから、仕方がないといえば仕方がないのですが、それぞれ与えられた役割の人間は、そういう制限の中でも最大限の努力とパフォーマンスを示さなければならないわけですから、今回は残念ながら安倍総理が突然の辞意ということで、本来は安倍総理が行くハイレベル会合だったのですが、森元総理がいらしたと。そういう意味では、存在感があったか無かったかというと、それなりに主張もしたし、存在感はあったんだろうと私は思います。私もテレビでしか拝見しませんでしたが、潘事務総長と森元総理が、やあやあと言って握手をしている姿なんかを見ますと、元総理がいらしたということでもある意味で役割を果たしていただいたんだろうと思っています。森元総理が主張していただいた中に、コ・ベネフィットアプローチが非常に重要だという観点からお話しいただいたというふうに聞いていますが、こういうことが、日本が考えた概念でもあるわけですから、どんどんそういうことを主張していくことで、少しでも与えられた制限の中でやっていくということなんだろうと思いますね。

(問)大臣御自身が出席する国際会合みたいなものは、今後の御予定では、何か直近のものはありますか。ライスさんのものも直近でありますけれども。

(答) まだはっきりとした話ではありませんけれども、私が行くという話でもないんだろうと思いますが、ライスさんのワシントンで行われる会合については、外務省ないし環境省から誰か代表を送るということになるんだろうと思います。これはもう、今日・明日の結論になるわけだから、ペンディングになって、今から結論が出るはずです。

(問)国際的なリーダーシップは、巻き返しはできるだろうというお考えでしょうか。

(答) 日本のノウハウは蓄積されているわけですから、京都議定書の段階での国際的な枠組み、あるいは環境技術、そういう意味で言うと、日本はまだ環境先進国だと私は確信していますので、それをきちんとした形でアピールして、リーダーシップを取れると思います。

(問) 国内対応という意味で、先ほど大臣も、民意だから致し方がない部分があるということをおっしゃいましたけれども、粛々とやっていかなければならない目達計画の見直しとかもあると思いますが、実際に来年から第一約束期間が始まるわけですけれども、その辺のところはいかがですか。

(答) 福田総理からの御指示の中に、京都議定書温室効果ガス削減目標の達成というのがありますので、これは約束期間内で達成するという非常に強い気持ちをお持ちだと私なりに解釈しています。それは逆に言うと、例えば産業界含めて各セクターに対してしかるべき働きかけをしろということだろうと私なりには理解していますので、目標達成のために様々な方法、行政的な方法もあるでしょうし、国民運動的なこともあるでしょうし、税みたいなこともあるでしょう。それから今、環境省が試みでやっていますキャップアンドトレードのような形を、少し広義にと言いますか、裾野を広げることも含めた、いろいろな方法を駆使してやれということだろうと、私なりには理解しています。

(問)「美しい星50」は、基本的には変わらないですよね。

(答) 「美しい星50」は安倍総理が提案なさったわけですが、日本の約束でもあるわけですから、それを目標に来年の洞爺湖サミットまでしっかりと主張し続けるという原則に何ら変わりはありません。

(問) 道路特定財源の話なのですが、福田総理は従来の閣議決定方針に対して異論を持ってらっしゃるようにお見受けするのですが、そうすると環境省は、来年度の税制改正要望でも、道路特定財源の見直しを要望されているわけですが、その辺の環境大臣としての取り組み方をお聞かせください。

(答) おっしゃるとおり、今、道路特定財源の一般財源化の話が議論されていますが、特定財源の中でも環境に関わる使い方というのはもっとできるのではないかと私も考えています。ですから、今それぞれ、国土交通省にはそれなりの御主張もあるし、環境を考える議員の皆さんにもいろいろな考えがありますけれども、私は、環境の事業を広げていくためには財源が必要だと思います。その財源の一つの分野としては、極めて重要な財源だろうと思っておりますので、福田総理も漠然とはそういうことをお考えになっているのかどうか、確認はしておりませんけれども、是非、重量税・揮発油税含めて、やはり環境負荷という意味では、運転する人も、道路を使う人も、なんとなくそういう意識があると思いますから、きっと環境に使うということには御理解がいただけるのではないかと思っております。加えて、私は先頭に立って、環境のために少し使わせていただくということには、戦っていきたいと思っています。

(問)バイオ燃料、E3については、その後どういうふうになっているでしょうか。

(答) この間お話ししたとおりですが、ある意味で一長一短がありますので、それだけで解決できるんだろうかといういろいろなハレーションが起こっています。食料や小麦の問題などですね。ですから、一つのブレイクスルーの技術なんだろうと思っていますが、いろいろなところにさまざまな影響が出てくることも勘案しながら、しっかりとその分野ももっと宣伝していかないとと思います。例えばセルロースから直接作るような技術が確立すれば、いろいろと途上国等に迷惑をかけないで済むことにもなるかもわかりませんし。

(問)ストック型社会と言われましたが、それは環境政策的に言うと今後どういうことをしていきたいということなのでしょうか。

(答) 福田総理は住宅の話を中心になさったんだろうと思っています。いわゆる200年住宅で、スクラップ・アンド・ビルドではなく、一度建てたら200年使えるような高品質なものを造って、それによって廃棄物等が出ないような社会を作りたいということだろうと思いますが、私なりにやや広義に解釈しまして、環境負荷の少ない、物を大事に使うというふうに解釈をしています。前に、30年くらい扇風機を使い続けていた高齢の方が、その扇風機で火事になってということがありましたよね。30年間手入れしながら使い続けるということは、前は美徳だったのでしょうけれども、今はもっと環境負荷の少ない物が、例えば電球でも、家電でもありますから、より環境負荷の少ないものに買い替えていただきつつ、ストック社会にしていくというようなことを考えていますので、今のままストックされてしまうとなかなか解決できない部分もあるんだろうなと思っていますから、そこの辺りは両々あいまって前に進めていきたいというふうに思います。

(以上)

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