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大臣記者会見・談話等

若林大臣記者会見録(平成19年6月8日)


1.発言要旨

 本日の閣議ですが、一般案件は2件、国会提出案件は39件、法律公布4件、政令3件、人事と資料配付が1件です。環境省の主請議、共同請議ともありません。法律の公布で、食品リサイクル法が国会で成立し、その公布を決定いたしました。
 私からは以上です。


2.質疑応答

(問)サミットで、2050年に温室効果ガスの半減を検討することで合意したことについて、お考えを聞かせていただけますか。

(答)既に報道されているとおりでございますけれども、安倍総理が5月24日に発表した新提案をバイの会議で主要国に伝えてまいりましたが、サミットの場においても総理から日本の提案を説明されて、これについていろいろな意見が出されながら、かなりイニシアチブをとって会議が進められたというふうに聞いております。その会議で決められた内容は少し長くなりますから省略をします。それぞれの新聞で報道されている骨格のとおりでございます。結局、G8の首脳間で、ここで共通の認識をもつ、合意に達するということを重視して、それぞれの国からいろいろな主張はありましたが、伝えられているような形で決定をみたということでございます。担当大臣としては大変満足をしております。来年の議長国になるわけですから、ドイツのメルケル首相と気持ちを合わせて、主導的な立場をとってこれを取りまとめ、来年につなぐということになったと考えております。

(問)洞爺湖サミットでは、特にどのようなことにこれから力を入れていきたいとお考えですか。

(答)一気にそこまではいかないんですよね。この秋にはG20がありますし、さらに国連の事務総長が呼びかけて、9月の下旬と聞いておりますけれども、主要国と非公式夕食会の場を設けて、事務総長がそれぞれの国の協力を求めるという場があります。そして12月にはCOP13、バリ島での世界会議がございます。今度のサミットで、バリ島での世界会議にはすべての国が積極的に参加することが大事であって、積極的かつ建設的に参加をするよう全締約国に呼びかけることが決まっています。ですから、このバリ島の会議ですべての締約国が積極的かつ建設的に参加するということがあり、そこでの議論が非常に大事な意味合いをもつだろうと思います。また、メルケル首相がプレスにお話をしたのではないかと思われる報道がありまして、その議論の枠組みの中で、今後は環境大臣のところでしっかり詰めてもらうということを言っておられますから、バリ島の会議の後のG8環境大臣会合は、もちろん日本で開かれるわけですけれども、そこでの会合が、実質的な意味合いをもつ重要な会合になると思います。それから洞爺湖サミットの場につないでいくということになります。今回ももちろんそうですが、例えばシェルパを通じて、主要国間の事前のペーパーのやりとりやディスカッションが活発に行われるのですが、そういうプロセスは相当時間がかかりますよね。私の思うところ、12月のインドネシア、バリ島での全体会合後、引き続き洞爺湖サミットまでかなり緊張したやりとりの積み重ねになると思います。
なお、アメリカが提案した主要排出国15カ国の会合については、そこでの会合が国連の、つまりCOPを補完するものとして有効に機能するだろうという評価をしているわけで、アメリカの主張もそういう形で採り入れ、EUの具体的な主張はEUが下りたわけですけれども、長期目標として少なくとも半減をするというEU、カナダ、日本の決定というものをそこで具体的に明らかにした上で、それは重要な意味があると評価をしたということです。
ですから一言で、洞爺湖サミットはどうかと言えば、とにかくまとめるということですよね。主張が具体的に言えばまだだいぶ開いているし、特に中期目標、2013年以降の枠組みをどうするかということについては具体的に何も決められていないわけですから、京都議定書以後、2013年からの次期枠組みをどうするかということが大きな課題になります。

(問)そうすると、あくまでも中心はCOPというか、国連の場になるという認識でよろしいですか。

(答)そういうことを確認したと理解しています。

(問)国連のUNFCCCも声明を発表して、昨日のG8の合意を高く評価しているのですが、2009年までに枠組みを作るということも合意をしていますよね。これについて、日本は今まで2010年までにという話で進んでいたのではないかと思うのですが、2009年はEUが主張していた最も早い合意の時期だと思うのですが、この辺で日本はスケジュール的に変わってくるところはあるのでしょうか。

(答)あの合意は、2009年までに決定をするというふうに決まったわけではないと理解しています。そういうことを目標にして話を進めていくということについて、特に日本は異論を差し挟まなかったということでありまして、2009年の末までに何が何でも決めるんだということで合意をしたというようには受け取っておりません。決まれば結構なことですよね。余裕ができるのですからね。決めてはいけないといっているわけではないが、決められないかもしれない。それは交渉ごとですから。
正確な文章ではないのですが、2009年までのグローバルな合意に貢献するであろう、と書かれています。そのために必要な内容を検討すべく主要排出国が引き続き会合を行う。本年後半に、米国がかかる会合を主催することの申し出を歓迎する、という文章になりますね。

(問)2008年までに主要国で何らかの方向性を見いだすということも書いてあると思うんですけれども。

(答)2008年末までに、新たなグローバルな枠組みのための具体的な貢献を行うことが決定的に重要であると指摘しています。

(問)そのために、来年の洞爺湖サミットでこういったところは決めなければいけないなという、大臣のお考えはありますでしょうか。

(答)まだありません。まさに交渉ごとですからね。G8の中には中国やインドは入っていませんよね。呼ばれていますから、意見交換はしてきたわけですし、中国は中国で自分の姿勢というものを発表していますが、これはいわゆる京都議定書にあるような、義務を伴うキャップをつけることを了解しているわけではないですから、非常に幅があるわけです。そういう中国やインドが、どういう形で参加をすることになるかというのがポイントです。もちろんアメリカも参加をすることは決めたのですが、数量的に義務を負う形での約束は合意していないわけですから。これからですね。
  そういう意味で、安倍総理が言われた「美しい星50」というのは、色々な言葉のあやはあるかもしれませんけれども、2050年までの長期的な目標として半減をすると、そこのところは、少なくともとかいうことがあったり、基準年がどこかはっきりしていないとか、いろいろと言われています。基準年を明確にしないまま、2050年で少なくとも半減するという言い方で決められている。それから、義務を伴うか否かを含めた中期的な目標については具体的に何も言われない中で、よく協議を続けていきましょうと言っているわけで、すべての国が参加できるような枠組みを作るんだということも、御承知のように三つの原則の中の一つですし、多様で柔軟な枠組みであるいうことも原則の中に入っています。
  これは、様子を聞かなければわかりませんけれども、安倍総理が全体を取りまとめるために議長国ドイツのメルケル首相と呼吸を合わせて、米国との間をつなぎ、あるいはEUとの間をとりもって、相当積極的な発言をされて、最終的な合意の筋書きというのは、私の理解では「美しい星50」の中で提案をした枠組みの中で決められているという意味で、非常に高く評価している、喜ばしいことだと思っております。これを洞爺湖サミットまで続けて、具体化していくというのは、とても高いハードルをいくつも越していかなければならないですよね。しかも洞爺湖サミットでどこまで決まるか、できるだけ集約されていれば、後の最終合意が楽ですし、そこでうまく集約されなければ最終合意まで手間取ってくるので、2009年という先ほどの話がその中でできるかどうかですね。

(問)今後は日本の提案というよりも、日本は何をするのかということもかなり問われてくるのではないかと思うのですが、その点については今後どのように進んでいくとお考えでしょうか。

(答)国会でも繰り返し申し上げてきたのですが、世界全体で温暖化ストップをかけるということで長期目標を出しながら、一体日本はどうするのか、どのくらい考えているのかということは盛んに言われるのですが、日本は議長国ですからね。議長国がこうします、と言ったのではまとまりません。議長国として全体を取りまとめるために、日本は相当な責任を負うことになるだろうという外部の期待とか、いろいろなものがあるでしょう。そういうことを前提としながらも、日本がどうするかというバランスですよね。日本は少なくとも半減と決めているわけで、アメリカや、おそらくアメリカを超えて最大の排出国になるであろう中国、世界第4位の排出国であるインドなどがどの程度負担をしていくかということとのバランスです。そういう意味で、内部的にはいろいろな検証をしながら詰めていかなければいけない。数字も含めて腹構えしていかなければいけないと思うけれども、日本はどうするんだ、こうします、なんていうわけにはいかないと思います。そういうものを出さないのは説得力がない、だめじゃないかとよく言われますが、G8の場でもそういうことを言われたことはないようですし、やはりそれほど、それぞれの国の置かれた状況というのは多様で、複雑で、深刻なのだと思います。

(問)日本は先進国として、それ相応の負担は担うという方向ではあるのでしょうか。

(答)言ってはいませんが、イニシアチブを取りながら全体をまとめてきたわけですから、全体をまとめながら日本はできない、というわけにはいかないでしょう。着地がどこかというのはわかりません。

(問)2050年半減ということになると、途上国と先進国で同じにはならないと思うのですが、日本は半減以上、70%、80%ということになり、これは大変な数字だと思うのですが。

(答)50%でも大変な数字だと思います。長期の数字は世界全体の数字ですから、50%に合わせて60%と40%にするという話にはならないと思います。やはり中期の目標をどう決めるかということで大きなことになるのではないでしょうか。ただ、長期は産業構造、社会構造をどう描くかということと非常に密接ですから、率直に言って、50年先の社会構造を見通して前提に置いていろいろな作業をしなければいけないという点では、膨大な作業を要することになると思います。

(問)中期をどうするかというのは、中期の世界全体の目標をどうするかということでしょうか。それとも個別の国の目標でしょうか。

(答)全体がなければ個別もないですよね。今の京都議定書で言えば、先進国で5%です。それを8%、7%、6%と開いて、京都議定書の上では、全体平均して5%ということで出しています。ただ、ナショナルキャップにするかどうかもまだわかりません。セクター別の原単位方式をどう組み合わせるかとか、そんな問題にもなってきますからね。

(問)2050年に半減という日・EU・カナダの合意について真剣に検討する、という文言について、弱めているのではないかという意見があるのですが、それについての評価はいかがでしょうか。

(答)立場の違う各国の首脳が話し合った結果の合意ですからね。そこまでしかいかなかったということでしょう。しかしこれは、少なくとも米国が加わっての話ですから、日、EU、カナダが数字を入れた長期目標をそれぞれ決定したということを、重く受け止めたということはあるんですね。それは重要なものとして検討すると言っているわけで、無視はできなくなったという意味で、これが始まる前のアメリカの姿勢を思うに、大変な前進だと思います。

(問)民主党が、安倍首相の電球の広告を批判していますが、それについてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

(答)今日、衆議院の環境委員会の民主党の筆頭理事である末松議員が、外務委員会で質疑をするようですね。今日は事務方答弁でいいということで、地球環境局長が答弁をします。どういう問われ方をするかにもよりますが、少なくとも、政治的な選挙運動ではないかということは、それは当たらないと思います。これは、小泉内閣のときに地球温暖化対策推進本部で、チームマイナス6%というものが決定して、チームリーダーには当時、総理が当たるということで小泉さんがチームリーダーになり、環境大臣がサブリーダーになるということで小池さんがサブリーダーになって、その時も新聞で、小泉さん、小池さんがそれぞれ新聞でアピールしてきたわけで、今度初めてやったわけではないですしね。いろいろな事情があって若干ずれ込みましたが、我々は12日にも、全体ではなく特定の新聞ですが、総理も私も出て、チームマイナス6%の中で国民にクールビズのアピールをすることにしています。

(問)直接関係はないのです、事業譲渡を含めて、コムスンの対応についてなのですが。

(答)私はわかりません。


(以上)

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