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大臣記者会見・談話等

若林大臣記者会見録(平成19年3月9日)


1.発言要旨

 本日の閣議ですが、一般案件10件、国会提出案件15件、条約の公布が1件、法律案8件、政令2件、人事、あとは報告が1件です。
  環境省の主請議が3件ありまして、法律が2件です。一つは、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、もう一つは、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案です。三つめは、循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第3回点検結果についての報告です。いずれも昨日事務次官が皆様方にご説明をし、内容及びこれについての考え方をお話ししたと承知しております。何かご質問があれば、後でお受けしたいと思います。
  それから今日の閣議で、エネルギー基本計画の改定について経済産業大臣から報告がありました。これは3年に一度見直していくものですが、今回の改正は、原子力発電の位置付けと、自然エネルギーの活用が盛り込まれています。その他に、環境への配慮といったことがあり、柱としては石油等の安定供給の記述が充実されたということです。
  私からですが、ご承知のように昨年はたいへんクマの出没が多く、結果としてかなりのクマが捕殺されました。その意味で、例年行っているいわゆる春クマ狩りを自粛するようにという意見が国会の中でもありました。いろいろと識者の意見なども聞きましたけれども、やはり異常に捕殺をした結果として、資源保護などとの関係も考慮して、この春クマの適切な保護管理について一層推進するようにということを、各都道府県主管部宛に担当部局から通知を致しております。この後、事務的なご説明を致します。
  国立・国定公園の指定及び管理運営に関する提言についてですが、今年は自然公園法制定50周年にあたり、国立公園制度が発足して75年が経過したことを踏まえ、昨年から、国立・国定公園の指定及び管理運営に関する検討会を設けて検討を続けてまいりましたが、今日、その検討会の提言がまとまって午後に提出されますので、14時メドでプレスの方々にご説明をする運びで考えております。
  以上です。


2.質疑応答

(問)来週の環境大臣会合について、出席の見通しと、日本として今回提案する特段の内容などがあればお聞かせ下さい。

(答)まず私の出席については、衆・参両国対や、環境委員会にそれぞれ説明をして、是非ともご理解いただきたいということで調整中です。ちょうど参議院に予算が回ってきて、参議院で、15日の公聴会の日を利用して所信に対する質疑をするなど、いろいろ立て込んではいるのです。私が行くとすれば15日に出て、16日と17日の会議ということになるのですが、所信に対する質疑はどうするのかとか、予算との関係で混み合った日程をどう調整するのかといったことがありますから、なお与野党間で協議中ということになっています。
  今度の会合は、言ってみればジャブを交わすような形で、お互いがどういうような認識でいるかのすり合わせをするわけですが、テーマは二つあります。一つは、生物多様性条約に基づくもので、生物多様性の問題について協議をすること。もう一つは、地球温暖化の次期枠組みをどうしていくのかということになると思いますが、お互いができるだけ共通の認識に立った上で、これからの検討の方向を協議の中から見出していくということで、G8サミットの主要な議題になるという前提です。サミットで地球環境問題がどういう形で取り上げられ、どのような方向付けをするかということについて、環境担当大臣レベルでの協議をして、お互いがどういうことを考えているかのすり合わせが主な公式の議題です。ただ、他にバイ会談の申し出もありますし、こちらも申し出をしております。G8+5ということで、中国もブラジルも出てきますから、非常に有効な、お互いの意見交換の場だと考えております。

(問)バイではどういう国と話されるのですか。

(答)例えば中国とバイのセットができれば、中国の経済発展計画に伴って、エネルギーの消費がどうしても多くなりますが、それを中国側はかなり積極的に抑制しようという努力をしておられることを評価しながら、それがどういう効果を生んでいるかといったことや、今後どのように取り進めて行こうとしているか等についてお聞きしたいです。
  アメリカはこの間のケニアでもバイで話をしましたが、ブッシュ政権としては固いですね。今の京都議定書の枠組みに乗ってくることについて、多くを期待するのは難しいと思います。議会がいろいろな動きをしていますが、触り方が難しいですね。議会の動き等の話を持ち出しても決して実りのある話にはならないので、アメリカとの間でそういう話の機会が得られれば、とにかくアメリカが乗ってこないことには、途上国側、特に中国やインド、ブラジルなどもこの枠組みに入ってもらえないので、世界がそれぞれの国の事情に応じて次の枠組みの協議の合意を得るようにするためには、アメリカに入ってもらわないと成り立たないという趣旨のことをお話しして、よく考えていただくように働きかけをするということだと思います。


(問)昨日の環境立国戦略の第2回会合ですが、西村大使から日本の座標軸をというようなお話もあったのですが、大臣のご感想と、今後の見通しがあればお聞かせ下さい。

(答)まさにそういうことですね。一体、日本がどういうような方向で臨んでいくかということを明確にしなければ、日本から発信する温暖化への姿勢というのは伝わっていかないということです。ただ、あまり張り切って言っても、伝わったらわかってくれるというわけでもなく、はね返されたらそれでおしまいということでは仕方がありません。やはり合意を作り上げていくということで、来年は日本が議長国だということも常に念頭に置かなければならないので、格好いい話を日本が発信すればそれでいいというわけにはいかないと私は思っています。日本が議長国として取りまとめの立場になり、いろいろな国の皆様方が積極的な取組をしていただけるような条件作りのために、日本はどういう姿勢で臨むかということだと思います。西村さんは現場で大変ご苦労なさっているし、すべて熟知の上でものを言っておられるので、私は絶対の信頼をしております。

(問)クマについてですが、大臣の地元の長野県では春クマ猟も必要ではないかという議論もありますが、どう思われますか。

(答)そういう議論もあります。私が聞いている限りでは、原則的には今年はやらないということです。ただしそれは原則ですから、審査会で個別に事情を聞いて認めることもあるというような決め方をしたと聞いています。各県の模様などは、この後事務方が説明をしますから、聞いて下さい。

(問)それぞれの地域の事情は各個考慮するということですか。

(答)これは行政的措置としては担当課長レベルのお願いの連絡文書で、あくまで都道府県が自治事務として行っている事務に対するお願いですから、都道府県のご判断なのですが、ご判断に当たって、環境省としてはこういうような認識でおりますのでその点をよく考慮した上でご判断下さい、というスタイルになると思います。

(問)一昨日、新潟県の水俣病認定審査会がようやく再開されましたけれど、早くもお二人の認定の見通しが出たということです。新潟水俣病発生から今年で42年目になると思うのですが、42年目にして認定患者がまた二人出てこられるということについて、環境相としてはどう受け止めておられますか。

(答)まだ審査会の審査の状況等について中味を聞いておりませんが、ただ、ここまでご助力いただいて審査会がまた動き出したことについて、関係者のここに至る努力を私は非常に高く評価しております。これはいろいろな事情があって止まってしまったわけですから、42年というお話がありましたが、止まっていたことや、だいぶ間をおいて再開したことはおかしいとも思いませんし、再開できたことは、関係者の努力として、多としたいと思っています。

(問)今朝、与党のPTがありまして、できれば6月中にも救済策をまとめたいという申し合わせみたいな形になったようですが、いかがでしょうか。

(答)当初から与党PTは、急ぐべき事柄であり、新年度に入ったらすぐに調査にかかって、中間的な段階でもいいからなるべく早くとりまとめをして、これは救済策を講ずることが前提として調査があるわけですから、それに結びつくような意味で早めに調査結果のとりまとめをしようということは聞いております。来年度の概算要求との関係などを考えれば、少なくとも6月頃には調査結果のとりまとめをしないと次に繋がらないでしょうね。

(以上)

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