本文へジャンプ
ここから本文
環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

若林大臣記者会見録(平成19年1月23日)


1.発言要旨

 本日の閣議ですが、一般案件2件、政令2件、人事案件と配布でした。環境省関係のものはありません。
 一般案件は、「都道府県の国民の保護に関する計画の変更について」の決定と「規制改革推進本部の設置について」の決定で、政令はこれらの関連の組織令の改正に関するものでした。
 それぞれ各大臣から外交案件の報告などがありました。
 閣議は、26日は9時から官邸で行い、30日以降は国会が始まるので、9時から院内で開催すると決められました。
 閣議後、総理から話をしたいことがあるという連絡があり、総理の時間待ちをしていましたので少し戻りが遅くなりました。先日、総理はEU各国を回り、その後、東アジアサミットに出席されましたが、これらの国での会議で環境問題の重要性が論じられ、地球温暖化への対応として日本にも積極的な国際貢献を果たしてもらいたいという趣旨の要請を受けているということ、また、国内的にも地球温暖化を始めとする3R、環境対策の重要性に鑑み、柱立てをして、例えば、21世紀環境立国戦略というような打ち出し方をして、世界及び国内の環境政策についてコンパクトに整理した上で政策の強力な推進を図ってもらいたいというお話がありました。総理との会談時間は15分ぐらいで、こうしたお話を巡って意見交換をしました。
 タイミングとしては、2007年は大事な年になります。今年はドイツでG8サミットが開催され、地球温暖化も大きな課題のひとつになります。その前に環境大臣会合が開催され、G8サミット後には、アメリカも入っての会議であるG20がドイツで開催されます。ここで気候変動の対話が行われ、整理がされると思います。また、すでに報道されていますが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書の第1作業部会が2月早々にあり、第2作業部会が4月、対策に関する第3作業部会が4月か5月頃という予定があり、今年11月の総会では、全体を統合した報告書の採択があります。これによって、科学者及び政府レベルでの気候変動についての共通の認識、統一した姿勢が決まってきます。それを受けて12月にはインドネシアでCOP13が開催されます。来年は日本が議長国になり、G8の気候変動の対話協議があり、引き続き、環境大臣会合を日本で主催し、夏にはG8サミットを開催します。その年の暮れにはCOP14が開催されます。まだ開催場所は決まっていませんが、ポーランドがやると言っていますので、ポーランドになるかもしれません。並行して、地球温暖化の枠組みについて世界的な手順が踏まれていき、世界的な重要な合意がなされる年になるということを総理にも御説明しました。そういう意味で総理の御指示は時宜を得たものとして私もしっかりと受け止めていきますというお話をしました。
 それと、総理から直接指示があったものではありませんが、急遽、パリで開催されるレバノン支援国国際会議に出席してきてほしいというお話があり、明日出発し、25日の会議に出席し、その日の午後のフライトに乗り、施政方針演説に間に合うように帰ってくるということです。1泊3日の強行日程で出掛けてきます。
 また、高病原性鳥インフルエンザ発生の野鳥調査の実施についての資料をお手元にお配りしていますが、このような現地調査を実施し、万全を期していきたいと思っています。
 私からは以上です。


2.質疑応答

(問) 本日、総理からお話があった21世紀環境立国戦略ですが、指示を受けたばかりだということですが、実際、環境省としてどのような体制で、何をやっていこうとお考えでしょうか。

(答) 京都議定書の第1約束期間が来年から始まるわけで、その前提として今、最終的な準備の確認、詰めを行っています。京都議定書の約束であるマイナス6%をどうしても達成することがすべての出発点ですので、これをしっかりと固めていくことが第一です。関連して、総理が回ってこられた途上国の問題については、途上国の環境支援対策について、どのようなことができるのかを整理して、温暖化への対応をしなくてはいけないということです。次はやはり3Rイニシアティブの推進で、循環型社会形成推進基本計画を見直すことになっています。国際的な取組としては、廃電子機器などの循環資源の国際的な適正利用といったことがあります。それと、生物多様性国際戦略の見直し、国立公園制度の総点検と改革、あるいは緑の街づくりといった環境と調和した都市政策、例えばヒートアイランド対策やクールシティーなどいろいろあります。アジアとの関係で言えば、漂流・漂着ゴミといった国境を越えた汚染への取組なども課題です。

(問) 環境立国戦略はだいたいいつ頃までに策定する予定なのでしょうか。

(答) 今先ほど受けた話ですので、まだわかりませんが、やはり政策展開として言えば、新年度には整理された形で、新年度政策として進めるという段取りにしなくてはいけないのではないかと思います。

(問)そうなると本年度中にもということでしょうか。

(答)そうですね。そういう意味では本年度中にでも筋書きは決めていかなくてはいけないと思います。

(問) 現行の環境基本計画や京都議定書目標達成計画とはどのようなすみ分けをしていくのでしょうか。

(答)そうしたことも含めて、総合的な環境政策の取りまとめの推進体制を作って推進することを前提にします。問題として言えば、先ほど申し上げたとおり、いろいろな日程が詰まってきますが、温暖化対策を日本としてどう取り組むかということが核になると思います。

(問) どちらかというと国際戦略が中心になるのでしょうか。

(答) 環境立国戦略という言葉の響きからすると、国際的にアピールしていかなくてはいけないということはあると思います。そうは思いますが、まさに美しい国づくりですので、自然環境の保全、大気、水、土壌、廃棄物の抑制・適正処理、というようなこと全体を含むわけです。

(問) 今の環境施策を総合したものと感じられるのですが、何か新しい柱はあるのでしょうか。

(答) それは今お話したようなことです。すべて新しいといえば新しいものだと思っています。目先を変えて何かをやるというより、これまで提起してきた問題について、大きな課題でそれぞれバリアもあるので、それらをきちんと乗り越えていくような調整を行い、行程表を作って進めていくということになるのでしょう。ただ、スケジュール的に決まっているのは国際関係で、3月に環境大臣会合があり、それからG8があり、その後アメリカも入っての20ヵ国の気候変動対話があります。この対話が大きな勝負だと思っています。

(問) 立国、ということで言うと、今後の日本のビジネスをどう変えていくかというような視点でのお話はなかったのでしょうか。

(答) そこまで話はしていませんが、やはり、イノベーションというのは単なる技術だけでなく、その技術を核とした体制整備ですので、そういう意味で新しい経済の成長戦略の中で環境技術というものは注目されており、環境技術を核にして経済成長の牽引車にしていくという意識はあります。経済産業省や国土交通省、バイオの関係で農林水産省などに環境省がそうした問題を投げかけてパッケージにしていかなくてはいけないと思います。

(問) そうしたものも含まれているということでしょうか。

(答) これから考えますが、立国ということですから、国全体の取りまとめとしての環境政策ということになると思います。

(問) 戦略のまとめ方ですが、環境省が中心になってまとめるのか、あるいは省庁横断的に、新しい戦略をまとめるための検討会を立ち上げるのか、どのような手法で行うのでしょうか。

(答) 何をするかという事前の整理をしてから、どのような推進体制が必要かを検討した方が実りがあるのではないかと私は思います。体制先行型で、体制を打ち出してから、何をやろうかとみんなが持ち寄ってくるというよりも、環境省内でいろいろと詰めて、枠組みのようなものをイメージした上で、これについて進めるに当たり他省庁との公的な連絡調整機関が必要だということになればそうしていきますし、既存のものでやっていけるということであれば、既存のものでやっていけば良いと私は思っています。

(問) 総理はEUや東アジアでどのような要請を受けたのでしょうか。

(答) 鈴木官房副長官のプレス・ブリーフなど、その時その時で報告はもらっており、どんなことであったかという話は承知していますが、詳しい内容については聞いていません。

(問) 今回の環境立国戦略は総理の施政方針演説に盛り込まれるのでしょうか。

(答) わかりませんが、時期が時期ですので、そういう意図を持っておられるかもしれません。私にこうした指示を出して、私とのやりとりを踏まえて、どのような形かはわかりませんが、施政方針演説の中で打って出るということは十分あり得ると思います。ただ、そのような打ち合わせはしていません。
 それから、私の方から総理に、ブッシュ米大統領の一般教書演説に地球温暖化問題が盛り込まれそうだという外電、その他の情報があるということは伝えておきました。これが明らかになるのは明日24日午前です。下院議長は、地球温暖化防止とエネルギーに関する特別委員会を設置することを決めたようです。上院もそうした動きをしている可能性もありますし、地球温暖化に関連し、既にもう何本かの法案が出ており、相当注目されると思います。アメリカも中間選挙を経て、国民の意向、ニーズを受け止めていこうという姿勢になってきているというような報道ぶりです。

(問) 鳥インフルエンザ発生の野鳥調査についてですが、フンや血液の採取などをされるのだと思いますが、3年前は人員を増やして行っていたかと思うのですが、今回の体制はどのようになるのでしょうか。

(答) 今の状態のままであれば、現在の体制でできると思っています。フンや血液の調査などから、感染が発見されたら大変です。そうすると、渡り鳥などを通じて拡散していくおそれがあるので、その際の対応は改めて取り組みます。そうした場合はどうしたら良いかと内部の検討はしておく必要があると思います。

(問) 宮崎県知事選の結果について、夏の参院選に与える影響について感想があればお願いします。

(答) 宮崎県知事選のことは詳しく知りませんが、知事が談合あるいは入札への関わりで逮捕されるというような、県民にとってみれば誠に大変な事件があっての選挙であり、異様な状況だったと思いますので、一般化されることはないと思いますが、こうした新しい宮崎県を作るという出直しの選挙にあたって、官僚出身の2候補がお互いに足を引っ張り合ったところがあったのではないでしょうか。だから、もう一方の候補が期待できるという期待感が強かったのではないでしょうか。出口調査の結果を新聞で見る限りでは、自民党の支持層の3分の1ぐらいが、東候補に行っています。保守系の官僚出身候補2人が宮崎県特有の背景の下に争っていることに嫌気をさしたということもあるかもしれません。ただ、一般的ではないと思います。

(以上)

▲Page Top