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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成18年12月18日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件2件、国会提出案件1件、政令6件、配布1件でした。
 政令6件のうち2件が環境省案件で、一つは「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令の一部を改正する政令」です。これは、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、京都メカニズムのCDMクレジットの関係で、割当量口座簿の記録事項、算定割当量の信託の記録手続、管理口座を開設する等に関する手数料の額を定めるものです。
 もう一つは、「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」で、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律の一部の施行期日を、平成19年3月1日とするものです。
 先週11日から12日にインドネシア・ジョグジャカルタにおいて、インドネシアの環境省、国際連合地域開発センターとともに、第2回アジアEST地域フォーラムを開催しました。ESTとは、Environmetally Sustainable Transportのことで、環境にやさしい交通という意味です。
 この会合には、日本を含め、ASEANを中心とした14ヵ国の環境及び交通担当の政府機関などが出席し、各国の環境と交通に関連する取組状況や先進事例の共有化を図り、環境と交通の推進に向けた方策について政策対話を行うことができたと思います。また、こうした国レベルの取組も重要ですが、都市レベルでも取組を強化することによる相乗効果も期待できることから、アジア開発銀行とも連携を図り、来年4月に京都でアジアの市長レベルの政策対話を行う構想についても議論が行われました。これについては、来年5月にアジア開発銀行の年次総会が京都で開かれるという機会もあり、アジアの各市長レベルの政策対話で環境と交通のテーマを議論するのは大変大事なことだと思いますので、環境省としても是非その実現に向け尽力していきたいと思います。
 私からは以上です。


2.質疑応答

質問
 アジアEST地域フォーラムの件ですが、環境と交通ということで、都市化された先進国ならともかく、インドネシアでどういうことが進められているのか、進行中のものがあるのか、などのお話をお聞かせください。

→資料は別途お配りしますが、いくつか議論と成果がありますので申し上げます。まず、14ヵ国それぞれの国から環境と交通の観点から参加取組事例の報告がいろいろとありました。また、国際連合地域開発センターから提言されたものですが、環境と交通に関する指標のようなものを作り、そうしたパフォーマンス指標を導入することによって、アジア地域全体として環境と交通の推進ができないかという議論がありました。また、先ほど申し上げました都市レベルでの政策対話も大事ですので、そうした会合を京都で行ってはどうかという議論が行われたといったところです。
 環境と交通の問題意識から始まり、実際に行われていることもそれぞれの地域で様々ですので詳細は省きますが、以上のような議論が行われました。

質問
 本日、読売新聞に出ていましたが、クマの捕獲のうちの9割が殺処分になっており、専門家等から保護の観点からするといかがなものかという意見が出ておりますが、それについてどうお考えになりますか。

→クマによる人身被害及び捕獲数については、明日、環境省としての数字を発表する予定です。読売新聞の記事は、読売新聞の独自調査の数字が出ていました。環境省も各都道府県からきちんとした数字をとっていますので、明日発表する予定です。

質問
 読売新聞の記事の趣旨は、殺処分している数が多いのではないか、クマも減ってきており、保護の観点からするとバランスが悪いのではないかということだと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

→例年に比べ、いわば一番多かった時の倍ぐらいの非常に大きな数字なものですから、いろいろな観点から考える必要があるのではないかと思います。環境省としても、例えば里地里山の在り方などを含め広い角度から考えていかなければならないという問題意識を持っています。先日、暫定版のクマ出没対応マニュアルを作成しましたが、年度内にはきちんと最終とりまとめを行い、対応マニュアルを作成する予定です。こうしたものを活かしながらクマ類の保護、管理につなげていきたいと思っています。
 また、今月7日から8日に長野県で、クマ類の出没に係る対応のあり方等緊急調査専門家会合で現地検討会を開催しました。リンゴ被害地の松川村や人身被害地の小谷村の現地視察、都道府県担当者との意見交換などを行い、今後どのように考えていくか、あるいはクマ被害に遭っている現場の声なども聞いてきていますので、こうしたことも含めて対応マニュアルを作成し、幅広い観点から考えていきたいと思っています。

質問
 殺処分が多いということに関してはどうお考えでしょうか。

→ケースバイケースで、いわゆる「学習放獣」ということで、一度捕まえて、人間の怖さを教えながらまた山に帰すことも地域によってはやっており、捕まえているものをすべて殺処分しているという訳ではありません。それぞれの地域で判断をしてやっているとは思います。生息数は多くても1万5千頭ぐらいと推測されており、それに対して出没している数があまりにも大きいので、資源保護という観点・問題意識は当然持っています。一方で被害の側面もあります。その両方のバランスをきちんとしていくことを考えていかなくてはいけないと思っています。

質問
 機関委任事務で、それぞれの自治体に任せる部分は多いと思いますが、トータルとして環境省が国としてできることは何かということになるかと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

→両面のバランスをどう図っていくかということで、資源保護も大事ですし、被害についてもやはりきちんと防がなくてはいけません。それらの面でどういうことを考えたら良いか、クマの適切な保護・管理について専門家会合の意見も聞きながら幅広い観点からマニュアルの取りまとめについて進め、年度内には作成したいと思います。


(了)

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