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環境省大臣記者会見・談話等

小池大臣記者会見録(平成18年9月1日)

1.発言要旨

 今日の閣議ですが、一般案件2件、政令2件、人事5件、報告1件、配布3件です。環境、沖縄・北方関係はありませんでした。
  失業率、有効求人倍率の報告がありましたが、8月29日の時点で出ていますので、数字は省略します。
  閣僚懇ではタウンミーティングの報告がありました。あと2回、全部で174回になるのでしょうか、この小泉内閣でやるというお話がありました。
  今日9月1日は防災の日ということで訓練がありました。また、郵政民営化の会議もありました。
  環境関連で、私から2点申し上げます。
  環境事務次官交代の発令を考えています。現次官の炭谷さんには勇退していただき、その後任に、現総合環境政策局長の田村義雄さんを内定しました。総合環境政策局長には、西尾哲茂現大臣官房長。その後任には小林光現地球環境局長。また、その後任には、現自然環境局長の南川さん。その後任は、チャタムハウス、王立国際問題研究所に派遣しております冨岡さんに帰国を願い、担当していただきます。
  局長級以外では、桜井官房審議官を大臣官房付として、イギリスのチャタムハウスに派遣。その後任として、現大臣官房総務課長の鷺坂さんに当たっていただきます。これらは9月5日付の閣議で了承の上、発令となります。
  もう一つは水俣関連です。仮称ですが、水俣病発生地域環境福祉推進室の設置についてです。
  具体的にはこれから熊本県、水俣市などの関係自治体と相談しますが、人を派遣していただき、環境省において水俣病発生地域環境福祉推進室、もう少し短くするならば「水俣環境福祉推進室」を創設したいと思います。環境省、県、市の職員が一緒になって検討し、血の通った対策を打ち出すための室とするものです。
  水俣病被害者の救済策と、水俣病発生地域の地域づくり対策は車で言うと両輪に当たると考えます。このうち、地域づくり対策とは、水俣病発生地域の再生融和、すなわちもやい直しと、水俣病被害者に関連する医療と地域福祉を連携させた取り組みを指します。これらを一層進めるため、県、それから地元市町と連携して取り組んでいくための室としたいと考えています。
  熊本県、水俣市からの人の派遣と、水俣病発生地域全体を当面の視野に入れています。今後の流れの中からしっかりとした地域づくり対策の検討を進めたいと考えています。
  それから、北方では、漁船拿捕の件ですが、まずは2人が戻ってきたことについては喜びたいと思いますが、まだ船長それから船体が戻ってきておりませんので、引き続き日本へ返すように、外交当局にはより一層の御努力をお願いしたいと思っております。

私からは以上です。


2.質疑応答

(問)自民党の総裁選についてお尋ねします。本日午後、安倍官房長官が正式に出馬表明をされ、いよいよポスト小泉をめぐる争いが本格化すると思います。この総裁選中で、小池大臣はどのような論戦を期待されておられるかお聞かせ下さい。

(答)国の形をどうしていくのかという、それぞれの明確なビジョンを伺いたいと思っています。私が残念に思っているのは、これまでのところ環境という柱を表に出しておられる方が少ないと感じられることです。
  昨日ある企業のパーティーに行きましたら、クールビズ度は0.01%ぐらいでした。それを見て思いましたが、企業にせよ、政府にせよ、やはりトップが範を示さないと、あとのみんなはできないんですよね、したいと思っていても。クールビズは一つのスタイルとしての地球温暖化対策であり、実質的な地球温暖化対策でもあります。ですから私は、環境に対して本当にしっかりと取り組んでくださる方を中心に考えていきたいと思っています。私はあまり派閥というものはよく知らないので、政策で決めていきたいと思っています。

(問)概算要求についてお尋ねします。自民党の総裁選後には新政権が発足するということで、昨日締め切られた概算要求は、小池大臣としては最後の予算要求になろうかと思われます。今回の要求に当たっての大臣の力点、ポイントを解説していただければと思います。

(答)まず環境の予算ですが、地球温暖化と循環型社会の構築という大きな2本柱、これを引き続き強力に進めていくということです。CO2という観点からは、脱、または低炭素社会をうたっている。そして原油価格が高騰しているという、ある意味での追い風もあります。例えば、バイオマスを中心として新しいエネルギーに代えていくなどです。
  それから、これからの世界との連携ですが、特にアジア、その他南太平洋など島嶼国、それからアラブなど中東といった地域とも国際連携を深めていける道筋を立てたと考えています。
  長く環境大臣を務めることができましたので、予算を組み、実施をし、そしてまた予算を組み、実施をしという流れの中で強弱をつけ、環境立国という大きな目標に向かっての予算組みができたのではと思っています。また、後任が来られましても、そういった方向がさらに強化されるように、なども考慮しながらつくったものです。
  それから、沖縄でございますけれども、これからの沖縄の振興、自立型経済の構築という大きなテーマもございます。この中で今回、前年度比では18.2%増ということにしておりますけれども、沖縄の中で特に今回力を入れましたのが、お医者さんの確保という、沖縄の皆さんの生活のニーズにきめ細やかに対応することでございます。それからIT産業、観光産業の振興、大学院大学の設立などもこれからますます重要な時期に入っていきます。さらに、美ら島ブランドによる離島の活性化等々、これらをしっかりと実施できるようにしたいと思います。また、北部振興策としても公共で50億、非公共で50億と、計100億を計上したところであります。前回の普天間に関する協議会などの動きについても、担当の記者の方はよく御承知だと思いますけれども、沖北につきましても、結果として、もう既に最長期間大臣をさせていただいておりますし、その意味では予算を組み、実行をし、そしてまた予算を組みという、大きな流れの中でしっかりと目配りをさせていただいたのではないかと思っております。
  それから、北方につきましても、これも大きな外交的な問題をさらに進めていただけるように、北方担当としても、そういったことを念頭に置きながら概算要求を組ませていただきました。それから元島民の方々が、高齢化が進んでいるということなども多々ございますので、後継者の対策推進事業費であるとか広報啓発などなど、これらの点についても盛り込んだところであります。

(問)本日午後に開かれる水俣病問題に係る懇談会についての質問です。この懇談会、5月26日の前回会合後、提言取りまとめ作業に入っており、内容をめぐる調整の難航から、本日まで正式会合が開けないという状態が続いていたと理解しておりますが、ほぼ3カ月ぶりに開かれる会合についての御所見、それから提言の今後の取り扱いについての御意向、その2点についてお願いします。

(答)有馬座長にも御苦労をおかけしましたが、委員の先生方の熱心な御討議を踏まえて、今日の午後、開かれます。私自身の任期もわずかの中で、なかなかまとまらないことについては、非常に気をもんだ部分もあります。水俣の問題、懇談会の最終提言をまとめて、卒業できるのかなと思っています。もちろん水俣の問題そのものには卒業式も入学式もありませんが、しかしながら私なりに、これからの道筋をつけていきたいと思っていますし、懇談会も見守っていきたいと思っています。

(問)懇談会には大臣は御出席されるのでしょうか。

(答)今日は残念ながら出席できません。

(問)この懇談会で出される提言の取り扱いに関して。後任の大臣に引き継ぐのでしょうか、それとも、その前に小池大臣としてある程度の意思や道筋等を示されるのでしょうか。

(答)最終提言を尊重しなければならないことは当然です。また、これは懇談会とは別の流れですが、懇談会から御提言いただいたことなどを実施する、ということも考えるならば、先ほど御紹介した、推進室の設置なども、提言が一つのベースとなって動いていくということになるのではないかと思いますし、それを想定しての話でもあります。

(問)水俣の地域環境福祉推進室ですが、いつ頃立ち上げるのですか。

(答)できるだけ早く立ち上げたいと思っています。

(問)県と市から人を派遣してもらうという話ですが、今までの水俣の関連からいくと、場面によっては必ずしも県と市の連携が十分にいかない場面もあったと思いますが、そういう意味で、人を派遣してもらうというのはどうでしょうか。

(答)県と市との連携がとれていないかどうかについては、私はよくわかりません。しかし、地域の連携、地域における血の通った水俣病対策を進めていく上で、むしろ推進室が一つの束ねになり、もしそういう差があるのであればそれを縮め、本当の意味での連携ができるような、そういう推進室になっていけば、大きな意味があるのではないかと思います。
  いずれにしましても、国、県、市それぞれがそれぞれの責任のもとにうまく連携していくことにより、大きな力が出てくるのではないでしょうか。

(問)水俣の推進室の人数、規模はどれぐらいを想定されていますか。

(答)必要な人数がそろえばと思います。人員もさることながら、やはり機能を重視していくべきだと思っています。まずは熊本県と水俣市からになると思います。それから、鹿児島や新潟、出水市であるとか、関連のあるところに声をかけ、そして対応をお願いをすることになろうかと思います。

(問)主に地域づくり対策の方を検討するのですか。

(答)そうです。地域における連携が進むような対策ということになります。文字どおりの推進をしていくということですね。

(問)救済策についてはいかがでしょうか。

(答)これについては、現在、与党PTでも出てきているわけで、それらを考慮しながらということになろうかと思います。

(問)環境保健部のもとに設置されるということですか。

(答)はい。

(問)室長は、環境省の方がなられるということでしょうか。

(答)そうです。

(問)県や市には一応打診はしてあるのでしょうか。

(答)それは来ていただければと思いますが、具体的なことはこれからです。

(問)なぜこの時期なのでしょうか。

(答)これ以上遅れるよりはいいでしょう。

(問)懇談会の提言を受けて、それでつくるということではないかと思うと、つながりが良いような感じがするのですが。

(答)懇談会の中に、そういった室をつくれというのが出てくるかどうかは、これはまだわかりません。進められることは進めていきたいと思っております。

(問)炭谷さんの勇退が内定した次官人事について。3年余りの異例の長さで次官をされましたが、大臣の信頼が大きかったからだと思います。その評価をお聞かせください。

(答)大変立派な次官ですので、私から評価をするのはいかがかと思いますが、非常にユニークな方だと思います。私もどちらかというとユニークな大臣だと思いますが、その私をしっかりと支えてくださったことが大きいと思います。
  御自分の土俵も持っておられますし、いろいろなところで力強くサポートしてくださり、あるときは大きなアドバイスをいただいたりということで、二人三脚でやらせていただいて、私自身良かったと思っています。
  新しい次官、そしてその他それぞれのポストについていただく方々には、環境省は人数の少ないところですが、これから一番希望のある、また期待されている役所だと思っておりますので、一丸となって進んでいただきたいと思います。私は、金融に力を入れたいと前々から申し上げていますが、環境税も含め、次期次官になられる予定の田村さんはそういったことが得意分野ですので、頑張っていただきたいと思っています。

(問)概算要求について。今回環境省も含め、他の省庁もバイオ燃料にかなり力を入れています。今バイオ燃料を進める意義やポイントについて、意見を伺いたいと思います。

(答)2008年から京都議定書の第一約束期間が始まり、あらゆる施策を加速度的にやっていかなければならない。と同時に、石油価格、原油価格が70ドル台を行ったり来たりと高騰したままである。価格競争力もできてきている。であるならば、次なるチャレンジという意味で、食料、農業、それからエネルギーという垣根を払い、バイオマスエネルギーが注目されてくるものではないだろうかと考え、今回の要求となりました。これから大きな芽となるよう、今回の予算を効率よく生かしていきたいと考えています。

(問)8月29日に普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会が開かれました。関係閣僚、県、北部と全員が出席する中で始まったわけですけれども、それに対する評価からお願いします。

(答)今回、協議会が発足した、それも関係者がそろって発足したということは、まずは第一歩かと思っております。御承知のように、1時間遅れではありましたけれども、むしろいろいろな問題、課題などもそこでクリアにすることによってスタートできたことが、一つの大きな成果ではなかったかと思っております。
  私としては、今後の北部振興事業については、普天間飛行場の移設にかかる協議が円滑に進む状況の下、政府として真摯に受けとめて、着実に実行する方向で対応してまいるという旨を申し上げたわけで、これは正に政府としての取組のことを申し上げているわけですから、以前に沖縄からは様々な心配なども表明されておりましたけれども、これは政府としての言葉であると、重みを持って受けとめていただきたいと思っております。

(問)北部振興策は継続という認識でよろしいのでしょうか。

(答)これについては地元からのいろんな御要望があって、地域振興ということで、今回項目立てをしたわけであります。この地域振興の中でも北部の振興策について、地元の要望を酌んだ形で進めていくということになるかと思います。

(問)地元が北部振興事業の継続を要望しているということで、協議会の中ではそのような継続という形で進むということでしょうか。

(答)ですから、地元からの要望一つ一つの項目を進めていくということだと思います。

(問)「継続」という明言はされないのでしょうか。

(答)だから、前から言っていることをやるわけですからね。

(問)そういう認識でよろしいですか。

(答)ひょっとして、新しいものが出てくるかもしれませんね。

(問)「協議が進む状況の下」という条件は、逆に考えれば協議が進まなければ北部振興事業もストップするということなんでしょうか。

(答)まず、協議が円滑に進む状況の下というのは、それ以上のことでもありませんし、やはり協議が進むということは、普天間の移設の具体的な話が進んでいくということであるわけですから、その進捗状況を見つつ、そして北部振興という大きなポイントについても協議をしていくということになろうかと思います。

(問)次の協議会の見通しはいつ頃になりそうですか。

(答)今回1回目を開いたわけでありますけれども、いつ開くべきなのか、また開かなければならないのかということは、政府全体で検討していくことになろうと思っております。今この時点で、次は何日ですよということを申し上げる段階にはございません。

(問)次期政権後ということになるんでしょうか。

(答)どうでしょうか。これからの総合的な判断によるものと思います。

 最後に、エコトレ、皆さんどうぞ参加して自分が何位に位置するのか、どうぞそれぞれ各新聞社ごと、チームで参加していただいたりするのもいいかなと思っていますので―。よろしくお願いします。


(以 上)