本文へジャンプ

環境省大臣記者会見・談話等

小池大臣記者会見録(平成18年8月25日)

1.発言要旨

 今日の閣議は、一般案件3、政令6、人事5、配布1、環境、沖縄・北方関係はありませんでした。
 閣議では、戦略外交の一環で、私を含め各大臣海外へ行って参りましたので、それぞれ報告がありました。
閣僚懇では、最近科学オリンピックで日本の高校生がとてもいい成績を修めているので、何かもっと支援をしていく方法はないのかという話がありました。
 私の海外出張ですが、11日から16日まで、ツバルとフィジーに参りました。ツバルのトアファ首相、フィジーのガラセ首相とそれぞれ会談し、地球温暖化対策、漂着ゴミ問題などについて意見交換をすると同時に、ツバルは海水面の上昇が昨今特に激しくなっている島でありますので、実際にそれらを見て参りました。
 海は本当にすばらしかったのですが、ゴミはとても惨たんたる状況でした。数年前までは1カ月に1回、フィジーなどから船が来て、そこで15個のコンテナを置いていった。それで食料などを運んで来て生活していたそうです。しかし最近は、コンテナが40数個にふえたというんです。出と入りのバランスが変わってきている。行き場がないということで、結果としてゴミ貯めになるわけです。やはり、島というのは、ごみの問題を片付けていかなければならないと思いました。フィジーでは南太平洋大学に行きましたが、ここは南太平洋における環境研究のハブなんです。そこをコアとして、うまく連携がとれればいいと思いました。
 海水面の上昇について。ツバルの人々は、これからも島で生きていかなくてはいけないのですが、移住、移民の話が、もう現実のもの、日常の話題になっているんです。今のところ、ニュージーランドが年間75人まで、技能のある人だけは受け入れるという対応をとっています。
 我が国の対応ですが、私は留学生を受け入れたらどうだろうかと提案しています。ツバルからの留学生に、日本で様々なことを学んでもらうと同時に、ツバルという国がどんな問題を抱えているのか、留学生を通すことで、日本人にも身近にわかってもらえるのではないかと考え、先方と、官民、それぞれ力を合わせ、高校、大学レベルの留学生受け入れ体制を整え、その実現を図りたいと思います。
 それから、今回私はトランクの中に「マイまくら」とシーツを持っていきました。人数分持っていったのですが、現地に詳しい方から「まくらカバーを洗う水がないんだ」ということを聞いていので、マイまくらを持参しました。

 今回の外遊では、映像をしっかり撮ってきております。これからの環境省の広報のあり方として、動画とスチールを提供し、環境省の版権においてフリーで使えるようにしていきたいと思っています。皆さんにたくさんそれを使っていただき、記事を書く際、また番組をつくる際にどんどん生かしてもらいたいと思っています。チーム・マイナス6%のホームページでもアップしようと思っていますし、ライブラリー化できればいいなと考えています。これから画像と写真というビジュアルの提供に努めていきたいと思っています。
私からは以上です。


2.質疑応答

(問)先日の日経新聞に、タヒチ在住の直木賞作家が、飼い猫に子供が生まれたら、崖から落として殺しているということを書かれ、話題になっているのですが、動物愛護を管轄する環境省として、大臣の御所見をお伺いしたいのですが。

(答)環境省では、昔は野良猫と言われていたものを、地域猫として里親を見つけられる方針でやっていこうと検討しており、先だって発表させていただきました。

 その方にとっては、人工的に去勢などをする方がかわいそうだという観点に立っておられての行為だと思います。そういうお考えの方もいらっしゃるかもしれませんけれど、やはり動物愛護、人間との共生、地域での共生ということについて言うならば、殺すというのは、究極の形ではないのかなと、私は残念だなと思いました。

(問)昨日、沖縄県の副知事から、普天間飛行場の移設を話し合う協議機関参加に向けた環境整備として、北部振興策の継続をという要請もありましたが、大臣からは具体的なお話はあったんでしょうか。

(答)昨日、北部の市町村長の方々、それから県からは牧野副知事が、要請にいらっしゃいました。それぞれの御意見などを改めて伺ったところです。

 実は今日の閣議後、額賀長官とそういった点でいろいろとすり合わせや調整を行って、政府の方針として沖縄県の要望、北部地域の要望などを受け入れてもらうように、私から額賀長官にもお話をしたところです。それについては、やはりいろいろな知恵を出し合って、協議会を早期に立ち上げられるように、これからも政府全体として調整をしていきたいと思っております。

(問)県と北部の要請について額賀長官に報告した際に、額賀長官からはどういった発言があったんでしょうか。

(答)お互いに協議機関を立ち上げるに際しての考え方は、長官もよくわかっておられるので、あとは方法論といいましょうか、手順なども含めて、それこそ環境を整えられるように努力していきたいと思っています。

(問)協議機関の立ち上げをめぐっては、まず県が出したのは2条件で、ヘリポート案の協議と北部振興策の継続がされるのであれば参加するということでした。一方で、防衛庁はまずは参加してもらって、その中で議論していくということで、考え方の違いがあるようなんですが、内閣府としてはどうお考えでしょうか。

(答)そういった違いがあることもよく承知しておりますけれども、そこをお互いのテーブルにつきやすい環境に整えるのが今のこの時期だろうと思っておりますので、よく額賀長官とも連絡を取り合いながら、進めていきたいと思っています。

(問)県が言うように、まずは環境整備をして、2条件を確約したところで協議機関を設置するべきであるということでしょうか。

(答)どういう形がいいのかも含めて、調整していきたいと思います。

(問)北部振興策なんですけれども、 19 年度の概算要求には盛り込んだという話ですけれども、もともとの 21 年度までの要求というのは、どうお考えになっておられるんでしょうか。

(答)基本的には、北部振興策というのはこれまでも続けてきたわけでありますし、今後とも、例えば地域において、まだ計画案などで明確なものは聞いておりませんけれども、準備が現実に始まるわけですよね。ということは、やはり北部側にとってみれば、それは正にこれまでの延長と同じ形であるわけで、あと2年、今 19 年度をやっているわけですけれども、 20 年度、 21 年度の予算がしっかり確保できるように、我々はしていきたいと思っておりますし、またそれをどのような形で担保するのかということは、知恵の絞りどころではないかと思います。

(問)その辺りも額賀長官と調整するということですか。

(答)そういうことですね。というよりも、これは政府全体の問題でありますので、そういった意味でも協議機関が必要ではないかという考えに立っております。

(問)協議会の日程について、先ほど額賀長官がお出でになるときに、 29 日の方向というような話が出たんですけれども。

(答) 29 日の方向ではありますけれども、環境整備が実際どこまでかかるのかということは現実問題としてあるわけですので、 29 日ということを念頭に置きつつ環境整備に努めていきたいと思っています。

(問)政府は、現在の北部振興策の継続には消極的なようなんですが、内閣府の見解はどうなんでしょうか。

(答)内閣府は、沖縄における均衡ある発展は当然のことと認識しておりますし、これからも北部振興策も多々あるわけですので、それを継続していくことについては、全くやぶさかではありません。

(問)必要性はあると思っていらっしゃるということですね。

(答)当然のことです。

(以 上)