環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成18年3月14日)

1.発言要旨
  本日の閣議ですが、一般案件が1件、国会提出案件が8件、政令が10件、配布が1件、環境、沖縄・北方それぞれの関連のものはございませんでした。
  閣議では、農林水産大臣、経済産業大臣から、WTO関係の出張の報告がありました。
閣僚懇では、少子化対策の関係会議を開くという話が官房長官からありました。厚生労働大臣からは、パラリンピックで日本勢が非常に頑張っているということ、また、国土交通大臣から、国土交通省の職員の方も、大回転に出るとの御披露がありました。
  二階経済産業大臣から、PSE法の対応ということで、例えば検査をする機器の貸し出しであるとか、電気保安協会などを通じて、PSEの承認を受けやすくするとか、さまざまな工夫をするという話がありました。ビンテージものについても特別な扱いをしていくということで、対応方針を固められたということです。そういった対応をしつつ、法律の施行は、4月1日から変わらずということで、環境省とも連携してやっていくということでした。
  私からは、その点について発言はしておりません。特に中小零細のリサイクル業者に対しての対応ということでした。リサイクルというのはもう定着していますが、正確にはリユースなのではないかと思ったりもします。この法の施行まで5年の猶予期間があって、物品によっては、7年とか10年の猶予期間が設けてありますが、この5年間で、リサイクルに対しての社会の意識も随分高まったことも背景にあるのではないかと思っています。
  いずれにしても、経産省と私どもとすれば、大切なものが有効に使えるように、またPSEのマークを確実につけやすくするための工夫がされることで、消費者に対しては安全が守られることが進めばよろしいのではないかと思っています。引き続き経産省などと連携して、この課題に対応していきたいと思います。
  私から、1点報告があります。かねてから金融と環境ということで、SRIについて検討し、これを含むCSRについては、専門家の方々に冊子の形で最終的なものを1年ほど前にまとめていただいきましたが、改めて、このSRI、社会的責任投資を広めていくため、今回、環境と金融に関する懇談会を立ち上げることといたしました。最近は、社会的責任投資、SRIとか、企業の社会的責任、CSRなどといった形で、環境配慮の取組や地域社会の貢献など、社会的な取組を考慮しての投資が着目されています。
  最近はライブドア絡みで、貯蓄から投資ということについて、いろいろな問題点も上がっておりますが、それはコンプライアンスの問題で、投資そのものについてはルールを守り、金融を通じて経済を活性化させていくのは当然の話だと思っています。そこで、このSRI、社会的責任投資を通じて、金融そのものをグリーン化していきたいと考えているわけです。
日本はわずかですが、エコファンドを進めているわけで、これをもっと拡大をするということです。それから、私は担当ではありませんが、猪口さんとうまく連携をとりたいと思っているのが、女性社員の再就職を積極的にやっているとか、子育てに対しての配慮をしているという企業の株をバスケットにして、少子高齢化対策ファンドや環境ファンドという形にして、なおかつ透明性を持たせるような形にすることです。今、個人資産は、1,400兆円あるわけで、日々ライブドア株で1円のもうけで売り抜けてやろうとか考える人もいれば、自分の持っている資産を、世の中を動かすために投資してみようという人もいるわけで、こうした流れ、チャネルをつくることによって、社会全体を変えることができるのではないかと思います。日本の持っている強みは、この金融資産を莫大に持っているということですので、これに正しい方向性を持たせていくことは、結果として環境を動かし、そして社会全体を動かせるのではないかと考えています。専門家の方々に集まっていただき、どのような形で信頼ある、そして実際に社会、世の中を動かせるようなファンドができるのか、そのルールは何かなど、話をまとめていただきたいと思っています。
 私からは以上ですが、アメリカはベースボールとフェアネスの国だと思っていましたが、どうやら違うようだと、非常に残念に思っているのを付け加えておきます。

2.質疑応答
(問)この懇談会は、いつごろまでに、どういう形で結果を出すのでしょうか。

(答)それぞれ専門の方々で、今申し上げたような私の課題をよく御理解いただける方々だと思いますので、そう長々とやる気はありません。その必要性もないと思っています。コンパクトに、明確なメッセージで、結果としてそれを行うのは、それぞれの業界なわけですから、いいメッセージが出せるようにしていきたいと思っています。

(問)昨日、地球温暖化対策推進本部幹事会がありました。政府の二酸化炭素排出削減に関して今月中にまとめるということですが、本当にできるのかという懐疑論が強いと思うのですが。

(答)会計課長の方々が官邸に集まるというのは初めてのようですが、やはり担当者そのものを集めているということと、例えば内閣官房は7倍に増えてしまい、これは衛星に関しての新たな建物が1個ドカンとできたということで、それぞれの理由はあるかと思いますが、一度こうやって集まって、共同体、共同意識で進めていく方向性を決めるということは重要だと思っています。何もしなければそのままですから、大きな意味があると思っていますし、またうまくいかなければ、コンプライアンスではありませんが、その後より大きな負荷がかかるという大変厳しい制度を設けたので、これがいいプレッシャーになってくれればと思っています。

(問)PSE関連で、これまでリサイクル業者とかユーザーの方から、周知もないし、このままではという話があった中での今回の対応策ですが、大臣は今回の対応策をお聞きになって、そういった声に関して十分な対応をとっているとお感じになりますか。

(答)5年間の猶予というのが微妙な形で、かえって忘れ去られてしまったということではないでしょうか。広報、周知徹底については問題があったからこそ、こういった話になったと思いますし、また、この5年間でリサイクルに対しての意識が大きく変わったことも、問題を大きくしたのだろうと思います。逆に言えば、問題意識が高まっているところに、今回の対応策が出されたわけですから、ある意味では、よく周知徹底されるのではないかと思っています。家電リサイクル法の見直しなども今後ありますし、これからも経産省とも連携をとりながら進めていきたいと思います。

(問)環境と金融に関する懇談会で環境を扱うということですが、先ほど大臣がおっしゃられたように、少子化対策についてもこの中で取り上げられるということなのでしょうか。

(答)いえ、環境と金融というセットで何ができるかを考えますが、それは何にも当てはまるということです。例えばファンドについて、一つのモデルケースとして、環境と金融で作っていけば、他のアジェンダにも当てはめられるということです。

(問)沖縄の大学院大学構想に関してなんですが、昨日、那覇市内で、尾身幸次元沖縄担当大臣が講演されまして、その中で、前回、ボード・オブ・ガバナーズが2009年の開学を目指しているのに対して、内閣府が2012年を大学院大学の開学の目途としていて、この両者が対立しているとおっしゃいました。その後、尾身さんが大学の開学を急ぐべきだというような主張をされました。こういった尾身さんが指摘されるような対立があるのかということと、大学の開学を急いでほしいという声に対してどのようにお答えになるのかという点についてお願いします。

(答)結論から申し上げると、対立はございません。大学の開学を急ぐべきだという、尾身先生の御意見だと思っております。ただ、急ぐことと、それから中身を質の高いものにするということと、これは両方を考えなければならないと思っています。今は、まずベースをつくり、そしてワークショップを重ねていくことで、世界最高水準という看板に偽りないような形で進むように、着実に、そしてスピーディーに進めていると思っております。

(以    上)