環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成18年1月27日)

1.発言要旨
  今日の閣議では、一般案件4件、国会提出案件1件、政令3件、配布1件で、環境、沖縄・北方関連はございません。
  閣議では、両陛下がシンガポール、タイに6月8日から訪問なさることが決まり、それに対しての総理談話などがありました。
  そして、ゴラン高原のPKOを9月30日まで延長するということです。
  それから物価指数は、まだらです。東京でとるか全国でとるかによって一進一退ということですが、改善の兆しが十分あると思っています。
  大臣の海外出張について報告がありました。この件で思うのですが、私、前に朝日の論壇に書いたことがあるのですが、大臣の海外出張は制約が多くて、日本のプレゼンスが低下しているということを言いました。今回は民主党の方も協力してくれているようで、今日も国会の予算委員会の最中に、中川、二階両大臣がWTOへ出発済みで、今晩には竹中大臣がダボスに0泊3日で行ってくるということです。このような会議に日本のプレゼンスを示すことは、必要なことだと思っています。その意味では、非常に流れがよくなってきたと思います。この関係で民主党の野田国対委員長にお礼を言ってきました。彼にもぜひ頼むよということを申し上げてきましたし、国会の実務的な改革が進むことはいいのではと思いますので、民主党の協力は大変いいことではないかなと思いました。
  それから、ゴラン高原関連ですが、今回ハマスが第一党になって、かたやイスラエルのシャロンさんの容態については、その後の報道もないぐらいです。パレスチナの方がこれまで、アラファト的な後継者が明確でないという中で、ハマスが第一党ということに、私は驚かなかったです。これからの状況について驚くようなことがまたあるのかなと、少し心配していますが、そういった空白から大きな変化、プラスの方向に変化が起こることを期待しています。
  以上です。



2.質疑応答

(問)昨日の予算委員会で、小泉首相がアスベスト関係で、危険性について科学的な予知ができなかったという批判があれば受けとめて、改善すべき点があれば改善したいというような発言がありましたが、環境省としては具体的にどういった改善点が問題だとお考えですか。

(答)今回、そういった改善というのを含めて、この新法をまとめて出すわけですから、まさにそのものが改善ということです。

 それから、科学的知見が足りなかったことについて、私は最初にこの問題が出てきて、省内の検証をやりました。かなりあちこちひっくり返しましたので、そのままだと思います。例えば、海外の文献などを読み込んで、そのたびにモニタリングなどを重ねてきています。ですから、それぞれのポイントでやることは確かにやっていますが、結果として遅れたということだと思います。そういった意味を含めて、今回の新法の制度設計のときに盛り込めたと考えています。

(問)新法ですが、5年以内に見直すという規定になっていますが、この新法は恐らく通るんじゃないかと思います。そうすると見直しが重要になってくると思うんですが、法令を通したものを見直すということに対する姿勢はどうですか。

(答)そのように盛り込むわけですから、見直しについては柔軟に行っていくということになろうかと思います。何しろ、全くの新法であるということと、このような形での救済策というのは初めてのことです。それから、石綿による被害が実際に病気としてわかってくる例は、これから増えるわけです。ですから、これからの状況を見ながら必要な見直しを行っていくということだと思います。全く初めての措置ですので、今後の施行状況を見ながら進めていくのは、私は当然だと思っています。

 見直しというのは、与野党の協議の中で、最後に附帯決議などで盛り込むことがありますけれども、そういう見直しではなくて、状況を見て変えていかなければならないことも出てくる可能性もあるということを、ある意味では最初から、ある種の予見を持って、今回の見直し規定を設けました。

 これまで法律や法案を出して、そしていろいろな成立に至る過程において見直し規定を盛り込むことはしばしばありますが、その見直しとは、基本的なスタンスが違う見直しだと考えております。

(問)附帯決議などは必要ないということですか。

(答)それは、基本的に院や各政党の方でなさることですから、見守りたいと思います。

(問)今の発言からすると、5年より前倒しで見直すことも、状況によってはあり得るということですか。

(答)5年以内ということです。

(問)一昨日、水俣市民の方々が、現地に産業廃棄物処理場の計画があるということで大臣に要望に来られましたけれども、法律関係で言えば、環境省と民間事業者との間に何の権利義務関係も発生しない話だと思うのですが、基本的に大臣としてどのように思われますか。

(答)ごみの問題は地域によって処理を進めていくという大きな仕分けからしますと、これは県知事の設置許可によるものですから、最終的には知事の判断だと思います。

 また、これはまさに自分の裏庭はやめてねという、ありがちなことですが、そこは地域の方々が最終的に進めてこられたわけですし、関係住民の意見も聞きながら、環境影響評価と廃棄物処理法の必要な手続きによって、生活環境の保全をしながら適正な対応を進めるということを望んでいます。

(問)ただ、水俣が背負った地域の特殊性というか、定めみたいなものがあると思うんですが、それにかんがみてもお答えは同じですか。

(答)そうです。ごみはどこにでも発生しますし、処理もしなければならないということだと思いますので、そこへ決まった経緯などについての詳細は承知しませんけれども、しかし、一旦、そこで設置許可を求めておられるということですから、県知事が適正な判断をされると思います。これは水俣でなくても同じことだと思います。

(問)カナダで政権交代があり、新しい首相が京都議定書に批判的な立場をとっていると報道されていますが、今回の新政権に対して期待なさっていることはありますか。

(答)モントリオールで、前のディオン環境大臣や政権の方々とも接点がございましたけれども、結果として政権交代、親米路線で行くということだと思います。しかし、決して国民は地球温暖化に対して背を向けるということではないと思っています。

 これまでの全体的な判断で、カナダ国民は今回の政権を選ばれたと思いますので、カナダがこれから、わざわざ既に京都議定書がある中から抜けていくということは、良しとされないのではないかというように判断したいと思います。

 カナダというのは、環境問題について、これまでも世界をリードするような立場にいらしたので、その地位を捨てることはないだろうと思います。

(問)先ほどの水俣の関係で、市民の皆さんが求めている、大臣が何とか働きかけということに対して、それは大臣としてはどうですか。

(答)地元のご判断を尊重したいと思います。

(問)尊重するということですね。

(答)そうです。

 

(以    上)