環境省大臣記者会見・談話等


京都議定書の発効は人類にとって大きな一歩(平成17年2月16日)

  本日、2月16日は、私たち地球に暮らすものにとって、輝かしい一日となりました。京都議定書の発効です。人類共通の問題である地球温暖化問題に対して、新たな挑戦をスタートさせるのです。

このまま温室効果ガスの排出が続けば、地球の温暖化により、私たちの将来の世代、あるいは後発開発途上国や小島嶼国の人々などがより大きな影響を受けます。
この問題の大きさと困難さから考えれば、京都議定書の発効は小さな一歩にすぎないかもしれません。しかし、この歩みは人類初の月面着陸に例えられるでしょう。今日の一歩は小さくても、「人類にとっては大きな一歩」だと。私たちは、脱温暖化社会の構築に向けた航海に、今日、旅立ったのです。

 まずは、日本の古都「京都」の名を冠したこの国際約束を、私たち自身が誠実に守っていく必要があります。そのため、あらゆる対策・施策を総動員して、「京都議定書目標達成計画」の策定に向け、小泉総理を先頭に、今まさに取り組んでいるところです。また、約束の達成には、幅広い国民の皆様の御理解と御協力が不可欠です。私も、皆様と一体となって国民運動を展開し、全力をもって約束達成にあたる覚悟です。
 そして、京都議定書をまだ批准していない国に、批准を呼びかけていくことも重要です。地球規模での対策を実現していくためには、各国の努力のみならず、世界全体が一致協力して更に取組を進めていくことが不可欠です。
地球温暖化を食い止めるためには、早期に世界全体の温室効果ガスの排出量を増加傾向から減少基調に転換し、更には現在のレベルの半分以下に減少させ、その状態を継続していく必要があります。このため、我が国としては、先進国だけでなく、今後排出量の著しい増加が見込まれる途上国との対話も更に進め、また、2013年以降の枠組みに関する国際交渉においても、積極的にリーダーシップを発揮していきます。

 2月16日は、我が国のみならず、全世界にとって、地球温暖化対策の重要な節目の日となりました。今年は、京都議定書が採択された地である京都において、京都議定書発効記念行事を行います。
来年以降も、内外の関係者とともに、京都議定書の意義・地球温暖化対策の重要性を訴え、地球温暖化対策への思いを新たにするきっかけとしてまいりたいと考えております。

 地球温暖化問題への挑戦はまだ始まったばかりですが、残された時間はそう多くはありません。地球人類の叡智を結集し、この問題に真摯に、そして積極的に取り組み、未来に向けて美しく豊かな地球を守っていくことが、私たちに課された使命なのです。
 この大きな挑戦に向けて国民の皆様方の御理解と御協力をお願いします。